Coolier - 新生・東方創想話ジェネリック

孤独にグルメ「年越し前の麻婆豆腐と餃子」

2013/12/31 00:42:02
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「なあ、パルスィ?」
「なに?」
「さっきの牛丼の味どうだったんだ? 色々と食べ歩いているあんたの考えを聞かせてくれ。」
「まあ、牛丼はまあまあだったけどサラダはもう駄目! 新鮮じゃないもの。悪いけど、よくあんなものをだそうと思ったよね。味より時間を優先するからあんなになるのよ。」
「おー、厳しい。でもそうなんだろうと思ったぜ。もう食べている時点で顔に表れているんだからな。」
私はそんな顔していたのかと思いながら笑って返した。そしてホームセンターに着いた。そこでは組立式の本棚と簡単に持ち運べるテーブルを買った。荷物は勇儀がもってくれた。
「そしたら次で最後ね。もう少しあるけど少しどこかで休憩する?」
「うーん、いやそのまま次、行こう。そんな重い荷物でもないし。」
そのまま休憩することなく次の八百屋に行くことにした。八百屋でみかんやたまごなど様々なものを買った。私はこのときに買う順番を間違えたことに気づいた。八百屋で買ったものは私が持って家へ帰ることにした。
「帰ったら残りの片付けを終わらせて年越す準備するか。」
「そうね、今年もあと数時間で終わり。早かったわね、今年は色々とあったわね。」
「その話を後でゆっく聞かせてくれないか?あ、雪が降ってきたな。」
「そうね、地上は雪が積もると大変よね。除雪とか、絶対に面倒くさいでしょう。地底でよかったと今更ながら思うわ。」
「うん、私も除雪は御免だな。除雪を業者とかがやったらもう少しは楽なんだろうな。」
そんな話をしているうちに家が見えてきた。家に入りひとまず重い荷物を置いた。
「ふうー、疲れた。なんだか喉が乾いたな。」
「うん、そうだわ。お茶でいい?」
「ああ、何でもいいよ。」
私は温かいお茶を煎れに台所へ行った。さっきまでいた外よりは断然暖かい。少しうとうとしてきて眠ってしまいそうな暖かさだ。私はお茶を煎れている間、少しぼーっとしてしまった。
――おっと、いけない、ついついぼーっとしてしまった。
お茶を煎れて勇儀がいるところに持っていった。
「はい、温かいお茶。外寒かったから温かいのにしたわよ。」
「お、ありがとうな。はぁー、温かい……。さてと、まずはさっきの本棚を組み立てるか。」
二人でさっき買った本棚を組み立てた。組み立てにはそんなに時間はかからなかった。
「よし、完成だ。これをどこに置くんだ?」
「えーとね、ここに置いて頂戴。その後に本を入れるのも手伝ってくれる?」
勇儀に本棚を設置してもらい移動していた本を作者別にして戻した。勇儀が数えたら本が三五〇冊を越えていたらしい。でもこの本の中でまだ読んでいないのが三〇冊ほどあるから実際読んだことある本は三二〇冊程度だ。次に私の仕事道具を決めた場所に置いた。そこには、さっき一緒に買ってきたテーブルも置いた。
「これで私の部屋は終了ね。次はあんたの部屋をやるわよ。」
「あいよ! そしたらまず杯を移動するか。あ、ついでに全部あるか確認しなきゃな。前に忘れたこともあったし。」
「わかったわ。杯って全部でいくつあるの? それがわからないと全部あるか確認できないじゃない。」
「えーと、確か五つだったはずだ。」
「五つね。えーと一、二、三、四と……あれ、一つ足りないけど。」
勇儀は台所に置いてある杯を持ってきた。
「今日の夜使う分で五つだ。よし、ちゃんと五つあったな。」
勇儀は四つの杯を傷を付けないよう丁寧にしまった。
「あれ、これってなに勇儀?」
「ああ、これはパルスィとの写真だな。懐かしい写真とかがあるはずだから、後で見ようか。ほらほらさっさと片付けて。」
二人は、なんとかして片付けを終わらせた。今年も、もう残り七時間を切っていた。私は晩御飯の準備をすることにした。
「勇儀、お風呂洗ってきてくれない?」
「あいよ!」
――さて、今日の晩御飯は何にしようかしら……。えーと、餃子……よし、餃子は決まり! 他は何にしようかしら。
「ねえ勇儀。」
「なに、パルスィ。」
「晩御飯何がいい? 餃子は決まっているんだけど。」
「ん? 何が決まっているって?」
「餃子!」
勇儀はお風呂場で掃除しているから少し聞き取りにくいようだった。
「そうだな……麻婆豆腐なんてどうだ! ついでに卵スープも。」
――完全に中華……でもそれでもいいな。よし、そうしよう。勇儀が食べたいんだしいいな。
「わかった! そしたら晩御飯は麻婆豆腐と餃子と卵スープにするね!」
餃子はさっき皮や中身の具も買ってきたからすぐに作り始めた。餃子の皮は全部で四〇枚あった。二人で分ければ一人二〇個、少し多いかもしれない。でも勇儀のことだから二〇個だと足りないとか言いそうだった。焼く前のところまではそんなに時間はかからずできた。
――えーと麻婆豆腐の素ってあったかな? ……あ、あったあった。これであと豆腐だけ。
豆腐はさっき買ってきた中にあったからそれを使うことにした。勇儀が掃除を終えてお湯をためて戻ってきた。
「お! 餃子はもう焼くだけで出来上がりか。それにしてもお腹減ったな。なんか手伝おうか?」
「いや、大丈夫だよ。ゆっくりしててね。」
私は少し急いで作ることにした。麻婆豆腐と餃子を一気に同時進行で作ることにした。そして一時間ほどして全て出来上がった。
「はい、今年最後の夕飯! 麻婆豆腐と餃子と卵スープ! なんだか中華って感じの夕飯ね。」
「おー、一つ聞いていいか? この麻婆豆腐の辛さは?」
「普通に辛いくらいよ。」
「『普通に』って……どこが普通かわからなきゃ辛さがわからないだろ。」
勇儀は少し笑っていた。「いただきます」と二人とも挨拶して食べ始めた。
――麻婆豆腐といえばやっぱり麻婆丼でしょ。こうしないと辛くて食べづらいからね。
私は麻婆豆腐をスプーンですくい白ごはんの上にかけた。勇儀は既に麻婆豆腐を一気に白ごはんにかけて食べていた。
――おお、辛い! 白ごはんの上にかけた麻婆豆腐の辛さはあまり衰えてない。体中が熱くなってきた。汗も少し出てきた。……さて餃子の方も食べてみるか。
私は餃子につける醤油にラー油をすこし入れた。そして一つ餃子を取りその醤油につけて食べた。
――うーん、なんだろう、さっきの麻婆豆腐が少し口の中に残っていたのか辛いばかりであまり餃子の味がわからない。一度水を飲むか。
私は水を飲み口の中を空にした。そしてもう一度餃子を取り食べた。
――まあまあってところかな。ちょっと皮が破けていてそこからこぼれるのがちょこっと気になるだけね。
「ねえ、勇儀どう? 私の作った料理は。」
「うん、麻婆豆腐はこの辛さはピリピリと来ていいな。餃子はやっぱ1つ1つが少し崩れかけてるのが気になるくらいでほかは気にならないな。味もいいし。パルスィ、あんた料理の度にどんどん上手くなって行ってない?」
「ありがとう、そう言ってくれると嬉しいわ。まあ色々なものを食べたりして勉強しているからね。」
「そうか、本当に昔のあんたに比べたらかなりいいもんなあ。前はハンバーグとかを焼くにしても焦がしちゃって全然だったのが今じゃ簡単なのを普通に美味しいじゃなくてもっと美味しくするんだもん。腕上げたよな。」
「そこまで言わなくてもいいじゃない。」
私は顔が赤くなっていた。……もしかしたら勇儀から言われたのではなくただ単に麻婆豆腐が辛かったからかもしれないが。
「ごちそうさま。さてと先に風呂入ってくるからな。」
私は使った食器を洗い勇儀のあとにお風呂に入った。上がると今年ももうあと四時間。炬燵の中に入ってさっき勇儀の部屋から出てきた写真を二人で見ることにした。
――あ、これ七年くらい前の写真だ。お! 初めての料理した時の写真もある。本当になつかしいな。
「お、もう少しで『幻想郷M-1グランプリ』始まるじゃん。」
「そうね、見ましょうか。」
「今年は誰が優勝するだろうね。たしか去年は『秋家(AKIYA)』が優勝だったよな。今年もどこかの姉妹が優勝するのか?」
「そうかしら? 私はあの仙人が勝つと思うけど。」
「ああ、『W仙人』か。どうだろうな、まあ誰が勝つかなんてわからないんだし予想だな。」
そうしてみかんを食べながら幻想郷M-1グランプリを見ていた。結果は私の予想が当たり『W仙人』が優勝だった。
一年が終わるまでもう五分も無かった。
「今年ももう終わりね。」
「そうだな。」
「来年はもっといい年になればいいな。」
「当たり前だなそれは。どうする明日は?」
「そうね、初詣に博麗神社にでも行く?」
「そうするか。」
そして新たな年が始まった。
宇佐美です

今年も残り24時間を切りましたね。
今回のお話は先々週の「年末の牛丼」の続きになります。
本当は一気に投稿するつもりだったのですが今回の分がなかなか考えがまとまらずになった結果前回が中途半端に終わってしまいました
申し訳ありません。考えた結果今回は中華になりました!

孤独にグルメ6.5作目
「年越し前の麻婆豆腐と餃子」 でした

ちなみにどうでもいい話ですがこのお話の中に出てくる
幻想郷M-1グランプリですが
このお話の時点で既に第八回を迎えています
初代の優勝者は「美咲劇場」(美鈴&咲夜)です
W仙人は華扇&青娥です
ちなみに東方M-1グランプリとは全く関係ありません











一応各話へのリンク

1話パルスィと竜宮焼き
2話妹紅の焼き鳥屋とミスティアの居酒屋
3話勇儀と二人での焼肉
4話命蓮寺のクッキーと村紗水蜜のカレーうどん
5話美鈴の絶品炒飯
6話クリスマスのプレゼント配り
7話年末の牛丼
7.5話年越し前の麻婆豆腐と餃子
8話人間の里の生姜焼き定食とパルスィのピリ辛カレーライス
9話卒業式の後……

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宇佐美 悠香
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コメント



1.満月の夜に狼に変身する程度の能力削除
優勝者バラすのはネタバレになんのかな?
ま、大丈夫か
年末の雰囲気が良いですね