向日葵畑には一匹の妖怪がいた
妖怪の名は幽香、四季のフラワーマスター風見幽香といった
ある日幽香は一匹の虫に出会った
大勢の蝶や蜂を引き連れ 花畑で遊ぶ蛍の妖怪だった
その日の幽香は何を思ったか 蛍にやさしく話しかけた
いじめることも躊躇うほどに 彼我の実力差を感じたのか
あるいは彼女の緑の瞳が あまりに澄んでいたからか
とにかく幽香はその妖怪と友達になった
蛍の名前はリグルといった
幻想郷の全ての虫を統べる 虫の中の虫 王であった
ある意味では似ていて ある意味では正反対な二人
それでも四季を愛し 自然を愛する心は同じ
二人は風の匂いを語り 木漏れ日の温もりを語り 土の柔らかさを語った
通りすがりの天狗が言った
まるで姉妹みたいですねと
言われて幽香はふと思った リグルの綺麗な緑の髪は 自分のそれとよく似ている
二人は少し照れながら それでも笑顔を交わしあった
ある日リグルは打ち明けた
悩んでいる事があると
可愛い妹分のこと 言ってごらんと幽香は微笑む
リグルの悩みはこうだった
よく男の子に間違えられる
なるほど言われてみればと幽香は頭を振る
リグルは髪も短くて いつもズボンを履いていて
トレードマークの黒いマントも かわいいよりはかっこいい
いわゆる一つのボーイッシュ
実は自分も少しは思った 心の中で頭を下げる
それでも幽香は笑わない
どうしたら女の子らしくできるかなと
沈み込むリグルの頭にそっと手を置いた
わたしが教えてあげるから
心配しないで大丈夫
リグルの顔に笑みが広がる
そういつだって あなたには笑っていて欲しい
あくる日幽香は里にいた
まず入るのは形から リグルに似合う服を探そう
誰が見ても間違えようがない 女の子らしい服を探そう
探すことは数時間 ようやく見つけた可愛い衣装
きっと彼女によく似合う
幽香はさっそく服を手に取る
貼られた値札が目に止まる
ああ なんということか
そこに書かれた数字は 幽香の懐の金額を はるかに上回るものだった
値段交渉 そんなレベルではない
無理矢理奪おうものなら 巫女魔女ハクタク飛んでくる
負けるつもりはないけれど あの子にこの服渡す時には 綺麗な手がいいじゃないか
幽香は寂しく店を後にした
どうしてもあきらめきれない
そんな思いを抱え 幽香は今日も里にいた
金がないなら稼げばいい
まさか最強妖怪の自分が 人里で仕事を求めてさすらうとは
おお見るがいい それを見た死神が 涙を流して自分の行いを恥じているではないか
しかし仕事というものは そうそう転がってはいない
何より幽香は気ままなその日暮らし 仕事なんてしたことはないし
人より優れた何かといえば 喧嘩の強さと花のあれこれ
花を売るかとも思ったが 狭い人里そう誰もが 花を欲しがるとも思えない
それに愛する花を金に替えるなんて とてもできないできやしない
途方に暮れる幽香を見て 兎が一匹声をかけた
兎は幽香の手を引いて あるお店へと入っていく
自分はそんなことできないと 幽香は頭を振ってみせる
兎は大丈夫大丈夫と 自身ありげに笑うだけ
もしもこれでお金が入らなければ 皮をはがしてくれてやる
そこまで言ってのけるのか 白兎よ
兎は店主と一言二言交わした後 幽香に向かってVサインを作って見せた
次の日幽香はやっぱり里にいた
可愛いリグルにプレゼント それだけを願って働く彼女
最強いじめっこ妖怪のこんな姿を 見る者が見れば何と言うだろう
いや 何も言うまい
少なくとも 今の彼女を笑うことができる者などいないのだ
額に汗して頑張る幽香の 道端の花のような純朴な美しさ
朝に夕に働いて 心地よい疲れとともに花畑に帰る
花たちはいつも 彼女を優しく出迎えた
そして花に抱かれて眠り 朝日が昇るより少し前に幽香は目覚める
顔を洗って日傘を持ったら ちょうどお日様起きるころ
一日の始まりだ
幽香は背伸びを一つ 朝日に向かって笑ってみせる それは向日葵のような強い笑顔
そして幽香は言うのだ 己と そしてリグルへの決意を込めて
「さあ、今日もまた、刺身の上にタンポポのっける仕事が始まるわ!」
妖怪の名は幽香、四季のフラワーマスター風見幽香といった
ある日幽香は一匹の虫に出会った
大勢の蝶や蜂を引き連れ 花畑で遊ぶ蛍の妖怪だった
その日の幽香は何を思ったか 蛍にやさしく話しかけた
いじめることも躊躇うほどに 彼我の実力差を感じたのか
あるいは彼女の緑の瞳が あまりに澄んでいたからか
とにかく幽香はその妖怪と友達になった
蛍の名前はリグルといった
幻想郷の全ての虫を統べる 虫の中の虫 王であった
ある意味では似ていて ある意味では正反対な二人
それでも四季を愛し 自然を愛する心は同じ
二人は風の匂いを語り 木漏れ日の温もりを語り 土の柔らかさを語った
通りすがりの天狗が言った
まるで姉妹みたいですねと
言われて幽香はふと思った リグルの綺麗な緑の髪は 自分のそれとよく似ている
二人は少し照れながら それでも笑顔を交わしあった
ある日リグルは打ち明けた
悩んでいる事があると
可愛い妹分のこと 言ってごらんと幽香は微笑む
リグルの悩みはこうだった
よく男の子に間違えられる
なるほど言われてみればと幽香は頭を振る
リグルは髪も短くて いつもズボンを履いていて
トレードマークの黒いマントも かわいいよりはかっこいい
いわゆる一つのボーイッシュ
実は自分も少しは思った 心の中で頭を下げる
それでも幽香は笑わない
どうしたら女の子らしくできるかなと
沈み込むリグルの頭にそっと手を置いた
わたしが教えてあげるから
心配しないで大丈夫
リグルの顔に笑みが広がる
そういつだって あなたには笑っていて欲しい
あくる日幽香は里にいた
まず入るのは形から リグルに似合う服を探そう
誰が見ても間違えようがない 女の子らしい服を探そう
探すことは数時間 ようやく見つけた可愛い衣装
きっと彼女によく似合う
幽香はさっそく服を手に取る
貼られた値札が目に止まる
ああ なんということか
そこに書かれた数字は 幽香の懐の金額を はるかに上回るものだった
値段交渉 そんなレベルではない
無理矢理奪おうものなら 巫女魔女ハクタク飛んでくる
負けるつもりはないけれど あの子にこの服渡す時には 綺麗な手がいいじゃないか
幽香は寂しく店を後にした
どうしてもあきらめきれない
そんな思いを抱え 幽香は今日も里にいた
金がないなら稼げばいい
まさか最強妖怪の自分が 人里で仕事を求めてさすらうとは
おお見るがいい それを見た死神が 涙を流して自分の行いを恥じているではないか
しかし仕事というものは そうそう転がってはいない
何より幽香は気ままなその日暮らし 仕事なんてしたことはないし
人より優れた何かといえば 喧嘩の強さと花のあれこれ
花を売るかとも思ったが 狭い人里そう誰もが 花を欲しがるとも思えない
それに愛する花を金に替えるなんて とてもできないできやしない
途方に暮れる幽香を見て 兎が一匹声をかけた
兎は幽香の手を引いて あるお店へと入っていく
自分はそんなことできないと 幽香は頭を振ってみせる
兎は大丈夫大丈夫と 自身ありげに笑うだけ
もしもこれでお金が入らなければ 皮をはがしてくれてやる
そこまで言ってのけるのか 白兎よ
兎は店主と一言二言交わした後 幽香に向かってVサインを作って見せた
次の日幽香はやっぱり里にいた
可愛いリグルにプレゼント それだけを願って働く彼女
最強いじめっこ妖怪のこんな姿を 見る者が見れば何と言うだろう
いや 何も言うまい
少なくとも 今の彼女を笑うことができる者などいないのだ
額に汗して頑張る幽香の 道端の花のような純朴な美しさ
朝に夕に働いて 心地よい疲れとともに花畑に帰る
花たちはいつも 彼女を優しく出迎えた
そして花に抱かれて眠り 朝日が昇るより少し前に幽香は目覚める
顔を洗って日傘を持ったら ちょうどお日様起きるころ
一日の始まりだ
幽香は背伸びを一つ 朝日に向かって笑ってみせる それは向日葵のような強い笑顔
そして幽香は言うのだ 己と そしてリグルへの決意を込めて
「さあ、今日もまた、刺身の上にタンポポのっける仕事が始まるわ!」
最後の最後でお茶吹かせてもらいましたwww
……という野暮やツッコミは置いといて。
人の為に健気にがんばる幽香というのもなかなか良いものですな、とても愛らしくて。
でも幽香……多分てゐに騙されてる。(笑)
後、何気に恥ずかしがる小町を幻視してニヤリ……と。
この話の流れだと、リグルに衣装を渡すとこまでいって欲しかったですね。
君はやっぱり、「キク科」なんだな…(そこですか
そしてやっぱり吹いたw
途中の空白から嫌な予感はしてたけどよりによってそれかwwwwwwwwwww
良い意味でwwwwwww
最高!!