知識の保管庫、ヴワル図書館
パチュリー・ノーレッジと言う名の魔女が管理する大図書館
其処に、珍しくも新しい訪問者が訪れた
「お邪魔するわね」
「邪魔するなら帰って」
七色の人形遣いと呼ばれる魔法使い、アリス・マーガトロイドが人形を伴い入館
最近やってくる魔法使いのせいで本を読む時間が減りつつある魔女はご機嫌斜め、反射的に皮肉った言葉もでる
「別に貴女の読書を邪魔をしに来た訳じゃないわ。此処にある本を読ませてもらおうと思って」
「・・・・・・・・」
つっけんどんな魔女の言葉に人形遣いは良く言えば穏やかに、悪く言えば感情無くまるで人形のように答える
そんな人形遣いに視線を移し、本を読んでいた魔女は驚いた
「(ね、猫度が90点超えてる! )」
「私は何処かの誰かとは違って、本を無断で持って行ったりしないし。良いかしら? 」
「・・・・・・・・猫いらずはどうしたのよ? ( この娘には、猫耳が必要ね! ) 」
「猫いらず? あぁ、鼠って事。随分な言い草ね、門番とメイドに図書館の使用は貴女に許可を貰えって通してくれたけど? 」
人形遣いの言葉に、魔女は舌打ちする
「猫み・・・・・やっぱり使えないわね」
「 ( 寝込み? ) 」
猫みっ! そんな新しい舌打ち
魔女は溜息を付きながら、人形遣いにどうやって猫耳をつけさせようかと策を練る
「魔法使いの原則は等価交換、この図書館を使うにはそれなりの代償が必要よ」
「それもそうね。で、何を私が払えば良いのかしら? 」
「猫み「本ください! 」
突然出てきて魔女の言葉を遮ったのは小さな悪魔、魔女の心境は『ゲエーッ! 小悪魔ッ! 』
それにしても本を読むのに猫耳が必要とは何のプレイなのか、寝込み
「・・・・・・小悪魔、邪魔しないで」
「パチュリー様、私は見えました! 最近本が減り続けている日常にさした希望の光を! 」
眼の下に隈が出来ている悪魔の姿は儚い、具体的に言えばやつれている
悪魔に過労死と言う言葉は無いが、過労死が幻想となった時は危ないと思われる様子だ
「ストレスから来る幻覚ね、間違いないわ」
「いつか、あのくろいのにうしろからほうちょうでさします」
「不可避の攻撃はご法度よ」
怨み重ねて300冊、本の数だけ300殺
何処から持ってきたのか鈍い光を放つ包丁を手に、ぶつぶつと虚ろな眼で呟く悪魔は普通に怖い
「物騒な会話の所悪いけど、本を渡せば良いの? 」
「違 「えぇ! 別に本を貰うわけではなく私が写本を作るので借りた本は返します! ですので出来れば珍しい本の方が嬉しいです! 」
またもや魔女の言葉を遮る悪魔に顔をしかめるも、手に持つ包丁が少し怖くて何も言えない魔女だった
興奮のあまり手を振り回して魔女の傍を掠める包丁だが悪魔に悪意無し、アクマで偶然です
「珍しい本・・・・・・いま手元にあるのはこれしかないけど」
そう言って差し出したのは、黒い本
魔女の眼には普通の呪術書、この図書館では珍しくも無い良くあるグリモワールに見えるが悪魔の眼には違うように映ったらしい
「こ、こぁー!? (エキサイダー和訳:これ、これはもしかするのでしょうか!? ) 」
思わず故郷訛りが出るほどの衝撃、魔女は悪魔の視線の先に自分の視線を合わせる
視線の先には人形遣いの持つ本、そして焦点をあわせると見えるのは小さな文字
『 Made in MAKAI 』
「魔界? 」
「こぁ! こぁー! (エキシブル和訳:うはぁべし! これはとても素晴らしく物ですね! )」
「小悪魔、煩い」
魔女の一見緩やかな動きから繰り出された寸勁が悪魔の腹部を直撃、そのまま危ない倒れ方で頭部から勢い良く倒れる悪魔だがすぐに復活
珍しい本を前にした悪魔は常にこんな状態だ、恐らく灰になっても復活してくれるに違いない
人形遣いは少し前に会った不老不死な炎を使う人間を思い出し、少し引いた
「何を興奮してるのよ? 」
「パチュリー様! だって魔界製ですよ魔界製! 幻想郷では超希少本! 激レア本! 」
「確かに魔界製なのは珍しいけど、別に本そのものは珍しくないじゃない」
魔界
それは幻想郷とも外の世界とも違う、作られた別の世界
世界中の本が集まるヴワル図書館と言えど世界が違えば集まらず、実際一冊も図書館には置いて無い
とある魔法使いが魔界から色々強奪してきたらしいが所詮黒歴史、都市伝説のようなものである
「何言ってるんですか! 魔界本は此処にある本と細かな所は違うし場合によっては中身が全然別物だったりするんですよ!? 」
何故悪魔がこんなにも必死なのかと魔女は考え、悪魔の言葉を思い出し納得した
『本が減り続けている日常にさした希望の光』
本を読み、本と共にある事を自分の存在意義だとまで言ってしまう魔女
それに対して本を読むのも好きだが、この図書館の本を管理し更なる本を集める事に存在意義を見出している司書の悪魔
納得した魔女は一つ頷き、人形遣いに答えた
「だが断る」
「こ、こあぁぁー!! 」
「ちょ、冗談よ! だから包丁を振りかぶるのは止めなさい! 」
悪魔が使う包丁は掟破りのルール無礼カー、隙間様が見てます
命まで奪っちゃうのが玉に瑕、魔女が反射的に持ち上げた厚い本が貫かれる
魔女の瞳に冷たい殺意の光が灯った
「それじゃあ、この本で良いの? 」
そんな魔女と悪魔の戯れを何事も無かったかのように流して、人形遣いは平然と聞く
人形遣いの質問に、魔女と悪魔はそれぞれ停戦の意思を込めた眼と眼の会話
『断ったら、私は凄いですよ? 』
『後で閻魔に会わせてあげるから、説教されてきなさい』
眼と眼の会話終了
魔女は人形遣いに身体を向けて答える
「そうね。その本でも良いけど、少し条件をつけるわ」
「冊数? 時間? 」
「時間の方よ。この小悪魔が写本作業をしている間は図書館の使用を許可する、図書館でのルールは貴女に言うまでも無いわよね? 」
魔女の言葉に悪魔は嬉しくも苦労しそうな未来を想像し、複雑な表情で微笑んだ
「騒がず静かに本を読む、汚さず破らず本を読む、図書館の中で本を読む。他には? 」
「私が本を読む事を邪魔しない、それさえ守れば完璧よ」
「交渉成立ね」
人形遣いはそう言ってパチンと指を鳴らす
すると人形遣いの後ろに魔方陣が展開、悪魔は驚く
「召還陣!? 間にある紅魔館と図書館の空間と結界を越えて直接!? 」
「やるわね」
呼び出されたのは人形人形人形、とにかく多くの本を持った人形
図書館に、少し大きな本の山があっという間に完成した
本を持ってきた人形達は静かに、けれど素早く本を置いて図書館に散らばって行く
「あの人形は何ですか? 」
「私の作った人形で、本の内容を記憶する機能がついてる」
「つまり、最初からそのつもりだったと? 」
「可能性の一つとして準備していた、それだけよ」
悪魔の言葉に人形遣いは肩をすくめ、少し微笑み悪魔の肩を軽くポンポンと叩き図書館の奥へと歩き出した
人形遣いの微笑みに少しだが頬を染めた悪魔に、魔女は普段浮かべないだろう優しい表情と声で語りかける
「もしも貴女の写本作業が、人形がこの図書館の本を全部読み取るより遅かったら入館禁止にするから」
「こ、こぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ! 」
こうして幻想郷に、とうとう過労死と言う言葉がやって来たのであった
パチュリー・ノーレッジと言う名の魔女が管理する大図書館
其処に、珍しくも新しい訪問者が訪れた
「お邪魔するわね」
「邪魔するなら帰って」
七色の人形遣いと呼ばれる魔法使い、アリス・マーガトロイドが人形を伴い入館
最近やってくる魔法使いのせいで本を読む時間が減りつつある魔女はご機嫌斜め、反射的に皮肉った言葉もでる
「別に貴女の読書を邪魔をしに来た訳じゃないわ。此処にある本を読ませてもらおうと思って」
「・・・・・・・・」
つっけんどんな魔女の言葉に人形遣いは良く言えば穏やかに、悪く言えば感情無くまるで人形のように答える
そんな人形遣いに視線を移し、本を読んでいた魔女は驚いた
「(ね、猫度が90点超えてる! )」
「私は何処かの誰かとは違って、本を無断で持って行ったりしないし。良いかしら? 」
「・・・・・・・・猫いらずはどうしたのよ? ( この娘には、猫耳が必要ね! ) 」
「猫いらず? あぁ、鼠って事。随分な言い草ね、門番とメイドに図書館の使用は貴女に許可を貰えって通してくれたけど? 」
人形遣いの言葉に、魔女は舌打ちする
「猫み・・・・・やっぱり使えないわね」
「 ( 寝込み? ) 」
猫みっ! そんな新しい舌打ち
魔女は溜息を付きながら、人形遣いにどうやって猫耳をつけさせようかと策を練る
「魔法使いの原則は等価交換、この図書館を使うにはそれなりの代償が必要よ」
「それもそうね。で、何を私が払えば良いのかしら? 」
「猫み「本ください! 」
突然出てきて魔女の言葉を遮ったのは小さな悪魔、魔女の心境は『ゲエーッ! 小悪魔ッ! 』
それにしても本を読むのに猫耳が必要とは何のプレイなのか、寝込み
「・・・・・・小悪魔、邪魔しないで」
「パチュリー様、私は見えました! 最近本が減り続けている日常にさした希望の光を! 」
眼の下に隈が出来ている悪魔の姿は儚い、具体的に言えばやつれている
悪魔に過労死と言う言葉は無いが、過労死が幻想となった時は危ないと思われる様子だ
「ストレスから来る幻覚ね、間違いないわ」
「いつか、あのくろいのにうしろからほうちょうでさします」
「不可避の攻撃はご法度よ」
怨み重ねて300冊、本の数だけ300殺
何処から持ってきたのか鈍い光を放つ包丁を手に、ぶつぶつと虚ろな眼で呟く悪魔は普通に怖い
「物騒な会話の所悪いけど、本を渡せば良いの? 」
「違 「えぇ! 別に本を貰うわけではなく私が写本を作るので借りた本は返します! ですので出来れば珍しい本の方が嬉しいです! 」
またもや魔女の言葉を遮る悪魔に顔をしかめるも、手に持つ包丁が少し怖くて何も言えない魔女だった
興奮のあまり手を振り回して魔女の傍を掠める包丁だが悪魔に悪意無し、アクマで偶然です
「珍しい本・・・・・・いま手元にあるのはこれしかないけど」
そう言って差し出したのは、黒い本
魔女の眼には普通の呪術書、この図書館では珍しくも無い良くあるグリモワールに見えるが悪魔の眼には違うように映ったらしい
「こ、こぁー!? (エキサイダー和訳:これ、これはもしかするのでしょうか!? ) 」
思わず故郷訛りが出るほどの衝撃、魔女は悪魔の視線の先に自分の視線を合わせる
視線の先には人形遣いの持つ本、そして焦点をあわせると見えるのは小さな文字
『 Made in MAKAI 』
「魔界? 」
「こぁ! こぁー! (エキシブル和訳:うはぁべし! これはとても素晴らしく物ですね! )」
「小悪魔、煩い」
魔女の一見緩やかな動きから繰り出された寸勁が悪魔の腹部を直撃、そのまま危ない倒れ方で頭部から勢い良く倒れる悪魔だがすぐに復活
珍しい本を前にした悪魔は常にこんな状態だ、恐らく灰になっても復活してくれるに違いない
人形遣いは少し前に会った不老不死な炎を使う人間を思い出し、少し引いた
「何を興奮してるのよ? 」
「パチュリー様! だって魔界製ですよ魔界製! 幻想郷では超希少本! 激レア本! 」
「確かに魔界製なのは珍しいけど、別に本そのものは珍しくないじゃない」
魔界
それは幻想郷とも外の世界とも違う、作られた別の世界
世界中の本が集まるヴワル図書館と言えど世界が違えば集まらず、実際一冊も図書館には置いて無い
とある魔法使いが魔界から色々強奪してきたらしいが所詮黒歴史、都市伝説のようなものである
「何言ってるんですか! 魔界本は此処にある本と細かな所は違うし場合によっては中身が全然別物だったりするんですよ!? 」
何故悪魔がこんなにも必死なのかと魔女は考え、悪魔の言葉を思い出し納得した
『本が減り続けている日常にさした希望の光』
本を読み、本と共にある事を自分の存在意義だとまで言ってしまう魔女
それに対して本を読むのも好きだが、この図書館の本を管理し更なる本を集める事に存在意義を見出している司書の悪魔
納得した魔女は一つ頷き、人形遣いに答えた
「だが断る」
「こ、こあぁぁー!! 」
「ちょ、冗談よ! だから包丁を振りかぶるのは止めなさい! 」
悪魔が使う包丁は掟破りのルール無礼カー、隙間様が見てます
命まで奪っちゃうのが玉に瑕、魔女が反射的に持ち上げた厚い本が貫かれる
魔女の瞳に冷たい殺意の光が灯った
「それじゃあ、この本で良いの? 」
そんな魔女と悪魔の戯れを何事も無かったかのように流して、人形遣いは平然と聞く
人形遣いの質問に、魔女と悪魔はそれぞれ停戦の意思を込めた眼と眼の会話
『断ったら、私は凄いですよ? 』
『後で閻魔に会わせてあげるから、説教されてきなさい』
眼と眼の会話終了
魔女は人形遣いに身体を向けて答える
「そうね。その本でも良いけど、少し条件をつけるわ」
「冊数? 時間? 」
「時間の方よ。この小悪魔が写本作業をしている間は図書館の使用を許可する、図書館でのルールは貴女に言うまでも無いわよね? 」
魔女の言葉に悪魔は嬉しくも苦労しそうな未来を想像し、複雑な表情で微笑んだ
「騒がず静かに本を読む、汚さず破らず本を読む、図書館の中で本を読む。他には? 」
「私が本を読む事を邪魔しない、それさえ守れば完璧よ」
「交渉成立ね」
人形遣いはそう言ってパチンと指を鳴らす
すると人形遣いの後ろに魔方陣が展開、悪魔は驚く
「召還陣!? 間にある紅魔館と図書館の空間と結界を越えて直接!? 」
「やるわね」
呼び出されたのは人形人形人形、とにかく多くの本を持った人形
図書館に、少し大きな本の山があっという間に完成した
本を持ってきた人形達は静かに、けれど素早く本を置いて図書館に散らばって行く
「あの人形は何ですか? 」
「私の作った人形で、本の内容を記憶する機能がついてる」
「つまり、最初からそのつもりだったと? 」
「可能性の一つとして準備していた、それだけよ」
悪魔の言葉に人形遣いは肩をすくめ、少し微笑み悪魔の肩を軽くポンポンと叩き図書館の奥へと歩き出した
人形遣いの微笑みに少しだが頬を染めた悪魔に、魔女は普段浮かべないだろう優しい表情と声で語りかける
「もしも貴女の写本作業が、人形がこの図書館の本を全部読み取るより遅かったら入館禁止にするから」
「こ、こぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ! 」
こうして幻想郷に、とうとう過労死と言う言葉がやって来たのであった
……カドルトとか。
あーあと作者さま。誤字らしきものを見つけたので~
こに娘には → この娘には (正?)
猫発見に気合入れすぎだろ。
メイドインマカイのつづりが違うのは、誤字?
なんか、ねただったらすまん。
根っこ殿の新作だあああああああ
21、22の2日間は新作なくて禁断症状でましたよ!
もう根っこ殿なしじゃ俺は生きられそうにありませんw
過労死する前に私が手伝いに!
(実に無粋な重箱の隅つつきですが
正確には玉に傷→玉に瑕(きず)です)
やっぱり、魔理沙の傍に居るから猫度が鍛えられるんでしょうか。
それと、誤字と思しきものを見つけたので報告を
誤)これはとても素晴らしく物ですね!
正)これはとても素晴らしい物ですね!
包丁はせめて峰打ちにしなさい。それがあなたにできる善行よ。
小悪魔の逃げ場ない死亡フラグに合唱です
代償は主人のバストです。 私より密かにでかいのが気に食わないのです。
三日でばれたのでとりあえず死んで逃げました。したら地獄まで追いかけてきます。
今は閻魔が桃色犠牲になってます、私は逃げます。こぁー。)