ある日、勇儀がアリスの家でくつろいでいると、アリスが奇妙な歌を歌いだした。
「いち、にぃ、サンガリア♪にぃ、にぃ、サンガリア♪」
「おー?それは一体なんの歌だい?」
アリスが歌いだした歌に興味を引かれ、勇儀 は読んでいた本から目を離した。
「さぁ?私も知らないんだけど、里に行ったら子供たちが歌ってたのよ。」
アリス自身もその歌がなんなのかわからないらしい。けれど、里で聞いた歌なら慧音に聞けばわかるだろう。
そう思い再び本を読みだしてから20ページほど読み進めたところで部屋のドアが開かれた。
「おはよー。」
入ってきたのは風神録で三ボスを務めたにとりだ。人間好きで機械にも詳しいにとりならなにか知っているかもしれない。
「おはよう、にとり。」
にとりに挨拶を返すアリスに続いて勇儀はにとりに話しかけた。
「おはようにとり、なぁ、突然だけどにとりは、いち、にぃ、サンガリア♪にぃ、にぃ、サンガリア♪っていう歌を知ってるかい?」
「知ってるよ。工学関係の勉強をしてる時にコーヒーよく飲むほうだから。」
「え?どういうこと?」
「どういうことって言われても、サンガリアってコーヒー売ってる会社のことでしょ?」
「へぇー、そうだったのかぁ。」
どうやらサンガリアというのはコーヒーの販売会社らしい、基本的にお酒などアルコールの類しか飲まない勇儀にとって、知ることが出来た
サンガリアへの興味は薄いものであった。しかしながら、話を振ってこれだけで話が終わるのも少し寂しいと思い、勇儀はさらにサンガリアについて話を聞こうとした。
が、・・・・・・
「違う!間違っているぞにとり!!」
勇儀が話を振る前に突然、バタンとドアが乱暴に開かれた。
ずんずんと部屋に入ってきたのは半人半妖の変わった三ボスで、里で教師をしている慧音だ。
「あら、おはよう慧音。」
「ひゅいい!?」と驚き声をあげたにとりに対して、動じる様子もなくアリスは来訪者である慧音に挨拶をする。
「うむ、おはよう諸君。」
慧音はなぜか軍隊の敬礼のようなポーズをとって私たちに挨拶をした。きっと紅魔館からアリス経由で借りたヘルシングを読んだせいだろう。
子供たちに変な教育をしなければいいけれど。まぁいいや、慧音がサンガリアについて知っているなら慧音に聞いたほうが早いだろう。
「慧音はサンガリアについて何か知ってるのかい?」
「うむ、よく知っている。」
勇儀が尋ねると、慧音は敬礼をしていた手をおろす代わりに腕を組んだ。
「なにしろ私は就職が決まるまで2年間サンガリアを飲み続きてきた人間だからな。」
誇らしげに言う慧音を見て、サンガリアが何かすらわからないままなのに、勇儀は少し泣いた。
「そうだな、まずにとり、にとりが言っていたことはある意味ただしい。」
否定された自分の意見をさらに肯定され、にとりは「ええ!?」と声をあげた。
「つまり、コーヒーは確かに販売しているが、それ以外の飲み物も販売しているということだ。野菜ジュースとかチューハイとかな、
会社のスローガンも『おいしいコーヒー』とかじゃなくて、『はてしなく自然飲料を追求するサンガリア』となっている。」
「は、はてしなく自然飲料を追求する・・・・・・だと!?」
勇儀は刃牙の超理論を聞いた時の力強さと同じものを感じた。
「うむ、いや、ネタじゃないからな。合成着色料も保存料も使っていないらしいし、サイトを見ると放射能検査もやってるんだぞ。」
「そのわりにはスーパーで1缶40円で買えるし、値段安いよね。どうしてなの?」
「ひ、1缶40円・・・・・・だと!?」
うまい棒なら4個、たばこなら2本、ビールなら3分の1本の値段じゃないか。勇儀は頭の中で手早く計算をした。
「それは企業戦略もあるだろうが、人件費の差が大きいからだと思うぞ。上場してる大企業の場合は配当金も支払わなければいけないし、
値段を固定化せざるおえないだろうからな。ちなみに、サンガリアは自動販売機においても他社より20円ほど安い金額で商品を販売しているぞ。」
「サンガリアの自販機なんて見たことないけど。」
「いや、多分見たことあるはずだぞ。意外と見かけるから。つぶみとか売ってることあるから。」
「つぶみ?」
「マスカットの果肉入り飲料で、液体よりも果肉のほうが多いとさえ言われているすさまじい飲み物だ。」
「言っている意味がよくわからないよ。」
「飲めばわかる。」
飲めばわかるらしい。それなら一生わからないままな気もする。
「色々とすごい会社なのね。」
話を聞いていたアリスが感想をもらしたのだが、慧音にはどこか琴線に触れるものがあったらしい。先程よりもさらに熱っぽく語りだした。
「うむ、いや、サンガリアが会社としてネタの方面が強いっていうのは事実なんだけど、本当にネタだけの会社じゃないんだって。
世界で初めて缶入りのお茶を作ったのはサンガリアだし、加湿対応のペットボトルを作ったのも、冷凍対応のペットボトルを作ったのもサンガリアだし、
ただ、大阪が本社だから関東で手に入れにくいだけで、きっと関西では超有名な企業のはずなんだ。」
「だから、色々とすごい会社なんでしょう。」
「そうなんだけど。そうなんだけどさぁ。『色々と』って、『色々と』って言ってるじゃん。『色々と』の中に色々入ってるじゃん。良くなさげな下の方向に感じるものが。
たしかにコカ・コーラに比べれば小さい企業かもしれないよ。サンガリアにはあんまりおいしくないジュースもあるよ。何を考えて作ったんだかわからない狂気的な
飲み物も売ってるよ。けどさ、それでもラムネでは国内最大企業だったりするんだ。頑張ってる企業じゃないか。オンリーワンを持ってる企業じゃないか。」
「ええそうね。サンガリアはすごい企業なのよね。えらいえらい。」
アリスがやさしく微笑んで慧音の頭を撫でる。
「ぐうう、悔しい。真剣に話してるのに余裕の対応をされるのが悔しい。」
アリスがすごいと言っているのにどうして慧音はこんなに悔しがっているのだろうか。勇儀は不思議に思った。
まぁ、今度慧音がアリスの家に来るときにサンガリアのコーヒーを1ケース持ってくると言っていたので、
その時にはやさしい対応をしてあげようと考えている。
まずかったら一発芸で中身の入った缶を握りつぶすのに使うけど。
「いち、にぃ、サンガリア♪にぃ、にぃ、サンガリア♪」
「おー?それは一体なんの歌だい?」
アリスが歌いだした歌に興味を引かれ、勇儀 は読んでいた本から目を離した。
「さぁ?私も知らないんだけど、里に行ったら子供たちが歌ってたのよ。」
アリス自身もその歌がなんなのかわからないらしい。けれど、里で聞いた歌なら慧音に聞けばわかるだろう。
そう思い再び本を読みだしてから20ページほど読み進めたところで部屋のドアが開かれた。
「おはよー。」
入ってきたのは風神録で三ボスを務めたにとりだ。人間好きで機械にも詳しいにとりならなにか知っているかもしれない。
「おはよう、にとり。」
にとりに挨拶を返すアリスに続いて勇儀はにとりに話しかけた。
「おはようにとり、なぁ、突然だけどにとりは、いち、にぃ、サンガリア♪にぃ、にぃ、サンガリア♪っていう歌を知ってるかい?」
「知ってるよ。工学関係の勉強をしてる時にコーヒーよく飲むほうだから。」
「え?どういうこと?」
「どういうことって言われても、サンガリアってコーヒー売ってる会社のことでしょ?」
「へぇー、そうだったのかぁ。」
どうやらサンガリアというのはコーヒーの販売会社らしい、基本的にお酒などアルコールの類しか飲まない勇儀にとって、知ることが出来た
サンガリアへの興味は薄いものであった。しかしながら、話を振ってこれだけで話が終わるのも少し寂しいと思い、勇儀はさらにサンガリアについて話を聞こうとした。
が、・・・・・・
「違う!間違っているぞにとり!!」
勇儀が話を振る前に突然、バタンとドアが乱暴に開かれた。
ずんずんと部屋に入ってきたのは半人半妖の変わった三ボスで、里で教師をしている慧音だ。
「あら、おはよう慧音。」
「ひゅいい!?」と驚き声をあげたにとりに対して、動じる様子もなくアリスは来訪者である慧音に挨拶をする。
「うむ、おはよう諸君。」
慧音はなぜか軍隊の敬礼のようなポーズをとって私たちに挨拶をした。きっと紅魔館からアリス経由で借りたヘルシングを読んだせいだろう。
子供たちに変な教育をしなければいいけれど。まぁいいや、慧音がサンガリアについて知っているなら慧音に聞いたほうが早いだろう。
「慧音はサンガリアについて何か知ってるのかい?」
「うむ、よく知っている。」
勇儀が尋ねると、慧音は敬礼をしていた手をおろす代わりに腕を組んだ。
「なにしろ私は就職が決まるまで2年間サンガリアを飲み続きてきた人間だからな。」
誇らしげに言う慧音を見て、サンガリアが何かすらわからないままなのに、勇儀は少し泣いた。
「そうだな、まずにとり、にとりが言っていたことはある意味ただしい。」
否定された自分の意見をさらに肯定され、にとりは「ええ!?」と声をあげた。
「つまり、コーヒーは確かに販売しているが、それ以外の飲み物も販売しているということだ。野菜ジュースとかチューハイとかな、
会社のスローガンも『おいしいコーヒー』とかじゃなくて、『はてしなく自然飲料を追求するサンガリア』となっている。」
「は、はてしなく自然飲料を追求する・・・・・・だと!?」
勇儀は刃牙の超理論を聞いた時の力強さと同じものを感じた。
「うむ、いや、ネタじゃないからな。合成着色料も保存料も使っていないらしいし、サイトを見ると放射能検査もやってるんだぞ。」
「そのわりにはスーパーで1缶40円で買えるし、値段安いよね。どうしてなの?」
「ひ、1缶40円・・・・・・だと!?」
うまい棒なら4個、たばこなら2本、ビールなら3分の1本の値段じゃないか。勇儀は頭の中で手早く計算をした。
「それは企業戦略もあるだろうが、人件費の差が大きいからだと思うぞ。上場してる大企業の場合は配当金も支払わなければいけないし、
値段を固定化せざるおえないだろうからな。ちなみに、サンガリアは自動販売機においても他社より20円ほど安い金額で商品を販売しているぞ。」
「サンガリアの自販機なんて見たことないけど。」
「いや、多分見たことあるはずだぞ。意外と見かけるから。つぶみとか売ってることあるから。」
「つぶみ?」
「マスカットの果肉入り飲料で、液体よりも果肉のほうが多いとさえ言われているすさまじい飲み物だ。」
「言っている意味がよくわからないよ。」
「飲めばわかる。」
飲めばわかるらしい。それなら一生わからないままな気もする。
「色々とすごい会社なのね。」
話を聞いていたアリスが感想をもらしたのだが、慧音にはどこか琴線に触れるものがあったらしい。先程よりもさらに熱っぽく語りだした。
「うむ、いや、サンガリアが会社としてネタの方面が強いっていうのは事実なんだけど、本当にネタだけの会社じゃないんだって。
世界で初めて缶入りのお茶を作ったのはサンガリアだし、加湿対応のペットボトルを作ったのも、冷凍対応のペットボトルを作ったのもサンガリアだし、
ただ、大阪が本社だから関東で手に入れにくいだけで、きっと関西では超有名な企業のはずなんだ。」
「だから、色々とすごい会社なんでしょう。」
「そうなんだけど。そうなんだけどさぁ。『色々と』って、『色々と』って言ってるじゃん。『色々と』の中に色々入ってるじゃん。良くなさげな下の方向に感じるものが。
たしかにコカ・コーラに比べれば小さい企業かもしれないよ。サンガリアにはあんまりおいしくないジュースもあるよ。何を考えて作ったんだかわからない狂気的な
飲み物も売ってるよ。けどさ、それでもラムネでは国内最大企業だったりするんだ。頑張ってる企業じゃないか。オンリーワンを持ってる企業じゃないか。」
「ええそうね。サンガリアはすごい企業なのよね。えらいえらい。」
アリスがやさしく微笑んで慧音の頭を撫でる。
「ぐうう、悔しい。真剣に話してるのに余裕の対応をされるのが悔しい。」
アリスがすごいと言っているのにどうして慧音はこんなに悔しがっているのだろうか。勇儀は不思議に思った。
まぁ、今度慧音がアリスの家に来るときにサンガリアのコーヒーを1ケース持ってくると言っていたので、
その時にはやさしい対応をしてあげようと考えている。
まずかったら一発芸で中身の入った缶を握りつぶすのに使うけど。
サンガリアで乾杯
これからも風変わりで独特なひきにく世界を楽しませて下さい
僕はここにいてもいいんだ。
前の作品でも最近コメントしてくれてる人もいるんですね。みんな優しいね。他の作家さんもそういう事があるとすごいうれしいと思いますよ。
自衛隊で使われてるって。知らなかった。サンガリアとはいったい・・・ウゴゴゴ