Coolier - 新生・東方創想話ジェネリック

幻想郷と言う名の楽園…

2016/11/09 17:41:33
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湖畔に建つ巨大な煉瓦造りの洋館。
その館の主人とその従者が2人、屋上に立っていた。暮れ六つ、吸血鬼でも活動できる時間だ。
「お嬢様、またやるのですか?前みたいに命
蓮寺からロケットパンチが飛んで来たり、
ル ーミアの脇腹を切り裂くことなんてし
ないでくださいよ?」
レミリアは少し返答に困った。なぜなら命蓮寺の件やルーミアの件は紛れも無い事実だからだ。 ルーミアはその後は回復したが、患部にはまだ包帯を巻いている。
「…大丈夫よ。あれは事故よ!事故!」
「わ、分かりました…」
「それじゃ行くわよ。『当たって』『砕け
ろ』、うらめしや〜」
そう言うと、グングニルを思いっきり投げた。
「当たって砕けろってどこぞの傘じゃないん
だから…」
咲夜は心の中で呆れるように呟いた。
すると突然グングニルは光に包まれて、消えた。
「あ…」
「お嬢様…もう…グングニル投げるの…止めに
しません?」
そう言うと2人は無言で館に戻った。



2015年8月11日
真夏の暑い日メリーから電話がかかって来た。
「今日暇?暇なら遊ぼ〜面白い物あるからさ〜」そんな内容の電話を聞いて、蓮子は待ち合わせ場所の高田馬場駅向かった。面白い物とは何だろう。また秋葉原にでも行って同人誌でも買ったのだろうか。蓮子とメリーはカフェで食事を済ますとメリーの住んでるマンションに行った。
メリーの部屋に入って早速聞いた。
「面白い物って何?」
「見てればわかるよ」
そう言うとメリーはパソコンを起動し、何やらソフトを起動していた。パソコンの画面には、「東方深秘録」と書かれたタイトル画面が出た。
「面白い物ってこれ?」
「調べたところ、『オカルトボール』って言
うのを7つ集めると願いが叶うとか。そのボ
ールを取り合うらしいよ」
「ふふふ」
不意に笑ってしまった。
理由は簡単だ。どこかのアニメのドラゴン………と設定が似ていたからだ。

何時間かそのゲームをプレイした。蓮子は完全に東方の虜になってしまった。
「このゲーム無理でしょ?難しすぎるよ〜」
「あら?蓮子が弱音を吐くなんて珍しいね。
明日にでも槍が飛んで来るんじゃない
の?」
「失礼ね!私は率直な感想を述べただけよ。
でもいいな〜幻想郷みたいな所行って見た
いな〜」
「…本当に…あるらしいよ…」
メリーはボソッと呟いた。
「え?本当にあるの?」
とっさに聞いた。
「まぁ本当かどうかはわからないけど、低い確率でね。
幻想郷の創設者が…。
縦長の穴を使って異世界から来るらしい よ。幻想郷には妖怪と人間が共生して居るんだけど、妖怪は幻想郷の人間を食べてはいけないらしくて、人間を喰わないと生きていけない妖怪のために現実世界から人間をさらって食べてしまうらしいよ…。もしも蓮子が幻想入りしたとして、妖怪に見つかったら格好の餌食だよ。それともう一つあるよ。
『死ぬこと』で魂 、あるいは体ごと幻想郷に飛ばされる。でも幻想郷は本当はいいところだよ。幻想郷の住民は皆んな優しくて、親切な人や妖怪ばっかりだよ」
メリーはあたかも幻想郷にいたような口調で話した。
「そ、そう…あ!もう20時!早く帰らないと!」
幾らオカルト好きでも、流石に信じられなかった。怖くなった蓮子は、適当な理由をつけてメリーに別れを告げるとマンションから急いで家に戻った。
「メリーはいきなりどうしたんだろう…」

2015年8月12日
翌日の朝9時に電話がかかって来た。京都の大学の友人からだ。紐についての理論の説明がついた、今大阪にいるから今すぐ来てくれとのことだ。あまりに急だったので焦った。メリーに大阪に行くことを告げると、準備を急いだ。しかし今は帰省ラッシュ真っ盛りだ。この時期に新幹線なんて到底乗れなかった。
飛行機を探したら、18時12分発の東京国際空港発、大阪国際空港行きの座席を取ることができた。羽田空港でチケットを買おうとカウンターに向かった。そこには一風変わった客がいた。
「この飛行機の予約を取り消しても良いです
か?この飛行機に何か不吉な予感がするの
で…」
「わかりました。それではお名前をどうぞ」
「宇佐美菫子です」
「それではTH193便の搭乗予定だった宇佐美
菫子様のご予約を取消させていただきま
す。…ご利用ありがとうございました」
(折角飛行機のチケット取れたのに…勿体無
い…)
係の人は少し困惑した様子だったが、菫子とか言う人のおかげで飛行機に乗ることができた。
「菫子…どっかで聞いたような…」
不吉な予感…紐の理論…そう思いながら飛行機に乗った。帰省ラッシュもあり、機内は満員だった。飛行機は定刻通り出発し、満員ジェットは離陸した。
「紐の理論の説明?電話で話すのではダ
メなの?大阪着いたら言ってやる!」
そう心の中で愚痴を言いながら、小説の続きを読んでいた。
しかし離陸から約12分後、異変が起きた。
菫子の不吉な予感が的中したのだ。
機体の後ろで、棒状の何かが『当たる』音がして、尾翼が『砕けた』。そして、棒状の何かは水平尾翼に突き刺さった。尋常じゃない揺れ方をする機体…制御不能でいつ墜落してもおかしくない飛行機…急減圧で意識が遠のく中悟った。
「もう…助かりはしない…」
そう悟った蓮子は、朦朧とする意識の中、ボールペンと手帳を取り出して、遺書を書いた。

私は本当に残念です
きっと助からない
原因は分らない
今五分たった
もう飛行機には乗りたくない
どうか神様 たすけて下さい
きのうメリーと 食事をしたのは
最后とは
何か機内で 爆発したような形で
煙が出て 降下しだした
どこえどうなるのか
大学の皆、こんな事になるとは残念です
さようなら
今六時半だ
飛行機は まわりながら
急速に降下中だ
本当に今迄は 幸せな人生だったと感謝しています

こう書くと、学生証と一緒にファイルにとじた。前の座席ポケットにファイルを入れ、目を瞑った。
飛行機は降下し続けた。そして18時48分、山に激突し、斜面を滑り落ちるように墜落していった。飛行機は木っ端微塵になった。

同刻、東京。
メリーの携帯に速報が入った。

《TH193便、甲信越地方で消息不明》

メリーの脳裏に蓮子の言葉が浮かんだ。
「今日はこの…TH193便って言う飛行機で大阪に行ってくるね。すぐ戻るから…」
嫌な予感がしたメリーは蓮子に連絡を取ることにした。
…繋がらない…
何度試しても繋がらない。
「蓮子…」
そう呟くと、メリーは荷物をまとめて東京駅に向った。お盆の帰省ラッシュなんてどうでもいい…とにかく早く蓮子の安否を確認したい、その一心で新幹線に乗り込んだ。新幹線の中でも、蓮子のことが気にかかる。
1時間半後長野駅に着いた。
すると携帯に新しい情報が入ってきた。
《不明機は北安曇郡、白馬村に墜落。近隣住
民から通報数百件》
メリーは近くの駅員に白馬村について聞いた。
「白馬村で飛行機が墜落したと聞いたので
すが何か知りませんか?」
すると駅員は、またか…と言いたげな顔で答えた。
「白馬村まではこの駅から列車を2回
乗り継ぎます。ここからだいたい2時間くら
いです」
メリーは礼を言い改札に向った。
2時間後の22時、白馬村に着いた。22時だと言うのに、駅前はとても混雑してた。TH193便の乗客の家族だろうか。
蓮子が無事であってほしい、メリーはそう願うことしかできなかった。


うう…
蓮子は目を覚ました。彼女は生きていた。
しかし周りの様子が変だ。普通なら人がいたり飛行機の残骸があるはずなのに。そしてさらに変なのが、蓮子の私物が全て近くに、綺麗な状態で落ちていたことだ。
「ん? 何だろう、あれ」
少し離れた所に、赤く光るの槍らしきものがあった。見たところその槍は一部欠けていた。槍を拾おうと左腕を出した。
「!?」
左腕に違和感を感じる。恐る恐る左腕を見る。自分の目を疑った。左腕が折れていたのだ。応急処置としてそこらへんの棒と布を腕に巻き、ギブスを作った。
散乱していた私物をまとめ、槍を拾って、山の斜面を降りて行った。
しばらく歩くとひらけた場所に出た。綺麗な池があった。少し抵抗はあったが喉が渇いていたから、結局そこで水を飲んだ。下を見ると、泉から滝のように下の湖に流れ込んでいた。蓮子はまたも目を疑った。湖畔に遠くからでもはっきり見える紅い塀に囲まれた、巨大な煉瓦造りの館が見えた。そしてその奥には、街明かりが見えた。
「明日はあの明かりの方に行ってみよう」
その日は夜遅かったので木に寄りかかり、寝ることにした。

翌日森を抜け、平坦な土地が見えた。
例の巨大な館の湖を横切り、人里に向った。
カシャッというカメラのシャッター音。
「ふふ…これはまたいい記事が書けそうで
すね…」
そう言うと射命丸は妖怪の山に戻って行った。
しばらく歩いていると、人里に向って人型の何かが飛んで行った。あまりにも早すぎたため、ちゃんと見ることができなかった。
すると次は人間が無数のナイフと無数の紙を向かい合って飛ばしていた。この2人も…飛んでいた。
「!」
蓮子は地上に落ちてくるナイフと紙を避けた。落ちてきたナイフと紙をバックの中にしまった。紙はお札のようなものが2枚重なっていた。
しばらくすると、後ろから声をかけられた。
「お前は食べていい人間なのか〜?」
蓮子は後ろに振り向く。そこには見た目10歳くらいの金髪の女の子がふわふわ浮いていた。腹部には包帯を巻いているのが、服の上からでもわかった。
「あなたは誰?」
「お前は外の人間か〜?」
女の子は蓮子の質問を無視した。
言ってることがわからなかったが、とにかく「はい」とだけ答えた。すると女の子は突然蓮子に襲いかかって、口を開けた。
「?」
蓮子の左腕は女の子に噛み付かれていた。血が大量に出てる。すぐさまその女の子を振り払った。しかしすぐに女の子は襲いかかってきた。蓮子は山で拾った赤い槍で、襲いかかってきた女の子の脇腹を刺してしまった。
「あ…あ…」
そう言いながら女の子は倒れ込んだ。
蓮子はナイフを女の子から抜き、一緒に人里に連れて行った。
人里では、「号外ー号外ー」と射命丸が、号外新聞を人里の人間や妖怪に渡していた。
人里には騒めきが起こった。
《人間の女性、幻想郷に迷い込んだか?》
そのニュースは幻想郷中にまで知れ渡った。
新聞には、「帽子が永江衣玖に似ている」
「右手に槍を持っている」など蓮子の特徴が書かれていた。
人々の騒めきの中、誰かが大声で言った。
「おい!誰かがこっちに来るぞ!」
そして、どうにか人里についた。
疲れのあまりか、その場で倒れてしまった。
蓮子は目を覚ました。どうやら人里の宿のようだ。
「気がついたようね」
声のする方向に首を動かす。そこには、医療用バックを持った青と赤の服と帽子を身につけた女性と、その近くにウサギ耳が付いている女性がいた。すると医者と思われる人物が話した。
「貴方、酷い傷だったわよ。左腕は折れてい
る上に人喰い妖怪に噛まれたような跡ま
で」
左腕を見てみる。腕には綺麗に包帯が巻いてあった。
「紹介が遅れたわね。私は八意永琳、そこに
いるのは私の助手兼弟子の鈴仙・優曇華
院・イナバよ。いつもは2人で幻想郷の患者
の手当てをしている。ちなみに、貴方の連
れてきた娘はルーミアという娘で、外の世
界から迷い込んだ人間を喰らう妖怪よ」
蓮子はあの子に申し訳ないと思った。
「そういえば、貴方の名前は?」
「…宇佐美…蓮子…」
「じゃあ蓮子、貴方は十分動ける。あそこに
荷物置いてあるから。それとこれね」
そう言うと、蓮子に封筒サイズの包み紙を渡して、宿を出た。
蓮子は起き上がり、包み紙の中を見た。その中には貮圓が入っていた。
蓮子はバックからお札を取り出した。
このお札はなんなのか、八意医師に聞いておくべきだったと後悔した。

まずは人里で情報を集めることにした。
「すいません、このお札はどこの神社のかわ
かりますか?」
答えは案外簡単に出た。
「このお札は博麗の所じゃないか?」
「でも2枚目は守谷の所だ」
人里の人間に礼を言って別れると、蓮子は甘味処に行った。金銭はある程度八意医師によって渡されたため、余裕がある。
蓮子はすでに幻想郷に入っていることには気がついていた。
「メリーの言ってた通りだ。つまり私は死ん
だの?じゃあ今の私の存在は何?」
携帯に今まで起きたことをまとめ、今自分はどんな存在かを調べた。
「2015年8月12日、飛行機事故に遭い、幻想郷に飛ばされる。
2015年8月13日、人里で倒れる。夕方、人里の宿で目を覚ます」
幾らまとめても答えが導き出せない。ほとんど覚えてない。
「博麗神社に行こう」心の中で呟くと、人里から東の方に向った。
30分後、博麗神社に着いた。そこで、博麗霊夢はお茶を飲みながら、外の世界の新聞を読んでいた。蓮子は霊夢に声をかける。
「すいません。貴方が霊夢さんですか?」
「ええ、そうよ私が博麗霊夢よ。丁度良かっ
た。今、外の世界の新聞を読んでいたのだけど、貴方の写真が出てるわよ」
そう言うと外の世界の新聞を出した。
《TH193便墜落事故最後の生存者発見》
と書いてあった。
「え?じゃあ私は生きてるの?ん?『意識不
明』!?」
一瞬困惑したが、新聞の写真は間違いなく蓮子だ。
「分からない様だから説明するわ。貴方は飛
行機事故で体ごとでなく、魂だけが幻想郷
に入ったのよ。だから外の世界の貴方の体
は中身の抜けた空っぽの器の様なものよ」
霊夢の説明で大まかなことが分かった。あと考えるべき事は、どうやって幻想郷から出るかだ。すると突然、気が遠のき、倒れてしまった。そして、霊夢の前から姿を消した。
「え?ちょ、蓮子が消えたんだけど…」
霊夢は突然の出来事に少し動揺した。


2015年8月13日
「うわ〜こりゃ派手にやったなぁ〜」
そう言うと作業に取り掛かった。
地元の消防団員や近くの県からの応援部隊が残骸をかき分け1人ずつ脈を確かめ生存者を探した。すると墜落現場からおよそ100メートル離れたところに消防隊員が蓮子を見つけた。
「生きてる…けど意識がない」そう言いながら仲間と一緒にヘリに運び込んだ。
「ん?なんだこりゃ?」
消防団員の1人が、赤く光る欠片を見つけた。

白馬村にいたメリーは、この飛行機事故の遺体安置所に向った。しかし、そこには蓮子の姿はなかった。メリーはほっと胸をなで下ろした。
「蓮子はどこに居るの?」
そう考えて1時間後、メリーの携帯に見覚えのない番号から電話がかかってきた。一瞬応答するのを躊躇ったが、蓮子の居場所がわかるかもしれないと電話に応答した。
「マエリベリー・ハーンです」
「宇佐美蓮子様のご友人ですか?至急長野市
立病院に来てください」
「……わ、わかりました…」
あまりに急な話で動揺した。
2時間後、蓮子の居るの市立病院に着いた。
病室まで看護婦に案内してもらい、蓮子の元に駆け寄った。しかし、幾ら呼びかけても返事が無い。医者の話によると、見つかった時から意識が無く、かろうじて生きている、まさに風前の灯火のようにいつ死んでもおかしくない状態だとか。
メリーは悲しんだ。
「折角会えたと思ったのに…」
そう言いながら11日、蓮子と一緒に食事した時の写真を見た。
「これを…」
最後に医者からある物を渡された。
それは、墜落直前に書いた遺書と蓮子の学生証が入っていたボロボロのファイルだった。
「……」
メリーは何も言わなかった。

その日の夜、蓮子は病室で目を覚ました。
「あれ?私、さっきまで博麗神社に居たはず
なのに、なんで病室に居るの?永遠亭か
な?とりあえず起きよう」
起きて周りを見渡した。周りにはカーテンに椅子に水道に、どう見ても病室だが、足に重みを感じたので足の方を見た。
「誰か居る」
椅子に座ってベットに寄りかかり、誰かが寝てる。しかし、それが誰なのかは特徴的な帽子を見て一瞬でわかった。メリーだ。
「なんでメリーが居るの?これはきっと何か
の夢だ」
しかし、自分の中に声をかけてみたいという欲があった。そしてその欲に勝てず、メリーに声をかけた。
「メリー、おーい、メリー」
メリーは声をかけられ、起きた。
声のする方に首を向けた。
そこには今まで意識不明だった筈の蓮子が起きていた。あまりの驚きで椅子から転げ落ちてしまった。
「れ、蓮子?だ、大丈夫なの?」
するとなんの違和感もなく答えた。
「見ての通りよ」
2人はしばらく会話をして途中、幻想入りの話もしたが蓮子は眠いと言ったためメリーより早く眠りについた。
「蓮子…『あっち』の世界はどうだった?皆
んな優しい人ばかりだったでしょ?蓮子が
『あっち』の世界に住むとなっても皆んなは
きっと受け入れてくれる筈だよ」
メリーは寝ている蓮子にそう言い聞かせて寝た。

翌日、メリーは目を覚ました。蓮子の方に目をやる。まだ寝ているようだった。
「?」
メリーは異変に気付いた。蓮子の手を握る。
「冷たい…肌も白い…」
「おーい蓮子!お願い!返事をして!」
呼びかけても返事がない。急いで病室の呼び出しボタンを押した。すると医者が、看護婦がぞろぞろやってきた。
すると脈を測ったりしていた主治医が言った。
「2015年、8月14日午前7時35分、宇佐美蓮
子、死亡を確認」
メリーはその場で座り込み泣いてしまった。
「あれ?やっぱり私、死んじゃったの?メリーが泣いている。医者たちが私に手を合わせている。やっぱり死んじゃったの?」
蓮子の魂が本体から抜け出た。すると再び気が遠のき、気を失った。

メリーは病院の裏で泣いていた。
「……」
「蓮子は、私の秘密を受けれてくれるかな」
そう呟いたメリーは、人目のつかない路地に入った。
「また蓮子と話がしたい…」
その思いでスキマを開いた。


「蓮子、蓮子!」
霊夢の声で目が覚めた。
神社には幻想郷のいろんなところから見舞いに来ていた。
「あれ?私…」
「もう、心配させないでよ…急に消えたと思
ったら、また境内で倒れてるんだもん」
「おーい皆んな〜」
皆そちらを向いた。
そこにはにとりがテレビと発電機を持って来てた。発電機をつけ、テレビをつけた。
いま、朝五つになろうとしている。
《速報です。TH193便墜落事故の生存者の1
人、宇佐美蓮子さんが今朝病院で死亡が確
認されました》
「蓮子、君はもう人間じゃない」
にとりがそう言うと、霊夢が続けた。
「そうよ、もう貴方は死した存在だけど未練
が多く成仏できてない、俗に言う亡霊よ」
「やっぱり私は死んでたんだね…」
蓮子がそう言った、次の瞬間2人の前にスキマが開いた。中からは泣いている八雲紫が出て来た。すると近くにいた八雲藍が言った。
「紫様…3日間も一体どこに居たのですか!
それと何故泣いているのですか?」
藍は少し怒り気味で問う。すると紫は泣きながら答えた。
「ごめんなさい、藍。実は、3日間はずっと外
の世界に行っていたのよ…。本当は2日で戻
る筈だった。だけど、2日目に外の世界の親
友が飛行機事故に遭ってね、亡くなったの
よ」
この時蓮子は紫の姿が、メリーの姿に重なるように見えた。すると紫は蓮子に言った。
「蓮子…私の秘密を受け入れてくれる?」
「分かった、いいわよ」
そう言うと紫は右手を上げ、指を鳴らした。
一瞬消えたように見えたが、また現れた。しかしそこに居たのは、紫ではなくメリーだった。
「紫?」「紫様?」「メリー?」
神社に一気に騒めきが起こった。
「蓮子…会いたかったよ…」
「⁉︎…メリー…私も会いたかったよ…」
2人は涙を流して抱き合った。
「あの…二人で盛り上がっているところ悪い
んだけど、メリーは紫なの?」
霊夢は聞いた。
「そうよ、幻想郷では八雲紫として、外の世
界ではマエリベリーハーンとしての姿で分
けてるの」
「ふーん」
納得気に返事をした。
「それじゃ蓮子、今から貴女を正式な幻想郷
の住人とします」
と霊夢が宣言した。
蓮子は挨拶を済ますと、また人里の方に戻って行った。

数日後

蓮子は幻想郷の暮らしに慣れた。
博麗神社に行き、スマホを見ていると後ろから霊夢に声を掛けられた。
「何見てるの?」
蓮子は少し驚いた。
「いえ、何も…」
「そう言わないで、見せてよ〜」
そう言うと、蓮子のスマホを覗いた。
スマホには、こう書いてあった。
《西行寺幽々子の生前の話》
霊夢はとても驚いた、と言うより興味を持った。何故なら、妖々夢の時、幽々子は自決したとしか語られなかったからだ。
「少し見せて!」
スマホを見ていく。
《蓮子流の西行寺幽々子のレポート
西行寺幽々子はおよそ1000年前に自分の能
力に苛まれ、屋敷の桜が満開の時その下で
自決した。また、一食あたりの量が他者よ
り多い理由は、生前にあると考える。
昔、自決する時は綺麗に死ぬと言うことか
ら自決の数日前から断食していたと考え
る。しかし空腹と言う未練から成仏しきれ
なかったため、亡霊になった今も常時空腹
なのではと考えている。このレポートはイ
ンーネットで集めたためやや信憑性に欠け
る》
「おお!」そう言うと霊夢はいきなり飛んだ。
「あの…何処へ?行くのですか?」
「何処って…白玉楼に決まっているでし
ょ?」
霊夢は白玉楼に向けて飛んだ。

この後幽々子は屋敷に3日間引き篭もったと言う。
今回の物語は、特に飛行機事故の所は注意しました。成る可く実在の事故とは被らないようにしました。
或る人
[email protected]
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