【お姉ちゃんは心配性】
お姉ちゃんは心配性だ。
私が瞳を閉じてからは、更に酷くなった気がする。
この前家に居た時は、トイレにまで付いて来ようとしたし。
心配なのは分かるけどいい加減にしてって言ったら、しょんぼりして部屋に戻って行った。
部屋に戻ったら不貞寝してるのもどうかと思った。
遊びに行く時は必ず一声掛けて、鍵掛けてなんて言う。
どこに行くの、帰りはいつ頃?
と言われても、あてもなくふらふらと遊びに行くのだから、まぁ適当にとしか言いようがない。
そうするとお姉ちゃんは複雑な顔をして、余り長く家を空けないようにね、なんて言う。
帰るって伝えた日は、いつも地霊殿の外で待っている。
別に部屋で待ってても変わらないのに。
遅くなっても絶対に待ってるのは止めて欲しいかな。
ちゃんと帰るからさ。
私が命蓮寺に入信したと知った時は、お寺に使いを出してわざわざ贈り物なんかして、妹をよろしくお願いしますなんて手紙まで付けて。
ついでに余り家に帰らない私宛にも手紙を用意していた。
『元気で居ますか。
地上には慣れたでしょうか。
飲み慣れない水を飲めばお腹を壊すと言いますし、体調を崩していないか心配です。
淋しくはありませんか。
今は随分と変わって来ていますが、瞳を閉じた頃のあなたを思うと少し心配です。
お金はありますか。
無駄遣いはしないようにいつも言っていますが、珍しい物に弱いあなたが心配です。
今度はいつ帰って来ますか。
長く家を空けるあなただから、危険な目に遭って難渋していないか心配です。
(後略)』
周りの視線がすごく(生)暖かい気がした。
あと、あんまり心配の文字を入れるなと言いたい。
やっぱり、お姉ちゃんの心配性は度を越していると思う。
・・・
【お姉ちゃんはキス魔】
お姉ちゃんはひどいキス魔だ。
これも私が瞳を閉じてから酷くなった気がする。
帰って来たらお帰りなさいのキスをほっぺに。
寝る時にはおやすみなさいのキスをほっぺに。
出掛ける時は行ってらっしゃいのキスをほっぺに。
しかも、お返しに私もしてあげないと離してくれない。
アメリカンホームドラマじゃないんだから、って言っても全然聞かないんだから。
お姉ちゃん曰く、『私だって恥ずかしいんですよ、でもスキンシップはコミュニケーションを取るうえで有効な手段なんですから、仕方ないんです』だって。
そういえばペットが帰って来た時も、抱き上げて頬ずりしてるのをよく見る。
でも酔っ払ってる時は容赦がない。
言うなれば、あらゆる制約と誓約を解除した状態のお姉ちゃん。
しかも凄くお酒臭い。
いきなりふらりと近寄って来たと思ったら、がっちりホールドして離さない状態からのマシンガンキス。
パルスィやペットにも。
お姉ちゃんの気が済むまでずっと離してくれない。
しかも凄くお酒臭い。
だから酔っ払ったお姉ちゃんには、誰もが近付かないようにしている。
・・・
【お姉ちゃんは物書き】
お姉ちゃんは物書きだ。
いつ頃からやってるか分からないけど。
メモを見たことも有るけど、意味が分からなかった。
『牛の胃袋 マグネットコーティング 反芻速度の上昇 赤い水牛』
『魂よこんにちは ヒガン』
『光る海 光る大空 光るカツ丼 料理の地平線』
……お姉ちゃんは一体何がしたいんだろう。
出来上がったのは、字の読めるペットや、パルスィに見て貰ってるらしい。
ペットなら寝ないと成功、パルスィなら妬ましいと言わせたら成功って、分かりやすい基準では有るけど。
そういえば最近パルスィが妬ましいって言った事有ったっけ?
一度書きかけの原稿を読んでいたら、ひったくるように奪われた。
珍しく慌ててるお姉ちゃんは可愛いと思った。
・・・
【お姉ちゃんはマダオ】
お姉ちゃんは、まるでだめなお姉ちゃん、略してマダオだ。
これは私が瞳を閉じる前から酷かったかな。
仕事中やペットの世話をしているうちは良いけど、一旦引き篭るとスイッチが入る。
部屋から出て来ないし、食事も取らないし、着替えもしない。
あー・うー・あーって意味の分からない事を言ったり、椅子をガタガタ揺らしてみたり、頭を激しく振ってみたり。
一度ごみを見るような目でマダオを見てたら、『物書きなんて誰でも似たようなものですよ』って言ったきり、また同じ事を繰り返す。
私が居ても、大して気にしないで傍若無人に同じ事を繰り返していた。
冬はこたつに篭ったきり、出て来なかった。
私こたつと結婚します宣言を聞いた時は、こたつの方から願い下げだろうと思った。
結婚したらしたで、春には電撃破局が待っているだろうし。
マダオになったお姉ちゃんは誰にも止められない。
と言うより止める前から止まってる。
終わる前から終わってる。
死ぬ前から死んでる。
そういえば、どこかのお屋敷に住む姉妹の姉もへたれだって言うし。
お姉ちゃんなんて、どこも似たようなものなのかな。
・・・
【お姉ちゃんは家族】
私の家族で、お姉ちゃんだ。
心配性でも、キス魔でも、物書きでも、マダオでも。
多分、そんなに嫌いじゃないと思う。
仲が悪いってわけでもないし、心配してくれるし。
居なくなったら嫌だし。
だから、ずっと私のお姉ちゃんでいてね。
お姉ちゃんは心配性だ。
私が瞳を閉じてからは、更に酷くなった気がする。
この前家に居た時は、トイレにまで付いて来ようとしたし。
心配なのは分かるけどいい加減にしてって言ったら、しょんぼりして部屋に戻って行った。
部屋に戻ったら不貞寝してるのもどうかと思った。
遊びに行く時は必ず一声掛けて、鍵掛けてなんて言う。
どこに行くの、帰りはいつ頃?
と言われても、あてもなくふらふらと遊びに行くのだから、まぁ適当にとしか言いようがない。
そうするとお姉ちゃんは複雑な顔をして、余り長く家を空けないようにね、なんて言う。
帰るって伝えた日は、いつも地霊殿の外で待っている。
別に部屋で待ってても変わらないのに。
遅くなっても絶対に待ってるのは止めて欲しいかな。
ちゃんと帰るからさ。
私が命蓮寺に入信したと知った時は、お寺に使いを出してわざわざ贈り物なんかして、妹をよろしくお願いしますなんて手紙まで付けて。
ついでに余り家に帰らない私宛にも手紙を用意していた。
『元気で居ますか。
地上には慣れたでしょうか。
飲み慣れない水を飲めばお腹を壊すと言いますし、体調を崩していないか心配です。
淋しくはありませんか。
今は随分と変わって来ていますが、瞳を閉じた頃のあなたを思うと少し心配です。
お金はありますか。
無駄遣いはしないようにいつも言っていますが、珍しい物に弱いあなたが心配です。
今度はいつ帰って来ますか。
長く家を空けるあなただから、危険な目に遭って難渋していないか心配です。
(後略)』
周りの視線がすごく(生)暖かい気がした。
あと、あんまり心配の文字を入れるなと言いたい。
やっぱり、お姉ちゃんの心配性は度を越していると思う。
・・・
【お姉ちゃんはキス魔】
お姉ちゃんはひどいキス魔だ。
これも私が瞳を閉じてから酷くなった気がする。
帰って来たらお帰りなさいのキスをほっぺに。
寝る時にはおやすみなさいのキスをほっぺに。
出掛ける時は行ってらっしゃいのキスをほっぺに。
しかも、お返しに私もしてあげないと離してくれない。
アメリカンホームドラマじゃないんだから、って言っても全然聞かないんだから。
お姉ちゃん曰く、『私だって恥ずかしいんですよ、でもスキンシップはコミュニケーションを取るうえで有効な手段なんですから、仕方ないんです』だって。
そういえばペットが帰って来た時も、抱き上げて頬ずりしてるのをよく見る。
でも酔っ払ってる時は容赦がない。
言うなれば、あらゆる制約と誓約を解除した状態のお姉ちゃん。
しかも凄くお酒臭い。
いきなりふらりと近寄って来たと思ったら、がっちりホールドして離さない状態からのマシンガンキス。
パルスィやペットにも。
お姉ちゃんの気が済むまでずっと離してくれない。
しかも凄くお酒臭い。
だから酔っ払ったお姉ちゃんには、誰もが近付かないようにしている。
・・・
【お姉ちゃんは物書き】
お姉ちゃんは物書きだ。
いつ頃からやってるか分からないけど。
メモを見たことも有るけど、意味が分からなかった。
『牛の胃袋 マグネットコーティング 反芻速度の上昇 赤い水牛』
『魂よこんにちは ヒガン』
『光る海 光る大空 光るカツ丼 料理の地平線』
……お姉ちゃんは一体何がしたいんだろう。
出来上がったのは、字の読めるペットや、パルスィに見て貰ってるらしい。
ペットなら寝ないと成功、パルスィなら妬ましいと言わせたら成功って、分かりやすい基準では有るけど。
そういえば最近パルスィが妬ましいって言った事有ったっけ?
一度書きかけの原稿を読んでいたら、ひったくるように奪われた。
珍しく慌ててるお姉ちゃんは可愛いと思った。
・・・
【お姉ちゃんはマダオ】
お姉ちゃんは、まるでだめなお姉ちゃん、略してマダオだ。
これは私が瞳を閉じる前から酷かったかな。
仕事中やペットの世話をしているうちは良いけど、一旦引き篭るとスイッチが入る。
部屋から出て来ないし、食事も取らないし、着替えもしない。
あー・うー・あーって意味の分からない事を言ったり、椅子をガタガタ揺らしてみたり、頭を激しく振ってみたり。
一度ごみを見るような目でマダオを見てたら、『物書きなんて誰でも似たようなものですよ』って言ったきり、また同じ事を繰り返す。
私が居ても、大して気にしないで傍若無人に同じ事を繰り返していた。
冬はこたつに篭ったきり、出て来なかった。
私こたつと結婚します宣言を聞いた時は、こたつの方から願い下げだろうと思った。
結婚したらしたで、春には電撃破局が待っているだろうし。
マダオになったお姉ちゃんは誰にも止められない。
と言うより止める前から止まってる。
終わる前から終わってる。
死ぬ前から死んでる。
そういえば、どこかのお屋敷に住む姉妹の姉もへたれだって言うし。
お姉ちゃんなんて、どこも似たようなものなのかな。
・・・
【お姉ちゃんは家族】
私の家族で、お姉ちゃんだ。
心配性でも、キス魔でも、物書きでも、マダオでも。
多分、そんなに嫌いじゃないと思う。
仲が悪いってわけでもないし、心配してくれるし。
居なくなったら嫌だし。
だから、ずっと私のお姉ちゃんでいてね。
なんだかんだで両想いな古明地姉妹が大好きです。
面白い作品でした。
こいしちゃんがとてもいい妹やってるのがなかなかキますね キてますね
そして何だかんだでそんなお姉ちゃんが好きなこいしちゃん可愛い。
物書きのとこがおもしろかったw