「げっ」
「あやや、どうしたんですか霊夢さんこんなお店に来ちゃって」
「そりゃあんた、茶店に来たなら飲み食いする為でしょうに」
「お金も無いのに?」
「ある」
「ついに悪事に手を染めてしまいましたか……お姉ちゃんは悲しいですよよよ……」
「誰がお姉ちゃんだこのウスラトンカチ天狗め。あとこれはちゃーんとした報酬なんだから。もう」
「えーっと、お客様……ご相席でしょうか」
「はーい」
「こら、勝手に決めるな」
「えー、いいじゃないですか。霊夢さんは嫌ですか?」
「私としてはどっちでもいいけども、人に決められるのは嫌なの!」
「唯我独尊ですねぇ」
「ふん、悪い?」
「いえ、霊夢さんらしいかと。で、こっち来るんですね」
「あんたが来いって言ったんじゃん」
「もう、素直じゃないですねえ」
「文お姉ちゃんと一緒がいいのー。とか言って欲しかったりした?」
「ええそりゃもう最高ですよ霊夢さんちょっとそれ一発お願いして貰ってもいいですかカメラと私の網膜にばっちり納めておきたいのでさあさあさあハリーハリーハリー」
「ええい擦り寄るなカメラ構えるなニヤつくな気持ち悪い!」
「あのー」
「そうツンツンしてばっかいると唯でさえ短い寿命縮まりますよ」
「あのー……ご注文は」
「あっ、ごめんなさい。紅茶とロールケーキをお願い」
「かしこまりました」
「……ここ出禁になったりしたら私、あんたの事ぜっっったい絶対許さないからね!」
「そもそも私、霊夢さんがここの常連だっていうの初めて知りましたよ。てっきり白湯啜って湿気た煎餅齧ってるばかりかと」
「私だってたまには美味しい物飲んだり食べたりしたいわよ。貧しい食生活を続けていると心が豊かにならないからね」
「その割には心も体も貧しくて貧相ですよね……」
「よし言ったなこの馬鹿天狗表出ろしばいたる」
「ナニモイッテマセンヨハイ。だからその札を収めて!眉間に突き立ててる針も!」
「……紅茶お持ちしましたけれどもこれはあれですか。そこの天狗のお客様の頭に注げばいいんですかいいんですねやっちゃいますよ」
「あー、私普通に飲みたいです……」
「かしこまりました。ロールケーキ今お持ちしますね」
「どうすんのよあの店員さんなんか目覚めちゃいけない属性に目覚めちゃったかもしれないじゃない!」
「知りませんよそんな事!出禁になるのは霊夢さんだけにしといてくださいよ。私だってここちょくちょく使ってるんですから!」
「大丈夫ですよ。巫女様も天狗様も、お客様がお客様である限りは邪険にはしませんって。あ、ロールケーキおまたせしました」
「アッ、ハイ」
「ごゆっくりどうぞ。常識の範囲内で」
「……こわ」
「……ええ」
「ああ、やっぱりお茶は美味しいわね。緑茶に紅茶、どっちも素晴らしいわ」
「巫女が紅茶とケーキを頬張る光景かぁ。なんか意外です」
「私は美味しい物ならば和洋中なんでも大好きよ?」
「いかにも和!って感じの格好と暮らししてるからどうしても違和感が」
「そういうあんたはどうなのよ」
「新聞記者たる者、感性を磨く為に様々な物に触れる事は必要なのですよ」
「こらっ」
「いてっ、いいじゃないですか一口位」
「あんたの一口は信用ならん」
「一応純情派を謳ってはいるのですが」
「ますます胡散臭いわ!」
「むー……一口あげるからおあいこって事で。私もそれ食べたいんですよ」
「うむうむ。お、なんかあんたのケーキすごい色してるわね。オレンジ?」
「カボチャですよカボチャ。ほら、今日は外の世界だとハロウィンじゃないですか。ここのお店でこの限定ケーキを出すっていうからどうしても食べてみたくて来たんですよ」
「へぇー、始めて聞いた名前だわ。カボチャ関係のお祭りなのかしら」
「まあそんなところです。今年は紅魔館でハロウィーンパーティーをやるみたいなので、行ってみたらどうです?多分招待状とか無くても霊夢さんなら顔パスでしょうし」
「いいわね。パーティー!ごはん!お酒!」
「ハロウィンへの興味はどこに行ったんですか」
「まあ行けば分かるでしょ、行けば。それよりもカボチャのケーキ一口ちょうだいよ」
「ただし、条件があります」
「ん?」
「はい、あーん」
「いやだ」
「い、いいじゃないですか!たまには霊夢さんも甘えてみたりしたいでしょう!」
「全っ然」
「えええええいこれでも食らえー!」
「あむっ」
「貴女のその食い意地が仇になったのですよ」
「……むー」
「ふふふそんな冷めた目をしていても口は正直ですよ?」
「……こんなにもケーキは美味しいのに、負けた気しかしない……」
「たまには愛でられるのもいいですよ?」
「ほら」
「あや?」
「おあいこだって言ってたじゃない。だから、ほら。あーん」
「あむっ」
「!?」
「んー、栗のロールケーキですか。控え目な甘さが上品で美味しいですねぇ。霊夢さんから直接食べさせて貰ったから尚更美味しい」
「うがー!」
「はいはい暴れない暴れないもう一口あげますから」
「んむぅ」
「口さえ開かなければ可愛らしいんですがねぇ。まあ喧しいのもそれはそれでいいのですが」
「私はあんたのおもちゃかなんかか!」
「まあでも美味しい物食べたり面白い行事に参加出来たりしますよ?」
「……私、文にだんだん駄目人間にされてる気がする」
「いいですねぇそれ。霊夢さんが私にめちゃくちゃにされてるとかぞくぞくします」
「……ばか」
「まあ、程々に好かれたり愛でられたりするのって気持ちいいでしょ?」
「……うん」
「あやや、どうしたんですか霊夢さんこんなお店に来ちゃって」
「そりゃあんた、茶店に来たなら飲み食いする為でしょうに」
「お金も無いのに?」
「ある」
「ついに悪事に手を染めてしまいましたか……お姉ちゃんは悲しいですよよよ……」
「誰がお姉ちゃんだこのウスラトンカチ天狗め。あとこれはちゃーんとした報酬なんだから。もう」
「えーっと、お客様……ご相席でしょうか」
「はーい」
「こら、勝手に決めるな」
「えー、いいじゃないですか。霊夢さんは嫌ですか?」
「私としてはどっちでもいいけども、人に決められるのは嫌なの!」
「唯我独尊ですねぇ」
「ふん、悪い?」
「いえ、霊夢さんらしいかと。で、こっち来るんですね」
「あんたが来いって言ったんじゃん」
「もう、素直じゃないですねえ」
「文お姉ちゃんと一緒がいいのー。とか言って欲しかったりした?」
「ええそりゃもう最高ですよ霊夢さんちょっとそれ一発お願いして貰ってもいいですかカメラと私の網膜にばっちり納めておきたいのでさあさあさあハリーハリーハリー」
「ええい擦り寄るなカメラ構えるなニヤつくな気持ち悪い!」
「あのー」
「そうツンツンしてばっかいると唯でさえ短い寿命縮まりますよ」
「あのー……ご注文は」
「あっ、ごめんなさい。紅茶とロールケーキをお願い」
「かしこまりました」
「……ここ出禁になったりしたら私、あんたの事ぜっっったい絶対許さないからね!」
「そもそも私、霊夢さんがここの常連だっていうの初めて知りましたよ。てっきり白湯啜って湿気た煎餅齧ってるばかりかと」
「私だってたまには美味しい物飲んだり食べたりしたいわよ。貧しい食生活を続けていると心が豊かにならないからね」
「その割には心も体も貧しくて貧相ですよね……」
「よし言ったなこの馬鹿天狗表出ろしばいたる」
「ナニモイッテマセンヨハイ。だからその札を収めて!眉間に突き立ててる針も!」
「……紅茶お持ちしましたけれどもこれはあれですか。そこの天狗のお客様の頭に注げばいいんですかいいんですねやっちゃいますよ」
「あー、私普通に飲みたいです……」
「かしこまりました。ロールケーキ今お持ちしますね」
「どうすんのよあの店員さんなんか目覚めちゃいけない属性に目覚めちゃったかもしれないじゃない!」
「知りませんよそんな事!出禁になるのは霊夢さんだけにしといてくださいよ。私だってここちょくちょく使ってるんですから!」
「大丈夫ですよ。巫女様も天狗様も、お客様がお客様である限りは邪険にはしませんって。あ、ロールケーキおまたせしました」
「アッ、ハイ」
「ごゆっくりどうぞ。常識の範囲内で」
「……こわ」
「……ええ」
「ああ、やっぱりお茶は美味しいわね。緑茶に紅茶、どっちも素晴らしいわ」
「巫女が紅茶とケーキを頬張る光景かぁ。なんか意外です」
「私は美味しい物ならば和洋中なんでも大好きよ?」
「いかにも和!って感じの格好と暮らししてるからどうしても違和感が」
「そういうあんたはどうなのよ」
「新聞記者たる者、感性を磨く為に様々な物に触れる事は必要なのですよ」
「こらっ」
「いてっ、いいじゃないですか一口位」
「あんたの一口は信用ならん」
「一応純情派を謳ってはいるのですが」
「ますます胡散臭いわ!」
「むー……一口あげるからおあいこって事で。私もそれ食べたいんですよ」
「うむうむ。お、なんかあんたのケーキすごい色してるわね。オレンジ?」
「カボチャですよカボチャ。ほら、今日は外の世界だとハロウィンじゃないですか。ここのお店でこの限定ケーキを出すっていうからどうしても食べてみたくて来たんですよ」
「へぇー、始めて聞いた名前だわ。カボチャ関係のお祭りなのかしら」
「まあそんなところです。今年は紅魔館でハロウィーンパーティーをやるみたいなので、行ってみたらどうです?多分招待状とか無くても霊夢さんなら顔パスでしょうし」
「いいわね。パーティー!ごはん!お酒!」
「ハロウィンへの興味はどこに行ったんですか」
「まあ行けば分かるでしょ、行けば。それよりもカボチャのケーキ一口ちょうだいよ」
「ただし、条件があります」
「ん?」
「はい、あーん」
「いやだ」
「い、いいじゃないですか!たまには霊夢さんも甘えてみたりしたいでしょう!」
「全っ然」
「えええええいこれでも食らえー!」
「あむっ」
「貴女のその食い意地が仇になったのですよ」
「……むー」
「ふふふそんな冷めた目をしていても口は正直ですよ?」
「……こんなにもケーキは美味しいのに、負けた気しかしない……」
「たまには愛でられるのもいいですよ?」
「ほら」
「あや?」
「おあいこだって言ってたじゃない。だから、ほら。あーん」
「あむっ」
「!?」
「んー、栗のロールケーキですか。控え目な甘さが上品で美味しいですねぇ。霊夢さんから直接食べさせて貰ったから尚更美味しい」
「うがー!」
「はいはい暴れない暴れないもう一口あげますから」
「んむぅ」
「口さえ開かなければ可愛らしいんですがねぇ。まあ喧しいのもそれはそれでいいのですが」
「私はあんたのおもちゃかなんかか!」
「まあでも美味しい物食べたり面白い行事に参加出来たりしますよ?」
「……私、文にだんだん駄目人間にされてる気がする」
「いいですねぇそれ。霊夢さんが私にめちゃくちゃにされてるとかぞくぞくします」
「……ばか」
「まあ、程々に好かれたり愛でられたりするのって気持ちいいでしょ?」
「……うん」