Coolier - 新生・東方創想話ジェネリック

翼越し

2013/02/05 21:57:56
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 冬といえば炬燵。炬燵といえば蜜柑。鉄板だが、それが常に満たされているところは珍しい。

「だからって別にうちでなくてもいいでしょうに」
「ここが一番足を運びやすいのよ」

 居心地いいし、という言葉はお茶で流し込み、文は炬燵の天板に腕をおいてその上に頭をのせた。
 霊夢は小ぶりな蜜柑を食べるのに集中していたが、すぐに食べ終えて暇になった。境内の掃除は終わったし、夕飯の支度をするには早すぎる。
 そういえば、こいつは夕飯どうするんだろう、と文に目をやると、空になった湯呑みの縁を人差し指でなぞっていた。
 指は長く、爪はよく手入れされている。外を飛び回っている割に肌は白く、シミ一つない。睫毛が意外と長く、外からの陽光を受けて影を落としている。鼻は小さめで、唇は紅を引いたように赤い。

「何か?」

 視線に気付いた文が頭を上げた。紅玉に似た赤い目がまっすぐに霊夢の目を見つめる。

「いや、改めて見ると美人なんだな、と」

 ぽかん、と小さな口が開いた。白い肌が見る間に赤く染まっていき、ばさりと黒い翼が動いた。

「急に何を言い出すんです?!」
「思ったことを言っただけよ」

 悲鳴のような声をあげ、文は両翼で顔を隠した。すかさず霊夢が身を乗り出してそれをこじ開けようとする。

「み、見ないでください!」
「やだ」

 にべもない返答に呆れたか、文の力が弱まった。その一瞬で霊夢が黒いバリケードを破った。
 かたく目を閉じた文は耳まで真っ赤で、初な少女のようだった。

「ほら、やっぱりかわいい」
「……もう勘弁してください」

 へにゃりと翼を伏せる文に、霊夢は上機嫌に笑った。
「霊夢攻めあやれいむ」と聞いて滾った次の日。
気付いたら書いてました。しかも完成してました。
照れるあややかわいい…。

アイディア及びタイトルはおどちさんからいただきました。
ありがとうございました。

さて、今回はこのへんで。
お楽しみいただけたなら幸いです。
文羽
コメント



1.名前が無い程度の能力削除
いいねぇ
2.こーろぎ削除
この文ちゃんすごくかわいい!
3.名前が無い程度の能力削除
受け手な文ちゃんめっちゃかわいいです!
4.yosei削除
うぶな文ちゃんだなー
5.名前が無い程度の能力削除
短いながら良質な糖分
6.名前が無い程度の能力削除
よかったです