「ねぇ、パチュリー」
「あら、妹様じゃない。何か用かしら?」
「妹様はやめてってばー」
「はいはい、で、フラン。何の用かしら?」
「えっとね。暇なの」
「私は忙しいから」
「本読んでるだけじゃん」
「えぇ。本を読むのに忙しいのよ」
「遊ぼ~よ」
「忙しいのよ」
「遊ぼ!」
「・・・」
「パ~チュ~リ~」
「そうそうフラン」
「ん? 遊んでくれるの? 何する?」
「貴方も魔法少女の端くれなら、本の1つくらい読みなさい」
「わ、聞いてないし」
「・・・」
「また聞いてないし」
「・・・」
「しょ~がない。パチュリーの言うとおりにしよっかな」
「・・・」
「・・・」
「・・・・・・」
「・・・・・・」
「・・・・・・・・・」
「・・・・・・・・・」
「ねぇ、パチュリー」
「何よ?」
「飽きた」
「まだ3ページしか読んでないじゃない」
「何で本閉じてるのに解るの?」
「・・・勘よ」
「もしかして、ずっと見てた?」
「魔女には何でもお見通しなの」
「パチュリーのエッチ」
「なんでそうなるのよ!」
「そういえばさー」
「って、無視!?」
「私とお姉さまってあんまり似てないよねー。姉妹なのに」
「そうかしら?」
「うん。髪の色も違うし」
「・・・それだけ?」
「それだけじゃないけど、一番気になるのはそこかなーって」
「両親の髪の色が違えば、さして珍しい事じゃないわよ?」
「両親?」
「親の事よ」
「親は親じゃないの?」
「父親と母親を併せてそう言うのよ」
「ふ~ん。ねぇ、パチュリー」
「ん?」
「私はどうやって生まれたの?」
「・・・貴方の母親と父親が後世に遺伝子を残すため作ったのよ」
「へぇ、そうなんだ。じゃあ、どうやって作ったの?」
「自分で調べなさい。幸い資料はいくらでもあるわ」
「面倒~。パチュリー、教えて」
「・・・おしべとめしべが、って、やっぱ無理。自分で調べて頂戴」
「ぇ~、パチュリーのケチ~」
「とても乙女の口から言える内容じゃないのよ」
「じゃあ、実際にやって見せて」
「ぐはっ。げほっ、げほっ」
「どうしたの?」
「・・・それ、もっと無理だから」
「そうなの?」
「そうなの」
「ケチ」
「ケチで教えない訳じゃないんだけどね」
「いいもん。今度魔理沙に教えてもらうから」
「・・・それはやめときなさい」
「なんで~?」
「なんでも。せめてレミィあたりにしときなさい。無難に」
「無難なの?」
「えぇ、無難よ」
「でも、お姉さまは眷族の増やし方しか教えてくれなかったよ?」
「・・・あ」
「私は眷属じゃなくて子供の作り方を聞いたのに、変なお姉さま」
「・・・吸血鬼に生殖能力ってあるのかしら?」
「ん、パチュリー何かいった?」
「なんでもないわ。レミィ達はどうしたのかなと思っただけよ」
「神社に行くって言ってたよ?」
「そう」
「ずるいよね~、お姉さまばっかり」
「・・・何が?」
「お姉さまばっか好きな人に会いに行くのはずるいと思わない?」
「・・・そう?」
「パチュリーも魔理沙に会いに行きたいでしょ?」
「さぁ、どうかしら?」
「私は魔理沙に会いに行きたいんだけどなー」
「そうね。私も会いに行きたいような気がしてきたわ」
「でしょ? でしょ?」
「本を返して貰いたいし。出来れば全部」
「やっぱりパチュリーも魔理沙が大好きなんだね」
「なっ、別に私はっ」
「だからお姉さまばっかり会いに行くなんて、ずるいよね」
「・・・そうね、ずるいかもしれないわね」
「んー、どうしたの? 変な顔して?」
「なんでもないわ」
「ご説明しましょう」
「わっ」
「小悪魔、どっから沸いたの」
「沸いたなんて酷いですねぇ。で、フラン様。ご説明致しましょうか?」
「うん!」
「はぁ」
「フラン様はとても素直に物事をおっしゃいます。その姿はとても可愛らしいんです」
「そうなの?」
「えぇ。ですから、パチュリー様はそれに嫉妬してるんですよ」
「小悪魔!」
「パチュリー様が「ずるい」とか「会いたい」なんて言う時には、何かしら理屈を捏ねちゃいます」
「小悪魔!!」
「それでそれで?」
「ですから、羨ましいんですよ。素直にそう言えるフラン様が。パチュリー様だって女の子ですか――」
「小悪魔、待て!」
「わんっ」
「あ、わんこだ」
「お座り!」
「わんわん、って、何ですかこれ!?」
「頭に羽の生えた赤髪の小悪魔の犬度を上げる魔法よ」
「何ですかそのピンポイントな魔法は!?」
「伏せ」
「きゃいん」
「あれ、お手は?」
「・・・したかったの?」
「うん」
「また今度ね」
「は~い」
「さて、何の話だったかしら」
「うんとね。パチュリーは女の子だって話」
「違うわよ。フランは可愛いって話よ」
「そうだっけ?」
「そうなのよ」
「ふ~ん。で、パチュリー」
「何?」
「子供の作り方教えて」
「小悪魔、お茶とお茶菓子の準備を。いいお菓子があるんだけど、フランも一緒にどう?」
「わ~い、食べる食べる~」
「ふぅ。とりあえず本はお預けかしらね」
「お菓子~、お菓子~。あ、そうだパチュリー」
「何かしら?」
「魔理沙、早く遊びに来てくれるといいね」
「ふふ。そうね」
「早く子供の作り方も聞きたいし」
「それはやめなさいっ」
台詞だけなのに迷う事無いこのスムーズさ。
しかも途中で3人になってるし。
ごちそうさまでしたw
……誰か忘れている気がw
案外通用するんじゃ無かろうか、と思ったりしないでもない。
会話オンリーと言う私にとって初めての試みでしたが、どうやらそれなりに受け入れて頂けたようで嬉しい限りです。
最後に一言だけ。フランは可愛いですよね(そこか
>……誰か忘れている気がw・・・②
①②より、誰かがいた気がする、しかし目立たない。
目立たない男=集落の人間
よって、忘れられてる男は、慧音の守る集落の男共、となる。
・・・・・・あれ?
レミィとフランの親=同じく幼女