霊夢は夢を見ていた。目の前には白い、大きな壁がある。
これが人生というものか。
これを乗り越えろと言うのか。
哲学してみる。
ぐるりと周りを歩いてみた。どうやら少し長い三角形をしているようだ。
そっと手をかけてみる。手が沈んだ。柔らかい。
白いものが手についた。ベタベタする。
舐めてみた。
これは
生クリームだ。
おいしい。手ですくって食べていると中から黄色いスポンジが出てきた。
これもおいしい。
いちごが出てきた。
なんと、これはいちごのショートケーキだったのか。
あらためてケーキを見ると、上には大きないちごがある。その上には人影。
なんと、ケーキの上には人がいたらしい。そうとは気付かず片側ばかり食べたせいで傾いてしまった。申し訳ないことをした。
あやまろう。そう思った。正直に謝れば許してもらえるはず。
「ごめんなさい」
返事はなかった。あやまるときは目を合わせてあやまらないといけないと、昔に誰かに言われたことを思い出した。
頑張って食べて低くすれば顔が見える。
霊夢は食べた。
食べて、食べて、食べまくった。
もう一生分のケーキを食べた気がするくらいに食べた。
甘さで胸焼けがするほどにたべた。
しかし敵は強大だった。
頑張って食べても全然減っているような気がしない。それに余計に傾いてしまった。
「ああ、」
諦めようとしたそのときだった。
「霊夢、登るのよ。登って、ここまでいらっしゃい」
上から声がした。これが神の声か。
霊夢は登りだした。何度も、つまずき、何度も滑り落ちた。紅白だった服はすでに真っ白になって、顔もどこもかもが生クリームに汚れていた。
そして、ついに登りつめた。てっぺんは生クリームの花と、大きないちごの花畑のようであった。
「よくきたわね、霊夢」
「咲夜!」
てっぺんには咲夜がいたのか。霊夢は嬉しくなって抱きついた。よしよし、いいこいいこ、と頭を撫でられる。あやす手のひらは温かく優しかった。ゆらゆらと世界が揺れる。ああ、まだ覚めないで。
「霊夢。起きて」
優しく肩を揺すられ、目が覚める。
「咲夜?咲夜と、ショートケーキは?」
「あら、おやつがショートケーキだって、よくわかったわね」
くるりと見渡すと白い壁などどこにもなくいつも通りの博麗神社。
咲夜がお茶の用意をしていた。
「いつきたの?」
「ついさっきよ。はい、霊夢の分」
いちごのショートケーキがわたされる。
夢のなかでたくさん食べたとはいえ、夢は夢。霊夢は甘いものを欲していた。ぱくりとひとくち。
「おいしい」
「ありがとう」
咲夜と霊夢の隣へ座り、ケーキを食べる。お茶は緑茶だ。
「ねえ、咲夜、頭なでて?」
「どうしたのよ、急に」
なんて言いながらも咲夜は霊夢の頭を撫でる。なでなで。霊夢は気持ち良さそうに目をほそめる。
そのまま目をつむり、んっと首を伸ばし、唇と唇とがぶつかる。軽く触れるだけのキス。
「今日はどうしたの?」
「気分よ。気分。ダメ?」
「ダメなわけがないわ」
お返し、と咲夜もキスをする。舌先で唇をツンツンとつつくと霊夢の口が少しだけ開き、そっと侵入。口の中で舐めていない場所はないよう、丁寧に、隅々を舐め回す。
咲夜の口が離れようとすると霊夢が追いかけて逃がさない。
(まだ、残ってる)
霊夢の口のなかは夢の続きのように甘かった。
霊夢の目はトロリととろけきり、咲夜は嬉しそうに意地悪な笑みを浮かべると、その場に優しく押し倒した。
これが人生というものか。
これを乗り越えろと言うのか。
哲学してみる。
ぐるりと周りを歩いてみた。どうやら少し長い三角形をしているようだ。
そっと手をかけてみる。手が沈んだ。柔らかい。
白いものが手についた。ベタベタする。
舐めてみた。
これは
生クリームだ。
おいしい。手ですくって食べていると中から黄色いスポンジが出てきた。
これもおいしい。
いちごが出てきた。
なんと、これはいちごのショートケーキだったのか。
あらためてケーキを見ると、上には大きないちごがある。その上には人影。
なんと、ケーキの上には人がいたらしい。そうとは気付かず片側ばかり食べたせいで傾いてしまった。申し訳ないことをした。
あやまろう。そう思った。正直に謝れば許してもらえるはず。
「ごめんなさい」
返事はなかった。あやまるときは目を合わせてあやまらないといけないと、昔に誰かに言われたことを思い出した。
頑張って食べて低くすれば顔が見える。
霊夢は食べた。
食べて、食べて、食べまくった。
もう一生分のケーキを食べた気がするくらいに食べた。
甘さで胸焼けがするほどにたべた。
しかし敵は強大だった。
頑張って食べても全然減っているような気がしない。それに余計に傾いてしまった。
「ああ、」
諦めようとしたそのときだった。
「霊夢、登るのよ。登って、ここまでいらっしゃい」
上から声がした。これが神の声か。
霊夢は登りだした。何度も、つまずき、何度も滑り落ちた。紅白だった服はすでに真っ白になって、顔もどこもかもが生クリームに汚れていた。
そして、ついに登りつめた。てっぺんは生クリームの花と、大きないちごの花畑のようであった。
「よくきたわね、霊夢」
「咲夜!」
てっぺんには咲夜がいたのか。霊夢は嬉しくなって抱きついた。よしよし、いいこいいこ、と頭を撫でられる。あやす手のひらは温かく優しかった。ゆらゆらと世界が揺れる。ああ、まだ覚めないで。
「霊夢。起きて」
優しく肩を揺すられ、目が覚める。
「咲夜?咲夜と、ショートケーキは?」
「あら、おやつがショートケーキだって、よくわかったわね」
くるりと見渡すと白い壁などどこにもなくいつも通りの博麗神社。
咲夜がお茶の用意をしていた。
「いつきたの?」
「ついさっきよ。はい、霊夢の分」
いちごのショートケーキがわたされる。
夢のなかでたくさん食べたとはいえ、夢は夢。霊夢は甘いものを欲していた。ぱくりとひとくち。
「おいしい」
「ありがとう」
咲夜と霊夢の隣へ座り、ケーキを食べる。お茶は緑茶だ。
「ねえ、咲夜、頭なでて?」
「どうしたのよ、急に」
なんて言いながらも咲夜は霊夢の頭を撫でる。なでなで。霊夢は気持ち良さそうに目をほそめる。
そのまま目をつむり、んっと首を伸ばし、唇と唇とがぶつかる。軽く触れるだけのキス。
「今日はどうしたの?」
「気分よ。気分。ダメ?」
「ダメなわけがないわ」
お返し、と咲夜もキスをする。舌先で唇をツンツンとつつくと霊夢の口が少しだけ開き、そっと侵入。口の中で舐めていない場所はないよう、丁寧に、隅々を舐め回す。
咲夜の口が離れようとすると霊夢が追いかけて逃がさない。
(まだ、残ってる)
霊夢の口のなかは夢の続きのように甘かった。
霊夢の目はトロリととろけきり、咲夜は嬉しそうに意地悪な笑みを浮かべると、その場に優しく押し倒した。
God JOBです
またお願いします。