「ええい、もう我慢ならん! 俺は幻想入りするぞ!」
昼飯のカップ麺をこぼしながら、俺は叫んだ。ディスプレイには潰したハエの死骸がくっついている。
チッ、またフリーズしやがった。クソ、うざいんだよ! ……強制終了、と。
あっ、ストーブが消えやがった。もう灯油はねえよ、畜生! 仕送りは使い果たしちまった。来月までクソ寒い東京をどうやって生き抜けってんだ!
邪魔だ、教科書。そこをどけ! 単位を落とさせたテメエの顔なんざ見たくねえんだよ! クソ、燃やして暖を取ろうか……。
「って、こんな現実もう嫌だ! 紫様、俺を幻想郷に連れて行け!」
なりふり構っていられるか。俺は椅子を蹴り飛ばして頭を下げた。
「何ようるさいわね……」
パカッとスキマが開いて、紫様がご登場なさる。
俺は深くひれ伏した。
「お紫様、お紫様! 俺を幻想入りさせてくれぇ!」
「別にいいけど、多分食べられちゃうんじゃない? ルーミアあたりに」
「食料上等! むしろ食われたい! ルーミアの栄養になりたい! 食べ残しをお燐に運ばれたい! お空に掴まれて灼熱地獄に投げ込まれたい! その熱で上にいるさとり様とこいしちゃんを暖め隊!」
フッ、俺はそんじょそこらの根性なしとは違って、身を捧げに幻想入りするんだよ……。見ててくれ、幻想郷のみんな。俺の名誉の死を!
「本当にいいのね?」
「構わん!」
「……分かったわ。このスキマにお入りなさい」
速攻ダイブ。ヘッ、ざまあみろ。これでクソみてえな現実とはおさらばだ! あばよ、社会の歯車共! フヘヘ……。
★
俺は走っていた。
それはもうとんでもない速さで逃げていた。
何からだと?
「俺はルーミアにムシャムシャ食われたいとは言ったが、そっちの武者武者じゃねえんだよおおおおおおおおおおおおお」
武士っぽい方々が手に刀を弓矢を持ち、俺を追いかけてくる。いや、正確に言うなら、俺が逃げている方向にいる、敵っぽい方々を追いかけているのであろうが、まあ俺にはどうでもよろしい事である。
挟まれた俺は逃げるしかない。
つうかなんで? なんで美少女ハーレムの幻想郷にこんなにたくさん武者がいるの? 人里か? それとも俺の知らない公式設定か? クソッ、だから原作は買うべきって言っただろ、過去の俺! おまけテキストは見とけってあれほど言ったのに!
まあいい、どうせ主人公補正で生き延びれる……ルーミアちゃんに会うまでは死ねないからな。グフフ。
「さあってと! どうせなら能力とかついてないかなー?」
手から火が出たりするんだろ? 試しに手を後ろにかざすと――
「え?」
胸に。
「あれ?」
胸に矢の羽が。
「あるええええええええええええええええええ!?」
刺さってた。
武者の一人が弓をこっちに向けていやがるのが見えた。
「いやこれはノーカ……」
やれやれ、俺は絶命した。
「あ、ヤッバ! あの男、幻想郷と間違えて平城京に送っちゃった! ま、いっか。テヘッ」
昼飯のカップ麺をこぼしながら、俺は叫んだ。ディスプレイには潰したハエの死骸がくっついている。
チッ、またフリーズしやがった。クソ、うざいんだよ! ……強制終了、と。
あっ、ストーブが消えやがった。もう灯油はねえよ、畜生! 仕送りは使い果たしちまった。来月までクソ寒い東京をどうやって生き抜けってんだ!
邪魔だ、教科書。そこをどけ! 単位を落とさせたテメエの顔なんざ見たくねえんだよ! クソ、燃やして暖を取ろうか……。
「って、こんな現実もう嫌だ! 紫様、俺を幻想郷に連れて行け!」
なりふり構っていられるか。俺は椅子を蹴り飛ばして頭を下げた。
「何ようるさいわね……」
パカッとスキマが開いて、紫様がご登場なさる。
俺は深くひれ伏した。
「お紫様、お紫様! 俺を幻想入りさせてくれぇ!」
「別にいいけど、多分食べられちゃうんじゃない? ルーミアあたりに」
「食料上等! むしろ食われたい! ルーミアの栄養になりたい! 食べ残しをお燐に運ばれたい! お空に掴まれて灼熱地獄に投げ込まれたい! その熱で上にいるさとり様とこいしちゃんを暖め隊!」
フッ、俺はそんじょそこらの根性なしとは違って、身を捧げに幻想入りするんだよ……。見ててくれ、幻想郷のみんな。俺の名誉の死を!
「本当にいいのね?」
「構わん!」
「……分かったわ。このスキマにお入りなさい」
速攻ダイブ。ヘッ、ざまあみろ。これでクソみてえな現実とはおさらばだ! あばよ、社会の歯車共! フヘヘ……。
★
俺は走っていた。
それはもうとんでもない速さで逃げていた。
何からだと?
「俺はルーミアにムシャムシャ食われたいとは言ったが、そっちの武者武者じゃねえんだよおおおおおおおおおおおおお」
武士っぽい方々が手に刀を弓矢を持ち、俺を追いかけてくる。いや、正確に言うなら、俺が逃げている方向にいる、敵っぽい方々を追いかけているのであろうが、まあ俺にはどうでもよろしい事である。
挟まれた俺は逃げるしかない。
つうかなんで? なんで美少女ハーレムの幻想郷にこんなにたくさん武者がいるの? 人里か? それとも俺の知らない公式設定か? クソッ、だから原作は買うべきって言っただろ、過去の俺! おまけテキストは見とけってあれほど言ったのに!
まあいい、どうせ主人公補正で生き延びれる……ルーミアちゃんに会うまでは死ねないからな。グフフ。
「さあってと! どうせなら能力とかついてないかなー?」
手から火が出たりするんだろ? 試しに手を後ろにかざすと――
「え?」
胸に。
「あれ?」
胸に矢の羽が。
「あるええええええええええええええええええ!?」
刺さってた。
武者の一人が弓をこっちに向けていやがるのが見えた。
「いやこれはノーカ……」
やれやれ、俺は絶命した。
「あ、ヤッバ! あの男、幻想郷と間違えて平城京に送っちゃった! ま、いっか。テヘッ」
紫GJ
ゆかりは
かわいい
な
いや、平城京オチってなんだそれww
「これは批判されるな」と思ってたらやられたwww
俺なんか最近石器時代に送られちゃってさぁ、
類人猿さんも見つけた俺を匿ってくれたんだけどご飯とか不味くてあんまり満喫出来なかったな。
良い国作ろう平城京。
完全にやられた コレ、もってきな
いやー 一本取られたけど清清しい!
>>11さん
コメントで自演はしていませんが、そう思われてしまったのは、つまりこのSSがつまらなかったからなのでしょう。次はぜひ11さんにも満足のいくものを書きたいと思いますので、どうかご容赦を。