一年も、もう一週間で終わりだ。今日はクリスマスイブ。
クリスマスと言えばカップルのお祭りとか言っている人がいるが、子供からしてみれば一年に一度のプレゼントをもらえる日だ。私は昨日二人の仙人からある手伝いを頼まれた。今日、明日は用事はほぼ何もないし、勇儀も飲みに行くと言っていたから手伝うことにした。
一七時に博麗神社前に来てくれ、と言われていた。今が一四時だからあと一時間半くらいしたら出ることにした。
――さて、三時のおやつは何にしようかな。
冷蔵庫の中を覗くとちょうどよくホットケーキを作るだけの材料があったのでホットケーキを作ることにした。
ホットケーキを作り終え使ったものの片付けを終えると丁度、一五時になって良いくらいの時間だった。
「さてと、いただきます。」
作り終えてからの片付けを素早くやったのでホットケーキはまだ冷めていなく熱かった。出発まであと二五分。
――全部で大きいのを四枚も焼いたから出発までに食べきるのは多分不可能だろう。さて、残ったのはどうしようか……。明日も食べれるように冷蔵庫に入れようか……いや、それだと冷たくなって美味しくなくなるかも。うーん。
結局このあと会う二人の仙人に分けることにした。一五時二六分、もう少しででないと間に合わないかもしれない。残ったホットケーキを容器に詰め鞄に入れた。
一五時三二分、少しだけ遅れた。しかしわずか2分、誤差の範囲内だ。家を出て博麗神社を目指した。地底はそこまでクリスマスという感じはしなかったが地上はクリスマス一色だった。周りの店からはジングルベル、聖者の行進、アヴェマリア、きよしこの夜などが流れていた。
――地上はすごいわね。クリスマスってだけでこんなにも賑やかになるのね。
私は言われた時間の五分くらい前には到着していた。
「あ、水橋さん、こっちですよ。」
声をかけてきたのは青色の仙人、霍青娥だ。今回私に手伝いをしないかと声をかけてきた一人だ。
「すいません、こんばんわ青娥さん。あれ、もうひとりの方……名前何でしたっけ?」
「あ、華扇のことですね。もう少ししたら来ると思いますよ。大きな荷物を持ってきているので少し遅いかもしれませんが……。」
「ああ、荷物を……。大変そうですね。あの、今回は何を手伝えばいいですか?」
「えーとね、里の子供たちにお菓子を配りに行くのと、里の家にプレゼントを夜お置くのを頼まれているところへ行きますので、荷物運びと配布をお手伝い頂ければ。」
私はこの説明で今日の手伝いを大体把握した。その後少ししてから大きな袋を持った華扇がやってきた。
「はあ、何なのこの荷物の多さは?」
「これも全て里の子供たちのため、そう思えばそんなに重くはないでしょう。」
「そんなこと言う前にあんたも手伝えよ。あ、パルスィさん今日はよろしくお願いしますね。これを着ていただけますか?」
華扇から渡されたのは赤い服だった。赤い服でこの時期といえばサンタの衣装だろうと予想した。すぐに着替えた。やはりサンタの衣装だった。二人の仙人も既に着替えていた。
「そしたら荷物を二つに分けようか。里で配る分と届ける分にね。」
三人で荷物の仕分けをやった。仕分けが終わったあとプレゼントが入った袋を大きなソリのようなのに積み、少し急いで里に向かった。一七時四五分、もう外は暗くなり始めていた。周りは商店街のイルミネーションでまだ明るさがあった。クリスマスだからなのかカップルや家族が多く里の商店などにいた。そこにいる私たちは子供たちから見れば完全にサンタさんだった。子供が一人、また一人と次々に着て三人は大忙しで配っていた。子供たちは私たちのことを見つけると「サンタさんだ!」と元気に走って来る。言われたのを聞くと少し恥ずかしくなる。
――楽しいわね、いつもなら嫉妬しているクリスマス。こんなにも嫉妬をしない楽しいクリスマスを過ごせるのは初めてだわ。
一八時三〇分、ここでのプレゼント配布は終わりだ。持ってきた配布用の袋がほぼ無くなった。次は二〇時を過ぎたあたりからの一件ごとにプレゼントを置きに行く手伝いだ。一時間半ほど時間があるので三人で夕食にすることになった。なんと今日は二人に奢ってもらえることになった。
――本当に今日はついているわね。奢ってもらえるんだからこのあとのもしっかりと手伝わなきゃな。
三人は近くにあったファーストフード店に入り注文した。
――クリスマスにチキンを食べる……クリスマスらしいといえばクリスマスらしいのかもしれない。
三人は注文したものを持って店の中のテーブルがあるところに座った。
「いただきます!」
骨付きの鶏肉に噛み付くと、中から肉汁が出てきた。少し熱かったが、この冷えた体には丁度いいのかもしれない。あっという間に一つ食べてしまった。骨に肉を残さないようにしっかりと最後まで取って食べた。周りから見れば少し意地汚いのかもしれないが命を貰うのだからここまでしてもいいのではないかと思う。そしていつの間にかすべてを食べ終わっていた。お腹もいっぱいになったししっかりと温まることができたのでこのあとに手伝いもかなりできる気がする。一九時四五分、あと一五分くらいしたら次が始まる。青娥は里の地図を取り出した。
「えーと、まずねここにある家に届けてから――――って感じで配りますね。一応この地図は私が持っておくのでわからなくなったら聞いてくださいね。」
大体は覚えたから聞くことはないだろうと私は心の中で思った。一九時五六分、出発して最初の家に向かうことにした。少ししてチラチラと雪が降り始めてきた。
「ホワイトクリスマスね。」
人間の里ではここ一五年ほどクリスマスに雪が降ったことはなかったので珍しかった。一件目の家に到着し子供を起こさないようにプレゼントを置いてきた。その後三〇件程まわりすべてのプレゼントを配り終えた。
「パルスィさん今日はどうもありがとうございました。これ、わずかですが受け取っておいてください。」
私は封筒を渡された。
「あ、ありがとうございます。あの、これよければ食べてください。今日家で作ってたら余ってしまって……」
二人の仙人は快く受け取ってくれた。そして来年も手伝うことを約束して別れた。
――本当に今日は楽しかったわ、子供たちの笑顔を見れたしやっぱり誰かの為っていうのはいいわね。
クリスマスと言えばカップルのお祭りとか言っている人がいるが、子供からしてみれば一年に一度のプレゼントをもらえる日だ。私は昨日二人の仙人からある手伝いを頼まれた。今日、明日は用事はほぼ何もないし、勇儀も飲みに行くと言っていたから手伝うことにした。
一七時に博麗神社前に来てくれ、と言われていた。今が一四時だからあと一時間半くらいしたら出ることにした。
――さて、三時のおやつは何にしようかな。
冷蔵庫の中を覗くとちょうどよくホットケーキを作るだけの材料があったのでホットケーキを作ることにした。
ホットケーキを作り終え使ったものの片付けを終えると丁度、一五時になって良いくらいの時間だった。
「さてと、いただきます。」
作り終えてからの片付けを素早くやったのでホットケーキはまだ冷めていなく熱かった。出発まであと二五分。
――全部で大きいのを四枚も焼いたから出発までに食べきるのは多分不可能だろう。さて、残ったのはどうしようか……。明日も食べれるように冷蔵庫に入れようか……いや、それだと冷たくなって美味しくなくなるかも。うーん。
結局このあと会う二人の仙人に分けることにした。一五時二六分、もう少しででないと間に合わないかもしれない。残ったホットケーキを容器に詰め鞄に入れた。
一五時三二分、少しだけ遅れた。しかしわずか2分、誤差の範囲内だ。家を出て博麗神社を目指した。地底はそこまでクリスマスという感じはしなかったが地上はクリスマス一色だった。周りの店からはジングルベル、聖者の行進、アヴェマリア、きよしこの夜などが流れていた。
――地上はすごいわね。クリスマスってだけでこんなにも賑やかになるのね。
私は言われた時間の五分くらい前には到着していた。
「あ、水橋さん、こっちですよ。」
声をかけてきたのは青色の仙人、霍青娥だ。今回私に手伝いをしないかと声をかけてきた一人だ。
「すいません、こんばんわ青娥さん。あれ、もうひとりの方……名前何でしたっけ?」
「あ、華扇のことですね。もう少ししたら来ると思いますよ。大きな荷物を持ってきているので少し遅いかもしれませんが……。」
「ああ、荷物を……。大変そうですね。あの、今回は何を手伝えばいいですか?」
「えーとね、里の子供たちにお菓子を配りに行くのと、里の家にプレゼントを夜お置くのを頼まれているところへ行きますので、荷物運びと配布をお手伝い頂ければ。」
私はこの説明で今日の手伝いを大体把握した。その後少ししてから大きな袋を持った華扇がやってきた。
「はあ、何なのこの荷物の多さは?」
「これも全て里の子供たちのため、そう思えばそんなに重くはないでしょう。」
「そんなこと言う前にあんたも手伝えよ。あ、パルスィさん今日はよろしくお願いしますね。これを着ていただけますか?」
華扇から渡されたのは赤い服だった。赤い服でこの時期といえばサンタの衣装だろうと予想した。すぐに着替えた。やはりサンタの衣装だった。二人の仙人も既に着替えていた。
「そしたら荷物を二つに分けようか。里で配る分と届ける分にね。」
三人で荷物の仕分けをやった。仕分けが終わったあとプレゼントが入った袋を大きなソリのようなのに積み、少し急いで里に向かった。一七時四五分、もう外は暗くなり始めていた。周りは商店街のイルミネーションでまだ明るさがあった。クリスマスだからなのかカップルや家族が多く里の商店などにいた。そこにいる私たちは子供たちから見れば完全にサンタさんだった。子供が一人、また一人と次々に着て三人は大忙しで配っていた。子供たちは私たちのことを見つけると「サンタさんだ!」と元気に走って来る。言われたのを聞くと少し恥ずかしくなる。
――楽しいわね、いつもなら嫉妬しているクリスマス。こんなにも嫉妬をしない楽しいクリスマスを過ごせるのは初めてだわ。
一八時三〇分、ここでのプレゼント配布は終わりだ。持ってきた配布用の袋がほぼ無くなった。次は二〇時を過ぎたあたりからの一件ごとにプレゼントを置きに行く手伝いだ。一時間半ほど時間があるので三人で夕食にすることになった。なんと今日は二人に奢ってもらえることになった。
――本当に今日はついているわね。奢ってもらえるんだからこのあとのもしっかりと手伝わなきゃな。
三人は近くにあったファーストフード店に入り注文した。
――クリスマスにチキンを食べる……クリスマスらしいといえばクリスマスらしいのかもしれない。
三人は注文したものを持って店の中のテーブルがあるところに座った。
「いただきます!」
骨付きの鶏肉に噛み付くと、中から肉汁が出てきた。少し熱かったが、この冷えた体には丁度いいのかもしれない。あっという間に一つ食べてしまった。骨に肉を残さないようにしっかりと最後まで取って食べた。周りから見れば少し意地汚いのかもしれないが命を貰うのだからここまでしてもいいのではないかと思う。そしていつの間にかすべてを食べ終わっていた。お腹もいっぱいになったししっかりと温まることができたのでこのあとに手伝いもかなりできる気がする。一九時四五分、あと一五分くらいしたら次が始まる。青娥は里の地図を取り出した。
「えーと、まずねここにある家に届けてから――――って感じで配りますね。一応この地図は私が持っておくのでわからなくなったら聞いてくださいね。」
大体は覚えたから聞くことはないだろうと私は心の中で思った。一九時五六分、出発して最初の家に向かうことにした。少ししてチラチラと雪が降り始めてきた。
「ホワイトクリスマスね。」
人間の里ではここ一五年ほどクリスマスに雪が降ったことはなかったので珍しかった。一件目の家に到着し子供を起こさないようにプレゼントを置いてきた。その後三〇件程まわりすべてのプレゼントを配り終えた。
「パルスィさん今日はどうもありがとうございました。これ、わずかですが受け取っておいてください。」
私は封筒を渡された。
「あ、ありがとうございます。あの、これよければ食べてください。今日家で作ってたら余ってしまって……」
二人の仙人は快く受け取ってくれた。そして来年も手伝うことを約束して別れた。
――本当に今日は楽しかったわ、子供たちの笑顔を見れたしやっぱり誰かの為っていうのはいいわね。