Coolier - 新生・東方創想話ジェネリック

選考理由

2013/06/06 21:43:00
最終更新
サイズ
8.93KB
ページ数
1

分類タグ

「皆さん、お集まりいただけたようですね」
「何の用事かしら、早苗」
「私、お嬢様がふてくされてるから、それをあやすので大変なのだけど……」
「と言うか、どうして私まで」
「あの、私も、病院で仕事が……」
「……えーっと。どうして私まで?」
 そこに集まったのは以下の人物であった。
 順番に、東風谷早苗、アリス・マーガトロイド、十六夜咲夜、パチュリー・ノーレッジ、鈴仙・優曇華院・イナバ、永江衣玖。
 いずれも、ある共通の事情を抱えるもの達である。
「……まずは、怒らずに聞いてください」
「は?」
 アリスが訝しげに眉をひそめた後、彼女――今回の会合の主催者、早苗は言った。


「新作背景、お疲れ様でしたっ!!」


 会場全体に、ぐわっ、と高まる殺気。
 その殺気は早苗に向けられ、「……いい度胸をしているわね」だの「あなたも同類だと思っていたけど……違ったようね」といった声が上がる。
 普通の人間なら気死するか、絶望と共に笑い出すしかないと思われるその中で。
 早苗は、しかし、平然としていた。
「……ふっ」
「あの、早苗さん。悪いことは言わないので、皆さんに謝った方が……」
「いいえ、わたしは謝りません。
 なぜなら、わたし達が、その事実を知ることが、今、何よりも重要だからですっ!」
 やたらリアルな表情(さいと○た○を風)の早苗の一言に、進言する衣玖がずざっと音を立てて身を引いた。
「ふふふっ……。
 ……そう。背景ですよ、背景。
 特に辛かったのは、咲夜さんとアリスさん。そうでしょう? 萃夢想の頃から一貫してレギュラーを務めていたのだから……ねぇ?」
「……ええ、そうね」
「早苗、いい挑発だわ。今日で命を終える覚悟、出来てる?」
「風神録で鳴り物入りデビュー、星蓮船で主人公抜擢……。にも拘わらず、今度の新作では主人公落選……。
 ふふっ、あなたもストレスがたまっているのかしら?」
 アリスの周囲に無数の人形が乱舞する。彼女たちの手には、いずれも鋭い剣や槍が握られている。一部、血まみれの包丁やらチェーンソーを握っているのがいてやたら怖い。
 一方の咲夜はその瞳を真紅に染め、すでにナイフを逆手に構えていた。『マジでソウルスカルプチュアする5秒前』である。
「私には話を振らないのね」
「パチュリーさん、あまり興味がなさそうですし」
「ええ、興味ないわ。格闘ゲームは疲れるのよ、あちこち走り回ったりしないといけないから。
 私はのんびり本と魔法に戯れる日々が似合っているの。前に出るのは嫌いよ」
 この辺り、人格の違いか、それとも単にめんどくさがりの出不精体質なだけか。
 鈴仙の問いかけにも、パチュリーは平然としている。
「背景……。
 それは、その場にいながら平然とフレームカットされてたり写真が見切れてたり、主人公なのに30分アニメでセリフが全くなかったり、キャラソンすらまともに歌わせてもらえない、そんなキャラにこそふさわしいっ!」
「えらい具体的ですね……」
「知り合いでもいるんでしょうか……」
 何やら、そのシルエットが、知り合いのピンク頭仙人に酷似しているようなものが早苗の背後に見えたような気がするのだが、とりあえず、一同はそれを気にしなかった。
「アリスさん、咲夜さんっ! しかし、今回はそれでよかったのかもしれないと、考えたことはないのですか!?」
 高まる殺気がぴたりと収まった。
 早苗の問いに、アリスは、そして咲夜は言葉を詰まらせる。
「……そうね」
「背景にすら出られなかった子も……いたわよね」
「まぁ……基本、キャラはローテーションですしね……」
「背景に出られただけまだマシ……そう思うしかないのかしら」
 ふふっ、と笑う二人の顔には、自嘲の色が濃い。
 そう。
 キャラはローテされるもの。それに伴う人気も、また。
 本当に人気のない、忘れられたキャラは背景にすら出られない。とある魔界神は、自分の名前まで入っていたことに目を輝かせていたのに、いざ、蓋を開けてみれば自分にオファーどころか背景枠すら与えられないことにふてくされ、ただいま、部屋の中ですねていると聞く。
 ――そう。
『出られるだけで幸せ』――そんな言葉も、世の中にはある。
 しかし、早苗は言った。
「今回の異変……それは、一人のお面妖怪の元から希望が失われた異変……」
 確か、秦こころといったか。
 そのキャラ特性から、すでに今後の東方二次創作界隈でいじられキャラ確定している彼女のことを思い出して、二人はうなずく。
「その異変の解決のために動いた者達……。それが、今回の主役です」
「ええ、そうね」
「だけど、それがどうかしたのかしら。早苗」
「あなた達は気付きませんか? 彼女たちには、ある共通点があるのです」
『……?』
 アリスと咲夜はそろって首をかしげる。
 鈴仙と衣玖は早苗の言っている意味がわからず、パチュリーが「じゃ、とりあえずゲームプレイしてみましょう」と、どこからともなくパソコン取り出して『東方心綺楼』を起動させている。
「パチュリーさん、キャラ選択を」
「……? ええ」
「あ、その人は飛ばしてください」
 何やら言われるがまま、十字キーの上下で、パチュリーは画面を送っていく。
 ちなみに、彼女が手にしているコントローラは、あの伝説の『サター○パッド』である。最近、密林からも姿を消したこれは、ついに幻想入りしていたのだ。
 それは、ともあれ。
「……早苗、これは……」
「彼女たちの、そのラインナップ……それを見て、何かに気付きませんか?」
 博麗霊夢、霧雨魔理沙、雲居一輪、河城にとり、物部布都、豊聡耳神子、古明地こいし、二ッ岩マミゾウ。
 二人はそれを見て、首をかしげる。
「そう……。
 彼女たちの立ち絵……!
 すなわちっ!」
『ま、まさか……!?』
「そう! 彼女たちの共通項! それは、立ち絵が絶壁であるということっ!」
 言われた通りの画像が、そこに映し出されている。
 ない。
 全くない。
 どれくらいないかというと絶望的にない。
 女性の証たる、豊かな二つの膨らみが、この立ち絵からはまるで感じられない。
「そして、今回のラスボス、秦こころ!」
『……!』
 咲夜とアリスは声を失った。
 彼女もまた、ない。
 かつて天人が退屈まぎれに異変を起こした時、現れた彼女の胸部に、あらゆるものが憐憫の情を抱いた。
 その彼女に匹敵するくらい、こころもまた、ない。
 これはまさしく、悪夢の『72』の呪い。
 絶壁だとかないちちだとか、そんな評価すら生ぬるい。それこそが『72』。彼女は、まさしくそれに該当するのだ。
 それを確認してから、早苗はたっぷり、ためを作って、言った。



「ここから、今回の異変の真実が見えてくる……!
 我々、女の子のおっぱいにはたくさんの希望が詰まっている……!
 失われた希望と言うのは、『おっぱいキャラ』のことだったんですよっ!」





『な、なんだって――――――ッ!?』





「この異変では、つるぺた~ふくらみかけ以外のキャラは解決することすら許されないっ!
 それが、今回の異変の真実っ!
 すなわち、普通乳以上の持ち主であるわたし達は、出たくても出られなかったに過ぎないんですよっ!」
 それは、驚きの真実であった。
 人気やキャラ性能、キャラローテの枠から外れたなどという生易しいものではない。
 そもそも、今回の異変――新作には、彼女たちは、元から参加する権利を持ち合わせていなかったのだ。
 全ては、彼女たちが希望に満ち溢れたものをもちあわせていたため――失われた希望を作り出す力を持っていたためだったのだ。
「だ、だけど、早苗! これを見なさい!」
「そうよ! 聖白蓮……! このドット、そして立ち絵っ!」
 それは、早苗の理論からすれば、この異変に、彼女たちと同じく、参加することを許されないはずだった。
 でかい。
 揺れる。
 見事な谷間。
 ただ一人だけ、周りから浮いているおっぱいキャラ――聖白蓮。
 なぜ、彼女の参加が許されたのか。
 しかし、早苗はうろたえない。
「いいですか? アリスさん、咲夜さん。
 どんなゲームであろうとも、主人公がいます。主人公のいないゲームはゲームではない……そうですね?」
「え、ええ……」
「……そうね。それは確かに」
「今回の異変の目的は失われた希望を取り戻すことっ!
 すなわち、聖さまこそ、今回の新作で『主役』として抜擢されたにすぎないんですよっ!」
「なっ……!?」
「わたしは残念ながら、宗教家ではあっても、過去にいくつか主役を張りました。キャラローテの枠から外れてしまいました。
 アリスさんと咲夜さんは、そもそも宗教とは無関係……だから、外された。
 そんな風に消去法で探していった結果、今回の異変を解決する、最もふさわしい主役は誰かっ!?
 そこで白羽の矢が立ったのが、聖白蓮だったのですっ!」
 ……なるほど。
 確かに、理論としては納得行くものであった。
 希望が山ほど詰め込まれた、聖白蓮(87F)。その彼女から、希望は生み出されると考えれば、なるほど、納得が行く。
「……よくよく考えてみれば、彼女のエンディングは、とてもきれいに終わっていたわ」
「なるほど……そういうことだったのね……」
「全てがバッドエンドのゲームはただのクソゲーです。
 どこかに、必ずトゥルーエンドがなくてはならない……! ただ、それだけのことっ!」
「つまり、私達は忘れられたわけではなかったのね!」(十六夜咲夜 84C 最近、少し大きくなった)
「まだ次がある……! それを信じていいのね!」(アリス・マーガトロイド 83C 美乳)
「そうですっ!
 今回のゲームは、ただ、わたし達にとって、そもそも最初からすこぶる不利な条件だっただけっ!
 その証拠に、咲夜さん! 次はあなたが主人公に復活していたじゃないですか!
 まだまだこれからなんですよっ!」(東風谷早苗 88E 最近、ブラがきつい)
 互いに手を取り合い、喜ぶ彼女たち。
 きっと、今夜は酒を酌み交わし、これからの展望を語るのだろう。
 まだまだ次がある。シリーズが終焉を迎えるその時まで、無限にチャンスは存在する。
 今回は、ただ、チャンスが巡ってこなかっただけ。ただそれだけなのだ。
 そのようなことに一喜一憂するよりは、次回のチャンスを掴むべく、心機一転、頑張っていくのが正しい姿。
 それを、早苗は、皆に教えたかった――ただ、それだけなのである。


「……で、これ、どうやってオチつけるんですか」(鈴仙・優曇華院・イナバ 84D)
「……さあ。どうしましょう」(永江衣玖 86E)
「というかすごく馬鹿らしいわ。……コンボゲーって苦手ね」(パチュリー・ノーレッジ 85D)





「……というか、わしら、あそこで騒いでいるのより普通にあるがのぅ」(二ッ岩マミゾウ 88F)
「あれですよ。着やせもぺたんこに分類されるんですよ」(雲居一輪 98H)
「なるほど」



 完!
れみりゃ「(´・ω・`)」
てんこ「OTL」
みょん「( ゚д゚ )」
haruka
コメント



1.名前が無い程度の能力削除
おいやめろ!やめろ…
2.名前が無い程度の能力削除
マミゾウさん着やせだったのですか……
3.名前が無い程度の能力削除
み、みょんの成長期はまだこれからだから…(震え声)
4.名前が無い程度の能力削除
98……だと?
ああ雲山の話か。
5.名前が無い程度の能力削除
まあ、一輪さんはちちりん勢力のが強いしな
しかし着痩せ98とは素敵だな
6.名前が無い程度の能力削除
こういうバカらしい講釈は大好きだ。
7.奇声を発する程度の能力削除
こういうノリ好き
8.名前が無い程度の能力削除
つかマミゾウさん茶釜風呂でおもくそ谷間でてますやん。
9.名前が無い程度の能力削除
誰がどう見てもマミゾウさんは胸あるだろ
10.名前が無い程度の能力削除
さwwいwwごww
そして一輪さんどんだけですかwww
11.名前が無い程度の能力削除
そして咲夜さんは最終的勝利をもぎ取った。