レミリアが猫になった。ナイトキャップを額にちょこんと乗せた、ただの猫になった。
咲夜は「専用の寝床を設えましょう。こんなの」と言いながらフランドールに猫用ベッドの画像を見せてみた。もちろん却下。
発車オーライ平常運転しようとしていた紅魔館だったが、フランドールは己の怪力でメイド長と主の友人と門番を集めた。
「お嬢様が猫に……大変ですねえ、お風呂とか」
「お嬢様のお風呂が大変なのは猫になる前からだわ」
「レミィったら随分毛深くなってしまって……ブラッシングが大変ね咲夜」
「みんなお姉さまをきれいにすることから離れてよ! そういう問題じゃないでしょ! 主が猫になったのよ!?」
「ニャーン」
「不潔にしていては主の威厳が失われてしまいますわ。清潔を保つのも従者の役目です」
「でも猫は自分で舐めてきれいにするからあまりお風呂に入れなくてもいいのよ」
「猫になった時点で失われてるじゃない主の威厳! 元々無かったけど!」
「ニャーン!!」
「痛い!! お姉さまごめん!!」
噛まれた。
心が折れそうになりながらも、たった一人の姉のために頑張ろうと決意したフランドール。
しかし他の住人とあまり親しくないフランドールは三人を纏めることが出来なかった。
まずは他愛のない会話で打ち解けて、それから話し合いに持ち込んだ方がいいと考え、とりあえず「みんなはレミリアのどこが好きなのか」を聞いてみることにした。
三人は少し悩んだ後、寝そべってくつろぐレミリア猫を見ながら思い思いに答えた。
「そうですねぇ、私は何と言ってもサーロインですね」
「あら贅沢ね、私はロースかしら」
「私はヒレがいいです」
「いやちょっと、お姉さまの好きなところって言ってるでしょ」
「だから好きなお嬢様の部位を……」
「やめて! お姉さまをそんな目で見ないで!」
「ニャーン?」
「お姉さまは来ちゃだめえ!!」
レミリア猫が、焦って涙目になっているフランドールに近づき、彼女の小さな手をさりさりと舐める。
もういいのよ、と言うかのように、咲夜達を見ながらレミリア猫はニャーと鳴いた。
咲夜はどこからか取り出したハンカチでフランドールの目元を拭いながら、申し訳なさそうに口を開いた。
「……ちょっといたずらが……過ぎましたね……」
「……え?」
「プチ異変を起こしたら妹様にも楽しんでいただけるかと思ったのですが、こんなに心配なさるとは……」
「じゃあ、もしかしてパチュリーがお姉さまを猫に……」
「ええ、びっくりさせてごめんなさい」
「え……も、もう、馬鹿……誰よこんな馬鹿なこと考えたの! 馬鹿!」
「ニャーン!!」
「お姉さまだったの!? ごめん!!」
噛まれた。
お姉さま猫化事件はみんなのいたずら。なにはともあれホッとしたフランドールはレミリア猫を抱いて、笑った。
「もう、しょうがないわね……ねえパチュリー? そろそろお姉さまを元に戻してあげて!」
「ニャーン」
「あ、この魔法一か月くらい解けないからしばらくレミィには猫として生活してもらうことになるわ」
咲夜は「専用の寝床を設えましょう。こんなの」と言いながらフランドールに猫用ベッドの画像を見せてみた。もちろん却下。
発車オーライ平常運転しようとしていた紅魔館だったが、フランドールは己の怪力でメイド長と主の友人と門番を集めた。
「お嬢様が猫に……大変ですねえ、お風呂とか」
「お嬢様のお風呂が大変なのは猫になる前からだわ」
「レミィったら随分毛深くなってしまって……ブラッシングが大変ね咲夜」
「みんなお姉さまをきれいにすることから離れてよ! そういう問題じゃないでしょ! 主が猫になったのよ!?」
「ニャーン」
「不潔にしていては主の威厳が失われてしまいますわ。清潔を保つのも従者の役目です」
「でも猫は自分で舐めてきれいにするからあまりお風呂に入れなくてもいいのよ」
「猫になった時点で失われてるじゃない主の威厳! 元々無かったけど!」
「ニャーン!!」
「痛い!! お姉さまごめん!!」
噛まれた。
心が折れそうになりながらも、たった一人の姉のために頑張ろうと決意したフランドール。
しかし他の住人とあまり親しくないフランドールは三人を纏めることが出来なかった。
まずは他愛のない会話で打ち解けて、それから話し合いに持ち込んだ方がいいと考え、とりあえず「みんなはレミリアのどこが好きなのか」を聞いてみることにした。
三人は少し悩んだ後、寝そべってくつろぐレミリア猫を見ながら思い思いに答えた。
「そうですねぇ、私は何と言ってもサーロインですね」
「あら贅沢ね、私はロースかしら」
「私はヒレがいいです」
「いやちょっと、お姉さまの好きなところって言ってるでしょ」
「だから好きなお嬢様の部位を……」
「やめて! お姉さまをそんな目で見ないで!」
「ニャーン?」
「お姉さまは来ちゃだめえ!!」
レミリア猫が、焦って涙目になっているフランドールに近づき、彼女の小さな手をさりさりと舐める。
もういいのよ、と言うかのように、咲夜達を見ながらレミリア猫はニャーと鳴いた。
咲夜はどこからか取り出したハンカチでフランドールの目元を拭いながら、申し訳なさそうに口を開いた。
「……ちょっといたずらが……過ぎましたね……」
「……え?」
「プチ異変を起こしたら妹様にも楽しんでいただけるかと思ったのですが、こんなに心配なさるとは……」
「じゃあ、もしかしてパチュリーがお姉さまを猫に……」
「ええ、びっくりさせてごめんなさい」
「え……も、もう、馬鹿……誰よこんな馬鹿なこと考えたの! 馬鹿!」
「ニャーン!!」
「お姉さまだったの!? ごめん!!」
噛まれた。
お姉さま猫化事件はみんなのいたずら。なにはともあれホッとしたフランドールはレミリア猫を抱いて、笑った。
「もう、しょうがないわね……ねえパチュリー? そろそろお姉さまを元に戻してあげて!」
「ニャーン」
「あ、この魔法一か月くらい解けないからしばらくレミィには猫として生活してもらうことになるわ」
A2.きゅっとしてどかーん
A2.禁忌「レーヴァテイン」