Coolier - 新生・東方創想話ジェネリック

家族

2012/05/31 00:59:04
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夕暮れが過ぎ、すっかり暗くなった自分の部屋。私の帰る場所はどこなんだろう、なんて事をふと考える。
そもそも帰る場所っていうのは何を元に決める事なんだろう。

寝泊りする所?
…家族の居る所?
……故郷?

別に今の生活に不満があるわけじゃない。それどころか恵まれてるぐらい。
勝手な我侭で家族を捨てて、故郷を捨てて。そんな私でも人並みの…きっと人並みの生活が出来てる。
…師匠に無茶振りされたり、姫様に振り回されたり、てゐに追い討ちをかけられたりはするけれど、きっと人並みには幸せだと思う。師匠も姫様もああ見えて優しいし、てゐも…てゐのいい所って何かあるかしら。それは置いておくとして、ここの皆が嫌いだなんて事は決して無い。


それでも少しだけ。ほんの少しだけ。お父さんとお母さんに会いたいって。そんな事を考えてしまった。


「何、ホームシックなの?まだまだ子供だねー。」
…こんな風にてゐにからかわれるのは癪だから表には出さないけれど。

月の羽衣や豊姫様の力が無くても月に行こうと思えば行けてしまう。それがあの巫女ご一行に証明されてしまったから余計にそんな事を考えてしまうのだろう。
実際、あの時に付いて行く事もできたはずだった。……逃げ出した兎が地上の穢れを持ち込んでおめおめと帰る…その勇気が無かっただけで。


……やめよう。月から逃げる事を決めたのは私なんだから。それにそろそろ夕飯の準備をしないと――


「ウドンゲ?灯りも点けないで、一体どうしたの?」

「あ、お母さ――――~~~~じゃなく、て……し、しょぅ……」

「…あらあら、何かしら?鈴仙。」

「い、いえ…何でもないです…夕飯の支度、してきますねっ。」


暗くて見えなかったけど、きっと師匠は意地悪な笑顔を浮かべてたと思う。…でも、なんだかちょっと嬉しかった。
ふと書きたくなって勢いで書いてしまったもの。
なんて言うか、こんなうどんげが好きです。
AFM
コメント



1.上海人形削除
ホームシックですねわかります。
2.奇声を発する程度の能力削除
何だか良いですね