ぼくはいつもひとりだった。
いつのまにかどこかのはいおくにいて、いつのまにかそこでくらしていた。
しばらくぼくは、ひとりでくらしていた。
さいしょはさびしくなかったけど、どんどんさびしくなってきた。
だから、ぼくはひとがたくさんいるところに、おりていった。
むらのひとにあいさつしたら、くわでなぐられた。
(この化け物!村から出て行け!)
たくさんのひとに、なぐられ、けられ、きづけばぼくは、かわにうかんでいた。
なんとかきしにたどりついたが、もう、うごくだけのちからがでなかった。
あさになったら、うごけるようになっていた。
そこで、ぼくはばけものなんだなと、りかいした。
だからぼくは、ばけもののさとにむかうことにした。
さとのひとにあいさつをしたら、ようだんをうちこまれた。
(おまえなんかが来るところではない!去れ!)
なんどもなんどもうちこまれた。
きづけば、しらないもりのなかでたおれていた。
そして、いちにちねたら、またきずがなおっていた。
なんどひとのむらにいっても、なんどばけもののさとにいっても、ばくのいばしょはなかった。
そのうちぼくは、さびしさのあまり、しのうとかんがえた。
しかし、なんどやっても、しにきれなかった。
いつも、なにかしらのあくうんで、ぼくのいのちはたすかっていた。
あるひ、ぼくがまたじさつをしっぱいして、たすかっていたとき、だれかがはなしかけてきた。
「あなたは何をやっているのですか」
―しのうとしてました。
「見ればわかります、たとえどんな理由があろうとも、命を粗末にしてはなりませんと、言っているのですよ!」
―あまたがたすけてくれるんですか?
「いいえ、ただ貴方に一つ説教です」
―・・・・・・・
みどりのかみのおんなのひとは、いのちについてのはなしをはじめた。
ぼくはなんだかうれしくなった。
すぐそばに、ぼくについてひっしになってせっきょうしてくれるひとがいたから。
「だから、貴方ができる唯一の善行は、生きることです」
―・・・はい
「わかりましたか?ならば、今後少しでも善行を積んでいきなさい」
そして、おんなのひとははなれていきました。
ぼくはなきそうになりました。
―まってください!
「まだ何か用ですか?」
―ひとりにしないでください!
ぼくはさけびました。
「残念ですが、私には仕事があります」
そういって、おんなのひとははなれていきました。
ぼくはなきました。
でも、なみだはでませんでした。
ずっとむかしに、かれはててしまったからです。
ぼくはそのうち、なきつかれてねむってしまいました。
まわりには、すいてきひとつ、ついていませんでした。
めをさますと、いつのまにかどうくつのなかでねむっていました。
なぜだかぬのが、かけてありました。
そして、まくらもとには、いっぽんのぼうきれがおいてありました。
ぼうきれには・・・・
―あなたが善行をつめば、きっと未来があるでしょう。
ぼくはなきました。
かれはてていたなみだが、あふれだし、ぼうきれをぬらしました。
ぼくは、ひっしにいきぬこうとこころにちかいました。
「そういって、少年は頑張って生きましたとさ・・・めでたしめでたし」
森近霖之助はそう言って、本を閉じました。
「ふ~ん、その作り話、なかなかよかったぜ!香霖」
魔理沙は霖之助が持っていた本を、ひょいっと奪って、箒に乗り込んだ。
「だから香霖が作ったこの本、みんなに広めてくるぜ!」
そして魔理沙は、さっさと遠くの空へと飛び立っていった。
「やれやれ、最初に霊夢に見せに行く気か」
博麗神社に飛び立って行った、魔理沙を眺めながら、霖之助は呟いた。
「作り話じゃないんだけれどね・・・」
そういって、倉庫の奥底に眠っている棒切れを思い出しながら、小さく笑うのであった。
いつのまにかどこかのはいおくにいて、いつのまにかそこでくらしていた。
しばらくぼくは、ひとりでくらしていた。
さいしょはさびしくなかったけど、どんどんさびしくなってきた。
だから、ぼくはひとがたくさんいるところに、おりていった。
むらのひとにあいさつしたら、くわでなぐられた。
(この化け物!村から出て行け!)
たくさんのひとに、なぐられ、けられ、きづけばぼくは、かわにうかんでいた。
なんとかきしにたどりついたが、もう、うごくだけのちからがでなかった。
あさになったら、うごけるようになっていた。
そこで、ぼくはばけものなんだなと、りかいした。
だからぼくは、ばけもののさとにむかうことにした。
さとのひとにあいさつをしたら、ようだんをうちこまれた。
(おまえなんかが来るところではない!去れ!)
なんどもなんどもうちこまれた。
きづけば、しらないもりのなかでたおれていた。
そして、いちにちねたら、またきずがなおっていた。
なんどひとのむらにいっても、なんどばけもののさとにいっても、ばくのいばしょはなかった。
そのうちぼくは、さびしさのあまり、しのうとかんがえた。
しかし、なんどやっても、しにきれなかった。
いつも、なにかしらのあくうんで、ぼくのいのちはたすかっていた。
あるひ、ぼくがまたじさつをしっぱいして、たすかっていたとき、だれかがはなしかけてきた。
「あなたは何をやっているのですか」
―しのうとしてました。
「見ればわかります、たとえどんな理由があろうとも、命を粗末にしてはなりませんと、言っているのですよ!」
―あまたがたすけてくれるんですか?
「いいえ、ただ貴方に一つ説教です」
―・・・・・・・
みどりのかみのおんなのひとは、いのちについてのはなしをはじめた。
ぼくはなんだかうれしくなった。
すぐそばに、ぼくについてひっしになってせっきょうしてくれるひとがいたから。
「だから、貴方ができる唯一の善行は、生きることです」
―・・・はい
「わかりましたか?ならば、今後少しでも善行を積んでいきなさい」
そして、おんなのひとははなれていきました。
ぼくはなきそうになりました。
―まってください!
「まだ何か用ですか?」
―ひとりにしないでください!
ぼくはさけびました。
「残念ですが、私には仕事があります」
そういって、おんなのひとははなれていきました。
ぼくはなきました。
でも、なみだはでませんでした。
ずっとむかしに、かれはててしまったからです。
ぼくはそのうち、なきつかれてねむってしまいました。
まわりには、すいてきひとつ、ついていませんでした。
めをさますと、いつのまにかどうくつのなかでねむっていました。
なぜだかぬのが、かけてありました。
そして、まくらもとには、いっぽんのぼうきれがおいてありました。
ぼうきれには・・・・
―あなたが善行をつめば、きっと未来があるでしょう。
ぼくはなきました。
かれはてていたなみだが、あふれだし、ぼうきれをぬらしました。
ぼくは、ひっしにいきぬこうとこころにちかいました。
「そういって、少年は頑張って生きましたとさ・・・めでたしめでたし」
森近霖之助はそう言って、本を閉じました。
「ふ~ん、その作り話、なかなかよかったぜ!香霖」
魔理沙は霖之助が持っていた本を、ひょいっと奪って、箒に乗り込んだ。
「だから香霖が作ったこの本、みんなに広めてくるぜ!」
そして魔理沙は、さっさと遠くの空へと飛び立っていった。
「やれやれ、最初に霊夢に見せに行く気か」
博麗神社に飛び立って行った、魔理沙を眺めながら、霖之助は呟いた。
「作り話じゃないんだけれどね・・・」
そういって、倉庫の奥底に眠っている棒切れを思い出しながら、小さく笑うのであった。
>ばくは、ひっしにいきぬこうとこころにちかいました。
ぼくは、では?
>いつのまにかどこかのはいやにいて、
「はいおく」だと思います。