ご飯の最後の一口を美味しそうに食べ、淹れたての緑茶を啜ると、霊夢は畳の上に仰向けに寝転がった。
「はー幸せ」
「こら、食べてすぐ寝ない」
食器を重ねながら言ってみるけど、霊夢は聞く耳を持たない。
横になったまま大きく伸びをして服が捲れ上がり、白く細いお腹が、小さな臍が見えた。
「お腹出てるわよ」
「んー」
上の空といった様子で服を整えもしない。
このまま一眠りするつもりなのだろう。眠れる獅子は起こさぬが吉。
一先ず洗い物を済ませてしまおう。
「今日はいつまでいるの?」
「もう2、3時間は……って、まだ起きてたの」
とっくに寝ているものと思ったが、まったく同じ場所に同じ姿勢で寝転がったまま片目を開けていた。
今にも瞼が落ちそうなのに、目を閉じず私が隣に腰を下ろすのを待っている。
「昼寝ぐらいはできそうね」
「私が来る前も寝てたでしょうに。もう少し活動しなさいよ」
「寝る子は育つのよ?」
「大して育ってるように見えないんだけど」
どうして食べて寝ているだけなのにこんなに細いのだろう。
棒のような手足は少し無茶をすればすぐに折れそうだし、ウエストにもヒップにも余分な肉がついていない。羨ましい限りだ。
寝る子といえば、猫は寝子からきているという話を聞いたことがある。
なるほど、こうしていると猫のようだ。
日向ぼっこを楽しむ満腹の猫。茶トラか、三毛か。お腹の白い猫だろう。
そんなことを考えていると、つい、手が伸びた。
「……何」
「そこにお腹があったから」
「は?」
心底鬱陶しそうな目で見られたが、払い除けられたりはしない。いつもなら甲でぺちんとやられるのに。
調子に乗ってすべすべとした感触を楽しんでいると、手首を掴まれた。
機嫌を損ねたか。
慌てて手を引っ込めようとすると、逆にぐいと引き寄せられた。
霊夢はその勢いでくるりと上下を入れ替え、私を畳の上に組み敷いた。
「実はね、咲夜。さっきのお昼、ちょっと物足りないなーと思ってたのよ」
「え、あ、そうなの?」
普段より多めに作ったつもりだったのだけど、どうやらそうでもなかったらしい。
「うん。だからさ」
ちろ、と覗く舌が艶かしい。
濡れた舌でゆっくりと唇を舐め、薄く微笑んだ。
「足りない分、食べさせて?」
霊夢さんのお腹すべすべ可愛いです