それは神社の宴会の時、秋姉妹が靈夢に聞いてしまった。
曰わく「ちゃんとお仕事しているの?」と
靈夢は、じゃあ一番最近の話をするわよと語りはじめた。
ここで靈夢が語る話を詳細には書かない、筋としては母娘と、その父(爺)が村はずれの細道で妖怪に襲われ、父が孫と娘を置いて逃げたということだ。
夫は義父を散々責め、すでに良心の呵責があったが娘婿より立場が上と思いこんでいた爺が逆ギレ。しかし若くて怒れる娘婿に力で敵うはずも無く、肉親も家族も立場も周囲の信用も無くした爺は孤独のまま偏屈になり、なにもかもへの恨みは怨念に凝り固まり呪いとなっていった。
夫は危険だと埋葬もされなかった二人の死体…それは骨までしゃぶられ白骨化していたという…を近くの木の下に埋め、その木で首を吊り命を絶った。
屍体は吊されたまま妖に削がれ囓られほじくり返され細部は蠱に食われ、しばらくは標本のように吊るさって細道を行く人をうつろな目で眺めていたという。
爺は呪うことに生き甲斐を見いだそうとしていたが呪いの対象すら無くし、カラダは衰弱し亡くなったあとも村の各地や細道に出没し祟るマネを繰り返し続けた。
「でね、細道の墓に行ってみたのだけど、旦那は当然として奥さんとお嬢ちゃんは『まだ』居たのよ。しかも微笑んでいた。
たぶん残された人達が諍ったのも、旦那がわざわざここまで来て首を括ったのも、爺が過ごす永劫の苦悩も、祟りを振りまくような存在に成り下がったのも、奥さんとお嬢ちゃんの呪いでもあり、最後の願いであったのでしょうね」
さて、ここで三つ。
なぜ靈夢は「奥さんと娘の死体が骨までしゃぶられ白骨化していたのを知っているのか、埋めてしまったのだから埋めた旦那しか知らないハズである」
二つ目は「爺が『無念』で無く『怨念』で祟っていることを靈夢が知っているのはなぜなのだろうか、心の中など当人しか知る訳無い」
三つ目、そもそもこれは「靈夢は仕事をしているの」という話である。
「でね、手間掛けさせんじゃないわよって事で、父娘にはありがたい御札を100枚ずつ使って人の道を肉体言語で教えたあとに、軽~~ぅく夢想封印でまとめて小町に突き出しといたわ」
「あ、話は小町が関係者からたっぷり聴いてまとめたヤツだから、概ね正しいはずよ。業が深いから川を渡るのにエライ時間が掛かったと愚痴られたわ」
「その後は山田の説教がエンドレスで続いたハズよ。肉体言語で済ませる私は女神のように慈悲深いわよね。」
「幻想郷でここまで極まったのなんて滅多に無いから山田砂糖の説教も気合いが入ったと思うわ。それこそ地獄にとっとと行かせてくれと思うくらい。そう言えば魅魔には及ばないとか言っていたけど魅魔の事なにか知っているのかしら」
「あ、妖怪ならツブしておいたから道ならもう安全よ。どうやってって?むぅ~~覚えてないわ。で、そっちは地獄から鬼がお迎えに来たわ。西瓜乙」
「で、仕事としては祟りの封印料、実費で霊験あらたかな御札200枚分、妖怪退治とお払いはサービス。まぁ悪く無かったわね」
曰わく「ちゃんとお仕事しているの?」と
靈夢は、じゃあ一番最近の話をするわよと語りはじめた。
ここで靈夢が語る話を詳細には書かない、筋としては母娘と、その父(爺)が村はずれの細道で妖怪に襲われ、父が孫と娘を置いて逃げたということだ。
夫は義父を散々責め、すでに良心の呵責があったが娘婿より立場が上と思いこんでいた爺が逆ギレ。しかし若くて怒れる娘婿に力で敵うはずも無く、肉親も家族も立場も周囲の信用も無くした爺は孤独のまま偏屈になり、なにもかもへの恨みは怨念に凝り固まり呪いとなっていった。
夫は危険だと埋葬もされなかった二人の死体…それは骨までしゃぶられ白骨化していたという…を近くの木の下に埋め、その木で首を吊り命を絶った。
屍体は吊されたまま妖に削がれ囓られほじくり返され細部は蠱に食われ、しばらくは標本のように吊るさって細道を行く人をうつろな目で眺めていたという。
爺は呪うことに生き甲斐を見いだそうとしていたが呪いの対象すら無くし、カラダは衰弱し亡くなったあとも村の各地や細道に出没し祟るマネを繰り返し続けた。
「でね、細道の墓に行ってみたのだけど、旦那は当然として奥さんとお嬢ちゃんは『まだ』居たのよ。しかも微笑んでいた。
たぶん残された人達が諍ったのも、旦那がわざわざここまで来て首を括ったのも、爺が過ごす永劫の苦悩も、祟りを振りまくような存在に成り下がったのも、奥さんとお嬢ちゃんの呪いでもあり、最後の願いであったのでしょうね」
さて、ここで三つ。
なぜ靈夢は「奥さんと娘の死体が骨までしゃぶられ白骨化していたのを知っているのか、埋めてしまったのだから埋めた旦那しか知らないハズである」
二つ目は「爺が『無念』で無く『怨念』で祟っていることを靈夢が知っているのはなぜなのだろうか、心の中など当人しか知る訳無い」
三つ目、そもそもこれは「靈夢は仕事をしているの」という話である。
「でね、手間掛けさせんじゃないわよって事で、父娘にはありがたい御札を100枚ずつ使って人の道を肉体言語で教えたあとに、軽~~ぅく夢想封印でまとめて小町に突き出しといたわ」
「あ、話は小町が関係者からたっぷり聴いてまとめたヤツだから、概ね正しいはずよ。業が深いから川を渡るのにエライ時間が掛かったと愚痴られたわ」
「その後は山田の説教がエンドレスで続いたハズよ。肉体言語で済ませる私は女神のように慈悲深いわよね。」
「幻想郷でここまで極まったのなんて滅多に無いから山田砂糖の説教も気合いが入ったと思うわ。それこそ地獄にとっとと行かせてくれと思うくらい。そう言えば魅魔には及ばないとか言っていたけど魅魔の事なにか知っているのかしら」
「あ、妖怪ならツブしておいたから道ならもう安全よ。どうやってって?むぅ~~覚えてないわ。で、そっちは地獄から鬼がお迎えに来たわ。西瓜乙」
「で、仕事としては祟りの封印料、実費で霊験あらたかな御札200枚分、妖怪退治とお払いはサービス。まぁ悪く無かったわね」