ヴワル図書館
其処は本と言う知識があり、知識を求める者が訪れる場所
そして今日もまた、知識を求めて一人の少女がやって来る
図書館を管理する魔女、パチュリー・ノーレッジは何時もの様に読書をしていた
其れは魔女にとっての至福の時間であった、図書館の扉が開くまでは
図書館に張られている簡易結界に警戒反応、館の者ではない反応に魔女は本から視線を上げる
魔女の視線に映ったのは一人の少女、人形をつれた少女だった
「ん? 」
「こ!? こここん・・・・・こん」
人形をつれた少女が、魔女の視線を受けて何かを言おうとしているが魔女に意味が通じない
読書の邪魔をされたからか、魔女の視線だけで『くだらない事だったら殺す』と語っていた
少し涙声な少女の声に、図書館の本を整理していた小さな悪魔もやって来る
「誰ですか? 」
「さぁ? 」
「こ、こ! 」
悪魔の問いに魔女が少女から視線をそらすと、途端に少女の声に力が篭る
「コンパロ! 」
「『 小悪魔防御 』」
「ちょ!? 」
少女の声と共に飛び出してきた何かを、魔女は余裕を持って傍に居た悪魔で防ぐ
悪魔が飛び出してきた何かに直撃、わりと強力な毒に侵された
「あれ、間違った? えっと、こんにちは? 」
「で、何の用? 」
倒れた悪魔に魔女と少女は一瞥しただけで無視をする、どっちが悪魔か分からない光景だ
魔女は早く用件を終えて読書がしたいと考えながら猫イラズの事を思い出し、少女が猫イラズその一である門番の帽子を被っている事に気がついた
帽子に注がれる鋭い視線に気がついた少女は、弁解を始める
「これは紅い髪の奴に貸してもらったの、毒気が抜けるお呪いをしたからまわりが大丈夫って言ってた」
「別にそんな事はどうでも良いから」
帽子を見たときの魔女の視線が『その帽子を被るなんて良い度胸ね、殺すわよ? 』と語っていた
少女は心の中で魔女の言葉を嘘だと断定したが口には出さなかった、賢明である
『ぬぅん! 門を汝の血で紅く染めよ! 』
ちなみに帽子を脱いだ門番は、突然殺意の気功に目覚めていたが図書館にいる二人には全く関係ない
『貴女が、スーさん? 』
床に倒れる悪魔の顔色が、毒による漂白作用で美白効果を成功させるが二人は全く関係ない事なので最早視線にも入れない
「知りたいことがあるの」
「本なら汚したり破いたり読めなくしたり持って行ったりしなければ、止めないから勝手に読みなさい」
魔女はもう少女ではなく読みかけの本に視線を向けながら、ぞんざいでありながらも寛大に本を読む事を許可する
しかし少女は其の言葉に首を横に振って魔女に話しかける
「難しい字は読めないから教えて」
「字を? 」
少女の声のニュアンスから、賢い魔女は少女が何を言いたいのか分かりつつもはぐらかそうとする
「私の知りたい事を」
「誰が? 」
「貴女が」
「嫌」
「教えて」
「嫌」
「教えてくれるまで帰らないから」
「嫌」
「本読む邪魔もするから」
「・・・・・・で、何を聞きたいの? 」
とうとう諦めた魔女が視線を本から少女に向ける
先程より鋭い視線だが、それを気にせず少女は魔女に語りかける
人形の話す、人形の為の、人形の目指すべきモノを
真摯に人形の事を想い、純粋に人形の為に考え、方法を知る為にこの場所までやってきたのだと
少女が熱く語る、それを聞いた魔女は面倒そうに一冊の本を何処からともなく取り出した
「此処に一冊の本があり、一つの物語がある」
「それに方法が載ってるの!? 」
飛びついた少女が読み始めた、本は簡単な文字と沢山の絵で書かれた物語
『嘘をつくと、鼻が伸びる人形』が主役の物語
急いで本を読み終えた少女に、魔女は問う
「人形が人間になったら、その人形だった人間を貴女はどうするの? 」
「え? 」
物語を読んで、普通に感動していた少女の思考が止まった
「もし人間が人形になって人間に虐げられていたら、人間だった人形を貴女はどうするの? 」
「え? 」
「人形に人間の魂が乗り移ったら? 人形に意思が出来て人間に取り憑いたら? 」
「え? え? 」
少女の思考が人間と人形を行ったりきたりする
「人間が人形で人間な人形? 」
「もう帰りなさい」
「・・・・・・・うん、かえる」
虚ろな瞳で、少女は図書館を出て行った
きっともう来ないだろうと魔女は確信する
だって魔法かけたし、と
「やっと本が読めるわね」
そうやって読書を再開する魔女の足元で、悪魔は仕事をサボる死神と仲良くなっていた
其処は本と言う知識があり、知識を求める者が訪れる場所
そして今日もまた、知識を求めて一人の少女がやって来る
図書館を管理する魔女、パチュリー・ノーレッジは何時もの様に読書をしていた
其れは魔女にとっての至福の時間であった、図書館の扉が開くまでは
図書館に張られている簡易結界に警戒反応、館の者ではない反応に魔女は本から視線を上げる
魔女の視線に映ったのは一人の少女、人形をつれた少女だった
「ん? 」
「こ!? こここん・・・・・こん」
人形をつれた少女が、魔女の視線を受けて何かを言おうとしているが魔女に意味が通じない
読書の邪魔をされたからか、魔女の視線だけで『くだらない事だったら殺す』と語っていた
少し涙声な少女の声に、図書館の本を整理していた小さな悪魔もやって来る
「誰ですか? 」
「さぁ? 」
「こ、こ! 」
悪魔の問いに魔女が少女から視線をそらすと、途端に少女の声に力が篭る
「コンパロ! 」
「『 小悪魔防御 』」
「ちょ!? 」
少女の声と共に飛び出してきた何かを、魔女は余裕を持って傍に居た悪魔で防ぐ
悪魔が飛び出してきた何かに直撃、わりと強力な毒に侵された
「あれ、間違った? えっと、こんにちは? 」
「で、何の用? 」
倒れた悪魔に魔女と少女は一瞥しただけで無視をする、どっちが悪魔か分からない光景だ
魔女は早く用件を終えて読書がしたいと考えながら猫イラズの事を思い出し、少女が猫イラズその一である門番の帽子を被っている事に気がついた
帽子に注がれる鋭い視線に気がついた少女は、弁解を始める
「これは紅い髪の奴に貸してもらったの、毒気が抜けるお呪いをしたからまわりが大丈夫って言ってた」
「別にそんな事はどうでも良いから」
帽子を見たときの魔女の視線が『その帽子を被るなんて良い度胸ね、殺すわよ? 』と語っていた
少女は心の中で魔女の言葉を嘘だと断定したが口には出さなかった、賢明である
『ぬぅん! 門を汝の血で紅く染めよ! 』
ちなみに帽子を脱いだ門番は、突然殺意の気功に目覚めていたが図書館にいる二人には全く関係ない
『貴女が、スーさん? 』
床に倒れる悪魔の顔色が、毒による漂白作用で美白効果を成功させるが二人は全く関係ない事なので最早視線にも入れない
「知りたいことがあるの」
「本なら汚したり破いたり読めなくしたり持って行ったりしなければ、止めないから勝手に読みなさい」
魔女はもう少女ではなく読みかけの本に視線を向けながら、ぞんざいでありながらも寛大に本を読む事を許可する
しかし少女は其の言葉に首を横に振って魔女に話しかける
「難しい字は読めないから教えて」
「字を? 」
少女の声のニュアンスから、賢い魔女は少女が何を言いたいのか分かりつつもはぐらかそうとする
「私の知りたい事を」
「誰が? 」
「貴女が」
「嫌」
「教えて」
「嫌」
「教えてくれるまで帰らないから」
「嫌」
「本読む邪魔もするから」
「・・・・・・で、何を聞きたいの? 」
とうとう諦めた魔女が視線を本から少女に向ける
先程より鋭い視線だが、それを気にせず少女は魔女に語りかける
人形の話す、人形の為の、人形の目指すべきモノを
真摯に人形の事を想い、純粋に人形の為に考え、方法を知る為にこの場所までやってきたのだと
少女が熱く語る、それを聞いた魔女は面倒そうに一冊の本を何処からともなく取り出した
「此処に一冊の本があり、一つの物語がある」
「それに方法が載ってるの!? 」
飛びついた少女が読み始めた、本は簡単な文字と沢山の絵で書かれた物語
『嘘をつくと、鼻が伸びる人形』が主役の物語
急いで本を読み終えた少女に、魔女は問う
「人形が人間になったら、その人形だった人間を貴女はどうするの? 」
「え? 」
物語を読んで、普通に感動していた少女の思考が止まった
「もし人間が人形になって人間に虐げられていたら、人間だった人形を貴女はどうするの? 」
「え? 」
「人形に人間の魂が乗り移ったら? 人形に意思が出来て人間に取り憑いたら? 」
「え? え? 」
少女の思考が人間と人形を行ったりきたりする
「人間が人形で人間な人形? 」
「もう帰りなさい」
「・・・・・・・うん、かえる」
虚ろな瞳で、少女は図書館を出て行った
きっともう来ないだろうと魔女は確信する
だって魔法かけたし、と
「やっと本が読めるわね」
そうやって読書を再開する魔女の足元で、悪魔は仕事をサボる死神と仲良くなっていた
魔女、キアリー。あと門番にザメハ。