Coolier - 新生・東方創想話ジェネリック

糸目のあの娘が嫁ぎに来た!?(中編)

2006/08/22 15:40:12
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 あれ、後編じゃないの? 中編です。 だって、こう… 中編ですっ! 嘘吐きっ!! はいっ!



 ちょっと前編の回想。


「…私の初めてを奪ったのぉ!!!!!」


「な、なぬぅぅぅぅぅっ!!!!!!!!!!」


 回想終了。本編へ進む?後悔しない?





 一週間前の夜。『博麗神社』では、他に類を見ないほどの大規模な宴会が行われていた。人妖問わず飲み、食い、歌い、踊り、騒いでいた宴会も終盤。酔い潰れる者。帰る者。まだ、飲んでる者。三者三様である。そんな中、ルナサ・プリズムリバーは一人、神社の隅でバイオリンを片付けていた。


「あら、あなた一人?ちゃんと帰る?」


 すると、後ろから声を掛けられた。声の主は判っていたが、ルナサは礼儀として、振り向く。そこには、生活苦の貧乏巫女『博麗 霊夢』が一升瓶を片手に立っていた。その顔は僅かに紅潮しており、酔っているのが窺えた。


「えぇ、お酒そんなに飲んでないから、大丈夫。あぁ、リリカとメルランの事、よろしく頼むわ。明日、迎えに来るから」


「家は託児所じゃないのよねぇ。明日、ちゃんと来なさいよ。来なかったら、境内の掃除の時、一緒に掃いてあげるから」


「はははっ……解ったわ。今日は、ありがとう。楽しかったわ」


「どういたしまして。でも、あんたの次女。さっき、「誰かが私を呼んでいるっ!」って、叫んで飛んでったけど?」


「そう…。一週間に四回くらいある発作みたいなものだから、問題ない。」


「ふーん。あんたも大変ねぇ」


「もう慣れたわ」


 ルナサは、ため息を吐き、バイオリンの入っている鞄を右手で持つ。それを横目に霊夢は、一升瓶をラッパ飲みし、巫女服の袖で口元を拭く。


「ねぇ。あんた帰ってから、何かする事あるの?」


「特に、何も……寝るだけ…」


「なら、ちょっと付き合いなさいっ!」


 そう言って、霊夢はルナサの左手を引っ掴み、駆け出した。


「えっ、ちょ、霊夢っ、引っ張らないでぇ!」


 いきなり手を引っ張られたルナサは、驚いて声を荒げてしまう。だが、そんな事はお構い無しの霊夢には、何の効果も無かった。ルナサは、ただバイオリンが入った鞄を落とさないように、右手に力を入れた。





 霊夢がルナサの手を掴んでやって来たのは、博麗神社の居間だった。一升瓶は既に空になっている。


「おーい、一人確保してきたわよ」


 そう言って、霊夢は障子を開けた。


 そこには、霧雨 魔理沙、アリス・マーガトロイド、十六夜 咲夜、レミリア・スカーレット、西行寺 幽々子、八雲 藍、八雲 紫、鈴仙・優曇華院・イナバ、八意 永琳の九名が座っており、十八の瞳が霊夢とルナサを見つめていた。


「霊夢、待ちくたびれたぜ」


 魔理沙が開口一番、霊夢を非難する。


「うるさいわねぇ。もう一人連れて来いって言ったの、あんたでしょうが」


 霊夢は、魔理沙に反論しつつ、ルナサの手を引いて、二つ分空いた場所に自分とルナサを座らせると、空になった一升瓶を置いた。


 ルナサは感じていた。明らかにこの面子の中で自分が浮いていると……。





 幽々子の片手に割り箸が十一本握られている。それを一人ずつ抜く、そして全員で叫んだ……。

「「「「「「「「「「「王様だぁ~れだっ!」」」」」」」」」」


「私っ!」


 紫がそう言って、先端を黒く塗りつぶした割り箸を見せた。そして、王様ゲームの醍醐味である『命令』をした。


「そうねぇ。十番が、一番に愛の告白をしてキスをするっていうのはどうかしら?」


 だいぶ酔っておられるようです。こんな状況では、命令された二名は堪ったものではない。だが、誰も反論の声は無かった。


「別に、「これが初めてぇ」なんて言う輩は、いないでしょう?もっと、すごいことやった者もいたでしょう?ほら十番と一番、誰なのよ」


 紫が急かすと……。


「私よっ」


 霊夢が、割り箸の番号を見せる。『十』と書かれていた。


「あっ、わたしだ。霊夢とは、初めてね……。くへへへぇ。」


 レミリアが割り箸の番号を見せる。『一』と書かれていた。すると、レミリアは霊夢に向かって不気味な嗤いと共に……。


「れいむぅ~っ!ギブミー、ラブコール!!!!!アーンドゥ、プリーズ、キスミー!!!!!」


 今のレミリアには夜王?カリスマ?と呼ばれるような姿は無かった。レミリアは唇を尖らせ、霊夢に突進する。


 だが……。


 身の危険を感じ取った霊夢は、瞬時に立ち上がり、時速測定不可能ボールと化したレミリアの前に、御払い棒を構えて……。


 カッキィーーーーーンッ!!!!!


 振り抜いた。


 ……ベキィィィィィ!!!!!


 御払い棒が折れてしまったが、真芯で捉えた。レミリアは、障子に向かって吹っ飛んでいくが、完全で瀟洒なメイドがレミリアを受け止めた。


「……咲夜、霊夢の愛が痛いわ。あれ?咲夜が二人…いや、三人に見えるわ……。」


 レミリアは、鼻血を垂らしながら気絶した。そんなレミリアに対して、咲夜は一言。


「はぁ、私は今のお嬢様が、とても無様に見えますわ」


 そして、主であるレミリアをゴミ箱に、逆さまにして突っ込んだ。


「あらあら、良いのかしら?ご主人様にそんな事をして」


 永琳が、ゴミ箱を指差して咲夜に問う。


「私が仕えているのは、紅魔館のスカーレット・デビル『レミリア・スカーレット』であり、腋出し巫女の唇を夢中になって追いかける変態ではありませんわ」


「あら、あなたも似たような病気の方ではないのかしら?」


「生憎、私は『求める』より『求められる』ほうが良いのよ」


「……なるほど。だから、あなたの所の門番はあなたに夢中と……」


「美鈴のこと?ふふっ、可愛いわよ。まるで、子犬みたいにコロコロ表情を変えるし、ちょっと苛めると半泣きで縋り付いて来る。最高よ」


「あら、ウドンゲも負けてないわよ」


 咲夜と永琳は、それぞれ自慢話が繰り広げている。横では、小刻みに震えて怯えているウドンゲがいた。



「……ふぅ~、一名抜けたわよ」


 霊夢が一息吐くと、折れた御払い棒をゴミ箱に入れる。ゴミ箱に、足と棒が生えているシュールな光景である。すると紫が不機嫌そうな顔つきで霊夢に言った。


「駄目よぉ!霊夢、王様の言う事は絶対なんだからぁ。じゃ、王様である私が……」


 紫が霊夢の頬を両手で挟み、唇を近づけていく。


「ぎゃーっ!近づくなぁ、あんたもレミリアと同類かぁ!」


「なら、違う番号の人にしたらぁ?」


 霊夢と紫の取っ組み合いに、幽々子が入ってくる。


「それも、そうね」


 あっさりと紫は、霊夢の頬から手を離す。魔理沙とアリスは、どこか安堵した表情になったのは気のせいだろう。


「なら……二番の人としなさい。霊夢」


「はぁ~、わかったわよ。できれば、身の危険を感じず、なるべく人間が良いんだけど……」


「はい、二番は誰?手を上げなさい」


「……はい、私……」


その声に、皆一斉に顔を向ける。そこには躊躇いがちに、手を上げたルナサの姿があった。


「マジ?」


霊夢が聞くと。


「マジ」


 ルナサは割り箸の番号を見せる。そこには、確かに『二』と書かれていた。





 ちゃぶ台の片付けられた居間に、右から魔理沙、アリス、咲夜、ウドンゲ、永琳、藍、紫、幽々子が円を組んでいる。その中心には、霊夢とルナサが見つめ合っている。



魔理沙とアリスの場合。


「……くっそ~、どうして私じゃないんだ。せっかく、霊夢の唇を奪うチャンスなのに……うわぁ、こうなったらヤケ酒だぁ~!」


 魔理沙は愚痴りながら、手近にある酒を次々と飲み干していく。その横でアリスはというと……。


「……私の、霊夢が……汚れる…。ルナサ、殺……」


 澱んだ邪悪な「負」のオーラを全身から噴き出させ、光の無い虚ろな目で中心にいる二人を見ていた。その横では、上海人形と蓬莱人形が目を瞑り、手で顔を押さえているのだが、人形でも興味があるのか薄目を開けて、手の隙間からチラッ、チラッと覗いている。



咲夜、ウドンゲ、永琳の場合。


「ねぇ、ウドンゲの耳って本物なの?」


 咲夜がウドンゲの耳を見ながら、ウドンゲと永琳に聞いた。


「あら、触ってみる。尻尾のもふもふなのよぉ」


 永琳が咲夜に答えると、ウドンゲの尻尾を触る。咲夜もウドンゲの耳を触る……というより、撫でる。


「ひゃっ!やめてよぉ~、さくやぁ~。師匠も、やめてくださいぃ~。力が抜けちゃいますぅ~」


 耳を伏せて頭を丸め、尻尾を手でガードを試みるが、咲夜と永琳の息が合ったコンビネーション攻撃により、涙目のウドンゲはされるがままの状態なっていた。その一つ一つの萌行動が、二人のS心に拍車をかける。要するに、アウト・オブ・眼中である。



幽々子、紫、藍の場合。


「早くぅ~、ちゅ~しちゃいなさいよぉ。ちゅ~って」


 ケタケタと笑いながらっているのは紫である。中心に立つ霊夢とルナサのこれからする事を、酒を煽り楽しんでいる。


「もうっ、紫様。そろそろ、お止めになって下さい。さすがに、飲みすぎですよ」


 紫から酒瓶を取り上げるが、藍も興味はあるのか。霊夢とルナサの方を横目で見ていた。


「……ムシャ、ムシャ。……モグモグ……ゴクンッ。ムシャ、ムシャ……(以下エンドレス)」


 幽々子は、自分の目の前に置かれた大皿の料理に夢中だった。



霊夢とルナサの場合。


 霊夢は、対面するルナサに向かって、頭を掻きながら言った。


「面倒だから、さっさと済ませるわよ」


「えっ!でも、私はじめ……」


「好きよ。ルナサ。愛してる。……ちゅぅ」


 霊夢は、棒読みで言うとルナサの顎を掬うように持って、唇を奪った。


「んっ!?」


 唇を重ねながら霊夢は、目を硬く瞑って顔を真っ赤にするルナサを見て、思った……。


(あら、意外と可愛いわね。ちょっと、いぢめちゃおうかしら。ふふっ)



 楽園の素敵な巫女さんが過激な行動に出てしまったので、文章が削除されてしまいました。



「これが一週間前、私の身に起こった全て。責任とって下さいね、霊夢さん……?」


「……すぅ……んぁ。すぅ……」


「寝てるぅっ!!!!!ありえないよっ、こんな大事な話してるのにぃっ!?起きて、霊夢さ~ん。私、もう一回説明するの恥ずかしいのぉ~。お願い、起きてぇ!!」


 ルナサは霊夢の肩を掴み、ゆさゆさ揺するが起きる気配も無かった。霊夢が目覚めたのは、ルナサが作った朝食の匂いで起きたらしい。
はいっ、葉月 天獅です。まだ、続きます。というより、書いてたら、どう考えても前後編にすると明らかにプチではありません。なので、さらに分割。後編は、オマケっぽいのを挟んでから載せようと思います。オマケの内容は、今作で出演しなかった者達の宴会での行動です。誤字や脱字、感想は随時お待ちしています。ではでは~。

そして……

次回(仮)予告

 蓮子「一週間前のルナサに降りかかった不幸?幸福?の裏側では、それよりも大きいな不幸が降りかかった者がいた」
 メリー「その者とは、一体誰なのかぁ」
 蓮子「そして、その宴会に呼ばれなかった『風見 幽香』のとった行動とはっ!?」
 メリー「わたしも宴会したいわぁ」
 蓮子「次回『オマケバラエティパック(税込420円)』……お楽しみにっ!」
 メリー「お楽しみにぃ~」
 蓮子「長くない?今回の私の台詞」
 メリー「気にしなぁ~い」

※八月二十二日。誤字発見のため修正。ご感想、ありがとうございました。次作と後編は、早めに載せるのでお待ちを。
葉月 天獅
コメント



1.名無し妖怪削除
私の霊夢がぁぁぁぁ(ォ
2.名無し妖怪削除
霊夢打ったー!バット(お払い棒)を折られながらもいい当たりが飛んでいくー!!
あーーーーーっと!捕った!捕りました!センター十六夜ファインプレー!
そしてすぐさま本塁(ゴミ箱)に正確な送球!!アウトォォォーーー!

……などという実況が出来てしまうくらい笑いましたw
あとルナサ萌え。ルナサ超萌え。
420円用意して次回作待ってます!
3.名無し妖怪削除
くぅぅぅ!恥じらうルナサが!俺のナニカを掻き立てるぅぅぅ!
ル・ナ・サ! ル・ナ・サ! ル・ナ・スァァァ~~!!
4.思想の狼削除
朝食の匂い→味噌汁の匂ひ→裸エプロン姿のルナサ
5.クイン削除
ルナサ姉さんテラモエス