Coolier - 新生・東方創想話ジェネリック

憧れ Ⅱ

2007/01/08 22:46:17
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1
※基本的にネタ元が旧い!
※美鈴がオカシイかしれんがキニスルナ!







 今、空を舞う粉雪を溶かすように、温かな心でこの冬を迎えよう……ってとっくに冬ですね。
「はぁ。どうしたものかしら……」
 まぁ、そんなこんなで紅魔館メイド長十六夜咲夜は頭を抱えて悩んでいた。






       東方幻想狂
     【 憧れ Ⅱ 】







「あれ、メイド長。どうかしました?」
 私の名前は紅美鈴。クレナイミスズやホンミリン、ましてや中国なんかじゃ絶対ありません。
 ホン・メイリン――発音が若干違いますがこんな感じです(ニホン語、難しいアルヨ)。
「ん? ああ、門番長。実はお嬢様方の事でちょっとね」
 でもってこちらは咲夜サン。完璧と瀟洒を心がけ、それ故に悩み事も尽きない人なんです。人前で悩む姿を見せる
 ことは無いのですが、この執務室や同僚である私の前ではその限りではありません。
 ちなみに指揮系統上の同僚であって、勤続期間で言えば私の方が圧倒的に大先輩です。それでも咲夜サンと呼ぶの
 は単にサクヤだけだと語呂が悪いからなんです(この前、親愛を込めて『ちゃん』を付けたら暴れました。
 ニポン語、とてもムツカシイアルネ)。




「はぁ、お嬢様方ですか? ……まあ、確かに最近は色々とありますからねぇ」
「そうなのよ。ロリぃとかペドぃとか見た目は仕方ないとしても、最近はれみりゃーだのヘタれだので名実共に幼女
 吸血鬼として定着しちゃってるでしょう? やはり吸血鬼としての立場や実年齢相応の立ち居振る舞いをして頂か
 ないと、メイド達に対する示しがつかないじゃないの。聞いた話じゃ『駄目なおぜう様を愛でる会』なんて物が
 発足してるって言うし……」
 何気に酷い事を言っている気もしますが、人一倍にお嬢様方を敬愛している咲夜サンだから言えることなのでしょう。
 だから例の会の発起人が私だなんて、口が裂けても言えませんよ。
「でも、メイド長が悩んでも仕方無いと思いますよ。結局はお嬢様方個人の問題なんですから」
 私がそう助言すると、咲夜サンは飛びあがらんばかりの勢いで激昂しました。
「そう言うわけにいかないから悩んでるのよ! 館の運営を任せられているメイド長として、スカーレット家の沽券
 に係わる問題は例えお嬢様でも正して頂かなきゃならないのよ!」
 そう言いながら咲夜サンは執務室に掲げられた肖像画に目を向けます。
「そう、最も偉大なメイド長(女中頭)ロッ○ンマイヤー女史の様に心を鬼にしてでも……」
 なんでもロッテンマ○ヤーと呼ばれる人物は、咲夜サンが憧れる世界三大使用人(註:咲夜サン個人の見解です)
 の1人で、鋼鉄の精神を以て忠実に職務を遂行したメイドの鑑と呼べる人物だそうです。
 しかし、融通の利かない頭の固い人物でもあるらしく、せっかくの可愛らしいお嬢様方が格式張った淑女へと変貌
 させられてしまいそうです。だいたい見た目幼女で中身だけそんな事になったら、高飛車で厭味なマセガキとして
 しか映りません。
 まあ、割と悪役な紅魔館ですからそれはそれで需要があるかもしれません。しかし、愛でる会としてはそういうの
 は夢幻館に一任して、ウチは実年齢と実際とのギャップのコミカルな面を売りにして行きたいと思うのです。
 ですから咲夜サンには執務室に掲げられる3つの肖像画の1つ、慈愛満ちた笑みを浮かべる好々爺セバス○ャンを
 見習って欲しいのです。




 あ、このセ○スチャンって人物も咲夜サンが憧れを抱く世界三大使用人の1人でして、先述の□ッテンマイヤーと
 は対局の位置にある召使いのエライ人なんだそうです。一説ではこの人の存在が後の召使いや執事の代名詞として
 広まっていったそうで……。




「んー。そりゃ威厳があることに越したことは無いですが、それはお嬢様ではなく最早レミリア様です。
 やはりお嬢様という響きには、ある種の可愛らしさや守って差し上げたくなるナニかを含んでいると
 思うのですよ。吸血鬼という種族としての威厳が既にあるのですから、お嬢様方にはいつまでもお嬢様で
 あって貰いたいですね」
 そんな訳で、私は最もらしい理由をでっち上げて咲夜サンの説得を試みる。しかし、彼女は頬杖をついたまま
 冷ややかな視線をこちらに向けた。
「ふ~ん。それが件の会を立ち上げた理由なのね?」
 え? っと思った時にはすっかりナイフが展開された後でした(これだからタネの無い手品は嫌いアル)。
「あ、あの、咲夜サン? どーして私が発起人って判ったんですか?」
 問いかける私に咲夜サンは1枚の紙切れを取り出します。それは会の発起人同志が名を記した連判状。
 誰が首謀者かが判らないように円形に名を連ねたハズなのに……。どうして!?
「名を連ねた輩で一番指導力があって、且つお嬢様をそんな風に思える奴なんて貴方くらいなもんでしょう?」
 Oh,Shit! 意味無し!
「さて、どうなるか判ってるわね?」
 咲夜サンが3つめの肖像画に敬礼すると同時にナイフの群れが殺到する。



 トストストストストストストストストストス……中略……トストストストストストストスッ! ――ピチューン



「従者のモットーは素早く静かに確実に。――そうですよね? ジoドー様」
 ジョ○ー。某伯爵家に仕えた伝説的執事。空気のように気配を消して必要な時だけ其処に在り、
 常に歴史の裏側に暗躍し文字通り影からお家を支える執行部隊を指揮する凄腕の人で、
 およそ間違った従者像の根底にある偉大な方だそうです。
 倒れ伏した私に蔑むような……いや、悲しみを湛えた視線を向けながら咲夜サンは呟いた。
「――はぁ。どうして私も誘ってくれなかったのかしら」
 あ、怒ってたのはソコですか?




「あー酷い目にあった……」
 その後、どうにか復活した私はなんとか自室に戻るとそのままベッドに倒れ込む。
 しかしアレだ。咲夜サンもいろいろと憧れるのは構わないけど、あの3人の様になりたいなんて欲張りすぎよね。
 何事にも先達は必要と言うけれど、あれじゃあ船頭多くして船山に登るなんて事になるんじゃ無いだろうか。
 事実、冷酷だったり変態だったり天然さんだったりと、性格的に不安定な面も見られるし。
 やはり、強固な個性を築くためには特定の個人を模範とした方が、より適していると思うんです。
 明日、それとなく提言してあげよう。先輩としてのアドバイスって事で。
――さて、そうと決まれば寝る前に録画した花○名人劇場見ぃ~ようっと♪




























 嗚呼、ゼン○ー北京のタネも仕掛けもチョトアル手品は面白いなぁ……。
あ。ネタが30年くらい昔だ!
でも何回も再放送してるし。

……ま、いいか。
ぎゃあ
コメント



1.名無し妖怪削除
○ョドーwwwwww
2.偽者削除
ある意味で世界三大使用人は、キース・ロイヤル、琥珀、英霊エミヤだ。
3.思想の狼削除
花○名人劇場が再放送している地域が羨ましいw
4.変身D削除
>>執務室に掲げられる3つの肖像画
えらく濃い執務室ですな……夜中に目が光りそう、特に漢2名の方が(w
5.蝦蟇口咬平削除
>駄目なおぜう様を愛でる会
入れてください
6.名無し妖怪削除
>性格的に不安定
ワロタ。