「ん……あーあ……」
カーテンの隙間から日差しが目元に差し込み、眉合に皺を寄せてから両目をうっすらとあけて時計を見る。
日も殆ど昇った午前7時。どうやら目覚ましをかけ忘れてしまったらしい。
支度を考慮に入れて、1コマ目に間に合おうと思ったら30分ほどしか余裕がない。
ふと隣を見れば、布団から肩を出して気持ちよさそうに睡眠をむさぼる見慣れた相方の姿。
もぞもぞと時折体を丸めながら艶めかしい声を上げる相棒を起こすのはやや気が引けるが、ここは心を鬼にして。
「ほら、蓮子。起きなさい」
「んんんん……」
肩をつかんで軽く揺さぶると、地の底からはい出るような呻き声を出して目を開ける蓮子。
「ああぁ……おはようメリー」
「おはよう。どうでもいいけど、もう7時よ」
「ほんと? 目覚ましならなかったのかしら」
「生憎お互いかけ忘れてたみたいね」
「そう……」
未だうつらうつらしながらどうにか布団の上に座り込むと、そのまま私の方に倒れこんでくる。
「メリーあったかい……」
「ちょっと。早く準備しなさい」
「メリーは?」
「今日は午前中休講。午後のゼミに出れば間に合うの」
「いじわる」
「八つ当たりはよしなさい」
「はぁ……メリーやわらかい」
「離れなさいな」
胸元にすり寄っている蓮子をどうにか引きはがす。お互いまだ昨晩と同じ格好のままだから、くっつきすぎるとその、まずい。
「ほら、さっさとシャワー浴びて。朝ごはん作っておいてあげるから」
「ううう……」
尚も名残惜しそうに肩口に顔をうずめていたが、ようやく観念して布団から這い出す。
「あれ、私のは?」
「布団にまぎれてるんじゃない? いいじゃないの、そこなんだから」
「そうは言ってもね……」
しばらく布団の中をごそごそしていたが、諦めてタオルケットを軽く巻きつけて脱衣所に向かう蓮子。
律儀というか日本人らしいというか、いまいちよくわからないところで細かい。
「さて、と」
腕を伸ばして大きく伸びをすると、とりあえず身に着けようとベッドの上をのそのそと探す。
「あら」
ひょこっと顔を下に向けると、ベッドの下にお互いの肌着がまとめて落ちていた。
「そりゃ気づかないわけね……」
手早く身に着けシャツをひっかけると、台所に向かって冷蔵庫を開ける。
今朝のメニューは、パンにハムエッグにサラダ。
特にパンは珍しく天然小麦のものが手に入ったから、奮発気味の朝食である。
トースターにセットして、ハムを適当に焼いてから卵を落とす。
いい色加減になってきてから皿に写しサラダを盛っていると、すっかり着替えた蓮子が匂いにつられてやってきた。
「んー、いい香りね」
「早くバターぬりなさい」
「はいはい。メリーは紅茶でいい?」
「ん」
飲み物を注いでもらっている間にトースターから小気味いい音が響き、トーストを皿に移して蓮子に手渡す。
「メリーは今日どうするの?」
「別に考えてないわ。買い物にでも出かけてから行こうかと」
「優雅ねぇ」
「セレブですわ」
さくさくと軽快な音をたてながらトーストを頬張り、紅茶を啜りながらのんびり答える。
「あ、ハム一枚頂戴」
「いやしんぼねぇ」
「お腹空いたんだからいいの」
「はやく準備しなくていいの?」
「あとは出るだけよ。はい、ごちそうさま」
「お粗末様」
食器を重ねて洗浄器にセットし、ぱたぱたとカバンを持って玄関まで駆ける蓮子。駆けるほど我が家は広くないのだけれど。
「それじゃ、いってらっしゃい」
「はいはい、いってきます」
靴を履き終えた蓮子は振り返るとそっと見上げてきたので、軽く屈んで唇にキス。む、胡椒の味。
「あなた、そろそろ塩コショウの量考えた方がいいわ」
「気が向いたらねー」
軽く手を振りドアの向こうへ出ていく同居人にため息をつき、シャワーでも浴びようかと浴室へ。こんな格好では表にも出られない。
着替えを取り出して胸元に抱え、脱衣所へおっとり向かう。昨日の夜食を片付け忘れたテーブルの上は見ないふりをしつつ……
「あら?」
ふと見慣れたものが眼に入ったように思えて、視線をテーブルの上に戻す。そこにあったのは、蓮子愛用の小型USBメモリ。確か昨日寝るまでレポートをやっていたはずだから、そのまま置き忘れたんだろう。まぁ、確かオンラインストレージにもバックアップしていたはずだから、忘れてても問題はないと思うけど……
「ふむん」
顎に手を当て、今日の予定を改めて考える。消耗品はこの間買い揃えたばかりだし、備品もこれと言って急を要するようなものはない。食事も買い置きがあるし、特に欲しい新書も出てないし……
「……よし」
頭の中で予定を練り直し、鼻歌など歌いながら脱衣所に向かう。割と凡庸な一日を送る予定だった身として、少しばかり気分が高揚しているのであった。
「この教室だったわよね……」
以前蓮子からもらったスケジュールを取り出し、教室の名前を見てから一人呟く。一般科目はともかく、専攻が違うからこっちの講義棟に来る機会がないので少し不安。
ドアの前できょろきょろしていると、講義の始まる時間が近いようでぞろぞろと学生が集まり始めてそっと柱の陰に身を隠す。
影からそっと覗くと、蓮子が慌てて鞄を脇に挟みながら部屋に入っていった。
「相変わらずねぇ」
苦笑しながら見送ると、他の急ぐ生徒に混じって部屋に入る。
「さて、と」
軽く見渡すと、少し後ろの席に腰掛ける蓮子の姿。蓮子を挟んで向かいの生徒が座ると同時に鞄を下に置いて腰掛ける。案の定パソコンを付けたりメモ帳を置いたり、自分の用意に忙しい蓮子はこちらに気づかない。のんびり机周りを整える蓮子を眺めていると、講師が準備を終えたようでスライドとWebライブで授業を始める。
「んー……」
生憎と超統一物理学は専攻外なので、蓮子から聞いたような単語がちらほら耳に入る程度で内容はさっぱり。普段蓮子がどんな授業を聞いてるか興味があってきたものの、正直少し退屈だった。さっさとメモリを渡して帰ろうと、横目で蓮子を眺める。
「……ふーん」
顎から手を放して、改めてじっくりと講義を受ける蓮子を見つめる。スライドを見るためか、普段掛けない筈の眼鏡を目元に携え、ディスプレイを凝視しながらタイピングする傍ら、使い古されたメモ帳になにやら書き込んでいる。タブレット端末が普及してる昨今、あえてアナログなところを活用するのが蓮子らしい。
重なってるゼミなんかではもっと余裕ぶって受けているのに、あれも要は、相棒にデキる所を見せたかったということなのか。
普段勉学に励む姿を見ない分、新鮮な感じというか、なんというか、その、かわいい。集中してるときの真剣な目つきとか、得心がいったのか時折微笑む様子とか。だから、時折小声で「ふーん」とか言わないで頂戴。かわいいから。かわいいから。
もう少しぼんやり眺めていてもよかったのだけれど、いい加減我慢も限界になってきたので、そっと肘先をつついてみる。最初は気づかなかったものの、何度か繰り返すうちに不審そうな顔をこちらに向けて
「……ふぁっ?!」
小声で叫んだ後、周囲を見渡してからそっと前に向き直る。かわいい。
幸い講師までだいぶ距離があったおかげで気づかれてないようで、蓮子はそっとこちらまで近づいてくる。
「こんにちは蓮子」
「ちょっとメリー、どういうつもりよ……っ?!」
「ひどいわねぇ、折角忘れ物持ってきてあげたのに」
ポケットからメモリを取り出して手渡すと、少しぽかんとしたあと、
「……ありがとう。わざわざ」
「どういたしまして」
「……それで、なんでまたこんなとこにいるのよ」
「なんでって、たまには相棒の凛々しい姿でも拝見させていただこうと思いまして」
「普段はだらしなくて悪うございました」
「あら、自覚はあったのね。えらいえらい」
「……もう」
かっと頬を赤らめてパソコンの方にに目を向ける蓮子。かわいい。
「……それで、いつまでいるの?」
「お気になさらず。講義に集中なさってくださいな」
「そうはいっても……」
さきほどまでの熱心さはどこへやら。膝を擦ってもじもじしたり、しきりに眼鏡の位置を直したり、ちらちらこっちに目線を向けたりと落ち着かない。かわいい。
「……集中できない?」
「……仕方ないでしょう。あんまりこういうところ見られたくなかったんだから」
「あら、どうして?」
「……メリーには、自信があるところだけ見せたかったから……」
消え入りそうな声で呟いて、無理矢理タイピングに集中する蓮子。なんだこの生き物、もうどうしてくれよう。
「それじゃ、渡す物渡したし、これでおいとまするわ」
「あ、うん……」
「ああ、それと、隣の空き部屋で待ってるわ」
「え?」
「講義が終わって、気が向いたらきなさいな」
「あ、ちょっ……」
蓮子の制止も聞かず、できるだけ音を立てないように席を立って教室から出る。普段蓮子に振り回されてる分、これぐらい奔放に振る舞ってもばちは当たるまい。
「さて、と」
蓮子の講義が終わるまで30分。私の講義が始まるまであと2時間半。悶々としてるだろう蓮子にくつくつと笑いをこぼしながら、椅子に座ってのんびり待つ。
はてさて、今日の講義は、遅刻せずに行けるかしら?
カーテンの隙間から日差しが目元に差し込み、眉合に皺を寄せてから両目をうっすらとあけて時計を見る。
日も殆ど昇った午前7時。どうやら目覚ましをかけ忘れてしまったらしい。
支度を考慮に入れて、1コマ目に間に合おうと思ったら30分ほどしか余裕がない。
ふと隣を見れば、布団から肩を出して気持ちよさそうに睡眠をむさぼる見慣れた相方の姿。
もぞもぞと時折体を丸めながら艶めかしい声を上げる相棒を起こすのはやや気が引けるが、ここは心を鬼にして。
「ほら、蓮子。起きなさい」
「んんんん……」
肩をつかんで軽く揺さぶると、地の底からはい出るような呻き声を出して目を開ける蓮子。
「ああぁ……おはようメリー」
「おはよう。どうでもいいけど、もう7時よ」
「ほんと? 目覚ましならなかったのかしら」
「生憎お互いかけ忘れてたみたいね」
「そう……」
未だうつらうつらしながらどうにか布団の上に座り込むと、そのまま私の方に倒れこんでくる。
「メリーあったかい……」
「ちょっと。早く準備しなさい」
「メリーは?」
「今日は午前中休講。午後のゼミに出れば間に合うの」
「いじわる」
「八つ当たりはよしなさい」
「はぁ……メリーやわらかい」
「離れなさいな」
胸元にすり寄っている蓮子をどうにか引きはがす。お互いまだ昨晩と同じ格好のままだから、くっつきすぎるとその、まずい。
「ほら、さっさとシャワー浴びて。朝ごはん作っておいてあげるから」
「ううう……」
尚も名残惜しそうに肩口に顔をうずめていたが、ようやく観念して布団から這い出す。
「あれ、私のは?」
「布団にまぎれてるんじゃない? いいじゃないの、そこなんだから」
「そうは言ってもね……」
しばらく布団の中をごそごそしていたが、諦めてタオルケットを軽く巻きつけて脱衣所に向かう蓮子。
律儀というか日本人らしいというか、いまいちよくわからないところで細かい。
「さて、と」
腕を伸ばして大きく伸びをすると、とりあえず身に着けようとベッドの上をのそのそと探す。
「あら」
ひょこっと顔を下に向けると、ベッドの下にお互いの肌着がまとめて落ちていた。
「そりゃ気づかないわけね……」
手早く身に着けシャツをひっかけると、台所に向かって冷蔵庫を開ける。
今朝のメニューは、パンにハムエッグにサラダ。
特にパンは珍しく天然小麦のものが手に入ったから、奮発気味の朝食である。
トースターにセットして、ハムを適当に焼いてから卵を落とす。
いい色加減になってきてから皿に写しサラダを盛っていると、すっかり着替えた蓮子が匂いにつられてやってきた。
「んー、いい香りね」
「早くバターぬりなさい」
「はいはい。メリーは紅茶でいい?」
「ん」
飲み物を注いでもらっている間にトースターから小気味いい音が響き、トーストを皿に移して蓮子に手渡す。
「メリーは今日どうするの?」
「別に考えてないわ。買い物にでも出かけてから行こうかと」
「優雅ねぇ」
「セレブですわ」
さくさくと軽快な音をたてながらトーストを頬張り、紅茶を啜りながらのんびり答える。
「あ、ハム一枚頂戴」
「いやしんぼねぇ」
「お腹空いたんだからいいの」
「はやく準備しなくていいの?」
「あとは出るだけよ。はい、ごちそうさま」
「お粗末様」
食器を重ねて洗浄器にセットし、ぱたぱたとカバンを持って玄関まで駆ける蓮子。駆けるほど我が家は広くないのだけれど。
「それじゃ、いってらっしゃい」
「はいはい、いってきます」
靴を履き終えた蓮子は振り返るとそっと見上げてきたので、軽く屈んで唇にキス。む、胡椒の味。
「あなた、そろそろ塩コショウの量考えた方がいいわ」
「気が向いたらねー」
軽く手を振りドアの向こうへ出ていく同居人にため息をつき、シャワーでも浴びようかと浴室へ。こんな格好では表にも出られない。
着替えを取り出して胸元に抱え、脱衣所へおっとり向かう。昨日の夜食を片付け忘れたテーブルの上は見ないふりをしつつ……
「あら?」
ふと見慣れたものが眼に入ったように思えて、視線をテーブルの上に戻す。そこにあったのは、蓮子愛用の小型USBメモリ。確か昨日寝るまでレポートをやっていたはずだから、そのまま置き忘れたんだろう。まぁ、確かオンラインストレージにもバックアップしていたはずだから、忘れてても問題はないと思うけど……
「ふむん」
顎に手を当て、今日の予定を改めて考える。消耗品はこの間買い揃えたばかりだし、備品もこれと言って急を要するようなものはない。食事も買い置きがあるし、特に欲しい新書も出てないし……
「……よし」
頭の中で予定を練り直し、鼻歌など歌いながら脱衣所に向かう。割と凡庸な一日を送る予定だった身として、少しばかり気分が高揚しているのであった。
「この教室だったわよね……」
以前蓮子からもらったスケジュールを取り出し、教室の名前を見てから一人呟く。一般科目はともかく、専攻が違うからこっちの講義棟に来る機会がないので少し不安。
ドアの前できょろきょろしていると、講義の始まる時間が近いようでぞろぞろと学生が集まり始めてそっと柱の陰に身を隠す。
影からそっと覗くと、蓮子が慌てて鞄を脇に挟みながら部屋に入っていった。
「相変わらずねぇ」
苦笑しながら見送ると、他の急ぐ生徒に混じって部屋に入る。
「さて、と」
軽く見渡すと、少し後ろの席に腰掛ける蓮子の姿。蓮子を挟んで向かいの生徒が座ると同時に鞄を下に置いて腰掛ける。案の定パソコンを付けたりメモ帳を置いたり、自分の用意に忙しい蓮子はこちらに気づかない。のんびり机周りを整える蓮子を眺めていると、講師が準備を終えたようでスライドとWebライブで授業を始める。
「んー……」
生憎と超統一物理学は専攻外なので、蓮子から聞いたような単語がちらほら耳に入る程度で内容はさっぱり。普段蓮子がどんな授業を聞いてるか興味があってきたものの、正直少し退屈だった。さっさとメモリを渡して帰ろうと、横目で蓮子を眺める。
「……ふーん」
顎から手を放して、改めてじっくりと講義を受ける蓮子を見つめる。スライドを見るためか、普段掛けない筈の眼鏡を目元に携え、ディスプレイを凝視しながらタイピングする傍ら、使い古されたメモ帳になにやら書き込んでいる。タブレット端末が普及してる昨今、あえてアナログなところを活用するのが蓮子らしい。
重なってるゼミなんかではもっと余裕ぶって受けているのに、あれも要は、相棒にデキる所を見せたかったということなのか。
普段勉学に励む姿を見ない分、新鮮な感じというか、なんというか、その、かわいい。集中してるときの真剣な目つきとか、得心がいったのか時折微笑む様子とか。だから、時折小声で「ふーん」とか言わないで頂戴。かわいいから。かわいいから。
もう少しぼんやり眺めていてもよかったのだけれど、いい加減我慢も限界になってきたので、そっと肘先をつついてみる。最初は気づかなかったものの、何度か繰り返すうちに不審そうな顔をこちらに向けて
「……ふぁっ?!」
小声で叫んだ後、周囲を見渡してからそっと前に向き直る。かわいい。
幸い講師までだいぶ距離があったおかげで気づかれてないようで、蓮子はそっとこちらまで近づいてくる。
「こんにちは蓮子」
「ちょっとメリー、どういうつもりよ……っ?!」
「ひどいわねぇ、折角忘れ物持ってきてあげたのに」
ポケットからメモリを取り出して手渡すと、少しぽかんとしたあと、
「……ありがとう。わざわざ」
「どういたしまして」
「……それで、なんでまたこんなとこにいるのよ」
「なんでって、たまには相棒の凛々しい姿でも拝見させていただこうと思いまして」
「普段はだらしなくて悪うございました」
「あら、自覚はあったのね。えらいえらい」
「……もう」
かっと頬を赤らめてパソコンの方にに目を向ける蓮子。かわいい。
「……それで、いつまでいるの?」
「お気になさらず。講義に集中なさってくださいな」
「そうはいっても……」
さきほどまでの熱心さはどこへやら。膝を擦ってもじもじしたり、しきりに眼鏡の位置を直したり、ちらちらこっちに目線を向けたりと落ち着かない。かわいい。
「……集中できない?」
「……仕方ないでしょう。あんまりこういうところ見られたくなかったんだから」
「あら、どうして?」
「……メリーには、自信があるところだけ見せたかったから……」
消え入りそうな声で呟いて、無理矢理タイピングに集中する蓮子。なんだこの生き物、もうどうしてくれよう。
「それじゃ、渡す物渡したし、これでおいとまするわ」
「あ、うん……」
「ああ、それと、隣の空き部屋で待ってるわ」
「え?」
「講義が終わって、気が向いたらきなさいな」
「あ、ちょっ……」
蓮子の制止も聞かず、できるだけ音を立てないように席を立って教室から出る。普段蓮子に振り回されてる分、これぐらい奔放に振る舞ってもばちは当たるまい。
「さて、と」
蓮子の講義が終わるまで30分。私の講義が始まるまであと2時間半。悶々としてるだろう蓮子にくつくつと笑いをこぼしながら、椅子に座ってのんびり待つ。
はてさて、今日の講義は、遅刻せずに行けるかしら?