日が昇る前。
何時も起きる時間。
だから今日も何時もの様に目が覚めた。
体を起こして周りを見回してみる。
何時もは一人きり。
でも、今日は私以外に五人もいる。
嬉しい。ちょっとぎこちないけど笑顔になれた。
隣に寝てるお姉様の顔を覗きこんでみる。
頬に触れようとして、寸前で、止めた。
やっぱり自分から触るのは怖い。
…臆病だなぁ…私…。
何時からこんなに憶病になったんだろ。
ずーっとお姉様を避けてたから…それでかな?
お姉様は私の事を大好き…って、言ってくれた。
優しく撫でてくれて…それからキスもしてくれた。
とっても嬉しかったな。嫌われてなかったから。
馬鹿だね、私。
もっと早く好きでいてくれてる事に気付けたら良かったのにね。
…そしたらおはようのキス、お姉様にできたのにな…。
次に三人の妖精達を見る。
お姉様の次に好きな子達。
三人は昔みたいに絡み合って寝てる。
押し潰されてるルナはちょっと息苦しそう。
サニーの足とスターの腕をどけてやる。
楽になったのかルナはほっと溜息吐いた。
昨日、妖精達も私の事を好きって言ってくれた。
嬉しかったんだよ?とっても。
恥ずかしいから誤魔化したけどさ。
最後に魔理沙を見る。
嫌いだけど、好きな人。
…どっちなのかな?よくわかんない。
大好きなお姉様と魔理沙を比べてみる。
お姉様の方が、好き。とっても。
嫌いな人と魔理沙を比べるのは難しい。
嫌いな人、もう死んでるから比べるのが難しい。
やっぱり魔理沙は好きだけど、嫌い。嫌いだけど、好き。
何考えてるのかわかんなくなったから魔理沙の鼻をぐにぐに押してみた。
嫌がった。起きた。押し過ぎた。
「あ~…おはようだぜ、フラン」
魔理沙の服をきゅっとしてドカーン。
特に意味は無い。
「…特に意味も無く全裸にされたのか、私は」
恨みがましい目で見られた。
「一番にお姉様におはよう…って言ってたら頭をドカーンしてたわ」
「…ゆ、ゆーあー…ぱ、ぱるぱる?」
「いえす、あい、ぱるぱる」
引いてる魔理沙に微笑む。
誰かがどこかで回りを見回してるような感じがするけど気にしない。
魔理沙は溜息吐いて私達のご飯作りに行った。全裸にシーツで。
次に起きたのは妖精達。
お姉様まだ寝てる。やっぱり昔から寝坊助。
妖精達に悪戯の手伝いを頼んだら快く引き受けてくれた。
お姉様の布団をはがし、手を、足を伸ばして大の字にする。
手、足。それぞれをベッドの四隅にロープで縛りつける。
手伝ってくれた妖精達に感謝だけど、お姉様の寝巻が肌蹴てちょっとヤらしい。
寝巻を直して準備完了。お姉様を揺する。
「咲夜ぁ…後、五分…」
咲夜の下着の紐をきゅっとしてドカーン。
美鈴が野獣で咲夜の貞操が危険で危ないけど気にしない。
もう一度、揺すってみる。
「…ん、ンぅ?」
あ…やっと起きるかな?
「…あ…フラン?」
よし、起きた。名前も呼んでくれた。
お姉様は眼を擦ろうとして戸惑っている。
ロープ切られたら台無しだ。
禁忌「レーヴァテイン」
だから炎の剣をお姉様の喉元に突き付けた。
お姉様も妖精達も驚いた。
妖精達はさっと隠れたけどお姉様は動く事ができない。
もう少し動かないでいて欲しいな。
「ふ、フラン?何を考えてこんなコトしてるの?」
お姉様の今にも泣き出しそうな声、初めて聞いた。
何時も強くて胸を張ってるお姉様もそんな声出すんだ。
「私の勇気が足りないから動けないようにしたの。
お願い、お姉様。もう少しそのままでいて」
お姉様は不安そうなまま、頷いてくれた。ありがとね。
妖精達を呼んだ。
サニー、ルナ、スターの順で、出て来てくれた。
「サニーはお姉様の右。ルナは左。スターは…お姉様撫でてて」
言われたように動く妖精達。まだ怖そう。
「…動きました…」
「何したらいいんですか?」
動いた妖精達に聞かれた。
「お姉様の胸を揉んだり吸ったり好きにしていいわ」
私の顔は真っ赤になった。
私以外きょとんとした。
「大きくなるわよ」
真っ赤な顔のまま言う。
サニーとルナは顔を見合わせてる。
どうしようか。ホントに大きくなるのかな。
そんな声が聞こえてきそう。
「さ、サニー?ルナ?あ、あのね?その…ほら、ね?」
二人の妖精がちらちら胸を見るからお姉様困ってる。
スターもお姉様を撫でていいのかどうかわからなくて困ってる。
「…そ、そもそも何でこんな事してるの?勇気が足りない…って、何かしたいの?」
聞かれた。
言うの恥ずかしいなぁ…。
「…お、お姉様に腕枕…して…ほしい…ほしかったから…」
熱いよ。顔、真っ赤になってるの自分でもわかる。
「…あ、甘えたいけど…い、嫌だって言われるの…その…怖いから…。
お、お願いするのも恥ずかしいから…あの…」
駄目だ。限界だ。
枕掴んで振り上げ、振り下ろした。
「ちょ!?フラ…ぶっ!?わかった!わかったから!!」
お姉様なんか嫌いだ、お姉様なんか。
枕で潰れて煎餅になっちゃえ。
全部の枕が駄目になった。
中の羽毛が飛び散って無茶苦茶になった。
「う~…」
涙目になってるけど、そんなの無視してお姉様を睨む。
お姉様も涙目。鼻の周りがちょっと赤い。
そんなお姉様は溜息吐いて。
「サニーにルナ。好きにして、いいわよ?」
「…れ、レミリア様?」
「ほら、スターも撫でなさい」
「は、はい」
チラッと見たら最初の望みどおりになってた。
お姉様が手の動く所だけで来い来い。…って、してる。
「う~…」
また睨む。微笑まれた。
もっと睨んだらもっと微笑まれた。
微笑まれるからまた恥ずかしくなってきてわかんなくなっちゃう。
…あう~…頭とにかく冷やさなきゃまたのぼせちゃうよ…。
そうだ!
禁忌「フォーオブアカインド」
四つに分身。
一つをチルノの所に行かせる。
抱きしめ続けたら頭も冷えると思うから。
一つはお姉様の胸つついてるサニーの後ろで腕枕。
一つは胸に触る事が出来ないでいるルナの後ろで腕枕。
最後の一つ。
本体はにっちもさっちもいかなくなったから太陽に向かってアイキャンフライ。
そして身を焼く痛みの中、地面に向かって落下しながら気付いた。
どうにもお姉様の腕の感触が届く。これは困った事になった…と。
---------- 分身その1 ----------
チルノは氷室の中で氷作ってた。
抱きしめさせろ。ヤだ。何でさ。
言い合いする間も惜しい。
お姉様が分身その2、その3交互に見ながら微笑んでるのが伝わるから。
お姉様の腕の感触、二人分感じてしまうから瞬きする間も惜しい。
チルノを無理やり抱きしめる。
冷たい。
チルノがいつもより熱いと心配してくれる。
病気か?って聞かれた。
太陽に向けて飛び立つくらいには病気だと答えた。
変な顔された。
---------- 分身その2 ----------
分身その1がチルノを抱きしめているため冷たい。
本体が何をトチ狂ったのか太陽に身を焼かれたので痛い。
結果、何かをぎゅっと抱きしめて我慢する事にした。
---------- 分身その3 ----------
何かもういろいろとヤバい。
お姉様の視線、心配する声にお姉様の腕の感触。
分身その1が抱きしめてるチルノの体温。
分身その2が抱きしめてるお姉様の感触。
頭から茂みに突っ込んだ本体の痛み。
それらが全部届く。もう本当にヤバい。
どうにかしてほしいからとりあえずお姉様縛ってるロープをきゅっとしてドカーン。
---------- 本体 ----------
激しい痛みの中、もうどうしようもないと諦めていた。
絶え間なく届くお姉様の声、お姉様の腕の感触。
それに背中を撫でてくれる感触が二人分。
つまり2倍届くからもうどうしようもない。
「もう駄目かもわからんね」
「そこは日陰だ安心しろ」
「いや、そーゆー意味で言ったんじゃないから」
魔理沙に茂みから引き抜かれた。
もう満身創痍。おもにハートが。
魔理沙はそんな私を見て溜息吐いた。
何で茂みに頭から突き刺さってるか説明したら更に溜息吐かれた。
「そりゃ私を追い出したくもなるぜ」
「部屋まで背負って行ってくれるんだ、ありがと」
日光が当たらないから。
痛くてジタバタできないから軽口叩けるまでには回復。
魔理沙に背負ってもらい部屋までの道中。
「ぅぁ~…部屋に行きたくないよう…。
分身その2とその3が今まさにキスされた~…」
「そして今は撫で撫でタイム」
「…正解だよ…もういっそ殺して…」
お姉様の右手と左手の感触がリアルタイムで届く。
もうヤだ。
「今は…ん~…交互にちゅっちゅタイムか?」
「もう魔理沙殺す、今すぐ殺す、必ず殺す」
「正解だったようだな」
もう勘弁して。
部屋の前。
私がお姉様といちゃこらしてる部屋の前。
魔理沙はニヤニヤしながらどっかいった。
中に入りにくい。
とーっても、入りにくい。
でもお姉様が呼んでるから入らなきゃダメ。
困った私は扉を蹴破ってみた。
そして、今更ながらフォーオブアカインド解除。
改めて部屋の中を見る。
三妖精はきょとんとしててお姉様は…。
…後ろから…私を抱きしめてて…。
「まったく…自分から太陽に向けて飛び立つなんて何考えてるのかしら」
お姫様抱っこされてた。
そのままベッドに運ばれてる。そーっと寝かせられる。
そのまま抱きしめられる。背中ポンポンされる。
お姉様を見たらニッコリ笑顔。
顔が近付いてきておでこにキスされた。
「甘えたかったり、抱きしめて欲しかったり。
それからキスして欲しい時や撫でて欲しい時は何時でも言いなさい。
私はフランのその願いを何時でも叶えてあげるから」
お姉様はそう言ってまた、おでこキスをした。
とっても優しい笑顔で。とっても優しいキスだった。
私の顔もまた、とっても赤かった。
何時も起きる時間。
だから今日も何時もの様に目が覚めた。
体を起こして周りを見回してみる。
何時もは一人きり。
でも、今日は私以外に五人もいる。
嬉しい。ちょっとぎこちないけど笑顔になれた。
隣に寝てるお姉様の顔を覗きこんでみる。
頬に触れようとして、寸前で、止めた。
やっぱり自分から触るのは怖い。
…臆病だなぁ…私…。
何時からこんなに憶病になったんだろ。
ずーっとお姉様を避けてたから…それでかな?
お姉様は私の事を大好き…って、言ってくれた。
優しく撫でてくれて…それからキスもしてくれた。
とっても嬉しかったな。嫌われてなかったから。
馬鹿だね、私。
もっと早く好きでいてくれてる事に気付けたら良かったのにね。
…そしたらおはようのキス、お姉様にできたのにな…。
次に三人の妖精達を見る。
お姉様の次に好きな子達。
三人は昔みたいに絡み合って寝てる。
押し潰されてるルナはちょっと息苦しそう。
サニーの足とスターの腕をどけてやる。
楽になったのかルナはほっと溜息吐いた。
昨日、妖精達も私の事を好きって言ってくれた。
嬉しかったんだよ?とっても。
恥ずかしいから誤魔化したけどさ。
最後に魔理沙を見る。
嫌いだけど、好きな人。
…どっちなのかな?よくわかんない。
大好きなお姉様と魔理沙を比べてみる。
お姉様の方が、好き。とっても。
嫌いな人と魔理沙を比べるのは難しい。
嫌いな人、もう死んでるから比べるのが難しい。
やっぱり魔理沙は好きだけど、嫌い。嫌いだけど、好き。
何考えてるのかわかんなくなったから魔理沙の鼻をぐにぐに押してみた。
嫌がった。起きた。押し過ぎた。
「あ~…おはようだぜ、フラン」
魔理沙の服をきゅっとしてドカーン。
特に意味は無い。
「…特に意味も無く全裸にされたのか、私は」
恨みがましい目で見られた。
「一番にお姉様におはよう…って言ってたら頭をドカーンしてたわ」
「…ゆ、ゆーあー…ぱ、ぱるぱる?」
「いえす、あい、ぱるぱる」
引いてる魔理沙に微笑む。
誰かがどこかで回りを見回してるような感じがするけど気にしない。
魔理沙は溜息吐いて私達のご飯作りに行った。全裸にシーツで。
次に起きたのは妖精達。
お姉様まだ寝てる。やっぱり昔から寝坊助。
妖精達に悪戯の手伝いを頼んだら快く引き受けてくれた。
お姉様の布団をはがし、手を、足を伸ばして大の字にする。
手、足。それぞれをベッドの四隅にロープで縛りつける。
手伝ってくれた妖精達に感謝だけど、お姉様の寝巻が肌蹴てちょっとヤらしい。
寝巻を直して準備完了。お姉様を揺する。
「咲夜ぁ…後、五分…」
咲夜の下着の紐をきゅっとしてドカーン。
美鈴が野獣で咲夜の貞操が危険で危ないけど気にしない。
もう一度、揺すってみる。
「…ん、ンぅ?」
あ…やっと起きるかな?
「…あ…フラン?」
よし、起きた。名前も呼んでくれた。
お姉様は眼を擦ろうとして戸惑っている。
ロープ切られたら台無しだ。
禁忌「レーヴァテイン」
だから炎の剣をお姉様の喉元に突き付けた。
お姉様も妖精達も驚いた。
妖精達はさっと隠れたけどお姉様は動く事ができない。
もう少し動かないでいて欲しいな。
「ふ、フラン?何を考えてこんなコトしてるの?」
お姉様の今にも泣き出しそうな声、初めて聞いた。
何時も強くて胸を張ってるお姉様もそんな声出すんだ。
「私の勇気が足りないから動けないようにしたの。
お願い、お姉様。もう少しそのままでいて」
お姉様は不安そうなまま、頷いてくれた。ありがとね。
妖精達を呼んだ。
サニー、ルナ、スターの順で、出て来てくれた。
「サニーはお姉様の右。ルナは左。スターは…お姉様撫でてて」
言われたように動く妖精達。まだ怖そう。
「…動きました…」
「何したらいいんですか?」
動いた妖精達に聞かれた。
「お姉様の胸を揉んだり吸ったり好きにしていいわ」
私の顔は真っ赤になった。
私以外きょとんとした。
「大きくなるわよ」
真っ赤な顔のまま言う。
サニーとルナは顔を見合わせてる。
どうしようか。ホントに大きくなるのかな。
そんな声が聞こえてきそう。
「さ、サニー?ルナ?あ、あのね?その…ほら、ね?」
二人の妖精がちらちら胸を見るからお姉様困ってる。
スターもお姉様を撫でていいのかどうかわからなくて困ってる。
「…そ、そもそも何でこんな事してるの?勇気が足りない…って、何かしたいの?」
聞かれた。
言うの恥ずかしいなぁ…。
「…お、お姉様に腕枕…して…ほしい…ほしかったから…」
熱いよ。顔、真っ赤になってるの自分でもわかる。
「…あ、甘えたいけど…い、嫌だって言われるの…その…怖いから…。
お、お願いするのも恥ずかしいから…あの…」
駄目だ。限界だ。
枕掴んで振り上げ、振り下ろした。
「ちょ!?フラ…ぶっ!?わかった!わかったから!!」
お姉様なんか嫌いだ、お姉様なんか。
枕で潰れて煎餅になっちゃえ。
全部の枕が駄目になった。
中の羽毛が飛び散って無茶苦茶になった。
「う~…」
涙目になってるけど、そんなの無視してお姉様を睨む。
お姉様も涙目。鼻の周りがちょっと赤い。
そんなお姉様は溜息吐いて。
「サニーにルナ。好きにして、いいわよ?」
「…れ、レミリア様?」
「ほら、スターも撫でなさい」
「は、はい」
チラッと見たら最初の望みどおりになってた。
お姉様が手の動く所だけで来い来い。…って、してる。
「う~…」
また睨む。微笑まれた。
もっと睨んだらもっと微笑まれた。
微笑まれるからまた恥ずかしくなってきてわかんなくなっちゃう。
…あう~…頭とにかく冷やさなきゃまたのぼせちゃうよ…。
そうだ!
禁忌「フォーオブアカインド」
四つに分身。
一つをチルノの所に行かせる。
抱きしめ続けたら頭も冷えると思うから。
一つはお姉様の胸つついてるサニーの後ろで腕枕。
一つは胸に触る事が出来ないでいるルナの後ろで腕枕。
最後の一つ。
本体はにっちもさっちもいかなくなったから太陽に向かってアイキャンフライ。
そして身を焼く痛みの中、地面に向かって落下しながら気付いた。
どうにもお姉様の腕の感触が届く。これは困った事になった…と。
---------- 分身その1 ----------
チルノは氷室の中で氷作ってた。
抱きしめさせろ。ヤだ。何でさ。
言い合いする間も惜しい。
お姉様が分身その2、その3交互に見ながら微笑んでるのが伝わるから。
お姉様の腕の感触、二人分感じてしまうから瞬きする間も惜しい。
チルノを無理やり抱きしめる。
冷たい。
チルノがいつもより熱いと心配してくれる。
病気か?って聞かれた。
太陽に向けて飛び立つくらいには病気だと答えた。
変な顔された。
---------- 分身その2 ----------
分身その1がチルノを抱きしめているため冷たい。
本体が何をトチ狂ったのか太陽に身を焼かれたので痛い。
結果、何かをぎゅっと抱きしめて我慢する事にした。
---------- 分身その3 ----------
何かもういろいろとヤバい。
お姉様の視線、心配する声にお姉様の腕の感触。
分身その1が抱きしめてるチルノの体温。
分身その2が抱きしめてるお姉様の感触。
頭から茂みに突っ込んだ本体の痛み。
それらが全部届く。もう本当にヤバい。
どうにかしてほしいからとりあえずお姉様縛ってるロープをきゅっとしてドカーン。
---------- 本体 ----------
激しい痛みの中、もうどうしようもないと諦めていた。
絶え間なく届くお姉様の声、お姉様の腕の感触。
それに背中を撫でてくれる感触が二人分。
つまり2倍届くからもうどうしようもない。
「もう駄目かもわからんね」
「そこは日陰だ安心しろ」
「いや、そーゆー意味で言ったんじゃないから」
魔理沙に茂みから引き抜かれた。
もう満身創痍。おもにハートが。
魔理沙はそんな私を見て溜息吐いた。
何で茂みに頭から突き刺さってるか説明したら更に溜息吐かれた。
「そりゃ私を追い出したくもなるぜ」
「部屋まで背負って行ってくれるんだ、ありがと」
日光が当たらないから。
痛くてジタバタできないから軽口叩けるまでには回復。
魔理沙に背負ってもらい部屋までの道中。
「ぅぁ~…部屋に行きたくないよう…。
分身その2とその3が今まさにキスされた~…」
「そして今は撫で撫でタイム」
「…正解だよ…もういっそ殺して…」
お姉様の右手と左手の感触がリアルタイムで届く。
もうヤだ。
「今は…ん~…交互にちゅっちゅタイムか?」
「もう魔理沙殺す、今すぐ殺す、必ず殺す」
「正解だったようだな」
もう勘弁して。
部屋の前。
私がお姉様といちゃこらしてる部屋の前。
魔理沙はニヤニヤしながらどっかいった。
中に入りにくい。
とーっても、入りにくい。
でもお姉様が呼んでるから入らなきゃダメ。
困った私は扉を蹴破ってみた。
そして、今更ながらフォーオブアカインド解除。
改めて部屋の中を見る。
三妖精はきょとんとしててお姉様は…。
…後ろから…私を抱きしめてて…。
「まったく…自分から太陽に向けて飛び立つなんて何考えてるのかしら」
お姫様抱っこされてた。
そのままベッドに運ばれてる。そーっと寝かせられる。
そのまま抱きしめられる。背中ポンポンされる。
お姉様を見たらニッコリ笑顔。
顔が近付いてきておでこにキスされた。
「甘えたかったり、抱きしめて欲しかったり。
それからキスして欲しい時や撫でて欲しい時は何時でも言いなさい。
私はフランのその願いを何時でも叶えてあげるから」
お姉様はそう言ってまた、おでこキスをした。
とっても優しい笑顔で。とっても優しいキスだった。
私の顔もまた、とっても赤かった。