人間は脆い。少しでも力加減を誤れば死んでしまう。
人間は儚い。その寿命は妖怪よりずっと短い。
だから、人間は嫌いだ。
いつも私を置いていく。
――ぱしゃり。
「痛い痛い痛いお願いですから手を離してください霊夢さいだだだだ」
「勝手に写真撮る方が悪い」
「悪かったですってほんと反省してますからああああ!」
「どうだか」
手の甲を爪を立てて抓る霊夢に平謝りし続けること数分。飽きたのか許してくれたのか、なんとか手を離してくれた。
「いたたたた……写真撮っただけでそんなに怒ることないじゃないですかぁ」
「何に使われるかわかったもんじゃないからね」
「次号は巫女特集にしようと思いまして」
「どうせロクなこと書かないんでしょ」
「せっかく神社の宣伝をしようと思ってたのに」
どうだか、と胡乱げに睨む霊夢の勘は外れていない。
半分本当で、半分嘘なのだ。
記事を書くのは本当だけど、真の目的はそれではない。
妖怪は人よりずっと長生きする。それだけ思い出は増えるが、すべてを憶えていることはできない。
阿礼乙女が遺す記録は表面的な事実に過ぎない。個々人についての細々としたことを遺すことはできない。
だから自分で記すのだ。文字で、写真で。そうして留めていれば、忘れても思い出せる。
「お願いしますよ。今度里の甘味処にお連れしますから」
「奢り?」
「もちろん」
「……一枚だけよ」
「ありがとうございまーす! 自然体でお願いしますねー」
ファインダーを通してお茶を啜る霊夢を見つめる。ピントを合わせ、今の彼女の姿を切り取る。忘れないように、思い出せるように。
「撮りますよー」
――ぱしゃり。
人間は脆くて儚い。
だからこそ、愛おしいのだ。
広さが違うだけで。
人間は儚いと聞くと、どんな作品でも悲しくなってしまう……。
でもあやれいむか……。うん。
文羽さんてなぜかそそわにもっと前からいたイメージをもっていました…、
それでは1周年おめでとうございます。これからも文羽さんのss楽しみにしてます!
一周年おめでとうございます、これからも楽しみにしています
文霊夢最こう!
文霊もいい。うわきじゃないです。決して