Coolier - 新生・東方創想話ジェネリック

忘れたい思い出

2008/06/11 16:50:46
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■忘れたい思い出
  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄




 あれから、どれだけの月日が流れたかしら。
 彼は、今何しているのかな・・・。





 ダメよ・・・。
 もう、忘れないといけない。
 彼と出合って、楽しかったあの日々を。
 真っ白い、紙の様に忘れたい。





 その瞬間は、二日に及んだ。
 つまり、私と彼が一緒に居た時間。
 彼は、正直に言うと「馬鹿」だ。
 私がいくら危険だと注意しても、


 「ただの幸せには興味ないよ」


 って言う始末。
 何事もない幸せこそ、本当の幸せなのに・・・。
 どうして人間は、その中で苦しみや痛みを知ろうとするの?
 でも、そんな彼に私は惹かれていた。





 けど、それは許されなかった。
 私は神、人間と共にいる事自体許される行為ではなかった。
 罪なる意識を持って、私は別れを告ぎに、最後の日、二日目に彼と逢った。





 彼に、事の重大さを教えた。
 そして、私が神である事も、忌々しい力を持っている事も。
 けど。





 彼は笑った。

 私は怒った。





 笑い事じゃあ、ないんだよ!?
 あなたが良くても、私にとって、いつあなたを失ってしまうか・・・っ。





 内に秘めた密かな想いが、つい感情的に出てしまった。
 でも・・・。





 彼は、私を抱きしめてくれた。
 そっと、耳元で囁いた。


 「俺、雛の事忘れないし、諦めないからな。覚悟、しとけよ?」


 その言葉に、思わず涙を流してしまった。
 一雫、又一雫、とても暖かい涙を。





 そして、私は彼の元から去った。
 彼は手を大きく振ってくれた。
 私はそんな彼を・・・見る事は出来なかった。





 二日間、私はまるで夢を見ていた感じだった。
 時間が過ぎ去ると、なんだったのであろうか、と。
 余りにも突然で、余りにも虚しくて。
 風が通るような、開きっぱなしの心の窓は、いつ閉じるのか。





 でも、時々彼の事を思い出してしまう。
 忘れないといけない。
 けど忘れられない。





 どうして?

 私は。

 彼に・・・。





 逢いたい。
 もう一度、彼に逢いたい。
 罪な事は重々承知している・・・。
 私はあの後、厳罰を受けたのも又事実。





 それでも尚、私は・・・。

 足が動いた。





 次は無い、そう感じた私に、最早止めれる人はいなかった。
 けど、彼の居場所なんて知らない。
 遥前に、私が去ったあの場所に。
 勢い良く、向かって行く。





 彼に逢いたい、ただその一心で。
 向かって行った。





 意は、居ないと思っていた。
 本当なら、私以外の女性(ヒト)を好きになって、幸せになって欲しい。
 けど、あなたがあんな言葉を残したら・・・・・・。





 私が去った時は、未だ小さな木だった。
 けど、私が再び下りる時には、とても立派な木になっていた。
 辺りを見回しても、居なかった。





 そうだよね・・・何夢を見ていたのか。
 解っていた。解りきっていた。
 それでも、それでも私は・・・。





 又、泣いてしまった。
 人の事で涙を流したのは、これで二回目だった。
 いえ、生まれて来て、泣いたのがこれで二回目。
 それも、彼の事で・・・。





 風が勢い良く吹いた。
 木々が揺れ、私の髪が大きく靡いた。
 前が髪で見えなくなったので、整えた。
 そして、何もない前を見て、立ち上がろうとした。





 ・・・。





 どうして。
 どうして。
 どう・・・して?





 なんで・・・居るのよ・・・。


 「やっぱ、戻って来てくれたんだね」


 ゆっくりと、こっちに向かって歩いて来た。
 来て欲しくない。でも、でも。


 「お帰り、雛」

 「ただいま・・・」


 私は彼に抱きついた。
 二人っきりの時間が、又増えた。
 これは普通じゃない、余りにも罪。
 けど、彼が言った本当の幸せが、ちょっとだけ解ったかもしれない・・・。





 罪を犯してまで、逢いたい彼(ヒト)がいる。





 これが、本当の幸せなのかな・・・。





 End
初投稿になります。大阪と言います。

音楽を聴いている時に、ふとその音楽に合いそうなネタが浮かんで、
早速書いてしました。

稚拙な小説ですが、最後まで読んでいただき有難う御座いますっ。
ちょっと改行のし過ぎかな・・・?読み難かったらごめんなさい!
大阪
コメント



1.道端から覗く程度の能力削除
確か初音ミクが歌ってたアレンジ曲がこんな歌詞だったような・・・私も好きなんですよ、あの歌。