メイド服姿の少女は苛立っていました。
顔にも仕草にも少しもわからないように、無言で怒っていました。
むせかえるような夏の匂いの中、紅白な少女は面倒くさそうな顔をしながらも白黒の少女と人形を連れた少女を迎え入れ、縁側で茶をすすっています。
メイド服の少女の隣に、人形を連れた少女、その横に白黒の少女、そのまた横にここの主である紅白の少女といった順番です。
はじめは白黒と人形の子はいなかったのですが、遠くに黒い点が見え、急に風が強くふいたかと思うと二人はそこに立っていました。
四人で何でもない話をしながらお茶を飲みます。
メイド服の子は怒っているためかいつもよりも少し静かです。
人形の子は時おり頷きつつ何やら裁縫をしています。
白黒の子はひとりで楽しそうに次々と話題を提供しています。
紅白の子はいつも通り口を動かすのも面倒くさそうに話します。
しばらくして白黒と人形の子は一緒に飛んで帰って行きました。メイド服の子は何を考えているのかわからない顔で紅白の子に抱きつきました。
+++++
「で、どうなったの?」
私はどこかで聞いた話でその結末を知っていましたが、たずねました。
「こうなったの」
メイド服の子は私に抱きつきました。
「あの日、どうして怒ってたの?」
彼女はうまく隠しているつもりなようでしたがいつも見ていた私には、怒っていることはすぐにわかっていました。しかし白黒の子にからかわれる気がしたのでその日にはきかなかったのです。
「うーん」
後ろから抱きついて来ているのでメイド服の子の表情はわかりませんでしたが、何となく頬を染めている気がしました。
「独占欲ってやつ」
ぎゅうっと抱きしめる力が強くなりました。
そのあとにこの物語についてたずねたときの、おとぎ話と微笑む、下手くそな笑顔は一生忘れられそうにありません。
顔にも仕草にも少しもわからないように、無言で怒っていました。
むせかえるような夏の匂いの中、紅白な少女は面倒くさそうな顔をしながらも白黒の少女と人形を連れた少女を迎え入れ、縁側で茶をすすっています。
メイド服の少女の隣に、人形を連れた少女、その横に白黒の少女、そのまた横にここの主である紅白の少女といった順番です。
はじめは白黒と人形の子はいなかったのですが、遠くに黒い点が見え、急に風が強くふいたかと思うと二人はそこに立っていました。
四人で何でもない話をしながらお茶を飲みます。
メイド服の子は怒っているためかいつもよりも少し静かです。
人形の子は時おり頷きつつ何やら裁縫をしています。
白黒の子はひとりで楽しそうに次々と話題を提供しています。
紅白の子はいつも通り口を動かすのも面倒くさそうに話します。
しばらくして白黒と人形の子は一緒に飛んで帰って行きました。メイド服の子は何を考えているのかわからない顔で紅白の子に抱きつきました。
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「で、どうなったの?」
私はどこかで聞いた話でその結末を知っていましたが、たずねました。
「こうなったの」
メイド服の子は私に抱きつきました。
「あの日、どうして怒ってたの?」
彼女はうまく隠しているつもりなようでしたがいつも見ていた私には、怒っていることはすぐにわかっていました。しかし白黒の子にからかわれる気がしたのでその日にはきかなかったのです。
「うーん」
後ろから抱きついて来ているのでメイド服の子の表情はわかりませんでしたが、何となく頬を染めている気がしました。
「独占欲ってやつ」
ぎゅうっと抱きしめる力が強くなりました。
そのあとにこの物語についてたずねたときの、おとぎ話と微笑む、下手くそな笑顔は一生忘れられそうにありません。
またよろしくです