この話は、プチ東方創想話ミニ作品集その9の『会話だけだと…』の続きになっていますが、別に読まなくても大丈夫なので、どうぞ見てやって下さい。
みなさん。わたし、宇佐見蓮子は今、非常に困っています。その理由は……
「……すぅ~、ん……すぅ……すぅ~……」
コレです。わたしの隣で、メリーが寝ているのです。まぁ、寝ている事に関しては困る理由は無いのです。一緒に寝ようって言ってしまったので……。困っているのは、わたしとメリーの寝ている体勢です。
「どうして、わたしはメリーの抱き枕になっているのかしら……」
そうなのです。メリーが、わたしの体を足と手で挟むように固定して寝ているのです。しかも、わたしが正面に顔やると、すぐ横にはメリーの寝顔。そして時折、顔に掛かるメリーの吐息。
「……イチゴの匂い?……あぁ、お昼の後に食べた飴か。最後のイチゴ味だったのに、ジャンケンして負けたのよねぇ……「…んっ」…わっ!?」
ディンジャラース!!!!!な、何なんですか、この子はっ!?いきなり抱き寄せてくるなんて、危うくキスをするところだったわよ!とりあえず、脱出しましょう。いろいろと、わたしの身が危ないわ。
もぞもぞ…
「…すぅ~……すぅ~、んゅ……すぅ~」
ゴソゴソ…
「……ふぅ~、脱出成功。それにしても、小憎たらしい寝顔ね。こうしてやろう。」
ツンツン……
わたしはベッドの横に座り、寝ているメリーの頬を指で突いた。すると、メリーは困った表情を浮かべながら身動ぎしていた。
「……すぅ~……んっ、ふゅ……」
「うわぁ、プニプニでやわらか~い。もっと、やっちゃおっ♪」
……ツンツン
……プニプニ
…ツン
…ガブッ!!
「ぎゃー!ゆ、指がぁ、メリーに喰われたぁ!」
「……んふ…ちゅぅ~」
「って、吸ってるっ!!メリー、わたしの指は美味しくないわよ!」
わたしは、メリーの口から人差し指を引き抜いた。引き抜いた瞬間のメリーの表情はどこか物欲しいそうだった。
「…ん、んむっ……すぅ~」
「はぁ~、抜けた。うわぁ、人差し指が青紫になってる。すごい吸引力ね、メリーの口は。バキュームメリーとでも命名しようかしら?それにしても、目覚める気配すらないわね」
メリーの寝顔を堪能していると、メリーが小言で何かを言ってきた。
「……すぅ~、んにゅぅ…れんこぉ」
「あら、寝言かしら?寝言でわたしの事を呼ぶなんて、一体どんな夢を見ているのかしら、メリー?」
わたしは、微笑ましくメリーの寝顔を眺めた。すると、またメリーが口を開く。
「……そのぉ、クッキー……食べちゃ…ダメー…」
「メリー、あなたはなんて夢を見てるのよ。流石のわたしも、メリーの物は取らないわよ」
ため息をつきながら、わたしはメリーの寝言に反論する。
「…それぇ……さっき、落としたヤツだからぁ……」
「ええぇぇぇぇぇ!!!メリー、あなたの中でわたしは、どれだけ食い意地張ってるの!?」
「……あぁ…食べ…ちゃった……」
「うわっ、過去形になっちゃったよ!!というより、メリー起きてるでしょ!?」
「……すぅ~…ネテイマス」
「メリー、外国人特有のカタコトな日本語言ってじゃないわよ!?そんな事を言うのは、この口かっ!!!」
わたしは、メリーに馬乗りになり、両頬を左右に引っ張った。意外とメリーの頬は伸びた。
「いひゃっ!!いひゃいっ!ふぇんこ、やふぇて。ひょっぺが、いひゃい!!」
涙目になって訴えているメリーの頬から手を離し、問い詰めた。
「えぇい、いつから起きてたっ!正直に言いなさい、メリー!!」
メリーは、少し考える素振りをしながら、小首を傾げた。
「……イチゴの匂い?」
「最初からじゃないのよっ!!!!!」
怒声と共にわたしは、メリーのおでこにデコピンをお見舞いした。直後に、おでこを押さえて悶絶するメリーの姿があった。
「痛っ!!デコピンは、やめてよ。蓮子のは痛いんだからぁ~」
おでこを擦りながら抗議してくるメリーに、わたしは再びデコピンをした。しばらく、メリーは悶絶していた。
「うぅ~、まだ痛い。ヒリヒリするぅ」
「自業自得ね。はい、メリー。お茶」
「あっ、ありがとう」
わたしから湯飲みを受け取ったメリーは、なぜかお茶を飲もうとせず、中身を覗くばかりだった。不思議に思ったわたしは、メリーに聞いてみた。
「メリー、飲まないの?」
すると、メリーは躊躇いがちに聞いてきた。
「……変な薬とか入ってないわよね?」
「入れるわけ無いでしょ!!!」
「いやぁ、蓮子なら……ねっ!」
「なによっ!その爽やかスマイルはっ!親指を立てるな!」
「まぁ、そんな事はどうでも良いわ。ところで蓮子、今何時?」
わたしの淹れた緑茶を飲みながら、メリーが呑気な口調で訊ねてきた。
「……午後10時42分27秒」
わたしは明け放れた窓からは、月の輝きと星の瞬きを見て答えた。
「こういう時は使えるわね。あなたの『眼』」
「それほどでも。まぁ、夜限定だけどね」
「そういう訳だから。蓮子、今日泊めてね」
「どういう訳よ?」
「あら。蓮子、あなたはこんなに可愛くて健気な少女を、「一人で夜道を歩いて帰れ」って言うのかしら?」
「その可愛くて健気な少女が見当たらないわね。」
わたしは、わざとメリーとは視線を外してキョロキョロしていると、メリーが自身を指差して満面笑顔で言った。
「ほら、目の前。目の前」
「………フン……」
「鼻で笑うなぁ~!」
ポカポカと殴り掛かって来るメリーをあしらい、わたしは思った。今度、遅刻しないで待合わせに来てみよう。一体メリーは、どんな表情を浮かべて、わたしを迎えるだろうか。楽しみである。それから、わたしとメリーは談笑しながら、お菓子を食べ、お茶を飲んで過ごした。
「……ねぇ、メリー……」
「……すぅ~、すぅ~……」
「わたしね。変な薬は『入れていない』とは言ったけど……『持っていない』とは言ってないわよ……」
「……んっ……すぅ~……」
「……ふふっふふふっふふふふふっ……」
少女二人の夜は更けていく……。
オマケ
皆さん、聞いてください。
私、『マエリベリー・ハーン』は悩んでいます。悩みの種は、私の友人『宇佐見蓮子』の事なのですが。
なんと彼女、遅刻をしなくなったんです。
あとこの前、一緒に買い物に行ったら、「メリー、それ重いでしょ。持ってあげるよ」って、私の買い物袋を一つ持ってくれたんです。
はっきり言って、不気味過ぎます。
また何か、善からぬ事を考えているに違いありません。
それと、まだあるのですが。実は、これが一番深刻なので……。
最近、蓮子の家に遊びに行くと記憶が曖昧になるんです。
皆さん、どう思いますか?
みなさん。わたし、宇佐見蓮子は今、非常に困っています。その理由は……
「……すぅ~、ん……すぅ……すぅ~……」
コレです。わたしの隣で、メリーが寝ているのです。まぁ、寝ている事に関しては困る理由は無いのです。一緒に寝ようって言ってしまったので……。困っているのは、わたしとメリーの寝ている体勢です。
「どうして、わたしはメリーの抱き枕になっているのかしら……」
そうなのです。メリーが、わたしの体を足と手で挟むように固定して寝ているのです。しかも、わたしが正面に顔やると、すぐ横にはメリーの寝顔。そして時折、顔に掛かるメリーの吐息。
「……イチゴの匂い?……あぁ、お昼の後に食べた飴か。最後のイチゴ味だったのに、ジャンケンして負けたのよねぇ……「…んっ」…わっ!?」
ディンジャラース!!!!!な、何なんですか、この子はっ!?いきなり抱き寄せてくるなんて、危うくキスをするところだったわよ!とりあえず、脱出しましょう。いろいろと、わたしの身が危ないわ。
もぞもぞ…
「…すぅ~……すぅ~、んゅ……すぅ~」
ゴソゴソ…
「……ふぅ~、脱出成功。それにしても、小憎たらしい寝顔ね。こうしてやろう。」
ツンツン……
わたしはベッドの横に座り、寝ているメリーの頬を指で突いた。すると、メリーは困った表情を浮かべながら身動ぎしていた。
「……すぅ~……んっ、ふゅ……」
「うわぁ、プニプニでやわらか~い。もっと、やっちゃおっ♪」
……ツンツン
……プニプニ
…ツン
…ガブッ!!
「ぎゃー!ゆ、指がぁ、メリーに喰われたぁ!」
「……んふ…ちゅぅ~」
「って、吸ってるっ!!メリー、わたしの指は美味しくないわよ!」
わたしは、メリーの口から人差し指を引き抜いた。引き抜いた瞬間のメリーの表情はどこか物欲しいそうだった。
「…ん、んむっ……すぅ~」
「はぁ~、抜けた。うわぁ、人差し指が青紫になってる。すごい吸引力ね、メリーの口は。バキュームメリーとでも命名しようかしら?それにしても、目覚める気配すらないわね」
メリーの寝顔を堪能していると、メリーが小言で何かを言ってきた。
「……すぅ~、んにゅぅ…れんこぉ」
「あら、寝言かしら?寝言でわたしの事を呼ぶなんて、一体どんな夢を見ているのかしら、メリー?」
わたしは、微笑ましくメリーの寝顔を眺めた。すると、またメリーが口を開く。
「……そのぉ、クッキー……食べちゃ…ダメー…」
「メリー、あなたはなんて夢を見てるのよ。流石のわたしも、メリーの物は取らないわよ」
ため息をつきながら、わたしはメリーの寝言に反論する。
「…それぇ……さっき、落としたヤツだからぁ……」
「ええぇぇぇぇぇ!!!メリー、あなたの中でわたしは、どれだけ食い意地張ってるの!?」
「……あぁ…食べ…ちゃった……」
「うわっ、過去形になっちゃったよ!!というより、メリー起きてるでしょ!?」
「……すぅ~…ネテイマス」
「メリー、外国人特有のカタコトな日本語言ってじゃないわよ!?そんな事を言うのは、この口かっ!!!」
わたしは、メリーに馬乗りになり、両頬を左右に引っ張った。意外とメリーの頬は伸びた。
「いひゃっ!!いひゃいっ!ふぇんこ、やふぇて。ひょっぺが、いひゃい!!」
涙目になって訴えているメリーの頬から手を離し、問い詰めた。
「えぇい、いつから起きてたっ!正直に言いなさい、メリー!!」
メリーは、少し考える素振りをしながら、小首を傾げた。
「……イチゴの匂い?」
「最初からじゃないのよっ!!!!!」
怒声と共にわたしは、メリーのおでこにデコピンをお見舞いした。直後に、おでこを押さえて悶絶するメリーの姿があった。
「痛っ!!デコピンは、やめてよ。蓮子のは痛いんだからぁ~」
おでこを擦りながら抗議してくるメリーに、わたしは再びデコピンをした。しばらく、メリーは悶絶していた。
「うぅ~、まだ痛い。ヒリヒリするぅ」
「自業自得ね。はい、メリー。お茶」
「あっ、ありがとう」
わたしから湯飲みを受け取ったメリーは、なぜかお茶を飲もうとせず、中身を覗くばかりだった。不思議に思ったわたしは、メリーに聞いてみた。
「メリー、飲まないの?」
すると、メリーは躊躇いがちに聞いてきた。
「……変な薬とか入ってないわよね?」
「入れるわけ無いでしょ!!!」
「いやぁ、蓮子なら……ねっ!」
「なによっ!その爽やかスマイルはっ!親指を立てるな!」
「まぁ、そんな事はどうでも良いわ。ところで蓮子、今何時?」
わたしの淹れた緑茶を飲みながら、メリーが呑気な口調で訊ねてきた。
「……午後10時42分27秒」
わたしは明け放れた窓からは、月の輝きと星の瞬きを見て答えた。
「こういう時は使えるわね。あなたの『眼』」
「それほどでも。まぁ、夜限定だけどね」
「そういう訳だから。蓮子、今日泊めてね」
「どういう訳よ?」
「あら。蓮子、あなたはこんなに可愛くて健気な少女を、「一人で夜道を歩いて帰れ」って言うのかしら?」
「その可愛くて健気な少女が見当たらないわね。」
わたしは、わざとメリーとは視線を外してキョロキョロしていると、メリーが自身を指差して満面笑顔で言った。
「ほら、目の前。目の前」
「………フン……」
「鼻で笑うなぁ~!」
ポカポカと殴り掛かって来るメリーをあしらい、わたしは思った。今度、遅刻しないで待合わせに来てみよう。一体メリーは、どんな表情を浮かべて、わたしを迎えるだろうか。楽しみである。それから、わたしとメリーは談笑しながら、お菓子を食べ、お茶を飲んで過ごした。
「……ねぇ、メリー……」
「……すぅ~、すぅ~……」
「わたしね。変な薬は『入れていない』とは言ったけど……『持っていない』とは言ってないわよ……」
「……んっ……すぅ~……」
「……ふふっふふふっふふふふふっ……」
少女二人の夜は更けていく……。
オマケ
皆さん、聞いてください。
私、『マエリベリー・ハーン』は悩んでいます。悩みの種は、私の友人『宇佐見蓮子』の事なのですが。
なんと彼女、遅刻をしなくなったんです。
あとこの前、一緒に買い物に行ったら、「メリー、それ重いでしょ。持ってあげるよ」って、私の買い物袋を一つ持ってくれたんです。
はっきり言って、不気味過ぎます。
また何か、善からぬ事を考えているに違いありません。
それと、まだあるのですが。実は、これが一番深刻なので……。
最近、蓮子の家に遊びに行くと記憶が曖昧になるんです。
皆さん、どう思いますか?
あとメリー、盛られてる盛られてるー!
そして嘘予告の実現にwktk
次回作は幻想郷の住人とのことでそちらも楽しみですが、
是非、あなたの書く秘封倶楽部をまた読みたいです。