「え?」
気配を感じさせず私の横に現れた咲夜さんはどこか虚ろな目をしていた。
驚いてただ呆然としていた私に急に倒れこんでくる咲夜さん。
「ちょ、咲夜さん!?」
足から崩れるようにして倒れる咲夜さんを優しく抱き止める。
いつもよりも体温の高い身体に『まさか…』とは思ったが、そのまさかだった。
「咲夜さん……熱、ありますよね」
「…わかんない」
「分からないって…。こんなに熱いのに」
「でも、これくらい平気だから…」
「そんなわけないでしょう。フラフラじゃないですか」
このままこうしているわけにもいかずに、とりあえず一旦持ち場を離れて咲夜さんを部屋へ連れていく。
私の部屋よりも少しだけ女の子っぽい部屋は咲夜さんらしいと思ってしまった。
ベッドに横にさせて水で濡らしたタオルを額に乗せる。
「今日はお仕事はすべてお休みですね」
「そういうわけにも…」
「ダメですよ。この状態で仕事をされたら心配です」
「でも…」
「今でも心配なんですから、今日はもうゆっくり寝てください」
咲夜さんが何かを言う前にすべて言いくるめる。
なかなか寝ようとしない咲夜さんに気を使って眠気を促進させる。
そうすればあれだけうだうだ言っていた咲夜さんも可愛らしい寝息をたてて寝始めた。
「さて、お嬢様のところに行っ『咲夜も人間って証明されたわね』うわっ!?」
背後から聞こえる声に思わず変な声とともに方をビクッとなった。
「お、お嬢様…いつの間に…」
「お前が咲夜を寝かしつけた辺りから既にここに居たけどね」
「あはは…」
「あれだけ休めと言っておいたのに」
「咲夜さんはそんなことくらいじゃ休みませんって」
「それもそうか」
呆れたように笑うお嬢様は『まぁ、咲夜のことは任せた』と言って部屋から出ていってしまった。
結局我が主は何もかもお見通しというわけで、外を見れば門の前に何人か妖精の姿が見えた。
「さすがお嬢様」
咲夜さんを任された身だ、しばらく部屋で本を読みながら咲夜さんが起きるのを待つことにした。
本を読んでいれば時間が経つのは意外にも早く咲夜さんが寝てからもう5時間は経っていた。
「…んぅ…、…めー、りん…?」
「お?目が覚めましたか、具合はどうです?」
「……サイアク」
「なら大丈夫ですね。何か食べますか?」
「いらない」
「おかゆ作ってきます」
「…今いらないって言ったわよね」
「はいはい。ちょっと待っててくださいね」
咲夜さんの言葉を無視して厨房へ行く。
手早くおかゆを作って部屋に戻る。
「お待たせしました」
「………」
「食べないと体力は回復しません。薬だって飲まなきゃいけないんですからちゃんと食べてください」
「う…、わかった…」
観念したのか大人しくおかゆを食べてくれた。
上手く作れたか自信がなかったけど、美味しいと言って食べてくれる咲夜さんを見てホッとした。
「ごちそうさま」
「薬飲んでくださいね」
「今日の美鈴はお母さんみたい」
「嫌ですか?」
「ううん。なんか安心する…」
「そうですか」
きっとそれは本当なんだろう。
穏やかな表情をみせて微笑んでくれた。
「ありがとう」
「いえ、たまには休憩も必要ですよ」
「そうね。考えとく」
「また倒れてもらっても困ります」
「私も困る」
「なら今日はしっかり休んでください」
「うん…」
起こしていた身体をまたベッドに沈めてジッとこちらを見る咲夜さん。
「どうしました?」
「私が寝るまでここにいてよ」
「ふふっ、了解です」
「笑わないでよ」
「ごめんなさい。大丈夫です、ずっとここにいますから」
「ん…」
目を閉じて数秒後、また可愛らしい寝息をたてて寝始める咲夜さん。
「早く良くなってくださいね、咲夜さん」
まだ熱いその頬にキスをひとつしてあげれば、心の中で温かい気持ちが溢れた。
気配を感じさせず私の横に現れた咲夜さんはどこか虚ろな目をしていた。
驚いてただ呆然としていた私に急に倒れこんでくる咲夜さん。
「ちょ、咲夜さん!?」
足から崩れるようにして倒れる咲夜さんを優しく抱き止める。
いつもよりも体温の高い身体に『まさか…』とは思ったが、そのまさかだった。
「咲夜さん……熱、ありますよね」
「…わかんない」
「分からないって…。こんなに熱いのに」
「でも、これくらい平気だから…」
「そんなわけないでしょう。フラフラじゃないですか」
このままこうしているわけにもいかずに、とりあえず一旦持ち場を離れて咲夜さんを部屋へ連れていく。
私の部屋よりも少しだけ女の子っぽい部屋は咲夜さんらしいと思ってしまった。
ベッドに横にさせて水で濡らしたタオルを額に乗せる。
「今日はお仕事はすべてお休みですね」
「そういうわけにも…」
「ダメですよ。この状態で仕事をされたら心配です」
「でも…」
「今でも心配なんですから、今日はもうゆっくり寝てください」
咲夜さんが何かを言う前にすべて言いくるめる。
なかなか寝ようとしない咲夜さんに気を使って眠気を促進させる。
そうすればあれだけうだうだ言っていた咲夜さんも可愛らしい寝息をたてて寝始めた。
「さて、お嬢様のところに行っ『咲夜も人間って証明されたわね』うわっ!?」
背後から聞こえる声に思わず変な声とともに方をビクッとなった。
「お、お嬢様…いつの間に…」
「お前が咲夜を寝かしつけた辺りから既にここに居たけどね」
「あはは…」
「あれだけ休めと言っておいたのに」
「咲夜さんはそんなことくらいじゃ休みませんって」
「それもそうか」
呆れたように笑うお嬢様は『まぁ、咲夜のことは任せた』と言って部屋から出ていってしまった。
結局我が主は何もかもお見通しというわけで、外を見れば門の前に何人か妖精の姿が見えた。
「さすがお嬢様」
咲夜さんを任された身だ、しばらく部屋で本を読みながら咲夜さんが起きるのを待つことにした。
本を読んでいれば時間が経つのは意外にも早く咲夜さんが寝てからもう5時間は経っていた。
「…んぅ…、…めー、りん…?」
「お?目が覚めましたか、具合はどうです?」
「……サイアク」
「なら大丈夫ですね。何か食べますか?」
「いらない」
「おかゆ作ってきます」
「…今いらないって言ったわよね」
「はいはい。ちょっと待っててくださいね」
咲夜さんの言葉を無視して厨房へ行く。
手早くおかゆを作って部屋に戻る。
「お待たせしました」
「………」
「食べないと体力は回復しません。薬だって飲まなきゃいけないんですからちゃんと食べてください」
「う…、わかった…」
観念したのか大人しくおかゆを食べてくれた。
上手く作れたか自信がなかったけど、美味しいと言って食べてくれる咲夜さんを見てホッとした。
「ごちそうさま」
「薬飲んでくださいね」
「今日の美鈴はお母さんみたい」
「嫌ですか?」
「ううん。なんか安心する…」
「そうですか」
きっとそれは本当なんだろう。
穏やかな表情をみせて微笑んでくれた。
「ありがとう」
「いえ、たまには休憩も必要ですよ」
「そうね。考えとく」
「また倒れてもらっても困ります」
「私も困る」
「なら今日はしっかり休んでください」
「うん…」
起こしていた身体をまたベッドに沈めてジッとこちらを見る咲夜さん。
「どうしました?」
「私が寝るまでここにいてよ」
「ふふっ、了解です」
「笑わないでよ」
「ごめんなさい。大丈夫です、ずっとここにいますから」
「ん…」
目を閉じて数秒後、また可愛らしい寝息をたてて寝始める咲夜さん。
「早く良くなってくださいね、咲夜さん」
まだ熱いその頬にキスをひとつしてあげれば、心の中で温かい気持ちが溢れた。
いい話でした!
二つの意味で気が遣える美鈴に良い主のおぜうさま、咲夜さんは本当に職場に恵まれてるなぁ………。
素晴らしいお話です、どんどん書いてください、応援します!
次から意識してみるといいかも
ようこそ創想話へ
もう少し長くできたら嬉しい!
兎も角次回作も期待して待ってますぜ!