音もなく魔理沙は口を開けて、くわえこんで、ものを食べた。もぐもぐ咀嚼して飲み下す。それから、目をあげて、魔理沙は魔理沙自身を眺めている視線に気付く。
「何見てんだよ」と毒づく魔理沙の姿は、まるで照れているみたいに見える。
「もの食べるのって、えろいなと思って」と言うと、「何言ってんの」と魔理沙は呆れて言った。
「思うに、何をしてもえろいって思うのよね」
「何をしてもえろいって。何なんだよ、それ」
「言ってみればさ、セックスの時ってさ」
「セックスって。お前、直球で言いすぎだろ」
「セックスはセックスよ。それ以上じゃないでしょ。性交でもいいしまぐわいでも愛の営みでもいいけど。愛の営みって言いましょうか。愛の営みの時ってね……」
「いいよ。そっちのほうが何か恥ずかしいよ」
「セックスの時ってね、こう、性的快感を得る場所とかあるけど、そういうのじゃなくって、見てる身体って、裸なこと以外は、動作とか、別に普段と変わらないわけじゃない。なら、別に、今ここに座ってる私たちを見てえろいなって思っても、別に不思議なことじゃないのよね」
「何言ってんだよ……」
そう言ったのに、魔理沙はぷいと向こうを向いて、パンを食べてる自分自身の姿を隠すみたいにした。顎が動いてるのが、背中の側からでも、首の動きで分かった。覗き込もうとすると、魔理沙は顔を動かして、よけた。
「見せてよ」
「やめろよ。やめろ。やめろって言ってんだろ」
何よ、えろいって言われるの嫌なの、と私は言いたくなったけど、やめた。
こういうことを考えると、生々しくって、嫌になるけれど、魔理沙はいやらしいことをする時、顔を見られると、ああいう反応をするのかな、と思って、魔理沙の背中を眺めながら、私は恥ずかしくなった。
「何見てんだよ」と毒づく魔理沙の姿は、まるで照れているみたいに見える。
「もの食べるのって、えろいなと思って」と言うと、「何言ってんの」と魔理沙は呆れて言った。
「思うに、何をしてもえろいって思うのよね」
「何をしてもえろいって。何なんだよ、それ」
「言ってみればさ、セックスの時ってさ」
「セックスって。お前、直球で言いすぎだろ」
「セックスはセックスよ。それ以上じゃないでしょ。性交でもいいしまぐわいでも愛の営みでもいいけど。愛の営みって言いましょうか。愛の営みの時ってね……」
「いいよ。そっちのほうが何か恥ずかしいよ」
「セックスの時ってね、こう、性的快感を得る場所とかあるけど、そういうのじゃなくって、見てる身体って、裸なこと以外は、動作とか、別に普段と変わらないわけじゃない。なら、別に、今ここに座ってる私たちを見てえろいなって思っても、別に不思議なことじゃないのよね」
「何言ってんだよ……」
そう言ったのに、魔理沙はぷいと向こうを向いて、パンを食べてる自分自身の姿を隠すみたいにした。顎が動いてるのが、背中の側からでも、首の動きで分かった。覗き込もうとすると、魔理沙は顔を動かして、よけた。
「見せてよ」
「やめろよ。やめろ。やめろって言ってんだろ」
何よ、えろいって言われるの嫌なの、と私は言いたくなったけど、やめた。
こういうことを考えると、生々しくって、嫌になるけれど、魔理沙はいやらしいことをする時、顔を見られると、ああいう反応をするのかな、と思って、魔理沙の背中を眺めながら、私は恥ずかしくなった。
…何気に魔理沙の食べる姿って元お嬢様らしく上品だったりするのかな