1
「はいプレゼント」
「腕時計? 私には必要ないわよメリー」
「だって腕時計って肌身離さず持つじゃない。1日何回もみるし」
「それがどうかしたの」
「その分わたしを思い出してくれるでしょ」
「頂くわ」
「ありがとう」
2
「メリー、ブーツを買いに行くわよ」
「蓮子たくさんブーツあるでしょ」
「たくさんあるけどメリーとお揃いのが欲しいのよ」
「あら」
3
「お風呂に入ってまずどこを洗う? 私は頭から」
「心理テスト?そうね……」
「うん」
「ブラからね」
「えっ」
「え?手洗いしないブラ」
「え、ええ……」
4
「バイトを始めたの」
「どんなバイト」
「家庭教師」
「今すぐ辞めて蓮子」
5
「卵焼きは醤油に限る」
「塩も美味しいわよ蓮子」
「そう……?」
「試してみたら」
「そうしてみる」
「うん」
6
「蓮子の手って温かいわね」
「……生きてるからね」
「そうね」
7
「お母さん……あっ」
「メリー」
「違うの蓮子。間違えただけなのよ」
「分かってる。メリーは私の嫁だもの」
「蓮子……」
8
「全く蓮子ったらモーニングコールしなきゃ起きないのなんとかして欲しいわね」
『はい……』
「おはよう蓮子。レポート提出間に合わなくなるわよ」
『分かってるわ』
「それじゃ切るわね」
『うん』
「……寝起きの声がエロいって本当なのね」
9
「あれメリーそのハンカチ私のじゃない?」
「本当だ。この間持って帰って来ちゃったのかしら」
「ふーん」
「なに……蓮子」
「なんでもないわ」
10
「メリーって外人らしくないわよね」
「そう? リアクションとか大袈裟じゃないから?」
「いや、喘ぎ声が日本的だから」
「……」
11
「スカートのたくしあげはえちぃと聞いた」
「うん」
「実践してみるから見ててメリー」
「分かったわ」
「携帯構えるの止めて」
12
「バイトを辞めたわ」
「家庭教師の? あれだけ言って聞かなかったのにどうして」
「教え子とそのお母さんがデキてたの」
「なにそれ怖い」
13
「蓮子パソコン貸してくれる」
「いいわよ」
「蓮子パスワード入力してって表示が出たわ」
「エムイーアールアイって入力して」
「……パスワード替える気ない蓮子」
「ないわ」
14
「お通じがなかなか来ないのよ蓮子」
「どれ」
「なんでお尻を撫で回すの」
「この辺にそういうの通じる神経があるそうよ。どう何か感じる?」
「感じるの意味が違うわ」
15
「蓮子はいつもコーヒーを飲んでるわね」
「そうね。私の身体はコーヒーで出来てると言っても過言ではないわ」
「そうね。コーヒーの香りが強いと蓮子がいるから」
「コーヒー臭はちょっと……」
「煙草の香りもしたら完璧おじさんね」
「私コーヒー飲むの控えるわ」
16
「着信履歴をこの間見たの」
「うん」
「蓮子の名前しかなかったの」
「それが?」
「わたし色に携帯が染まっているなーって思ったわ」
「安心してメリー私もだから」
17
「メリー。清水の舞台から飛び降りるって言うでしょ?」
「あるわね」
「現代風に言えばなんだろう?」
「有名で高い場所……六本木ヒルズから飛び降りる気持ち?」
「死ぬしかないじゃない」
18
「蓮子お布団を干すからどいて」
「うん」
「その布団来客用だったんでしょ」
「そうね」
「じゃあ私専用だわ」
「確かに蓮子しか使ってないわ」
「メリーは私専用って事ね」
19
「蓮子プレゼントしたエスプレッソマシーン使ってるの? ホコリ被ってない?」
「愛用してるわよ」
「本当に?」
「これから証明してあげる」
「自信満々ね」
「はいお待たせ」
「ハート?」
「ラテアートぐらいは出来るくらいに使ってるわ。お味はいかが?」
「甘いわね」
20
「蓮子お帰り久々の実家はどうだった?」
「良かったわ。でも、おばあちゃんが、することなくて掃除してる私に向かって言ったの」
「なにを」
「『よく働くね。あんたいい嫁さん貰えるわ』って」
「……旦那さんじゃないのね」
「という訳でメリー。おばあちゃんのお許しも出たから結婚しましょうか」
「あれー?」
21
「メリー。カレーを多く作り過ぎたから家に来ない?」
「そういう事なら喜んで」
「うん。トッピングはなにしよう?」
「チーズ」
「卵」
「えっ」
「えっ」
22
「ねえメリーたまにはパンツ穿いてみたら。いつもスカートじゃない」
「パンツなら毎日穿いてるわよ」
「そのパンツじゃないわ」
23
「録画していたつもりのドラマが失敗してたの」
「それは残念ね」
「しかも最終回」
「うわあ……」
24
「あら猫」
「可愛いわね」
「なにすり寄ってきて。ふふふ……よしよし」
「蓮子っ」
「引っ付かないでよメリー」
25
「脱がすのは男の嗜みって言うらしいわ」
「それがどうしたのメリー」
「乙女の嗜みでもないかしら」
「服に手をかけないでよ。息も荒げないで」
26
「んーお風呂上がりのビールは最高ね」
「普通にお水でもいいじゃない」
「大丈夫このあとお水も飲むから」
「飲み過ぎよ蓮子」
「いいじゃない。一杯くらいじゃ酔わないし」
「わたしは湯上がりの蓮子に酔ってるわ」
「はいはい」
27
「歯が痛い」
「虫歯かしら。病院行ったら?」
「ねえメリー。キスで口の中の細菌が相手に移るらしいの」
「へえ」
「メリー」
「謹んで遠慮するわ」
28
「壁時計が動かなくなったわ」
「電池切れかな。はい新しいの」
「ありがとう」
「動いたわね」
「前も電池切れした時に蓮子は隣にいたわ」
「じゃあ次も一緒にいましょうか」
「勿論」
29
「一人暮らしってなんでも自分でやらなきゃいけないから、面倒ね」
「ふーん」
「病気の時なんかベッドから動けないし、最悪だわ」
「蓮子」
「うん?」
「貴女の洗い物してるわたしに向かって何か言うことない」
「ごめんなさい」
30
「ふー。やっと終わった」
「レポート終わったの」
「ええ。メリー鞄から目薬出してくれる」
「はいどうぞ」
「ありがとう。ふーさっぱりした」
「……」
「メリー?」
「蓮子。他の人の前で目薬差さないでね」
「顔が怖いよメリー」
31
「ねえ蓮子。学生時代の制服って残ってる?」
「あるよ。実家から送ってもらう?」
「ええ」
「高校はブレザーだったのよ。メリー着てみる?」
「ボタン一つもないわね。蓮子」
「卒業の時にみんな後輩にむしり取られた」
「セーラー服のタイは?」
「後輩にむしり取られたのよ」
32
「メリーってモンゴル出身?」
「先祖がフビライでもチンギスでもないわよ」
「エビフライでもないわね」
「黙れうさぎちゃん」
「うさぎって言うな」
33
「髪の毛伸びたな切りに行かなきゃ」
「そういえば蓮子。髪の毛がすぐ伸びる人ってむっつりらしいわよ」
「だからメリーはロングヘアーなのね」
「失礼ね蓮子限定よ」
「私もメリー限定だから」
「そう」
「そうよ」
34
「新しくバイトを始めたわ」
「へー今度はなに」
「塾の先生。大学生なら教えられるみたい」
「へー教える学年は」
「中学生」
「ふーん」
「あれ反応薄い」
「高校の文系は難しいものね蓮子には」
「うぐ……!」
35
「焼き肉を食べに行かない?」
「いきなりどうしたの」
「食べたいから」
「いいけど、野菜も食べなさいよ。蓮子」
「焼き肉は肉を食べるものよ」
「はいはい」
36
「たまには部屋で読書ってのもいいわね」
「読んでるのマンガじゃないの」
「そういうメリーは雑誌でしょ」
「いいじゃない面白いだから」
「わたしだってそうよ」
「じゃあいいか」
「そうね」
37
「メリーは紅茶をよく飲むわね」
「そうかしら」
「ドトールとかマックでもいつも紅茶じゃない」
「どのお店にもあるからよ」
「メリーって変なところ面倒くさがるね」
「そう?」
38
「私シャープペンシル嫌いなの」
「どうして?」
「筆圧高いからよく折れるのよ。講義どころじゃなくなるわ」
「蓮子、百円均一のを買わなきゃいいのよ」
39
「メリー愛してる」
「わたしもよ」
「少しは照れるとかしなさいよ。つまらない」
「ごめんなさいね」
「ほんとよ」
「蓮子愛してる」
「あ、ありがとう」
「どういたしまして」
40
「肉じゃがを作ってみたわ」
「こっちは切り干し大根の煮物を」
「夕飯は豪華になるわね蓮子」
「ええ。欲を言えば、おみおつけと漬け物が欲しくなるわね」
「たくあんならあるわよ」
「今からメリーの家行くから待ってて」
「ご飯炊いて待ってるわ」
41
「前髪が邪魔だわ」
「蓮子、クロピンならあるわよ」
「貸してもらってもいい?」
「いいわよ」
「ありがとう。これで視界が晴れる」
「蓮子っておでこ出しても可愛いのね」
「やっぱりピン返すわ」
「却下」
42
「ゴメンー待った?」
「15分の遅刻よ」
「悪かったってそれじゃ行きましょう」
「誰かさんが遅刻したおかげで、映画見れなかったらどうするのよ」
「その時はその時に考えるわ」
「もう蓮子ったら」
「嫌なら一緒に住めば?」
「その手があったわ」
43
「お昼何食べよう? 麺類が食べたいんだけど」
「わたしざるそばにするわね」
「メリーそこはミートソーススパゲティとかでしょ」
「口の周りケチャップで汚れるじゃない」
「そっか。私はカレーうどんにするわ」
「話を聞きなさい」
44
「洗濯の液体洗剤が切れたわ」
「ストックあるから持って行ったら」
「遠慮するわ蓮子」
「どうして」
「その時で一番安い洗剤を蓮子買うでしょ」
「それが?」
「入れ物と中身の製品が違うのなんて堪えられない……」
「メリーって変なところこだわりあるよね」
45
「今日はスーツなんだ」
「ええ教授の手伝いでね」「
そっか。ねえメリーストッキングは黒がいいんじゃない」
「その心は」
「スクエアタイプの眼鏡をかけて女性教師をして欲しい」
「帰って来たらしましょうね蓮子」
46
「今月飲み会多くて出費が嵩むわね」
「……ふーん」
「今度二人で飲みましょうね」
「ポテトサラダ作ってくれる?」
「ええにんじん沢山のポテトサラダね」
47
「夏だと帽子って蒸れるよね」
「そうね」
「そう思うでしょ?メリーのも空気こもりそうなデザインよね」
「これナイトウェアの帽子なの。朝出掛ける時にいつも外すの忘れて……」
「衝撃の真実ね」
48
「48個目ね蓮子」
「そうね」
「あっという間だったわね」
「そうね」
「他に言うことないの蓮子」
「メリーのおはようからおやすみなさいまでを共に過ごし、おやすみなさいからおはようまで一緒にいたい」
「最後になんて事言ってるのよ」
「いいじゃない。最後なんだから」
「そうね。わたしも蓮子といたいわ」
「そうこなくちゃ」
「永遠におやすみなさいでも一緒にいたいわね」
「重いわメリー」
エンド
「はいプレゼント」
「腕時計? 私には必要ないわよメリー」
「だって腕時計って肌身離さず持つじゃない。1日何回もみるし」
「それがどうかしたの」
「その分わたしを思い出してくれるでしょ」
「頂くわ」
「ありがとう」
2
「メリー、ブーツを買いに行くわよ」
「蓮子たくさんブーツあるでしょ」
「たくさんあるけどメリーとお揃いのが欲しいのよ」
「あら」
3
「お風呂に入ってまずどこを洗う? 私は頭から」
「心理テスト?そうね……」
「うん」
「ブラからね」
「えっ」
「え?手洗いしないブラ」
「え、ええ……」
4
「バイトを始めたの」
「どんなバイト」
「家庭教師」
「今すぐ辞めて蓮子」
5
「卵焼きは醤油に限る」
「塩も美味しいわよ蓮子」
「そう……?」
「試してみたら」
「そうしてみる」
「うん」
6
「蓮子の手って温かいわね」
「……生きてるからね」
「そうね」
7
「お母さん……あっ」
「メリー」
「違うの蓮子。間違えただけなのよ」
「分かってる。メリーは私の嫁だもの」
「蓮子……」
8
「全く蓮子ったらモーニングコールしなきゃ起きないのなんとかして欲しいわね」
『はい……』
「おはよう蓮子。レポート提出間に合わなくなるわよ」
『分かってるわ』
「それじゃ切るわね」
『うん』
「……寝起きの声がエロいって本当なのね」
9
「あれメリーそのハンカチ私のじゃない?」
「本当だ。この間持って帰って来ちゃったのかしら」
「ふーん」
「なに……蓮子」
「なんでもないわ」
10
「メリーって外人らしくないわよね」
「そう? リアクションとか大袈裟じゃないから?」
「いや、喘ぎ声が日本的だから」
「……」
11
「スカートのたくしあげはえちぃと聞いた」
「うん」
「実践してみるから見ててメリー」
「分かったわ」
「携帯構えるの止めて」
12
「バイトを辞めたわ」
「家庭教師の? あれだけ言って聞かなかったのにどうして」
「教え子とそのお母さんがデキてたの」
「なにそれ怖い」
13
「蓮子パソコン貸してくれる」
「いいわよ」
「蓮子パスワード入力してって表示が出たわ」
「エムイーアールアイって入力して」
「……パスワード替える気ない蓮子」
「ないわ」
14
「お通じがなかなか来ないのよ蓮子」
「どれ」
「なんでお尻を撫で回すの」
「この辺にそういうの通じる神経があるそうよ。どう何か感じる?」
「感じるの意味が違うわ」
15
「蓮子はいつもコーヒーを飲んでるわね」
「そうね。私の身体はコーヒーで出来てると言っても過言ではないわ」
「そうね。コーヒーの香りが強いと蓮子がいるから」
「コーヒー臭はちょっと……」
「煙草の香りもしたら完璧おじさんね」
「私コーヒー飲むの控えるわ」
16
「着信履歴をこの間見たの」
「うん」
「蓮子の名前しかなかったの」
「それが?」
「わたし色に携帯が染まっているなーって思ったわ」
「安心してメリー私もだから」
17
「メリー。清水の舞台から飛び降りるって言うでしょ?」
「あるわね」
「現代風に言えばなんだろう?」
「有名で高い場所……六本木ヒルズから飛び降りる気持ち?」
「死ぬしかないじゃない」
18
「蓮子お布団を干すからどいて」
「うん」
「その布団来客用だったんでしょ」
「そうね」
「じゃあ私専用だわ」
「確かに蓮子しか使ってないわ」
「メリーは私専用って事ね」
19
「蓮子プレゼントしたエスプレッソマシーン使ってるの? ホコリ被ってない?」
「愛用してるわよ」
「本当に?」
「これから証明してあげる」
「自信満々ね」
「はいお待たせ」
「ハート?」
「ラテアートぐらいは出来るくらいに使ってるわ。お味はいかが?」
「甘いわね」
20
「蓮子お帰り久々の実家はどうだった?」
「良かったわ。でも、おばあちゃんが、することなくて掃除してる私に向かって言ったの」
「なにを」
「『よく働くね。あんたいい嫁さん貰えるわ』って」
「……旦那さんじゃないのね」
「という訳でメリー。おばあちゃんのお許しも出たから結婚しましょうか」
「あれー?」
21
「メリー。カレーを多く作り過ぎたから家に来ない?」
「そういう事なら喜んで」
「うん。トッピングはなにしよう?」
「チーズ」
「卵」
「えっ」
「えっ」
22
「ねえメリーたまにはパンツ穿いてみたら。いつもスカートじゃない」
「パンツなら毎日穿いてるわよ」
「そのパンツじゃないわ」
23
「録画していたつもりのドラマが失敗してたの」
「それは残念ね」
「しかも最終回」
「うわあ……」
24
「あら猫」
「可愛いわね」
「なにすり寄ってきて。ふふふ……よしよし」
「蓮子っ」
「引っ付かないでよメリー」
25
「脱がすのは男の嗜みって言うらしいわ」
「それがどうしたのメリー」
「乙女の嗜みでもないかしら」
「服に手をかけないでよ。息も荒げないで」
26
「んーお風呂上がりのビールは最高ね」
「普通にお水でもいいじゃない」
「大丈夫このあとお水も飲むから」
「飲み過ぎよ蓮子」
「いいじゃない。一杯くらいじゃ酔わないし」
「わたしは湯上がりの蓮子に酔ってるわ」
「はいはい」
27
「歯が痛い」
「虫歯かしら。病院行ったら?」
「ねえメリー。キスで口の中の細菌が相手に移るらしいの」
「へえ」
「メリー」
「謹んで遠慮するわ」
28
「壁時計が動かなくなったわ」
「電池切れかな。はい新しいの」
「ありがとう」
「動いたわね」
「前も電池切れした時に蓮子は隣にいたわ」
「じゃあ次も一緒にいましょうか」
「勿論」
29
「一人暮らしってなんでも自分でやらなきゃいけないから、面倒ね」
「ふーん」
「病気の時なんかベッドから動けないし、最悪だわ」
「蓮子」
「うん?」
「貴女の洗い物してるわたしに向かって何か言うことない」
「ごめんなさい」
30
「ふー。やっと終わった」
「レポート終わったの」
「ええ。メリー鞄から目薬出してくれる」
「はいどうぞ」
「ありがとう。ふーさっぱりした」
「……」
「メリー?」
「蓮子。他の人の前で目薬差さないでね」
「顔が怖いよメリー」
31
「ねえ蓮子。学生時代の制服って残ってる?」
「あるよ。実家から送ってもらう?」
「ええ」
「高校はブレザーだったのよ。メリー着てみる?」
「ボタン一つもないわね。蓮子」
「卒業の時にみんな後輩にむしり取られた」
「セーラー服のタイは?」
「後輩にむしり取られたのよ」
32
「メリーってモンゴル出身?」
「先祖がフビライでもチンギスでもないわよ」
「エビフライでもないわね」
「黙れうさぎちゃん」
「うさぎって言うな」
33
「髪の毛伸びたな切りに行かなきゃ」
「そういえば蓮子。髪の毛がすぐ伸びる人ってむっつりらしいわよ」
「だからメリーはロングヘアーなのね」
「失礼ね蓮子限定よ」
「私もメリー限定だから」
「そう」
「そうよ」
34
「新しくバイトを始めたわ」
「へー今度はなに」
「塾の先生。大学生なら教えられるみたい」
「へー教える学年は」
「中学生」
「ふーん」
「あれ反応薄い」
「高校の文系は難しいものね蓮子には」
「うぐ……!」
35
「焼き肉を食べに行かない?」
「いきなりどうしたの」
「食べたいから」
「いいけど、野菜も食べなさいよ。蓮子」
「焼き肉は肉を食べるものよ」
「はいはい」
36
「たまには部屋で読書ってのもいいわね」
「読んでるのマンガじゃないの」
「そういうメリーは雑誌でしょ」
「いいじゃない面白いだから」
「わたしだってそうよ」
「じゃあいいか」
「そうね」
37
「メリーは紅茶をよく飲むわね」
「そうかしら」
「ドトールとかマックでもいつも紅茶じゃない」
「どのお店にもあるからよ」
「メリーって変なところ面倒くさがるね」
「そう?」
38
「私シャープペンシル嫌いなの」
「どうして?」
「筆圧高いからよく折れるのよ。講義どころじゃなくなるわ」
「蓮子、百円均一のを買わなきゃいいのよ」
39
「メリー愛してる」
「わたしもよ」
「少しは照れるとかしなさいよ。つまらない」
「ごめんなさいね」
「ほんとよ」
「蓮子愛してる」
「あ、ありがとう」
「どういたしまして」
40
「肉じゃがを作ってみたわ」
「こっちは切り干し大根の煮物を」
「夕飯は豪華になるわね蓮子」
「ええ。欲を言えば、おみおつけと漬け物が欲しくなるわね」
「たくあんならあるわよ」
「今からメリーの家行くから待ってて」
「ご飯炊いて待ってるわ」
41
「前髪が邪魔だわ」
「蓮子、クロピンならあるわよ」
「貸してもらってもいい?」
「いいわよ」
「ありがとう。これで視界が晴れる」
「蓮子っておでこ出しても可愛いのね」
「やっぱりピン返すわ」
「却下」
42
「ゴメンー待った?」
「15分の遅刻よ」
「悪かったってそれじゃ行きましょう」
「誰かさんが遅刻したおかげで、映画見れなかったらどうするのよ」
「その時はその時に考えるわ」
「もう蓮子ったら」
「嫌なら一緒に住めば?」
「その手があったわ」
43
「お昼何食べよう? 麺類が食べたいんだけど」
「わたしざるそばにするわね」
「メリーそこはミートソーススパゲティとかでしょ」
「口の周りケチャップで汚れるじゃない」
「そっか。私はカレーうどんにするわ」
「話を聞きなさい」
44
「洗濯の液体洗剤が切れたわ」
「ストックあるから持って行ったら」
「遠慮するわ蓮子」
「どうして」
「その時で一番安い洗剤を蓮子買うでしょ」
「それが?」
「入れ物と中身の製品が違うのなんて堪えられない……」
「メリーって変なところこだわりあるよね」
45
「今日はスーツなんだ」
「ええ教授の手伝いでね」「
そっか。ねえメリーストッキングは黒がいいんじゃない」
「その心は」
「スクエアタイプの眼鏡をかけて女性教師をして欲しい」
「帰って来たらしましょうね蓮子」
46
「今月飲み会多くて出費が嵩むわね」
「……ふーん」
「今度二人で飲みましょうね」
「ポテトサラダ作ってくれる?」
「ええにんじん沢山のポテトサラダね」
47
「夏だと帽子って蒸れるよね」
「そうね」
「そう思うでしょ?メリーのも空気こもりそうなデザインよね」
「これナイトウェアの帽子なの。朝出掛ける時にいつも外すの忘れて……」
「衝撃の真実ね」
48
「48個目ね蓮子」
「そうね」
「あっという間だったわね」
「そうね」
「他に言うことないの蓮子」
「メリーのおはようからおやすみなさいまでを共に過ごし、おやすみなさいからおはようまで一緒にいたい」
「最後になんて事言ってるのよ」
「いいじゃない。最後なんだから」
「そうね。わたしも蓮子といたいわ」
「そうこなくちゃ」
「永遠におやすみなさいでも一緒にいたいわね」
「重いわメリー」
エンド
蓮メリちゅっちゅ。
蓮メリちゅっちゅ
後、すまん突っ込ませてくれ、13のパスワードの最後は何故Yではないんだ…。
>38 ここで書くことでは無いけど、Fの硬さの芯は捗るけど100均には置いてない目立たなさ。
動的な話でないのに思わずニヤリとしてしまう感じが素晴らしい。お見事です。
くすっと笑ってしまう物からニヤニヤする物まで幅広く楽しめました。
蓮メリちゅっちゅ。