Coolier - 新生・東方創想話ジェネリック

鈍感さんと敏感さん

2014/05/17 08:27:35
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「さくやー」
「うぇ?」
名前を呼ばれたかと思うと背後から衝撃と熱が伝わってきて、へんな声が出た。
急に後ろから抱きつかれて驚かないひとがいるだろうか。いや、いない。多分ひとじゃなくても驚くと思う。
特にこの場合は。両想いの可能性はなさそうな、好きな人。つまりは片想いの相手なのだから。
「れ、れいむ、どうしたの?」
背中から伝わる暖かさにドキドキしながらも至って平静を装って声をかけた。


まだ寒い風が吹く中、博麗神社の縁側でその家主と話をしていた。結構寒い。熱いお茶を入れてくるわねと消えたどこぞのメイドは返ってこないし、自分の体で暖をとるしかない、と体を抱くようにしていた。
「今日はまた寒いわねぇ。昨日まで暖かくなってきてたのに」
「だからってなんで縁側なんだよ。炬燵に入れろー」
「今さら動くのめんどくさいし、脚下」
あっさりと却下された。少しでも暖まろうと手にほぅと息を吹き掛けると白く染まり、寒さが目に沁みる。
「あー、暇だ。霊夢なにか話題を提供しろ」
「特にないわ」
あっさり返ってきた。うん、だいたい予想はしてた。
「……最近悩んでることとか、賽銭以外で。解決してやるぜ。仕事として」
「うーん……、あ、おいしいごはんがたべたい」
仕事としてというのに対するツッコミはなく、なんとも霊夢らしい返事が返ってきた。
「今台所にちょうどいいのがいるじゃないか」
「それはお茶入れてるだけでしょ。咲夜あんまりごはんとか作ってくれないんだもん」
多分そんなにご飯作ったりしたら好きなのがバレるとか思ってるんだろうな。大丈夫、みんな気づいてるし、気付いていないただ一人は多分何しても気付かないから。ふと、面白そうなことを思い付く。今日は寒いし、咲夜には暖を取らせてやろう。
「咲夜に抱きついてみな。そうすればきっとなんでも作ってくれるぜ」
「なんでよ」
「なんでもさ」
「嘘だったら針千本刺すわよ?」
「いつのまに約束ってのはそんな物騒になったんだ。一本くらいならいいぜ」
普段は腰の重い巫女がすくっと立ち上がりパタパタと走っていく。小さく「さくやー」と呼ぶ声が聞こえた。
書きはじめたのが結構前なので季節外れっぽくなりました。あまり関心が無い故に鈍感な霊夢さんと好きすぎて過敏に反応する咲夜さんはいいですね。
小波
コメント



1.絶望を司る程度の能力削除
鈍感すぎんだよ畜生が!
咲夜さんは告白すればいいと思うのです。(真顔)
2.奇声を発する程度の能力削除
良いね
3.米を食べる程度の能力削除
ほわぁ///