「ピッ」
「ピピッ」
「会議中である! ソードブレイカーごっこはやめよ!」
第645回神霊廟定例会議…その会場である茶の間に、鋭い声が響いた。
具体的な内容については言及しかねるが、暇に任せてソードブレイカーごっこをしていた布都と屠自古は背筋を伸ばし、神子の方へと向き直った。
野暮用があって外出をした神子が、命蓮寺の境内で行われていた節分会を目撃したのが、ことの発端である。
曰く、和気藹々としており、和を以って貴しと為すウーマンを自称する神子が、聖人にあらざる対抗心…と、自分達もあわよくばああいう風にキャッキャしたい! という妄念を抱いてしまったがゆえの会議であった。
「つまり、神子さまもあのお寺みたく人気者になりたいってことでしょう?」
ジャスミンティーを淹れ、青娥が笑う。神子はにやりと笑って頷き、池田秀一の声真似で「青娥はかしこいな」と返した。
よい香りが茶の間に漂い、皆が思い思いに茶菓子をつまむ。
「左様…いかに私が完全無欠の完璧聖人(パーフェクト聖人。他にも悪魔聖人や残虐聖人などがいる)といえど俗っぽい気分にもなるし、聖人だってたまには褒められたい」
「ならば我等がいくらでも褒めましょう」
「ダマラッシェー! 無駄に長い付き合いが災いしてか、ユーらの褒め方のパターンはもう完全に記憶しているのです! そんなのでは満足できぬ身体にされてしまったのです…」
襟を開け、何故か熱っぽい目でアピールを始める聖人であったが、当然誰もがそれをスルーする。
「ではどうせよと」
「ユー達以外に褒められたい。聖徳太子(こやく)時代はそれこそもう神童だの、デビルイヤーは地獄耳だの、将来貨幣化待ったなしだの褒められてうんざりだし、ユー達は今言った通りテンプレ化したリスペクトしかしないしで」
「それは要するに信仰が欲しいということで、こんな声で罵られても已む無しになってしまいますが…ゴホン」
布都は咳払いを一つしたのち、榊原良子の声真似で「俗物が!」と叫んだ。こじらせたガノタにおいては「ハマーン様に罵倒されたい」という歪んだ願望を持ってしまった者も少なくないというが、生憎と神子はガノタではないので布都の顔面に杓を投げつけてにらみ付けた。
「誰が俗物か! 恥を知れ俗物! 信仰などという曖昧ミーマインかつ実体の無いものなどどうでもいいのです! とは言え待てよ、ムムム…上っ面だけのご利益を授ければ、信仰とあと地位と名誉と金と食料そしてリスペクティブが手に入るのでは?」
「カレーメシ1年分とか貰えたりしますかね」
「カレーメシ!」
うつ伏せになって機能停止していた芳香がゴバァと起き上がり、スプーンとエビアンを取り出してはフラフラと神子に迫る。
例のCMに完璧に打ちのめされた神霊廟の面々は、つい先日まで三食カレーメシの生活を二週間ほど続けており、そのせいか家の中はいまだにカレー臭が消えずにいた。
「芳香、ステイ。カレーメシはどうでもよいのです、まぁ纏めるとアレだ、信仰はあくまで二の次で…褒められたいので褒めろ俗物ども!」
「超ゴーマニズム宣言ですわ神子様…でもたまにはいいのではなくて?」
「青娥はかしこいな」
「ループしだした! 神子様! わかりました! では具体的にどうすればいいのかお答えください!」
「ふっふっふ…古来より信仰といえば偶像崇拝」
埒があかぬと踏んだ屠自古の問いに、神子はこれ以上無いくらいのドヤ顔でそう答える。
しかして偶像とはいかなる手段か? 首をかしげた屠自古を押しのけ、布都がテーブルに何かをゴトリと置いた。
「となれば我が用意しますはこのNZ-999 ネオジオング」
「で け ぇ! ってそうじゃない、ソレさんまんえん近くする奴じゃねーか! どっからその金出したテメー!」
「皿を売った」
「ああそう…売れるんだアレ…」
「屠自古の盗撮写真をつけたらそれはもう飛ぶようにの。黙ってれば可愛いオッパイちゃんだし」
その言葉を聞くや否や、屠自古の雷撃がネオジオングを粉々に打ち砕く。
「オァアアアアアアア!? いや、ちょ、とじ、屠自古お、おま、おまえーっ!!!」
布都の悲痛な叫びをよそに、屠自古は布都の帽子を奪い取り、中からいくつかのガンプラを取り出して丁寧に並べたのち、それらを順番に破壊していく。
さすがの布都も抵抗するが、口内やその他諸々の粘膜的な場所に指を突っ込まれ、直に電撃を受ければ、立っているのもままならない。
「アーーーーッ! アアーーーーーッ! やめやめろォ! バナナ味の説得はまだ済んでいねえんじゃよー!!」
「うるさいよお前、Gガンダム開始直前の特番でも見てろ…永遠にな」
「う、内山君とマイケル富岡のグワーッ!」
「お騒がせしました神子様、では続きをどうぞ」
「え、ええ。えーと何だっけ、偶像崇拝」
「Exactly(そのとおりでございます)」
転がりまわって泣き叫ぶ布都をスマキにし、屠自古は神子に頷いて見せた。げに恐ろしきは蘇我流喧嘩殺法である。
「古来より偶像がもてる」
「はい」
「仏像とはもともと自意識過剰なブッダが自らを象らせて作ったフィギュアであると聞く…トーテムポールやモアイなども日本から出でた仏フィギュアが海を越え、現地の原型師によって新たな解釈をされた結果生まれたものであり実際ブッダ」
「魔改造っていうのでしょう、知ってますわ」
「そして当の日本では何が残ったのか? それを追うことで偶像崇拝の何たるかを解き明かし、したためたのがこの一冊…ホビージャパン」
「ヤッターカッコイイー!」
「神子様も宗像教授みたいで素敵ですわ!」
投げやりな雰囲気を纏いつつも察知されぬ青娥と屠自古の手管は流石の一言であり、神子は上機嫌になって逆立った髪の毛をモシャリとなで上げた。
もうこうなれば飽きるまで止まらないのが神子である。神子はホビージャパンを傍らに置き、続いて一冊の冊子を取り出した。
「そしてこれだ…」
「ゲェーッ! それはプリキュアぴあ!」
「左様…古来より偶像がもてるのは先ほども言った通り…それに加えることのプリキュア! よいですか、プリキュアは女児にもてる」
「た、確かに…しかしついでに一部の成人男性にもモテるのでは」
「聖人男性? ふふン…屠自古よ、私を誰と心得る? ヘイズル国の天使とはこの聖徳太子のことではないか?」
「いや違うと思いますけどまぁ…いいです…」
「ヘイズル・アウスラの話してもいいのですか!?」
スマキの状態から足だけ出した布都が、ぴょこぴょこと跳ねながら神子の傍らに転がり込む。
こじらせたガノタでミノフスキー粒子の発見を日夜夢見る布都である、ちょっとでも関連した言葉が出れば即座に食いつくのだ。
「よくねぇよ黙ってろ」
「アッハイ」
「それで神子様、プリキュアで具体的にどうするのですか? プリティでキュアキュアでモッテモテですか?」
「その通り! 兵は拙速を貴ぶと言いますし、さし当たっては衣装を作っておきましたよ。聖人ならこの程度の奇蹟は容易いものです」
「どれどれ…」
そしてここ幻想郷に、新たなる希望が爆誕した。
「頂くは冠位十二階! 揮うは十六条の拳なり! 天平に舞う大いなる耳! キュアイヤー!」
「ヤマザキ春夏秋冬パン祭り! シールを集めてお皿をもらおう! キュアランチプレート!」
「いらない何も! 捨ててしまおう! 君を探し彷徨う怨霊! キュアファントム!」
「抜けるは人様の家の壁! プライバシーなど無視無視ムシムシ酔生夢死! キュアジャセン!」
「殴っても刺されても死なないタイプの頼もしき追加戦士…キュアキョンシー…」
『煌く中央集権! 行こうよ隋! キュァアアアアア~、アスカ!』
掛け声と共に五人がポーズを極めると、背後に仕込んだ爆薬が炸裂し、五色の煙を上げた。
出来た、出来まくった…神子はうっとりとしながら手にした杓(デコ仕様)を突き上げる。
「キュアアスカキテル…」
「早速人里へ?」
「左様。兵は拙速を貴ぶ…さっき私が残した名言ですね」
そう言うと神子はふわりと飛び上がり、人里の方角へと向き直る。
だが次の瞬間である。
神子の後頭部に、見覚えのある球体がめり込んだ。
球体はそのまま神子ごと地面に突き刺さり、そしてふわりと離れた。
「ゲェー! 貴様は紅白!」
「異変感知したから来てみれば…またあんたらか」
博麗霊夢、暴力の化身。災害が人の形を取ったもの、あるいは幻想郷の白血球とも言われるその巫女は、拳をベキベキと鳴らしながら一行に近づく。
接敵し無事に済む者などそうはいない。言い訳すら通じない。
そんな傲慢は幾らなんでも受け入れがたいのだろう。神子は聖人力(せいじんちから)を爆発させ頭を地面から引っこ抜き、霊夢へと詰め寄った。
「ウェウェウェウェイッ!(wait) ヘイユーレッド&ホワイッ! こちらの言い分だって多少は聞いてくれてもいいんじゃないですかァー!?」
「その衣装を着たまま死んで生まれ変わってサンバカーニバルに出たい…なるほど理解した」
「史上これほど傲慢な回答もあるまい!」
キュアアスカ全滅!(開始6分12秒)
こうして幻想郷の信仰及びパワーバランスは危ういながらも均衡を保つことに成功した。
「ぐッ…馬鹿な…何故…子供たちに愛と希望を与え見返りに賞賛と金と地位と名誉と食料を手に入れるはずのキュアアスカ製作委員会が…!」
「それは私たちがプリキュアでないからなのでは」
「なるほど」
解決した。
一方、命蓮寺。
「見て下さい皆さん! NZ-999 ネオジオング!」
「「「で け ぇ !」」」
「このサイコ後光を展開した雄姿…これはつまり実際ブッダなのでは?」
上気した顔で説明を始める寅丸。それを聞く皆も「言われてみれば…」といった風情で頷く。
そこからの話は早かった。
本堂に安置されたネオジオングはそれから暫くの間、信仰の対象として崇められたのだ。
ありがとうバンダイ。
「ピピッ」
「会議中である! ソードブレイカーごっこはやめよ!」
第645回神霊廟定例会議…その会場である茶の間に、鋭い声が響いた。
具体的な内容については言及しかねるが、暇に任せてソードブレイカーごっこをしていた布都と屠自古は背筋を伸ばし、神子の方へと向き直った。
野暮用があって外出をした神子が、命蓮寺の境内で行われていた節分会を目撃したのが、ことの発端である。
曰く、和気藹々としており、和を以って貴しと為すウーマンを自称する神子が、聖人にあらざる対抗心…と、自分達もあわよくばああいう風にキャッキャしたい! という妄念を抱いてしまったがゆえの会議であった。
「つまり、神子さまもあのお寺みたく人気者になりたいってことでしょう?」
ジャスミンティーを淹れ、青娥が笑う。神子はにやりと笑って頷き、池田秀一の声真似で「青娥はかしこいな」と返した。
よい香りが茶の間に漂い、皆が思い思いに茶菓子をつまむ。
「左様…いかに私が完全無欠の完璧聖人(パーフェクト聖人。他にも悪魔聖人や残虐聖人などがいる)といえど俗っぽい気分にもなるし、聖人だってたまには褒められたい」
「ならば我等がいくらでも褒めましょう」
「ダマラッシェー! 無駄に長い付き合いが災いしてか、ユーらの褒め方のパターンはもう完全に記憶しているのです! そんなのでは満足できぬ身体にされてしまったのです…」
襟を開け、何故か熱っぽい目でアピールを始める聖人であったが、当然誰もがそれをスルーする。
「ではどうせよと」
「ユー達以外に褒められたい。聖徳太子(こやく)時代はそれこそもう神童だの、デビルイヤーは地獄耳だの、将来貨幣化待ったなしだの褒められてうんざりだし、ユー達は今言った通りテンプレ化したリスペクトしかしないしで」
「それは要するに信仰が欲しいということで、こんな声で罵られても已む無しになってしまいますが…ゴホン」
布都は咳払いを一つしたのち、榊原良子の声真似で「俗物が!」と叫んだ。こじらせたガノタにおいては「ハマーン様に罵倒されたい」という歪んだ願望を持ってしまった者も少なくないというが、生憎と神子はガノタではないので布都の顔面に杓を投げつけてにらみ付けた。
「誰が俗物か! 恥を知れ俗物! 信仰などという曖昧ミーマインかつ実体の無いものなどどうでもいいのです! とは言え待てよ、ムムム…上っ面だけのご利益を授ければ、信仰とあと地位と名誉と金と食料そしてリスペクティブが手に入るのでは?」
「カレーメシ1年分とか貰えたりしますかね」
「カレーメシ!」
うつ伏せになって機能停止していた芳香がゴバァと起き上がり、スプーンとエビアンを取り出してはフラフラと神子に迫る。
例のCMに完璧に打ちのめされた神霊廟の面々は、つい先日まで三食カレーメシの生活を二週間ほど続けており、そのせいか家の中はいまだにカレー臭が消えずにいた。
「芳香、ステイ。カレーメシはどうでもよいのです、まぁ纏めるとアレだ、信仰はあくまで二の次で…褒められたいので褒めろ俗物ども!」
「超ゴーマニズム宣言ですわ神子様…でもたまにはいいのではなくて?」
「青娥はかしこいな」
「ループしだした! 神子様! わかりました! では具体的にどうすればいいのかお答えください!」
「ふっふっふ…古来より信仰といえば偶像崇拝」
埒があかぬと踏んだ屠自古の問いに、神子はこれ以上無いくらいのドヤ顔でそう答える。
しかして偶像とはいかなる手段か? 首をかしげた屠自古を押しのけ、布都がテーブルに何かをゴトリと置いた。
「となれば我が用意しますはこのNZ-999 ネオジオング」
「で け ぇ! ってそうじゃない、ソレさんまんえん近くする奴じゃねーか! どっからその金出したテメー!」
「皿を売った」
「ああそう…売れるんだアレ…」
「屠自古の盗撮写真をつけたらそれはもう飛ぶようにの。黙ってれば可愛いオッパイちゃんだし」
その言葉を聞くや否や、屠自古の雷撃がネオジオングを粉々に打ち砕く。
「オァアアアアアアア!? いや、ちょ、とじ、屠自古お、おま、おまえーっ!!!」
布都の悲痛な叫びをよそに、屠自古は布都の帽子を奪い取り、中からいくつかのガンプラを取り出して丁寧に並べたのち、それらを順番に破壊していく。
さすがの布都も抵抗するが、口内やその他諸々の粘膜的な場所に指を突っ込まれ、直に電撃を受ければ、立っているのもままならない。
「アーーーーッ! アアーーーーーッ! やめやめろォ! バナナ味の説得はまだ済んでいねえんじゃよー!!」
「うるさいよお前、Gガンダム開始直前の特番でも見てろ…永遠にな」
「う、内山君とマイケル富岡のグワーッ!」
「お騒がせしました神子様、では続きをどうぞ」
「え、ええ。えーと何だっけ、偶像崇拝」
「Exactly(そのとおりでございます)」
転がりまわって泣き叫ぶ布都をスマキにし、屠自古は神子に頷いて見せた。げに恐ろしきは蘇我流喧嘩殺法である。
「古来より偶像がもてる」
「はい」
「仏像とはもともと自意識過剰なブッダが自らを象らせて作ったフィギュアであると聞く…トーテムポールやモアイなども日本から出でた仏フィギュアが海を越え、現地の原型師によって新たな解釈をされた結果生まれたものであり実際ブッダ」
「魔改造っていうのでしょう、知ってますわ」
「そして当の日本では何が残ったのか? それを追うことで偶像崇拝の何たるかを解き明かし、したためたのがこの一冊…ホビージャパン」
「ヤッターカッコイイー!」
「神子様も宗像教授みたいで素敵ですわ!」
投げやりな雰囲気を纏いつつも察知されぬ青娥と屠自古の手管は流石の一言であり、神子は上機嫌になって逆立った髪の毛をモシャリとなで上げた。
もうこうなれば飽きるまで止まらないのが神子である。神子はホビージャパンを傍らに置き、続いて一冊の冊子を取り出した。
「そしてこれだ…」
「ゲェーッ! それはプリキュアぴあ!」
「左様…古来より偶像がもてるのは先ほども言った通り…それに加えることのプリキュア! よいですか、プリキュアは女児にもてる」
「た、確かに…しかしついでに一部の成人男性にもモテるのでは」
「聖人男性? ふふン…屠自古よ、私を誰と心得る? ヘイズル国の天使とはこの聖徳太子のことではないか?」
「いや違うと思いますけどまぁ…いいです…」
「ヘイズル・アウスラの話してもいいのですか!?」
スマキの状態から足だけ出した布都が、ぴょこぴょこと跳ねながら神子の傍らに転がり込む。
こじらせたガノタでミノフスキー粒子の発見を日夜夢見る布都である、ちょっとでも関連した言葉が出れば即座に食いつくのだ。
「よくねぇよ黙ってろ」
「アッハイ」
「それで神子様、プリキュアで具体的にどうするのですか? プリティでキュアキュアでモッテモテですか?」
「その通り! 兵は拙速を貴ぶと言いますし、さし当たっては衣装を作っておきましたよ。聖人ならこの程度の奇蹟は容易いものです」
「どれどれ…」
そしてここ幻想郷に、新たなる希望が爆誕した。
「頂くは冠位十二階! 揮うは十六条の拳なり! 天平に舞う大いなる耳! キュアイヤー!」
「ヤマザキ春夏秋冬パン祭り! シールを集めてお皿をもらおう! キュアランチプレート!」
「いらない何も! 捨ててしまおう! 君を探し彷徨う怨霊! キュアファントム!」
「抜けるは人様の家の壁! プライバシーなど無視無視ムシムシ酔生夢死! キュアジャセン!」
「殴っても刺されても死なないタイプの頼もしき追加戦士…キュアキョンシー…」
『煌く中央集権! 行こうよ隋! キュァアアアアア~、アスカ!』
掛け声と共に五人がポーズを極めると、背後に仕込んだ爆薬が炸裂し、五色の煙を上げた。
出来た、出来まくった…神子はうっとりとしながら手にした杓(デコ仕様)を突き上げる。
「キュアアスカキテル…」
「早速人里へ?」
「左様。兵は拙速を貴ぶ…さっき私が残した名言ですね」
そう言うと神子はふわりと飛び上がり、人里の方角へと向き直る。
だが次の瞬間である。
神子の後頭部に、見覚えのある球体がめり込んだ。
球体はそのまま神子ごと地面に突き刺さり、そしてふわりと離れた。
「ゲェー! 貴様は紅白!」
「異変感知したから来てみれば…またあんたらか」
博麗霊夢、暴力の化身。災害が人の形を取ったもの、あるいは幻想郷の白血球とも言われるその巫女は、拳をベキベキと鳴らしながら一行に近づく。
接敵し無事に済む者などそうはいない。言い訳すら通じない。
そんな傲慢は幾らなんでも受け入れがたいのだろう。神子は聖人力(せいじんちから)を爆発させ頭を地面から引っこ抜き、霊夢へと詰め寄った。
「ウェウェウェウェイッ!(wait) ヘイユーレッド&ホワイッ! こちらの言い分だって多少は聞いてくれてもいいんじゃないですかァー!?」
「その衣装を着たまま死んで生まれ変わってサンバカーニバルに出たい…なるほど理解した」
「史上これほど傲慢な回答もあるまい!」
キュアアスカ全滅!(開始6分12秒)
こうして幻想郷の信仰及びパワーバランスは危ういながらも均衡を保つことに成功した。
「ぐッ…馬鹿な…何故…子供たちに愛と希望を与え見返りに賞賛と金と地位と名誉と食料を手に入れるはずのキュアアスカ製作委員会が…!」
「それは私たちがプリキュアでないからなのでは」
「なるほど」
解決した。
一方、命蓮寺。
「見て下さい皆さん! NZ-999 ネオジオング!」
「「「で け ぇ !」」」
「このサイコ後光を展開した雄姿…これはつまり実際ブッダなのでは?」
上気した顔で説明を始める寅丸。それを聞く皆も「言われてみれば…」といった風情で頷く。
そこからの話は早かった。
本堂に安置されたネオジオングはそれから暫くの間、信仰の対象として崇められたのだ。
ありがとうバンダイ。
買ったんすね…ネオジオング…
相変わらずで安心した
相変わらずキレッキレでした。
それは置いといて相変わらずにぎやかで切れ味鋭いギャグの応酬で満足です!
黙ってれば可愛いオッパイちゃんの写真 僕も欲しいです