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地底妖怪トーナメント・2:『1回戦2・紅美鈴VS射命丸文』

2014/09/19 16:41:39
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 紅美鈴は自分の両頬を強く叩き、気付けをする。
「よぉしっ!」
 意気込んで選手入場口に入ろうとするも、「美鈴」と、突如同じ館で働いているメイドの十六夜咲夜に呼び止められた。
「咲夜さん……?」
 ――紅美鈴が無様な戦いを見せた場合、門番を解雇する。
 主であるレミリア・スカーレットが美鈴の知らぬところで進めた話を思い出しつつも、咲夜はそれを話さない。下手に緊張させまいと、人間である彼女なりの気遣いなのかもしれない。
「別に、ベストを尽くせ、とか、あなたなら大丈夫、なんて言うつもりに来たわけじゃないわ。ただ一言よ」
 しかし、レミリアの本心は分からないが、咲夜は美鈴を館から立ち去らせる気はなかった。
「勝ちなさい!」
「はい!」
 美鈴は闘技場内に入る。先程の戦いで盛り上がる観客達に見られながら、閻魔に促され、対戦相手である天狗の射命丸文と対峙する。
「安心してください。手加減してあげますから、全力で掛かってきていいですよ」
 挑発にのまれることなく、美鈴は「よろしくお願いします!」と強気に返した。
 自分の忠告を聞いていない事に閻魔は小さく溜息を吐きながら、観客席に戻る。
 最上部では魔理沙と幽香が霊夢のいない中で会話していた。
「美鈴が勝てば面白いんだけどな」
「あら、あの天狗ってそんなに強かったかしら」
「強いか弱いかというより……戦いづらいんだよなぁ。あのスピードはさすがの私も一目置くしかないからな。それをなんとかしない限り、美鈴に勝ちはないと思うぜ」
「ふぅん」
 幽香の見る闘技場では、美鈴と文は既に距離を開けている。それを見て、閻魔は一人頷いた。
「一回戦第二試合、始めっ!」
 美鈴は意を決し、文の方を振り向く。しかし、既に彼女は目の前にいた。先程突進をしかけた一輪と比べて桁違いな速度で飛んで来た文の放つ回し蹴りを美鈴は寸でのところで防御する。
「あや?」
 防がれた事を意外に思いつつ、文は後ろに宙返りして間合いを取る。
「いやぁ、少し見くびっていました。思ったより良い反射神経ですね。では、少しだけ本気を……」
 怪しげに微笑む文は、先程よりも速く跳ぶ。それは美鈴への方向とはまるで見当違いの方向だが、ある地点で突如別の方向に跳ぶ。しかしそれでも美鈴に対して跳んではおらず、再び方向を変える。それを繰り返していき、彼女の速度はどんどん速くなっていく。戦いに慣れていない妖怪では、既に彼女の姿を目で追えなくなっていた。
「さぁ、ではこのくらいでいきますよ。……それっ!」
 文は美鈴の右後方で跳ぶ。それは本当に美鈴に向かって跳んだものであり、そのまま蹴りを放った。
 攻撃を受け、彼女は吹き飛ばされる。それは美鈴ではなかった。
「がっ!?」
 顎に一撃を受けた文は困惑しつつも中空に飛んで間合いを開ける。
 気が付いたら文が攻撃を受けていた。彼女の姿を追えなかった観客達はそう驚く。文以外で闘技場にいるのは美鈴しかいない。つまり、美鈴が攻撃を放ち文の顎を捉えたという事だ。
「当然だ」と、観客の一人として渋々地底に訪れたレミリア・スカーレットは戻ってきた咲夜に話す。
「当然……ですか?」
「この戦いに弾幕という手軽な飛び道具は存在しない。そして美鈴は気を使う事ができる。大気、闘気、殺気。それとは別にある、目に見えない独自のそれで自分を大きく包み込む。自分の間合いより遥かに大きくな。後は目を閉じても、敵が球状の気でできた膜を破った方向に攻撃するだけ。おまけにそれは、相手の気さえ読み取る。フェイントも通用しない」
 その言葉だけで理解できるほど、咲夜は『気』について熟練しているわけではない。前に美鈴からそれらしい話を聞かされても、よく解らなかった。
「ですが、相手の天狗が本気を出せば――」
「さすがにあいつを舐めすぎだよ。あいつは人間じゃない、妖怪だ。私の次に速い拳に、気の膜。そして今は、移動範囲が定められた室内で、弾幕は禁じられている。これほどあいつに有利な場もない」
 咲夜は、再び高速移動をする文のいる闘技場を見据える。
「では、そんな有利な場であるにも関わらず、負けた場合は……」
「当然クビだ。しかし……とはいえ天狗のスピードにさえ完璧に反応できるとは、さすがに予想外だったよ」
 微笑むレミリアの見据える先にいる美鈴は、再び文に攻撃を当てた。先程以上の速度で攻撃する文は美鈴に触れる直前に足を止め、手刀の攻撃に切り替える。しかし美鈴は初めから分かっていたかのように手刀を受け、再び文の顎を撃ちぬいた。
「こ……この……!」
 間合いを開ける文は困惑しつつも憤慨する。鼻の内側から鉄の臭いを感じ、口内から滲みだす血を吐きだした。地に足を着け、門番程度に二撃入れられた事で頭に昇った血を落ち着かせる。一方、美鈴は構わず、ゆっくりと文に近付いていく。
「なるほど……少々侮ってましたね。まさか一回戦でいきなりこれを使う事になるとは……」
 文は背中に忍ばせていた道具を手に取る。木の葉を象ったような団扇を持った文は、それを美鈴に向けて振る。それは風を起こす天狗の団扇であり、突風を起こし攻撃することができる。しかし、文はただ団扇を振り続けるだけで、美鈴に向けて風は放たれない。それでも、美鈴はそれを何かの作戦だと思い、迂闊に手を出そうとはしなかった。
「ここは室内だから……風は起こせないのでは?」
 美鈴の問いに文は得意げな表情で「いいえ。あなたが空気の流れを読んで私を攻撃したように、風だってどこにでもあります。私達が息をするだけでも、小さな風は巻き起こる。それを集めて、大きくするだけです」と言い放つ。
 そして、美鈴はようやく異変に気が付く。風が自分を過ぎていく音を感じた。しかしそれは自分を襲って来ない。不思議に思い文の方を見ると、その背後には妙な光景になっていた。風に巻き上げられるように、塵や小石が舞っている。それらは結界の壁面沿いに飛んで行き――
「!」
 自らの背後を周り、再び文の背後に舞うのを繰り返していた。
 ――判らなかった……大きすぎて!
「さすがのあなたでも、『台風の目』というのは御存知でしょう。しかしもうすぐです。もうすぐであなたが切り刻まれない場所がなくなるほどに、ここは風の刃で満たされていきます」
 最早観客の歓声が聞こえなくなるほどに風切り音は強くなっていく。
「くっ!」
 そこで美鈴は初めて先に動くが、文は高く飛び上がって拳をかわすだけである。
「無駄ですよ。私はただ逃げるだけ。あなたは私を追いかけながら切り刻まれるのです」
 美鈴は上空に飛ぶ文を見上げながら、しばし思考する。肉眼でも捉えられるほどに闘技場内を舞う台風の穴は徐々に狭まっている。
 すると、飛んで文を攻撃しようとはせず、覚悟を決めたように美鈴は腰を落として息を整える。
「あや、この台風に耐える気ですか? 無駄ですよ。この風はずっと出し続ける事ができます、時間切れまでね。技が完成する前に私を倒せなかったのがあなたの運の尽きです」
 風の刃はついに中央で構えていた美鈴に触れる。
 ――まだだ。
 美鈴の身体中を切り刻む。
 ――これでもない。
「降参したくなったら、いつでも言っていいんですよ?」
 文は余裕を浮かべ、美鈴が見据えた時の位置から動かない。故に美鈴は簡単に『それ』を計る事ができた。
 ――この流れだ!
 突如、美鈴は姿を消した。
「あや、飲み込まれちゃいましたか。さて、一体何処に舞っているんですかねぇ」
 吹き飛ばされた美鈴が風に舞っているなら回ってくるだろうと、文は前方辺りだけしか眺めていない。その背後の壁面である結界に足を着け、彼女は文の背中を見据えて跳んだ。
「!?」
 文が気付ききる前に、美鈴は背骨を砕く勢いで渾身の蹴りを放った。
「がっ!」
 吹き飛ばされるもぎりぎりで手を付いて壁に叩きつけられずに済む。文は振り向きざま、美鈴に風の刃を放った。
 ――こ、こいつ……私が作った台風に乗って……!
 文の攻撃をかわすかのように再び美鈴は消える。否、彼女は身構えて風を堪えず、力を抜いて風の流れを利用した。自分の力だけでは霧雨魔理沙をも凌ぐ文の速度に追いつけない。そこで美鈴は彼女の放つ高速で舞う台風を利用した。それによって先程は地上から、高く飛ぶ文の背後まで瞬時に移動できた。そして今も、高速で回り込むように文の目前まで近付いた。
「『採光蓮華掌』」
 渾身の掌底を叩き込み、弱まった風の中美鈴は地上に着地する。
「この私が……まさかここまで……」
 掌底と共に流し込んだ大量の気は体内で暴れ虹色の爆発を放ち、文を吹き飛ばした。
 闘技場中に舞っていた風は徐々に収まっていき、文が地上に落ちると同時に観客席を見渡せるようになった。
「ふぅー」
 風が止み、場内が見えるようになった時、映姫の目に入ったのは、全身に少々の傷があるものの小さく息を吐く美鈴だけが立っている光景だった。
 ――勝負あり。
 映姫と紫が同時にそう思った瞬間、彼女の翼は動いた。
 美鈴でさえ、その光景が信じられず動揺する。その中で射命丸文はゆっくりながらも立ち上がった。
「いや……いやいやお見事。弾幕を利用して自分の弾にする相手とは幾度か戦ってきましたが、まさかこんな風に利用されるとは思いませんでしたねぇ」
 先程の爆発を物語るかのように文の衣服は腹部の部分に大きく穴が開いていた。それに構わず気丈に振る舞いながら近づいてくるが、突然口元を抑え、文は血を吐きだす。
「ぐ……うっ……!」
「……今回は本気で行きました」
 それを聞いて文も、自分の内臓が破れている事を確信する。普段は弾幕勝負や、切断や貫通を狙った力尽くの勝負ばかりで、こうした内側からの衝撃には慣れていなかった。
「これ以上無駄に動けば傷が広がってしまいます。先程のように速くは動けないはずです」
 遠まわしに降参する事を促す美鈴だったが、文は口元を吊り上げて笑う。
「それならば……一撃で仕留めればいいだけのこと」
 再び構える美鈴に対し、文はゆっくりと団扇を振り上げる。そしてそれを足元に向けて何度も振った。徐々に両足首のそれぞれに風が舞っていく。先程の台風の様な大きさはないが、まるで河童が動かす機械ののこぎりのように超速で回転している。それ自体の風力なのか、文自身が地面から浮いていた。
「凄いですね、そんな風にもなるなんて――」
 喋る余裕を持ってしまった美鈴の眼前にまで文は間合いを詰める。それは初めの奇襲や撹乱による攻撃よりも更に速い攻撃で、気を張っていたにも関わらず美鈴はそれを振り払う事しかできなかった。
 しかし、突如払った手に激痛が走り、後ろに跳んで間合いを開ける。
 右手の平には横一文字の切り傷があり、そこから流れる血は傷の深さを物語っていた。
「褒めてあげますよ。この技はとっておきだったのですから」
「……かまいたち」
 じんわりと熱が広がる右手と文の足に舞う風を見やりながら、美鈴は冷静に答えを導き出す。
「ご名答。真空の刃、とでも言えば聞こえはいいですね。実際便利ですよ。どこぞの白狼天狗が使うような刀剣と違って刃こぼれの心配もありませんし、奪われて敵に利用されることもありません。そしてその威力は今体感した通り。これであなたの首を刎ねれば、例え身体が元気であろうとも私の勝利が確定するのです」
 言い終わり、文はゆっくりと近づき、美鈴は思わず後ずさってしまう。
 その光景に、観客の一人である咲夜はレミリアの隣で息を飲んでいた。
「妖怪同士の戦いって、力任せに殴り合うわけではないんですね」
「お前は私達をなんだと思っているんだ。まぁ、首を刎ねられては負けのルールだからな、美鈴は下手に動けまい。しかし、美鈴にとっても有利な事実は一つある」
 ――採光蓮華掌は効いている!
 ゆっくりと後退し続ける美鈴だったが、ときおり苦しそうに息をする文を見て確信する。
 ――これをもう一発叩き込めれば……!
「恐がる必要はありませんよ。手加減はしてあげますからね」
 怪しげに微笑みながら近づく文は、一度大きく間合いを離そうと後ろに跳んだ美鈴の隙を見逃さず、自分も前に跳ぶ。
「死ね、紅美鈴!」
 左足を前に文は美鈴に襲い掛かる。
 ――さっきの掌底を放とうとしても無駄! その手首を吹っ飛ばせる威力ですからね!
 そして、その足は美鈴に触れた。
「なっ……!」
 しかし美鈴はそれを振り払わず、あえて飛び込むように、右手で文の左足首を掴んだ。
「さっき言ってましたよね。『台風の目』って」
 あらゆるものを切断せんと円を描く風の刃の、その中心――文の足首部分は無風のままである。しかし、無事なのはあくまでその部分だけで、こぼれる風圧により手首から肘にかけて少しずつ切り刻まれていく。しかし今、美鈴の掌底が当たる絶好の間合いでもある。彼女は右腕を犠牲に優劣をひっくり返そうとしていた。
「そうくることは……読んでましたよっ!」
 すくに文から驚嘆の気配は消え、残っている右足で美鈴の首目がけて蹴りを放つ。
 ――掴めるものなら掴んでみなさい! 掌底を放つ腕はなくなり、ただあなたは両腕を切り刻まれるだけです!
 そして、美鈴は賭けに出る。
「はぁっ!」
 正確に、精密に、美鈴は文の右足を自らの左足で受け止めたのだ。
「は……はぁ!?」
 風の刃を避け、薙ぐように放たれた蹴りを足で止められた事に驚愕するあまり、文は次の展開を考える事をほんの数瞬だけ忘れてしまった。
「私の……勝ちです!」
 切り刻まれる右腕と左足の力を緩めて文の体勢を崩し、全ての力を左手に込める。
 ――採光蓮華掌!
 渾身の掌底が再び文の身体に突き刺さっていった。彼女は低空で受け身を取ったが、もうそんな事は関係ない。
「そんな馬鹿な……私が……吸血鬼の門番ごときになんて……」
 自らの中で荒れ狂う気に思わず文は腹部を押さえたが、それは背中を中心に爆発した。
「がっ……!」
 客席から見れば、台風があった時点を除いて常時美鈴が優勢に見えている。しかし肩で息をしていて焦っているのは美鈴の方だった。
 ――もう、起き上がらないでください。これ以上は打てない! しかし、他に射命丸さんに通用するような技もない。これで決まってなければ……。
 美鈴の懇願も空しく、彼女の右手は動いた。
「!」
 すぐに美鈴は動く。しかし彼女は右腕から放さなかった団扇を振り、突風で美鈴を押し返した。
「あやや……。倒れている相手に追撃とは……少々格好が悪いですねぇ」
 文はふらふらになりながらも立ち上がる。その光景に思わず美鈴の表情に恐れが混ざる。
「正直……鬼と当たったところで適当に負けるつもりでした。撮影の方に力を回したいと思っていましたからね。ですがまさか……こんなところで全て奪われるとは思いませんでした」
 言葉の真意を美鈴が理解できないまま、文は映姫の方に向かって歩いて行った。
「カメラを返してもらってもよろしいでしょうか」
 意図を察知した紫は二人が向かい合っている部分の結界を消し、映姫は文にカメラを渡した。そして文はそのまま美鈴の方に近付いていく。
「いけませんよ。そんな怖い顔をしては。せっかく私に勝ったんですから」
 そう言って文は美鈴にカメラを向ける。
「はい、ポーズ」
「え……え、え?」
 促されるまま写真を撮られた美鈴は、突如吹き飛ばされた。
「ぐっ!」
 天狗特製カメラの機能による衝撃波よって吹き飛ばされながらも美鈴が受け身を取って立ち上がった瞬間――
「そこまで! 『道具を二つ使用』した事による、射命丸文の反則負け!」
 審判長である映姫の声が会場中に響き渡った。
「え……え……?」とまたも困惑する美鈴に対し、対戦相手であった文はにこやかに微笑んでいた。
「いい戦いでした。さすがに撮影の体力まで奪われるわけにはいかなかったので、こうさせてもらいました」
「は……はぁ」
「特別です。この大会の記事を書く際には、あなたの事を大きく書いておいてあげますよ」
 半数の観客と共に困惑している美鈴の胸に文は拳を当てる。
「頑張ってください。次のあなたの相手は強敵ですよ」
 そこで自分が勝った事を理解した美鈴からようやく笑みが零れた。
「あ……ありがとうございます」
 それを観客席の最前列に座る紫はただじっと眺めていた。
「ルールによる優勢。撮影による体力を惜しんだ天狗による事実上の降参。それでも、紅美鈴が見事な戦いを見せたのには変わりません。素晴らしい試合でした」
 そう呟いて、彼女は対戦者を称えるべく拍手をする。それにつられて会場中の妖怪達が試合内容を全て把握できないながらも美鈴と文を拍手で称えた。
「はは」
 中途半端に終わってしまったものの悪くない気分だと美鈴は思いながら闘技場を後にする。選手入場口を通り、通路に待たせていた一人の人間が目に入る。
「咲夜さん……」
 十六夜咲夜の右手には救急箱があった。
「そこに座りなさい」
「え?」
「早く」
「だ、大丈夫ですよ。私は妖怪ですからこのくらい――」
「早く」
「……はい」
 淡々と言い放つ咲夜に威圧されて美鈴は通路の端に腰を下ろす。彼女の中で最も傷が多い右腕と左足部分の衣服が捲られ、咲夜によって手当がされる。
「…………」
 妙に気まずいと思いつつ言葉に迷ってしまう美鈴に対し、咲夜が先に言葉を口にした。
「意地が悪いのね」
「え?」
「あなたがあんなに強いとは思わなかったわ。あの台風をあんな方法で攻略するなんて」
「あれ、見えてたんですか?」
「要所要所で時間を止めてね。とにかく、これでお嬢様の顔に泥を塗る心配は小さくなったわね」
「あはは……。……咲夜さん」
 戦いが始まる前に咲夜に言われた言葉を思い出した美鈴は微笑みながらはっきりと伝える。
「私、勝ちましたよ」
「……そうね」
 目を合わせず手当てをする左足だけを見つめ続けていた咲夜だったが、その口元からは笑みが零れていた。



コメント



1.名前が無い程度の能力削除
やった、美鈴が勝ったー
やっぱ弾幕では弱いけど格闘では強いって所はどんどん見せてほしいです
2.非現実世界に棲む者削除
美鈴の実力はまさに未知数。
そう実感させてくれた作品でした。
文の根性に乾杯。
3.名前が無い程度の能力削除
首を切り落とそうとした相手になんか最後いい感じに負けを認めるあたり、やっぱ文ちゃんも命の価値が低い世界に生きる妖怪なんだなあ
めーりんの技は首がかかっているのを察していたのか無謀好きなのかそれとも余裕なのか