「好きよ」
「っ」
思わず口から滑り出てしまった言葉。霊夢の耳に入ってしまった瞬間から、返品は不可能。
好きだから好きって言った。何も問題な……くはない。
お嬢様はニヤニヤとこちらを見ている。霊夢は顔を真っ赤にしてわたわたとしている、が言葉は出ない。
なんでも、「暦の上でその日から春になるといわれる日の前日に、豆を撒いて鬼を祓い、その年の縁起のいい方角を向いて無言で巻き寿司を食べる」というイベントがあるらしいのだ。
それを聞きつけたお嬢様が、やってみたいと言い出した。
吸血「鬼」であるお嬢様が鬼を祓うのはどうなんだとは思っても口には出さない。結果、どうせなら多い方がと霊夢も誘い、なぜか告白し、今に至る。
やはり一ヶ所おかしい。なぜ今告白したのだ。もう10日と少しもすれば絶好のイベントがあるというのに。
霊夢は一度ピタリと動きを止めると、すごい勢いで巻き寿司を食べ出した。
これは食べ終わってから怒るパターンか。何言ってるんだ!と。
ここにいるのがお嬢様と霊夢と私の三人なのは、不幸中の幸いか。残っていたのがお嬢様だったのは不幸中の幸い中の不幸であるが。
お嬢様はやはりニヤニヤと巻き寿司を食べる。心なしかさっきよりもゆっくりだ。
霊夢は最後の一口を食べ終えると、真っ赤な顔を私に向けて、口を開いた。
「ばか」
「うん。なんかごめんなさい」
「喉、つまりかけたじゃない」
「大丈夫?」
「……へーき」
むすりとした霊夢もかわいい。
(すき。すき。)
気持ちが溢れだしそうになる。
「私も、あんたのこと……」
巻き寿司を丸かぶりにするといいことがあるなんて嘘ね。鬼を祓うことはできないし、なぜだか魔法は暴走するし、全然いいことがないじゃないか。
嘘。この霊夢の返事がいいことじゃなかったら何がいいことだと言うんだ。
恋という名の呪縛と魔法。
とりあえず、霊夢を部屋にエスコートして、鬼退治をすることにしようか。
「っ」
思わず口から滑り出てしまった言葉。霊夢の耳に入ってしまった瞬間から、返品は不可能。
好きだから好きって言った。何も問題な……くはない。
お嬢様はニヤニヤとこちらを見ている。霊夢は顔を真っ赤にしてわたわたとしている、が言葉は出ない。
なんでも、「暦の上でその日から春になるといわれる日の前日に、豆を撒いて鬼を祓い、その年の縁起のいい方角を向いて無言で巻き寿司を食べる」というイベントがあるらしいのだ。
それを聞きつけたお嬢様が、やってみたいと言い出した。
吸血「鬼」であるお嬢様が鬼を祓うのはどうなんだとは思っても口には出さない。結果、どうせなら多い方がと霊夢も誘い、なぜか告白し、今に至る。
やはり一ヶ所おかしい。なぜ今告白したのだ。もう10日と少しもすれば絶好のイベントがあるというのに。
霊夢は一度ピタリと動きを止めると、すごい勢いで巻き寿司を食べ出した。
これは食べ終わってから怒るパターンか。何言ってるんだ!と。
ここにいるのがお嬢様と霊夢と私の三人なのは、不幸中の幸いか。残っていたのがお嬢様だったのは不幸中の幸い中の不幸であるが。
お嬢様はやはりニヤニヤと巻き寿司を食べる。心なしかさっきよりもゆっくりだ。
霊夢は最後の一口を食べ終えると、真っ赤な顔を私に向けて、口を開いた。
「ばか」
「うん。なんかごめんなさい」
「喉、つまりかけたじゃない」
「大丈夫?」
「……へーき」
むすりとした霊夢もかわいい。
(すき。すき。)
気持ちが溢れだしそうになる。
「私も、あんたのこと……」
巻き寿司を丸かぶりにするといいことがあるなんて嘘ね。鬼を祓うことはできないし、なぜだか魔法は暴走するし、全然いいことがないじゃないか。
嘘。この霊夢の返事がいいことじゃなかったら何がいいことだと言うんだ。
恋という名の呪縛と魔法。
とりあえず、霊夢を部屋にエスコートして、鬼退治をすることにしようか。
かわいいです。 次作も楽しみにしてます。