Coolier - 新生・東方創想話ジェネリック

氷精の儀式

2006/02/11 10:50:21
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「なぁ霊夢、チルノが踊ってるぜ」
「そう、どうでもいいわね」
「あぁ、どうでもいいぜ」

ふん、どうせあんたらには判らないだろうさ。
あたいのありがたみなんて。


 ~~~~~~~~


「幽々子さま、かき氷のもとが踊っています」
「あの子が作るのは粗いのよねぇ。気性のせいかしら」
「そういうものでしょうか」
「もっと肌理(きめ)細やかなものを作れる位になれば、美味しそうな娘(こ)になりそうだけど」

あの幽霊の言葉はいつ聞いても食事のことばっかりだ。
ってか、あたいをかき氷のもと呼ばわりするな。


~~~~~~~~


「師匠、氷精が踊っています」
「駄目よウドンゲ、目を合わせたら。馬鹿がうつるわ」

あたいは馬鹿じゃない。

「馬鹿につけられる薬は無いの。死ななきゃ治らないから」

ふん、偉そうにべらべらと。
あたいだって知ってるんだぞ。
「天才と馬鹿は紙一重」だって。
あたいとあんたは紙一重なんだから。

って、自分から馬鹿って認めてどうする!
あたいのバカバカ!

……あ、あたいはバカじゃない!


 ~~~~~~~~


「お取り込み中失礼します。取材してよろしいでしょうか?」
「このままでいいならいいよ」
「ええ、続けてもらって構わないので、是非お願いします」

知りたいって言うのなら、あたいの凄さを教えてやろうじゃないの。

「あなたは何故踊っているのでしょうか?」
「ん、ただ踊っているわけじゃないよ。これは雨乞いの儀式なんだから」
「ほう、雨乞いの儀式……ですか」
「何よ、何か文句でもある?」
「いえ、失礼ですが、そうは見えなかったので。ですが何故雨乞いを?」
「暑いからに決まってるじゃない」
「あなたの周りは十分に涼しいですよ」

これだから素人は困る。

「暑いと修行が成功しにくいのよ」
「修行って……あの蛙を凍らせるやつですか」
「それ以外に何があるって言うの」
「まだやっていたのですね……」
「ふん、あんただって熱いのが続くのはイヤでしょ。あたいが涼しくしてあげようってんだから素直に喜びなさいよ」
「新聞を配達する時に雨だと厄介なんですよねぇ。ネタが入ったのは喜ばしいことですが」

ほら、やっぱり嬉しいんじゃない。

「あそこの魔女とは比べ物にならないよ。あたいは幻想郷中に雨を降らせるんだから」

屋敷の周りだけに雨を降らせるのとは規模が違う。
言ってみれば、格が違う ってやつ?
この際、天候を操る程度の能力とでも銘打ってみようか?

「ですが、本当に効果はあるのでしょうか?」
「間違いないわ。あたいが雨乞いすれば100%雨が降るんだから」
「100%!? それは凄い!」

どんなもんだ。
大抵のやつは数字を見せれば納得するもんだ。
数字 いず びゅーてぃふる
あたいは天才だ。

「どれ位で雨が降って来るんでしょうか?」
「半日で降ったこともあるよ」
「ほう……」

どんなもんだ。
あたいの凄さが判ったか!

「それじゃ、長い時はどれ位やっているんです?」
「え? 長い時?」

うーん、どれ位やっていたかなぁ。

べ、別に記憶力が悪いわけじゃないのよ。
最近やっていなかったから忘れかけてるだけで……

「あ、そうそう、思い出した」
「おぉ、どれ位でした?」







「うん、確か2ヶ月位は踊っていたかな」



    雨が降るまで雨乞いしていれば、ねぇ
のーす
コメント



1.与作削除
いや、雨乞いとか豊作祈願とか、民間儀式ってのは大概『そういう』もんですよ? 必要なのは理由と納得です。
流石はチルノ、⑨は理屈を経ずに本質を見る。
2.名前もない削除
チルノが踊ってると言うだけで狂おしいほどに萌えてる自分は変なんでしょうか…。でも可愛いと思うんだ( ・д・)ネー?
3.名無し妖怪削除
さすがだなチルノ。
4.名無し妖怪削除
「ササキ様に願いを」の2巻25ページを思い出した私は完全冷凍されてくることにします