箸休め程度に呼んで頂ければ幸いです。
悪魔の棲む家『紅魔館』
そこは当主である吸血鬼『レミリア・スカーレット』を筆頭に、妖怪や少数の人間が共に暮らしている。
『紅魔館』は、幻想郷では比較的珍しい洋風の館である。
館の広い敷地もさることながら、館の内部は更に広大である。
「きゃっほー、邪魔だよぉ!退け退けぇ~」
そんな広大な館内を、美しく歪んだ宝石の翼を広げ、猛スピードで突っ切るのは、『レミリア・スカーレット』の妹で、ありとあらゆるものを破壊する程度の能力を身に宿した、悪魔の妹『フランドール・スカーレット』である。
だが、今日の彼女はいつもの紅い服に、真っ黒なズボンと真っ黒な服を羽織っていた。
その背中には、『弾幕上等! 不乱怒悪流・栖華亜裂吐 参上』と金の刺繍が施されていた。
何故、彼女がこんな暴挙に出たかというと、『パチュリー・ノーレッジ』曰く、「この、黒い服に身を包むと太陽の下でも活動ができる…はず。だから、妹様着てみて」と言った。
それを信じた彼女は、パチュリーからその服を受け取り、自分を足止めに来るメイドたちを蹴散らしながら、外に通じる路を進み続けた。そして、やっとフランは目的の扉の前に到着した。
「これを開ければ、魔理沙や霊夢の所に行ける!また、一緒に遊んでもらえるっ!今は昼だから、お姉様は寝てるし、パチュリーは服を私に渡した後、喘息で仮死状態に陥ってた。小悪魔はパチュリーの看病。中国は……問題ないか。あれ?そういえば、咲夜には会ってないなぁ。どうしたんだろう?まっ、いっか。とにかく私の邪魔をする者は、もういないっ!いざ往かん、青空と太陽の下に!ひらけぇ~、ごまぁ~!」
フランは扉を両手で開け放った。太陽の光が彼女を照らした。すると、フランの耳に歌が聞こえてきた。
「…つっぱることがぁ…おとこのぉ」
その歌声は、フランが良く知る人物の声だった。その格好は、自分と同じ上下真っ黒の服を着ていた。その人物は、更に歌を続ける。
「……たった、ひとつの、くんしょうだって…このむねに…」
「……さ…く…」
フランが名前を言おうとするが、その人物は突然フランドールに背を向けた。
そこには、銀の竜虎の刺繍が施されており、その人物の名前が刻まれていた。
「……しんじて、いきてきたぁ!…」
(バタンッ!)
フランは扉を閉め、扉に背を預け、目を閉じ呟く。
「……私じゃ……勝てない」
そして、フランは決心した。この服を、脱ごうと……。
オマケ
「あら、妹様」
「あっ、パチュリー。生きてたんだ」
「えぇ、つい10分ほど前に蘇生したわ。それより、どうだったかしら?その服は」
「もう、いいや」
「あら、そう。どうして?」
「その、上には上がいるんだなって思ったの」
「?」
その後、フランは咲夜の事を「姉御」と呼ぶようになった……らしい。
悪魔の棲む家『紅魔館』
そこは当主である吸血鬼『レミリア・スカーレット』を筆頭に、妖怪や少数の人間が共に暮らしている。
『紅魔館』は、幻想郷では比較的珍しい洋風の館である。
館の広い敷地もさることながら、館の内部は更に広大である。
「きゃっほー、邪魔だよぉ!退け退けぇ~」
そんな広大な館内を、美しく歪んだ宝石の翼を広げ、猛スピードで突っ切るのは、『レミリア・スカーレット』の妹で、ありとあらゆるものを破壊する程度の能力を身に宿した、悪魔の妹『フランドール・スカーレット』である。
だが、今日の彼女はいつもの紅い服に、真っ黒なズボンと真っ黒な服を羽織っていた。
その背中には、『弾幕上等! 不乱怒悪流・栖華亜裂吐 参上』と金の刺繍が施されていた。
何故、彼女がこんな暴挙に出たかというと、『パチュリー・ノーレッジ』曰く、「この、黒い服に身を包むと太陽の下でも活動ができる…はず。だから、妹様着てみて」と言った。
それを信じた彼女は、パチュリーからその服を受け取り、自分を足止めに来るメイドたちを蹴散らしながら、外に通じる路を進み続けた。そして、やっとフランは目的の扉の前に到着した。
「これを開ければ、魔理沙や霊夢の所に行ける!また、一緒に遊んでもらえるっ!今は昼だから、お姉様は寝てるし、パチュリーは服を私に渡した後、喘息で仮死状態に陥ってた。小悪魔はパチュリーの看病。中国は……問題ないか。あれ?そういえば、咲夜には会ってないなぁ。どうしたんだろう?まっ、いっか。とにかく私の邪魔をする者は、もういないっ!いざ往かん、青空と太陽の下に!ひらけぇ~、ごまぁ~!」
フランは扉を両手で開け放った。太陽の光が彼女を照らした。すると、フランの耳に歌が聞こえてきた。
「…つっぱることがぁ…おとこのぉ」
その歌声は、フランが良く知る人物の声だった。その格好は、自分と同じ上下真っ黒の服を着ていた。その人物は、更に歌を続ける。
「……たった、ひとつの、くんしょうだって…このむねに…」
「……さ…く…」
フランが名前を言おうとするが、その人物は突然フランドールに背を向けた。
そこには、銀の竜虎の刺繍が施されており、その人物の名前が刻まれていた。
「……しんじて、いきてきたぁ!…」
(バタンッ!)
フランは扉を閉め、扉に背を預け、目を閉じ呟く。
「……私じゃ……勝てない」
そして、フランは決心した。この服を、脱ごうと……。
オマケ
「あら、妹様」
「あっ、パチュリー。生きてたんだ」
「えぇ、つい10分ほど前に蘇生したわ。それより、どうだったかしら?その服は」
「もう、いいや」
「あら、そう。どうして?」
「その、上には上がいるんだなって思ったの」
「?」
その後、フランは咲夜の事を「姉御」と呼ぶようになった……らしい。
連魅璃亜・栖華亜裂吐・・・な感じで。
失礼しました。
前回の嘘予告を実現する方向ということは
今回の嘘予告も実現されるということですねwktk
あとがきで秘封倶楽部も見れたし最高です!