Coolier - 新生・東方創想話ジェネリック

スパルタン易者

2017/11/10 18:44:40
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  スパルタンⅩについて

・1984年に公開された香港映画「スパルタンⅩ」でジャッキー・チェン主演
・歌詞付きで映画の主題歌にもなっているが日本の知名度的には故・三沢光晴氏のテーマ曲(声無し)の方が馴染み深い
・1985年にファミリーコンピューターでゲーム化もした












































   あらすじ
 謎の人物「ミスターK」に霊夢が攫われた!
 急げ易者! 謎の建造物「香霖塔(こうりんとう)」頂上に待つ「ミスターK」を倒し霊夢を助けるのだ!










































 幻想郷某所にそびえ立つ魔塔・香霖塔。易者は入口の重い扉を開き、駆け出す。紅魔館のホフゴブリンに酷似した人間大の妖怪が大勢押し寄せ、
抱きついてきて体力を奪ってくる。
 「ホアっ! チョアっ! イヤーッ!!」
 そんな雑魚共を振り払い、パンチやキック、飛び蹴りなどを駆使して蹴散らしていく易者。彼の行く道には死屍累々の山が築かれる。



   
   彼は走り続ける どんな大地もどんな天候でも
   彼は闘い続ける どんな相手にも正面から



 二階へ続く階段の前に木刀を持ったゴブリンが立ちはだかる。その一振りは妖夢よりも鋭い太刀筋で、易者もかわしたと思ったら腕に少し血が滲んでいた。もしも彼が真剣を持っていたら腕が切断されていただろう。
 「お前がボスの相手に相応しいか、試させてもらうっ!!」
 ゴブリンが木刀を突きの形にして構え、易者も深く腰を落としてじっと構える。達人同士の戦いの決着はほぼ一瞬で決まる。
 一分、はては十分以上か、二人にとっては一瞬の沈黙の後、交差する。
 「……それだけの腕前を持ちながら、なぜ紅魔館では冴えないゴブリンを演じる?」
 易者の右肩のマントが破れ、血を滲ませながら尋ねる。ゴブリンが笑う。
 「元の世界では色々あってな。確かにコキ使われることはあるが、向こうと比べたら天国さ」
 「拾ってもらった恩義か。男だな」
 「それに――主を含めた館の住人、みんなちょっとのことで崩れてしまいそうなシャイなトコがあってな。
ほってはおけんのよ」
 口元から血を吹き出し、うつ伏せに倒れる。
 「どうやらお前にも――いや、これ以上は言うまい。さあ、次の階に進みな」
 「ああ。お前の剣、今の大事な人達を守るために使ってやってくれ。じゃあな」




   彼が進むのはみんなが願っているから
   それは彼もまた望んでいることだから




 二階の妖怪や毛玉達を蹴散らし三階階段前に辿り着く。そこに一人の男性が立っている。
 まるで世界の終わりを見てきたかのような絶望に満ちた顔。しかし易者を見てふっと笑う。
 「俺はかつて世界の終わりに怯えていた」
 そして注射器を取り出す。
 「しかし、この抗鬱剤によって怯えなくなったのだ」
 するとそのまま矢を放つように鋭く投げ込む。危なく刺さるところだった。
 「お前も報われない愛に疲れ果てただろう? 楽になったらどうだ?」
 抗鬱男は憐れむような顔で易者に問うが彼は首を横に振る。そしてそのまま駆け出す。
 「あくまでも己の道を貫くか。よかろう!」
 素早い動きで抗鬱剤入り注射器を投げ出す抗鬱男。紅魔館のメイド、十六夜咲夜でもこれほど大量に
凶器を投げることはできないだろう。
 光速の弾丸と化した注射器をマントを破かせながら回避する易者。遂に抗鬱男のみぞおちに拳を入れた。
 「ぐはっ!!」
 膝をつく抗鬱。易者の息も荒い。
 「お前の意地……充分見せてもらったぞ。さあ、行け……!」
 易者は頷くことなく、三階への階段を進む。




   休みたいと思う時ももちろんある
   それでも彼は止まらないんだ
   思い出として止まってしまわないためにも




 三階はこれまで以上に激しい敵の攻撃が続くも突き進む。
 階段の前には一人の巨漢。それはかつての親友の妖怪・蟒蛇(うわばみ)だった。
 「蟒蛇……!」
 「易者。とうとうここまで来たか。悪いがここで止まってもらうぞ。かつての友として、な」
 「蟒蛇……お前の心遣いは本当に嬉しかった。それでもこれだけは譲れないんだ!」
 相手を互いに心からの親友であるとわかっているこそ交錯する想いと信念。
 二人の男達は正面から拳で殴り合う。
 今でこそ酒ばかり飲む妖怪としてしか認知されてない蟒蛇だが、本来は肉弾戦においては鬼にも匹敵する程の強さだ。
腕っ節だけならば萃香や勇儀より上であろう。だからこそマミゾウは最強の用心棒として彼を買っている。
 そんな剛拳をくらい何度かフラつき、よろける易者。口元から薄く血が流れる。それでも倒れないのは信念か。
 「頼む易者、退いてくれ!」
 拳を繰り出す蟒蛇の目は涙を止められず、ポロポロと床に流れる。その涙が一瞬拳の速度を緩めてしまい、
紙一重で避けた易者の渾身のカウンターストレートが蟒蛇の顔面に入り、巨大な体が大の字に沈んだ。
 「ぐがっ……」
 「すまない、蟒蛇……」
 「……わかった。進めよ易者。このろくでもない幻想郷(せかい)のたった一人の親友(ダチ)……!」
 「……ああっ!!」
 何かを振り切るように駆けあがる易者。彼の目にも蟒蛇と同じく涙が零れ落ちた。




   誰もが言う
   彼は鋼の肉体と魂を持つと
   そんな彼の魂にみんなは触れていたいんだ、と




 四階は弾幕が交差し、いよいよ塔も佳境に入ったと告げる。弾幕を紙一重でかわし、時には拳や脚で薙ぎ払い。
 ミスターKへ繋がる最後の階段に一人の老人が待っていた。
 「ここまで来られましたな。ならばもはや言葉は不要」
 「ああ」
 老人の姿が人間ほどの大きさの巨大な亀に変貌する。
 「いきますぞ!!」
 高速で回転しながら炎を吹き出し突撃する亀。これをジャンプして回避し、甲羅の真ん中に拳を入れる。
 「……お見事っ!」
 甲羅に亀裂が入り、粉々になると共に老人の姿へと戻る。
 「もはや老兵は何も言いますまい。あの方を……儂の御主人を、頼みましたぞ」
 「……はいっ!」
 老兵――玄爺は悲壮な決意を秘めた一人の男の背中を黙って見送った。




   彼の戦う姿は稲妻のように衝撃的だ
   まるでチャージャー(過給器)がついているようだ
   彼の心はどんな神様や妖怪にだってわからない




 屋上にて、彼は待っていた。彼の後ろには椅子に座って目を閉じる霊夢の姿。薬か何かで眠らされているようだ。
 知的そうな表情の男性が易者を見据える。
 「始めようか」
 「ああ。いくぞ、ミスターK……いや、森近霖乃助!」
 「来い! 名前も何もかも捨てた易者の妖怪!」

 互いに上衣を破り捨て、幾重にも重なった鍛え上げられた腹筋が露わになる。
 「はぁぁぁぁっ!!」
 「おぉぉぉぉっ!!」
 男達の拳が、脚が、互いを打ち合う。弾幕もへったくれもない、男だけがわかり合える肉体のぶつかり合い。
 時に霖乃助が背後に回り強烈なバックドロップを放ち、易者の視界が暗転するも体勢を立て直しチョップで応戦。
しかしここまでの激戦で消耗していたせいか、次第に易者が押され始める。
 「ぐっ……!」
 足がよろめき、そこへ強烈なラリアット。ゴムボールのようにはじけ飛ぶ。
 「この程度か!?」
 挑発する霖乃助。ゆっくり立ち上がると、目を閉じた。
 (占術のつもりでリラックス……)
 自身に暗示をかけ、目を開ける。すると、易者の体が光り輝く。最初は白い光に色がつき、
やがて美しいエメラルドグリーンとなる。

 『えっきっしゃ! えっきっしゃ! えっきっしゃ! えっきっしゃ!』

 不思議なことに、彼を応援する大歓声が響く。

 一瞬怯んだ霖乃助。それが全てだった。

 「しまっ――!!」

 かつて地獄の女神、ヘカーティアでさえも退けた伝説の技。

 問答無用の肘鉄砲、エメラルドグリーンが炎となり霖乃助を捉える。

 「ぐわあああぁぁぁぁ!!」

 男の苦悩、悲哀、魂のこもったエルボー。霖乃助が大の字になり、決着。



 霊夢を抱きかかえ、塔を後にする易者。その背中を拳を交えた男達が見送る。
 掟を破った男と掟を守らないといけない少女。
 この二人の道は遅かれ早かれ悲しい結末を迎えるだけかもしれない。
 彼は霊夢への想いを捨てればいくらでも生き延びれる道がある。
 それでも彼は霊夢と歩む道を選んだ。
 



   彼はいつも謎でわからないことばかりだ
   それでもたった一つだけ確実に言えることはある
   『すげーよ』










































 「というゲームを冬コミで出そうと思うんd」
 「夢想天生」


日本語訳で件の曲を聴くとどうしても易者のイメージしか湧かなかった
トナルド・トラソプ
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