館内に見知らぬ人間を見つけたのでこそりと近くの壁からその子を見つめていた。ちょうどよく小悪魔が通りかかったので、ちょいちょいと手招きをして呼ぶ。
「ねえ」
「なんでしょう」
視線の先にはお姉さまと、どう見ても妖怪ではない少女が楽しげに会話をしていた。
「あれ誰?」
小さく指差しをする。
「ああ、レミリアお嬢様の新しいメイドだそうですよ。昨晩来たんです」
「でも人間だよねあの子」
じーっと見つめる。妖怪っぽさはまったく感じられない。
「そうなんですよね。私もよく知らないのですが、レミリアお嬢様自ら名前を与えたとかなんとか」
小悪魔の情報はいつもどこか適当だ。
「なんでも時間を止めたりできるそうですよ、彼女」
「ふーん」
遠めで見ても、そのメイドは、なんというか、洗練されているというか、見惚れてしまうような姿をしていた。少し、興味が湧いてくる。こういう美人に弱いところがスカーレット姉妹の弱点なのかもしれない。いやお姉さまがなんであの子を選んだかは知らないけど。
「あ、フラン!」
そんなことを考えていると隠れることを忘れていたようで、お姉さまに見つかってしまった。
「みて! 私の番犬!」
そう言ってメイドを差し出すお姉さま。番犬って、人間というものには人権とかいうのがあるんじゃなかったっけ。まあそんなことはどうでもいいんだけどさ。
「初めまして、フランドールお嬢様」
メイドはにこりと微笑んだ。
「十六夜咲夜って名前をつけたんだ」
お姉さまはえへんと胸を張る。
「ねえ昨日って十六夜だったっけ」
「そうだけど?」
なにか? 見たいな目でこちらを呆けたように見つめるお姉さま。ちょっと安直過ぎないかなあ。
「とても素敵な名前を頂きました」
すると、そう十六夜咲夜が呟いた。びっくりする。まるで心を読まれたのかと思った。
「どうぞ妹様も、咲夜、と呼んで下さい」
「あ、うん。よろしく、咲夜」
ふしぎな人間だと思った。悪魔の館に来てこんなにも堂々と自分でいる彼女は本当に人間なのだろうか。
「咲夜、砂場行こう砂場。パチェがもう先にお城作ってるかもよ」
挨拶もそぞろにお姉さまのアンタは何歳なんだと思わせる言葉でその場は終わった。
地下室への階段を降りながら、私はなんだかこれから紅魔館がにぎやかになりそうだな、なんて考えていた。
「ねえ」
「なんでしょう」
視線の先にはお姉さまと、どう見ても妖怪ではない少女が楽しげに会話をしていた。
「あれ誰?」
小さく指差しをする。
「ああ、レミリアお嬢様の新しいメイドだそうですよ。昨晩来たんです」
「でも人間だよねあの子」
じーっと見つめる。妖怪っぽさはまったく感じられない。
「そうなんですよね。私もよく知らないのですが、レミリアお嬢様自ら名前を与えたとかなんとか」
小悪魔の情報はいつもどこか適当だ。
「なんでも時間を止めたりできるそうですよ、彼女」
「ふーん」
遠めで見ても、そのメイドは、なんというか、洗練されているというか、見惚れてしまうような姿をしていた。少し、興味が湧いてくる。こういう美人に弱いところがスカーレット姉妹の弱点なのかもしれない。いやお姉さまがなんであの子を選んだかは知らないけど。
「あ、フラン!」
そんなことを考えていると隠れることを忘れていたようで、お姉さまに見つかってしまった。
「みて! 私の番犬!」
そう言ってメイドを差し出すお姉さま。番犬って、人間というものには人権とかいうのがあるんじゃなかったっけ。まあそんなことはどうでもいいんだけどさ。
「初めまして、フランドールお嬢様」
メイドはにこりと微笑んだ。
「十六夜咲夜って名前をつけたんだ」
お姉さまはえへんと胸を張る。
「ねえ昨日って十六夜だったっけ」
「そうだけど?」
なにか? 見たいな目でこちらを呆けたように見つめるお姉さま。ちょっと安直過ぎないかなあ。
「とても素敵な名前を頂きました」
すると、そう十六夜咲夜が呟いた。びっくりする。まるで心を読まれたのかと思った。
「どうぞ妹様も、咲夜、と呼んで下さい」
「あ、うん。よろしく、咲夜」
ふしぎな人間だと思った。悪魔の館に来てこんなにも堂々と自分でいる彼女は本当に人間なのだろうか。
「咲夜、砂場行こう砂場。パチェがもう先にお城作ってるかもよ」
挨拶もそぞろにお姉さまのアンタは何歳なんだと思わせる言葉でその場は終わった。
地下室への階段を降りながら、私はなんだかこれから紅魔館がにぎやかになりそうだな、なんて考えていた。
ほんと何歳なんだレミリアはw