紅魔館の昼

紅魔館は吸血鬼の住む館であるから、基本的に昼は雰囲気が緩い
そんな緩くなっている館を守る門番の紅美鈴は、勿論寝ていた
寝ながら館を守っていた
白と黒の魔法使いも来たが、睡眠中である門番の勝率は十割
弾幕勝負では『じょうげさゆうかいひ』が基本なのだが睡眠中はまるで何処かの巫女のような動きで避ける門番に敵は無い

『これが睡拳！ 流石は我らが御大将でござる！ 』

そんな門番を崇める武士鶉達は、門番にもふもふと擦り寄る
メイド達もむにむにと擦り寄る
皆の思考は完全に寝ていた


館の主である吸血鬼のレミリア・スカーレットは、今日もまた寝れずに居た

「お嬢様、寝ないのですか？ 」

「じゃあ咲夜、寝るから出てって」

「お嬢様、いくら私でもその我侭は聞けません」

「･････鼻血拭いたら？ 」

怖くて寝れなかった ( 性的な意味で )


館の主の友人、魔女のパチュリー・ノーレッジは本を枕に気絶と言う睡眠を行っていた

「パチュリー様ー、こんな所で寝てたらー、只でさえ体弱いんだから風邪ひきますよー」

そんな魔女に遠くから声をかける小さな悪魔は、以前近づいて気絶中に発動した自動迎撃魔法を警戒している
数分後、せめて魔女に毛布だけでもと頑張って黒焦げになった悪魔が居た


「其処で流れを壊す私が登場」

紅魔館の奥深く、地下にある部屋で一人の少女が呟き紅魔館の昼は終わりを告げる
門番が跳ね起き鶉がその動きで跳ね飛ばされてメイド達の服も跳ね飛ばされた
館の主は己の従者が「今夜はサタデーナイト！ 」と言う叫びにスカーレットシュート
魔女はかけられた毛布を一瞥し、かけた悪魔に「私に埃の舞う羽毛製の毛布をかけるとは恐れ入る」といいながら撫で回した

そして少女は勿論寝ていた、寝言は寝て言えば良いと言うものでは無いのだ

もう寝なさい