Coolier - 新生・東方創想話ジェネリック

人形潰し占い

2017/07/06 19:01:20
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「よう、アリス」
 私の家のドアを開いて開口一番そんなことを言ってきた。マーガトロイド邸に対する来客だ。その来客の名は魔理沙。どうでもいいが室内で箒をぶんぶん元気良く振り回すのは止めて欲しい。私に対する悪戯のようなモノなのだろう。
「今日はどうしたのかしら」
 私はそんな魔理沙を止める為に質問する。少し強く。その意図を組んでか魔理沙は箒を振り回すのを止めた。
「化けきのこの話ではないな」
 あぁ、魔理沙の家の近くにも生えてるけど、その話ではないのか。魔法の森には化けきのこが生えているが、そのことである。
 魔理沙は魔法を使う為に化けきのこを利用する。魔法の実験として化けきのこを利用するのである。
「今日は前に言ってた人形潰し占いの話を聞きに来たんだ」
 あれか。あのことを聞きに来たのか。
 私は以前、宴会が多くあったとき、三日置きの百鬼夜行と言えば良いか、その過程で魔理沙と決闘をした。その前後で人形潰し占いの話をしたことがある。
 その少し後、異変が解決した今だが、人形潰し占いを考えてきた。その成果は完成となっている。人形潰し占いは完成したのである。人形潰し占いを作った理由は気まぐれである。魔法使いになると寿命が長くなるものとなっている。人間と比べての話である。
「まぁ、座りなさい」
「あぁ、遠慮なく座るぜ」
 魔理沙が近くにあった椅子に座る。それで私に熱い視線を送る。明らかな悪戯である。困った子だわ。手で制止する合図を送る。辞めろ、の意味である。魔理沙の目線が普通になった。私は人形潰し占いの話を切り出すことにする。
「人形潰し占いとは何か? という話になるわね」
「そうだな」
 私は人形潰し占いの話を切り出すことにした。
「人形潰し占いにはね、特性があるの。特性とはその人物の特徴+性能のことね。以前、時間を潰すなら紅魔館、暇を潰すなら博麗神社といったことを言ったけど、時間も暇もその人物の特性よ。ただ、これはで少し正確さに欠けるわ」
「お前は悪い子だな」
 あのときも思ったが私は悪い子ではない気がする。
「静かに聞きなさい。例を挙げるわね。咲夜の場合は時間を止めることが出来る。時間の感覚が少しズレているところもあるのでしょうけど、咲夜はメイド、冷静よ。これが咲夜の特徴。性能は決闘時のことを考えれば見えてくるわ。咲夜はナイフを飛ばすときも打撃を繰り出すときも鋭いわ。鋭い動きをするの。これは鋭利だけど、これが咲夜の性能よ。では特徴+性能である特性は何かというと言葉から考えて、冷静な営利、静謐が合っている。咲夜の特性とは静謐よ。時間が静謐よ」
「うーん、いまいち分からない」
 もう1つあるがこれなら分かるだろう。
「霊夢の例は分かり易い筈よ。霊夢の場合は暢気ね。いつもそんな感じじゃない。霊夢は暢気で、これが霊夢の特徴ね。性能は基本に忠実な動きをするわ。決闘時の話だけど霊夢は基本的な動きよ。霊夢の性能は万能ね。では特徴+性能である特性は何かというと言葉から考えるに、万能な平和。守護よ。霊夢の特性は守護ね。暇そうに見えて守護してるのよ」
「あー、これは合ってる。素直にそう思った」
 これは分かり易かったわね。良かったわ。
「特性とは特徴+性能でそういうモノよ。生活時の特徴+決闘時の性能で考えれば見えてくるわ。咲夜の特性は静謐で、霊夢の特性は守護ね。ちなみに、人形の特性 = 人物の特性よ。不要な人形でも不要な人物でも出来るわ。人物にダメージ与えるのも、藁人形と釘でダメージを与えるのも同じで、人形潰し占いでも同じ結果になるわ。占いは未来とかの内容を判断する為に行うけど、この場合はどちらを潰しても同じ結果となる」
「物騒だな」
 人形潰し占いの特性の話は終わった。次は人形潰し占いの方法、人形潰し占いの仕方について話そう。
「人形潰し占いの方法は二分法を適用する必要があるわ。二分法はどちらかを選択する思考方法のことね。大吉と大凶があるわ。そう定めたのだけど」
 人形潰し占いは二分法で、大吉と大凶しかない。私が定めたこと、私が作ったことだが。
「これも例を挙げるわ。静謐を潰す場合は静かな場所では大吉、騒がしい場所では大凶となる。静謐にあった二分法を考えれば何が大吉側で何が大凶側かが見えてくる。静謐と静かは不吉ではないから大吉側。静謐と騒がしいは不吉だから大凶側となる。守護を潰す場合は人の多い場所では大吉、人の少ない場所では大凶となる。これも同じよ」
「アリスもよく考えたな」
「魔理沙も頑張りなさい。人形潰し占いを行う際には二分法が必要よ」
 ここでこの話も終わりか。
「人形潰し占いは特性を理解して、二分法を適用する。それで占うことが出来る。それでその人形潰し占いとは何か、という話だったけど、人形潰し占いとは特性潰し占いである」
 例を展開する。
「咲夜を占う際は静謐を潰す。その静謐を潰す際は騒がしい場所で潰すと大凶。霊夢を占う際は守護を潰す。その守護を潰す場合は人が多い場所で潰すと大吉。どちらを選択するか、どちらを潰すか、で運勢を占える。もちろんどちらを潰すかで大吉となるか大凶となるかは教えないけどね。どちらの場所で人形を潰す? そっちで潰した? そっちは大吉よ、という感じよ」
 魔理沙が終わりを理解したのだろう。拍手をした。



「私は満足している」
「そう、それは良かったわ」
 実のところを言うと私も少し満足していた。何かを発表して成功すると気分が良い。
「そうよ、魔理沙。休憩していきなさい。紅茶を用意するわ」
「そうか、助かる」
 私は紅茶を用意する為にキッチンに向かうことにした。私の人形についての知識もまた一つ増えた。
「私は何なんだ?」
「魔理沙、貴方は悪い子よ。明るい場所で潰すと大吉。暗い場所で潰すと大凶」

※2017/07/07。句点を入れ忘れていた部分を修正しました; 句点は。のことです。
和氏
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