Coolier - 新生・東方創想話ジェネリック

紅美鈴を応援したかったのか

2006/08/11 02:55:38
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逆 境 と は !


「紅魔館門番、紅美鈴入ります! 」

「貴女、首ね」


逆 境 と は !


「そ、それは・・・・・それは本当ですか!? 」

「最近の貴女の負けっぷりには眼を覆いたくなるわ、もはやコッペパン一つとて勿体無い」


思 う よ う に な ら な い 境 遇 や 不 運 な 境 遇 の 事 を 言 う !


「実際、門番とかいらないし」

「そ、そんな!? 」


気 が つ い た ら 解 雇 通 告 !

ま さ に 逆 境 !



「(どうしよう、どうしよう・・・・・・・あ、あそこは!? )」

そんな逆境と言うか窮地に立たされた彼女、紅美鈴はどうしようかと方法を考えながら眼を泳がせた
そして館の主の部屋にある不自然に何も置かれていない場所を見つける

【第1回東方最萌トーナメント】

館の主がそれで優勝した証を飾る予定の場所だったのは、不思議と館に住む誰もが知っていた
彼女の眼に、絶望に曇っていた彼女の眼に希望と言う名の光が灯る

「お嬢様」

「何? 言っとくけど、今メイドは集めてないわよ? 」

「お嬢様! 此処に! 」

そう言って彼女はその不自然に開いた場所に立ち、両手をあげる
まるで何かを包み込むかのように大きく広げあげる

「此処に! 」

「お、おぉ!? 」

館の主の眼に、運命を操る能力を持つ彼女の眼に何かが観えた
それはまさしく

「第2回東・・・・・・・・いや、無理ですよね」

そして消えた
彼女の瞳が再び絶望に暗く曇り、館の主が先程まで見えていた何かをもう一度観ようと眼を見開く
だが見えない、憤る館の主は叫ぶ

「ちょっと!? 何で其処で諦めるの!? いいから! はっちゃけても良いから! 」

「は、はぁ」

「言って! 貴女がさっき言いそうになった事を! 」

「でも」

「デモもストもないの! ないの! 」

そんな必死な館の主の様子に、彼女の心に火がついた
一度強く眼を瞑り、眼を見開いたときには既にその瞳に一片の曇りも無かった

「此処に! この場所に! 」

「おぉ! 」

館の主の眼に、うっすらと観え始める

「第2回東方最萌トーナメントでの優勝した証が欲しいと思いませんか!? 」

「おおぉぉー! 」

見えた、館の主の眼に第2回東方最萌トーナメント優勝の証が観えた

「欲しいですか!? 」

「欲しいぃー! 」

館の主は観えたのだ、トーナメントで並み居る強豪を倒し自分が優勝する姿が

「私が持ってきましょう! 」

「私に勝つ気か貴様ー! 」

ちょっと正気に戻ってデーモンロードクレイドル、未来を先取りのお嬢様である


次のトーナメントで紅魔館の誰かが優勝しなければ首、物理的にくびチョンパとまで言われて首の繋がった門番
ちなみに無理だった場合は幻想郷から逃げる気満々である門番だった、へそくりを全額神社のお賽銭に入れればOK
そんな門番は、自分の人気を高める方法を手近な図書館へと探しに来ていた
現在、門の前には誰も居ない

「私以外の面々は普通に上位へと食い込むだけの魅力はありますけど、私は・・・・・・・・中国ですかー」

『これで貴女も皆の人気者!  著:亜利酢・魔阿画徒炉居度』
そんな謎の本を読みながら門番は嘆く、本に書いてある自分の特色を前面に出せとの内容を読んで思いついた自分の特色
『中国』
最近はもう諦め気味な門番、こんなの前面に出しても人気が出るわけ無いだろうと考える
だがそんな門番をひっそりと見詰めていた者がいた
図書館を管理する魔女、パチュリー・ノーレッジ
魔女は肩を落し気も落す門番に話かける

「そこの門番、話は聞かせてもらったわ」

「あ、パチュリーさん」

門番の認識では
『自分<お嬢様=魔女>自分』
だったので、最初は様付けで呼んでいたら同じ紅い髪をしている悪魔にキャラ被るから止めてと激しく泣きつかれたのでさん付け
胸は門番の方が大きかった

「中国と呼ばれる事で落ち込まないで、それはチャンスなのだから」

「チャンスですか? でも、中国、ですよ? 」

「別に中国と言う単語に意味は無い、貴女が中国と呼ばれる事に意味があるのよ」

言っている意味が分からない、でも相手は頭の良い魔女だしもしかして頼りになるのかと考える門番
溺れる者は藁をも掴むと言う藁い話もある通り、門番は藁を掴んだ

「私が貴女を中国と呼んだとしたら、貴女はどんな反応をするの? 」

「え? えっと、最近では普通に何事も無かったように流してますけど」

「ちっがぁぁぁぁう!! 」

そんな叫びと共に、魔女は手に持っていた分厚い辞書を振り回して投げた
飛んできた辞書を弾幕感覚で反射的に避けた門番だが、其の後に続く鋭い回し蹴りを避けきれず当る
魔女の足から骨の軋む音が聞こえたが、魔女は何事も無かったかのように続けた

「全然違う! そこは泣きながら『名前で呼んでくださいよぉー』でしょ!? 」

「・・・・・それって、ちょっと情けない気がするんですけど」

「其れが良いんじゃないの! 」

そうなのかー
門番は頭の良い魔女の言う事だし、そう思いながら納得した

「な、名前で呼んでくださいよぉー? 」

「もっと悲哀を込めて! 」

「名前で呼んでくださいよぉー」

「泣け! 喚け! そして魂を込めるのよ! 」

「名前で呼んでくださいよぉー! 」

「馬鹿! そんなに力を入れるな! もっと情けなさを前面に出しなさい! 」

「名前で呼んでくださいよぉ~」

「それだー! 」

こうして、魔女による門番の特訓が始まった


『非公式設定を存分に使うのよ、それは下手をすると公式設定より皆に馴染んでいる物なのだから』
『良いんですか、そんな事して? 』
『人気の在る巫女や魔法使いを見なさい、どれだけ使っているか分かったもんじゃないわ』
『分かりました。それじゃあ、私の食事はコッペパンだけって事にしましょう』
『あ、それは本当だから』


『ポロリは出来ないの? 』
『無理です』
『チラリは? 』
『あ、それなら出来ます』
『なら穿いてない事にして、誰も見れない路線で行くべきね』
『・・・・紙一重ですよ、それ』


『過去を捏造しなさい。普段は情けないけど昔は凄かった風味で』
『後、普段は本気じゃない風味も入れておきますね』
『貴女も分かってきたわね』
『いえ、まだまだですよ』


そんな長く苦しい特訓の末に完成した『弄られキャラ』の紅美鈴
第2回東方最萌トーナメントが終わった今でも門番を続けている事から、結果は言うまでも無いだろう

「名前で呼んでくださいよぉ~」

だから門番は今日も泣く
昔、小悪魔に投票した事があった
あったのだ

少し修正
根っこ
コメント



1.ムク削除
じゃ、駄目じゃん。
2.名無し妖怪削除
>私に勝つ気か貴様ー!
ワロタ
3.名無し妖怪削除
レミリア様の未来に泣いた
4.名無し妖怪削除
美鈴の弾幕は魂が込められた女弾ですね
5.名無し妖怪削除
逆境ナインワロタ