「ふぅー……ここはさっきの所より暑いな」
魔理沙は地底の最下層にきていた。
何故ここに来るまでに至ったのかを説明するには、少し時間を戻さなければならない。
異変。異変である。
地霊が間欠泉と一緒に湧き出してきた。
この原因は地底にある。手伝うから解決に行ってくれ。
そう知り合いの病弱な魔法使いに頼まれてしまった魔理沙は、仕方なく異変解決に乗り出した。
もちろん断る事も出来た。
しかし、いつも無償で本を借してくれている友人が頼んでいるのだ。
それを無視出来るほど、魔理沙は恩知らずではないのである。
決して強奪ではない。
決して「行かないなら今まで持っていった本を明日までに全て返してもらう」と言われてもいない。
魔理沙は友人への恩を返すために、自らの意志で異変の解決へと乗り出したのだ。
そこからは早かった。
パチュリーの協力もあり、魔理沙は現れる敵を次々と倒していった。
鬼が現れたのには少し驚いていたが、その勇儀にもなんとか勝つ事が出来た。
地霊殿の主と思われる者も倒し、なんだこんなもので終わりかなどとも思ったが、異変を起こした主はまだ奥にいると知り、面倒臭さと若干の期待を胸に魔理沙は進んだ。
そして火焔猫 燐も倒し、少し進んだところが今現在の状況である。
「こう暑いとやる気をなくすよなあ」
(そんな事言わないで……もう少しで元凶の元へとたどり着くはずよ)
「おっと、またお前か?」
先ほど倒したお燐がまた現れた。
「ここでやられてくれないと死体が回収出来ないんだよ~」
「という事はここの先に元凶って奴がいるのか?情報ありがとう。まあ何度やったって同じさ」
「チッ……楽な弾幕だと思ってたら段々キツくなってきたな。霊撃使っちゃったぜ」
(油断をするのは悪い癖ね)
「丁度いいハンデになるだろ?」
(まあ勝てるのならなんだっていいわ……それより、分かってる?)
「ああ、感じてるさ。大きな力だぜ。これは油断なんて出来ないな」
その先にいたのは勿論、二人の神によって核融合の力を授かった霊烏寺 空であった。
「さて……聞くが、お前か?今回の異変の原因は」
「うにゅ……異変?私は今から地上を支配しようかなあなんて思ってるだけだけど」
「地上を支配?そいつは大変だ。ここで懲らしめておかないとな」
「ねえ、なんかこういうときに有名な霊夢って人はこないの?ちょっと闘ってみたかったのに」
「私じゃあ不満か?」
「だって……ただの人間じゃあねえ。ここにいるだけで溶けちゃいそうじゃない?」
霊夢に劣る。そう取られたことで魔理沙は少々の怒りを感じた。
「なめられたもんだ。ははは、この暑さもお前のせいか?こう暑いと……体が火照ってやる気が出ちまうぜ!!」
(その調子で頑張りなさい)
戦闘体制に入る魔理沙。
それを見て、空も身構えた。
お互いの発するプレッシャーにより、大気がチリチリと音を立てる。
二人とも戦闘準備は万端である。
「強大な力の前では何事も意味は成さないと思い知らせてあげる」
「悪いがパワー弾幕は私の専売特許なんだ。このポジションをお前に取られる訳にはいかないな」
「あら、じゃああなたは持っているというの?核融合を越え得る程の力を!!」
上がり続ける二人の熱量。
地底最後の戦いが始まろうとしていた。
この二人の戦いを誰が止められるのだろうか?いや、そんな無粋な事をする輩は地底中探してもいないだろう。
あとは戦いだけがものを言うのだ……!!
「ははっ、焼き烏にしてやるぜ」
「来なさい……地獄の業火で焼き尽くしてあげる!!」
地底を揺るがす戦いが幕を開く!
「お待ちなさい」
「「!?」」
今まさに真剣勝負が始まろうとしていたのに、部外者の立ち入ることの出来ない領域であるはずなのに、一体誰がその禁を犯すのかと
二人は驚愕の眼差しで声が聞こえた方向を見る。
誰であろう。そこにいたのは四季映姫であった。
「包括的核実験禁止条約が幻想入りしました。よって地下であっても貴方の能力の使用は控えて頂きます」
「ちょwww」
「/(^O^)\」
それとも核兵器製造禁止条約でも出来たのか。
極地の氷溶かすとか。
あとえーき様、それ実験ってか実戦ではw