毎夜ごとに漕ぎ出でてはくらき湖に舟を浮かべ
みなもより歴史の深淵へとしづかに糸を垂らす孤独のわざよ
もろ手にすくいし水は透明なれど指のあいだよりこぼれ落ち
かすかなさざ波を残しやがてはかがり火も届かぬ闇へとかえる
あかあかと燃えさかるほのおの内に黒くおのが身を焦がしては
いずれもろく崩れはるか水底の淀みへ消ゆ
汲めど尽きぬ無量を汲まんとする無為の果てに
たゆたい沈みゆくさだめをこそいとおしく思わめ
ただ月のみが変わることなく姿をうつし気まぐれに風のなでる遠き遠きみなもを
ねがわくは猛きほむらの光のうつくしく照らさんことを
ストーリーが読み取れない……
そう思って読んだらしんみりしました。