※ この話は甘リアリシリーズと世界観を共有していますが、単品でお楽しみ頂けるようになっています。
秋穣子は改良された秋の神様である。
幻想郷の秋を侵略せんと暗躍するこいショッカーの魔の手から幻想郷の秋の平和を護るため、日夜戦い続けるのだ・・・!
「あああ・・・止めろぉ、こいショッカー!ぶっとばすぞおー・・・・・ああっ。」
―仮面ミノリダー 恐怖、氷精女と妖精女―
幻想郷の地上の何処かにある、こいショッカーの基地。その中にある中央指令室の真ん中にいつものスカートスタイルでは無く、白い軍服に身を包んだお燐の姿があった。元々美少女である彼女の着こなしはかなり良く、こんな上官になら火車に乗せられて灼熱地獄に放り込まれても良いと言う人も居るとかなんとか。
そこに、黒いマントを纏ったこいしが元気よく登場した。
「じゃじゃーん!オリンリン大佐、元気してるー」
「こ、こいし様、それ、あたいのセリフ・・・」
「いいじゃん、気にしちゃ負け負け。」
はぁと溜息をつくお燐。突拍子の無さには既に慣れたとは言え、落ち着きのある姉のさとりと比較すると、やんちゃである。こいしが作戦司令室の中央に立つと、これまた黒い戦闘服に身を包んだ地底の妖精達が一糸乱れぬ敬礼をし、指示を求める。
「こいし首領、オリンリン大佐、次なる幻想郷の秋の侵略作戦の指示を。」
幻想郷を侵略するのは極めて難しい。紅白の巫女に9色の魔法使い、常識に囚われない風祝のみならず、数多の大妖、神様、何でもありな連中の頂点に立つのは幾らこいしやお燐が大妖怪であったとしても多勢に無勢。
そこで、こいしは発想を変えたのだ。季節毎なら幻想郷を征服出来るのではないか、と。だからこうして秋を侵略しようとしているのである。
「春を侵略しようにもリリーホワイトは、今はオフシーズンだし、夏は・・・」
「そうね、あの幽香に喧嘩を売ると冗談で済まない大惨事になりかねない・・・・・」
「そこでまず秋と冬な訳ですね。」
「そう、秋の神様・・・せっかく改良したミノリダーは脱走しちゃったけど、冬の一部は改良して味方につける事が出来たわ!」
「ほう、それは?」
「出でよ、氷精女よー!」
謎のBGMと共に、チルノを大きくしたような大きなきぐるみ(メイドイン河童と胸に書かれている)を装着したチルノが、作戦司令室のドアを開けて登場した。
「こいしちゃん、オリンリン大佐!お呼びかー?」
「おお、氷精女よ。よく来てくれた。」
ペタペタと歩くその姿は可愛らしい。本人の愛嬌のある表情と相まって戦闘員の顔も緩むが、ここでは笑わない。これから、命令が下されるとあって、緊張感も出て来ているようだ。紅魔館のメイドとはエライ違いである。
「さいきょーのあたいは、何をすればいいの?」
「ミノリダーを倒し、幻想郷の秋を征服するのだー!」
「そうすれば、あたいがさいきょーの氷精になれるのね!」
「そうよ、頑張ってね。」
「よーし、頑張っちゃうぞ!」
気合いを入れる氷精女ことチルノ、今日も気合い十分である。気合いだけならどの人妖にも負けてはいない。だが、彼女には致命的な弱点があった。
「ミノリダーって何さ?」
「こいショッカーに刃向かう、秋を護る戦士よ!」
氷精女は⑨だった。
「それで、そのミノリダーとやらは何処?」
「何処かって?それはオリンリン大佐から、作戦を教えて貰いなさい。」
「おおー、で、オリンリン大佐、その作戦って。」
「既に懐柔してある大妖精・・・いや、妖精女をミノリダーの所に向かわせたんだ。大妖精には偽の基地の情報を伝えてある・・・」
「それってつまり?」
「その場所は、紅魔館近くの湖、そこで待っていればミノリダーはそこにやってくるはずさ、そこを一網打尽にするのよ。」
目を白黒させながら聞いているチルノの横で、立案された作戦に満足げなこいしは、気分を良くしたのか、オリンリン大佐に。
「良い作戦ね、この作戦の成功の暁には、将軍に格上げよ!」
「ようし、これでお空に可愛いブーツをプレゼントできる・・・さぁ行け、氷精女よ!ミノリダーを倒すのだ!!」
昇進させてもらえるかもしれない、その嬉しさが指揮を取るオリンリン大佐に力をみなぎらせる。その勇ましい掛け声を聞いたチルノは、元気な声でこいし首領とオリンリン大佐に返事をした。
「アイアイサー、オリンリン大佐ぁ!」
「さぁ、戦闘員の皆も出撃するのよー」
「ようし、みんな行くぞぉーさいきょーのあたい達の実力を見せつけるんだー!!」
「おー!」
狭い司令室の入り口から、勢い良く氷精女と戦闘員が次々と飛びだして行く。それを見たオリンリン大佐とこいし首領は、勝利を確信していた・・・!
【恋色の魔法使いの秋の9色の夜~二世誕生間近か?~】
この春の終わりに、晴れて結ばれ仲睦まじい恋色の魔法使いの魔理沙とアリスであるが、この二人がどうやら生命を作り出す魔法を見出したようだ。惜しむらくは一昨日の潜入取材で明らかにしたはずなのに、諸事情により今日この場での報告になる事であろうか。
過去に私も何例か見た事はあり、そのいずれにも共通する事を確認しているので間違いないと言っても良いだろう・・・
いずれにしても、この二人の子供であれば可愛い子供になるに違いない。魔理沙とアリス達のように皆に愛される魔法使いになって欲しいと生まれもしていない子供に想いを馳せている・・・・
―文々。新聞文化欄より一部抜粋
「うーん、本当にラブラブね。」
「いいじゃないか、婦々仲が良いと微笑ましいもんだ。」
秋まっただなかの幻想郷は人里にある喫茶アミーゴ、非常に人の良いマスターが入れるコーヒーを飲みながら、秋をつかさどる神様の姉の方である静葉が新聞を読みながら優雅にお茶を飲んでいた。流れる幺樂の調べにリズムを取りながら、お茶を飲むその姿は、気品に溢れている。
「昨日も、山芋届けに行った時に仲が良かったよ。」
「流石ねぇ。まぁ、でも結婚して三カ月位でゴチャゴチャしたらそっちの方が問題かー」
そんな事を言いながら、のんびりとスイートポテトを食べる。活気ある市場の喧騒と、秋の爽やかな風に満たされた店内はのどかな雰囲気が出ている。
「ホント、魔理沙ちゃんも、アリスちゃんとくっついてから幸せそうだよなぁ~あの、頑固な霧雨屋の親父とも仲直りしているし、幸せの極みだろうね。」
「だよね、おやっさん。幸せなのは良い事だね。」
人情味のあるマスターは静かに頷きながら、コーヒーカップを手入れする。人好きのするこのマスターは、皆からも親しみと愛を込めておやっさんと呼ばれる程度の能力持ち。そんなおやっさんは、静葉の横で少しアンニュイな表情を浮かべて外を見ている穣子の方を向く。
「どうしたんだい、穣子ちゃん。こいショッカーが気になるのか?」
「ええ。また秋を狙って悪さをしてないかとねー」
「・・・気になる所だがなぁ。」
渋い表情で頷くおやっさん。おやっさんは、秋姉妹と仲が良いだけでなく、穣子がミノリダーである事も知っている大切な理解者である。
おやっさんが暫く何かを考えていると、大きな音を立ててアミーゴのドアが開いた。その物音に気が付いて穣子と静葉が振り向くと、そこには息を切らした大妖精の姿があった。
「た、大変!チルノちゃんが攫われちゃった・・・・誰か、手を貸して!!」
「こいショッカーの仕業よ!お姉ちゃん!!」
「ええ、外にオータムサイクロンを回しておくわ。」
「気を付けて行くんだぞ!」
「「はい!」」
オータムサイクロン、それは・・・姉の静葉が秋の力を与える事により、時速300kmで走行可能な大八車である!元々は里の子供達を乗せたり、採れた作物を運ぶために使う物だが、その辺に突っ込んではならないのだ!
「大妖精、チルノは何処で攫われたの?」
「湖の近くです、案内します。」
「分かった、乗って、大妖精!」
「・・・はい!」
ちらと外に目をやると、オータムサイクロンがアミーゴの前に姿を現した。穣子はサムズアップするおやっさんにサムズアップで返した後、静かにドアを開けて、オータムサイクロンの荷台に飛び乗った。
「よっと、大妖精、しっかり捕まってるのよ。」
「は、はい!」
「乗った?穣子ちゃん。大妖精。」
「急カーブだけは止めてねーお姉ちゃん。」
「分かったわ、いいわね・・・・行くわよ!」
瞬時に加速して里を突っ切るオータムサイクロン。秋の力によって大地を疾駆するその大八車によって、穣子は素早く現場に急行出来るのである。
「お、お姉ちゃん早い・・・」
「な、何これ!凄いスピード・・・」
「こいショッカーは待ってはくれないわ!最大速度で行くわよ!!」
「あ、木が、木が近付いてきますけど・・・」
「当たらなければ、どうと言う事は無いわ!」
砂塵を巻き上げ、林道を疾走するオータムサイクロン。穣子と大妖精を乗せてひた走る静葉は何処か楽しそうである。そんなスリルドライブをしていた秋姉妹と大妖精だったが、静葉が湖を視界に入れた所で。
「目的地ね、停車するわよ!」
「オッケーって、わああああ!」
「あーれぇー・・・・」
「穣子ちゃーん!大妖精!!」
時速300キロから停車するオータムサイクロン。大八車の荷台に乗っているだけの穣子と大妖精は、この急停車によってかかるGに耐える事が出来ず吹き飛ばされてしまった。
「「きゃあああああああああああ・・・・・」」
ZU-N!という凄まじい地響きがする。秋の力で時速300キロの反動を受け止めて停車した静葉があわててオータムサイクロンから離れて、まず視界に入った、哀れ足だけ出して落ち葉の山に埋もれている穣子を救助に向かった。
「だ、大丈夫?」
「あ、あんまり大丈夫じゃないかも・・・改良されてなかったら即死だったかも。」
「死なせないわ・・・貴女はたった一人の妹だもの。」
「お姉ちゃん・・・!」
嗚呼、美しき姉妹愛。スカーレット姉妹、古明地姉妹、プリズムリバー三姉妹・・・何れの姉妹も各々特色のある姉妹愛を持っているが、この秋姉妹も例外ではない。
「ああ、お姉ちゃん、あれっ・・・!」
穣子が指差すその先に広がる湖に、似つかわしくない大きな物体が視界に入る。それをじっくりと注視すると、そこには・・・
【こいショッカーの基地、ここ!】
という看板が取り付けられた可愛らしい閉じたサードアイのイラストが書かれた黒いドアだけが湖の近くに鎮座しているのが見えた。それを見た穣子と静葉は思わず顔を見合わせた。
「罠かしら?」
「可能性はある・・・っていうか怪しすぎじゃない?」
物言わぬドアを見つめる穣子と静葉。暫く黙ったまま思考を巡らせるが、すぐに穣子は同じく飛ばされてしまった大妖精の事を気にかけた。
「それよりも大妖精を、ここは私が調べるわ。」
「分かった、気を付けてね。」
オータムサイクロンを奪われないように木と持つ所に南京錠(霧雨屋謹製)を取り付けてから静葉は大妖精の捜索に入る。穣子は周辺警戒をしながら、ご丁寧な表示のしてあるドアに近づく。
(こいショッカーの奇襲もあるかもしれないけど・・・)
慎重に近づいて、恐る恐るドアに手をかけた穣子は勢い良くそのドアを開け放った。開けはなったドアの先には、雄大な湖と、その奥に紅魔館が見えた。
「・・・!?」
穣子がその事に気が付いたと同時に、周囲の地面から爆発が巻き起こった。その爆発から穣子は素早く身を護る。立ち込める爆炎の向こうに、気配を感じた穣子はジャンプして爆炎を抜け、身構えた。
そこには、きぐるみで身を固めたチルノと、大妖精に拘束された静葉の姿があった。
「お、お姉ちゃん!?」
「感動の再会って所だな、秋穣子・・・いや、仮面ミノリダー!」
「出たなぁ!貴様は何女だ?」
「聞いて驚くな、私か・・・私は・・・・」
しばしの静寂、ごくりと息を飲む穣子。拘束された静葉もその動向に注意していたのだが、チルノが発した言葉は・・・
―何女だっけ?
パーフェクトフリーズを撃たずとも凍りつく空気。穣子も思わず、その場でずっこけた。大妖精が慌ててフォローを入れる。
「氷精女よ!忘れたの?」
「おお、そうだったー。」
「・・・名前を忘れるとは、流石は⑨ね。って、大妖精、アンタ、グルだったのね?」
「ええ。これは、こいショッカーからの地獄への招待状・・・・」
テレポートを使って消える大妖精、そして次の瞬間、これまた大妖精のきぐるみ(メイドイン河童とやっぱり書かれている)を装着した大妖精が立っていた。
「私は妖精女、氷精女と共にこいショッカーから遣わされた地獄からの使者だー!」
「お、おのれぇ・・・!」
「ふふふ、人質がいては手も足も出まい・・・こいショッカーの、みなさぁ~ん!」
イーと言う声と共にやたらアクロバティックな動きで続々とこいショッカーの戦闘員が登場し、穣子を取り囲む。数だけなら圧倒的な不利な状況だが、穣子の表情にはまだ余裕があった。
「こうなっちゃ仕方ない、か。なら・・・!」
周囲を警戒しながら、スカートのポケットからバックルとお芋のストラップが付いた鍵を取り出してバックルを腰に当てる。河童の技術によりバックルから飛びだしたベルトが自動で装着されたのを確認し、右手に持った鍵を握り直し、キッと目の前の氷精女を見据えてから。
「豊穣の秋の力よ・・・私に力を、変身!とうっ!!」
穣子はジャンプと共にベルトのバックル部分に開いた鍵穴に鍵を差し込み、思いっきり捻る。すると、ベルトから凄まじい秋の力が放出され、穣子を優しく包みこむ。凄まじい秋の力は穣子の服をいつもの物から、色だけは変わらずフリルの多い可愛らしい物へと変化させ、帽子の装飾が増えて、大きくなり、愛らしいくりっとした目を隠すようにドミノマスクを装着させていく。
そう、改良された穣子は、ベルトに秋の力が込められた秋キーを差し込む事により、仮面ミノリダーに変身するのである。
そのプロセス・・・僅か、0.05秒!
変身を終えた穣子改め、仮面ミノリダーは近くの高い木の上に颯爽と降り立った。秋の力を全身に受けた穣子は両手を天に突き上げ、雄たけびを上げる。
「秋、キター!!!!!!!」
彼女の愛する秋の色が輝くベルト、可愛らしい秋の色のコスチューム、少しだけ大きくなった穣子の帽子の下に、目を隠すように配置されたドミノマスク。その佇まいからは、秋の豊穣を司る神の風格と秋の香りが自然と漂ってくる。
だが、氷精女も負けては居ない。遂に対決すべき相手を前にした氷精女のテンションは一気に急上昇、木の上で腕組みをして佇むミノリダーを見据えてから、可愛い声で勇ましいセリフを発した。
「・・・出たな、ミノリダー!」
「これ以上貴女達の好きにはさせない・・・ミノリダーが秋に変わってお仕置きしてあげるわ!」
「フン、威勢のいい奴めぇ~貴様の墓場を秋で染めてやるわ・・・こいショッカーの皆さぁ~ん、ミノリダーをやっつけちゃって下さーい!」
チルノの号令で走ってくる戦闘員達、だが、ミノリダーは動揺だにせずに。戦闘員に対して冷静に言い放つ。
「1対1でかかってこないの?」
「勘違いしないで、私達戦闘員は1の力を分割して戦っているだけよ!」
「そう、じゃあ、遠慮なく行かせてもらうわ。」
その先頭にいる奴にスカートの中身が見えそうな勢いで足を上げるミノリダー、そして・・・その美しい足を思いっきり戦闘員目がけて繰りだした。
「とうっ!ミノリダーキック!!」
「あべし!」
「そこから、ミノリダー踵落とし!」
「ひでぶっ!!」
「さらに、ミノリダーぁああああ、オータムスカイキーィイイイイック!!」
「うわらばっ!!!」
素早い、流れるような足技のコンボ、ちなみに変身してもスカートの中身はちゃんとドロワ―ズなので問題無し。その美しい足技によりあっと言う間に戦闘員の数名が既に先頭不能の状態に追いやられる。
「よくもやってくれたな!者ども、包囲するんだ。」
隊長と思しき戦闘員妖精の号令で、仲間の敵を討つために、戦闘員は発奮、ミノリダーを包囲する。数に勝る戦闘員の、物量に任せたその突撃がミノリダーに襲いかかった。
「次から次へと・・・!でも、ミノリダーの相手じゃないわ。」
帽子に付いていた葡萄のアクセサリーを取り外し、スイッチを押すとアクセサリーから鍵が飛び出した。それを変身の際に差し込んだ鍵穴に差し込み、捻る。
「豊穣の力よ、私に・・・力を!」
ミノリダーの掛け声と共に、ベルトから凄まじい秋の力が解放されミノリダーに満ちて行く。豊穣の神の名は伊達じゃないと言わんばかりのその力の凄さは、かの守矢神社の二柱に匹敵する勢いである。
身じろぐ戦闘員にお構いなく、ミノリダーは収束した秋の力を解き放った!
「ミノリダーぁあああああ、整列ぅううううっ!」
「か、身体が・・・勝手に」
「動いちゃうのぉおおおお!!」
凄まじい秋の力が、戦闘員を拘束しミノリダーの思うがままに動かされ、湖の淵に戦闘員が一列横隊で整列させられる。湖の淵に立たされた戦闘員は、この後、自分たちに起こる事を想像し、戦慄した。
「わ、私、泳げません!」
「地底のフィットネスクラブのプールとか、こいし首領の家のプールとかで泳いだ事無いの?」
「ええ、せいぜいお風呂で犬かき位ですかね?」
「あわわわわ、これは大変不味いような気がする・・・」
「これでもくらえ、ミノリダー・・・湖ぃいいいいっ!!」
どこぞの龍宮の使いのようなポーズを取ると、秋の力で戦闘員が勝手にかなり冷たい秋の湖に飛びこまされてしまう。冷たい水と、慣れない着衣水泳をせざるを得なくなった戦闘員に対する効果は絶大で、次々とピチュらされていき、戦闘不能に。
アクセサリーを定位置に戻したミノリダーはたじろぐ妖精女と仁王立ちで構える氷精女を指差した。
「邪魔者は居なくなった、さぁ、人質を解放しなさい!」
「そうはいかないんだな~こうなったら、あたい自らミノリダーを処刑してくれるわー!妖精女、人質を頼んだよ~」
「うん、任せてー」
戦闘員を片付け、戦意も高揚しているミノリダー。だが、氷精女も黙っちゃいない、きぐるみの後部にある羽型の冷気発生から凄まじい冷気を放出し、秋の力にぶつけて来たのだ。周囲も凍りつくような冷気が辺りに満ちて行く。これには此処まで余裕すら見せていたミノリダーも流石に険しい表情になる。
「なんて冷たさなの?」
「こんなもんじゃないぞ、こいショッカーに改良されたあたいの力を見せてやる!」
空気中の水分が凍結させ、氷の弾を作り出す氷精女。それを迷わずに豪快に、ミノリダーにぶつけて来た。砕け散る氷塊、えぐれる地面、非戦闘員の人間であればまぁ確実に永遠亭送りになるような豪快な威力のそれを、華麗な身のこなしで交わすミノリダー
「この程度でミノリダーを倒せると思ってるの?」
「思ってる、あたいはさいきょーの氷精女だ!!くらぇえええ!」
「なんて馬鹿でっかい氷塊なの?・・・きゃあっ!」
さらに大きな氷塊が近くに落ちた反動で体制を崩したミノリダーは受け身を取ってダメージを最小限に留める。しかし、氷精女の攻撃は苛烈さを増し、避ける事しか出来ないミノリダー。大気中の水分を氷結させたためか、気温が更に下がり、そのせいで置きはじめた季節外れの吹雪が視界を徐々に奪っていく。
「なんて凄まじい攻撃、これじゃあ人質を助けられない・・・!」
持ち前のスピードで、際どく氷塊をグレイズして交わすが俄然不利なのには変わらない。防戦一方のミノリダーに、氷精女は得意気にこう語りかけて来た。
「はっはっはー手も足も出ないようだな・・・ミノリダー!」
白くなった息の向こうで得意気にしている氷精女をマスク越しにキッと見据える。ミノリダーの服にはそれなりの防寒効果はあるが、本質的に秋の神様であるミノリダーには冬の寒さに耐性が無い。
徐々に動きが鈍っていくミノリダーに、遂に氷塊が命中してしまった!
「きゃぁっ!」
か細い声、吹っ飛ばされたミノリダーは受け身を取るも、その勢いを殺し切れずに5メートル程勢い良く転がって停止する。彼方此方を強かに打ちつけたミノリダーは、その痛みをこらえつつ、フラフラと身を起こした。
「いったぁ・・・改良されてても、痛いわ・・・・」
「直撃は免れたみたいだけど、今度はそうはいかないぞ、さぁ、ミノリダーの最後だ!」
圧倒的優位に立つチルノのトドメ宣言、だが、ミノリダーにはまだ策があった。その策を実行に移すために、ベルトのサイドに付いていた蔦のストラップが付いた鍵をそっとベルトに差し込んで捻る。
ベルトから発生した秋の力が右手に集約するのをチェックしたミノリダーはぐっとその右手を突き出し、か細い声をだす。
「手や足は出なくっても・・・・芽は出るもん・・・!」
「何?」
「出でよ、実りの力、ミノリダーストリングス!!」
叫ぶミノリダー服の袖から放たれるのは、自身が持つ豊穣の力で発生させた新芽の糸。新芽の糸は、氷精女を困惑させ、後ろで静葉を拘束していた妖精女の所に一直線に伸びて行く。
「な、何これ!?あ、こら、ちょっと・・・くすぐったーい!」
こちょこちょと大妖精のきぐるみの隙間を狙い、脇の下や脇腹などのいわゆるくすぐったい場所を攻めるミノリダー。これには流石の妖精女もたまらず、静葉の拘束を解いてしまった。拘束から解放された静葉は、素早く駆けだしてミノリダーの元へと向かおうとした。
「ありがと、ミノリダー!後は何とか・・・!!」
そう言うなり、自身の能力で紅葉を操り、氷精女と妖精女に対して木の葉隠れを披露する静葉。美しい赤と黄色のコントラストに溶け込んだ静葉は、さしたる追撃も無く、ミノリダーの元へ戻る事が出来た。未だダメージが抜けきっていないのか、その場にへたり込んでいるミノリダーを静葉は優しく、抱きかかえて起こしてあげた。
「・・・おねえ、ちゃん?」
ダメージで視界が歪んでいても、たった一柱しかいない姉の姿はちゃんと見えている。ちゃんと助け出せた事に安堵と喜びを噛みしめながら、ミノリダーは再び立ち上がる!
「ごめんねミノリダー・・・もう大丈夫よ。」
「・・・うん、お姉ちゃん、相手も二体だし、こっちも二柱で戦おう!」
ミノリダーの提案に静葉は静かに頷き、ミノリダーの前に颯爽と立つ。
「ええ、今日は、Wミノリダーで行きましょう!」
「うん!」
静葉スカートのポケットから、ベルトのバックルと紅葉の付いた鍵を取り出して腰に当てると、こちらも河童の技術で自動でベルトが腰に装着される。
「紅葉の秋の力よ、私に力を貸して・・・・・変身!」
静葉はベルトのバックルに紅葉のストラップが付いた秋キーを指し込み、二回捻る。するとこれまた凄まじい秋の力が静葉をそっと包み、衣装を変化させ、ドミノマスクを装着させる。変身を終えた静葉は、颯爽とミノリダーの前に立ちはだかった。
「き、貴様・・・お前の作戦目的とIDを名乗りなさい!」
妖精女が叫んだ、その様子を見据え、変身した静葉は口元を緩めて、目標を見据える。
「秋・・・仮面ミノリダー・・・アキシズ!」
秋の姉妹戦士がすっと並ぶと、迸る秋の力がきぐるみをきたチルノと大妖精を後ずさりさせる。
「「さぁ、お前たちの秋を数えろ!!」」
ビシッと決めポーズを取る二人、後ろでこっそりその様子を見ていた農民達も大喜びである。ミノリダーとアキシズはマスク越しに目を合わせて、姉妹でしか分からないやりとりを交わし、すっと構えを取る。
「派手に行くわよ、アキシズ!」
「ええ、ミノリダー。」
勢い良く氷精女と妖精女に立ち向かうミノリダーとアキシズ、ミノリダーは足技を中心としたキレのある動きを見せ、アキシズはその可愛さに似つかわしくないパワフルなパンチ技を主体に立ちまわる。そして、姉妹ならではの正確な連携を見せ、徐々にではあるが優位に立ちつつあった・・・!
「ミノリダー・・・・スイートポテトルームキック!」
「うわっ!この重さでもお構いなしだなんてぇ!」
「アキシズぅ・・・フォーリンブラストナッコォ!!」
「きゃっ!さいきょーのあたいを怯ませるなんて・・・やるなぁ!!」
豊穣の力を込めたローリングソバットが妖精女を怯ませ、紅葉の力を乗せた凄まじい勢いの左ストレートが、重いきぐるみを装備した氷精女をのけぞらせた。ここを勝機と見た姉妹戦士は、必殺技の構えを取る。
「今よ、ミノリダー!」
「ええ、姉妹の心を、今、一つに・・・!」
各々が持つ秋キーを、そっとベルトの鍵穴に差し込む。手を繋ぎ秋の力を最大限に増幅させ、漲らせていく。
―ハーベスト!
―メープル!
―マキシマムドライブ!!
ベルトから謎の電子音がしたのを聞いた姉妹戦士は大地を蹴り、秋の空へと舞い上がる。目標を見据え姉妹の息を合わせて、繰り出される必殺の蹴り。それが・・・・
「「W秋符・秋サンドキーック!!」」
秋サンドキック、それは目標とする改良怪人を挟み込むようにして豊穣と紅葉の秋の力を叩きこみ、施された改良を浄化する・・・ミノリダーとアキシズの48の必殺技の一つである。その必殺の攻撃は、正確に氷精女を捕え、その二柱のおみ足が氷精女に命中するか否かの瞬間、妖精女がその間に割って入ってきた。
「だめぇーっ!!」
「「!?」」
「よ、妖精女―っ!」
その凄まじい蹴りを氷精女から庇ってマトモに受けた妖精女がぶっ飛び、近くにあった枯れ葉の山に突っ込んで大爆発する。
「どうしたの、オリンリン大佐。」
「いえ、喰らった訳でもないのに、背中に悪寒が・・・あのキック・・・秋サンドキックか、恐るべし!」
―というやりとりがこいショッカーの基地であったのは余談である。
「よくも妖精女を・・・!」
「妖精女は浄化させてもらったわ、後は貴女だけよ、大人しくなさい。」
「そうはいかない、妖精女の弔い合戦だ!」
「いや、殺してないって!!」
「そんな事はどうでもいいや、遂に私の必殺技を使う時が来たようね・・・!」
きぐるみの後ろから、あたりと書いてあるアイスクリームの棒を大きくしたような物を取りだした氷精女。凍て付く輝く冷気がその棒に収束されてゆき、青白い光を放つ。
そして、何やら怪しげな構えを取りながらその力を増幅させていく。
「大銀河凍結科学氷精棒・・・白銀氷雪ブリザードサイバーオーロラ・・・・・」
「技の名前が長いっ!ミノリダー!!」
「ええ、今度は決めましょう!」
「「秋キー、セット!」」
再び秋キーをベルトにセットし、豊穣と紅葉の力を今度は腕に集める。みなぎる秋の力を姉妹戦士は、その小さな拳に乗せ、真っ直ぐに前に突きだした!
「W秋符 ダブルオータム・プリフィケーションパンチ!!」
purification(浄化)の力が込められた秋の力の拳が氷精女にクリーンヒット!
「遠心重力ダイヤモンド・・・・・・・うひょぉおおおおおっ・・・・・・・!」
その圧倒的な衝撃は、未だに技の名前を言い切れない氷精女を吹き飛ばし、これまた近くの茂みに突っ込んで大爆発。もうもうと立ち込める煙の向こうに、きぐるみが脱げて気絶しているチルノの姿を見たミノリダーはほっと一安心。
「大妖精も、ほら、大丈夫よ。」
「ああ、良かった・・・マトモに蹴りが入ったからちょっと心配だったのよ。」
落ち葉の山から頭だけ出して気絶している大妖精の姿も確認、これで全て解決だ。こいショッカーの改良から無事に、チルノと大妖精を救い、幻想郷の秋の平和を守ったのだ。
「秋は幻想郷のみんなの物、秋を愛するミノリダーと」
「同じく秋が大好きなアキシズよ。」
ニコッと勝利のスマイル。先ほどまでの息詰まる攻防が嘘のような爽やかな女神のような・・・というか女神様のスマイルを浮かべる姉妹戦士。
すっかり寒さが収まった秋の空は、姉妹戦士の勝利を祝福しているかのようだった・・・
「さ、チルノと大妖精を助けなきゃ。」
「そうね、でも、その前に・・・」
「あ、そっかそっか。変身したままで行動しちゃいそうで、つい・・・」
ベルトに鍵を差し込んで変身の時とは逆方向に回して、元の服装に戻る秋姉妹。着なれた服が一番落ち着くようで、先ほどまでの過酷な戦いから介抱されたのもあって、足取りは軽やかだった。
「およ?」
「気が付いた?チルノちゃん。」
「・・・はっ?」
「こっちも気が付いたわ、穣子。」
きぐるみが脱げて、改良による支配から解放されたチルノと大妖精、ぼんやりと秋の空を眺めていたが、大妖精が先に覚醒したようで。
「ここはどこ?私達は一体何を・・・?」
「大丈夫、ここは紅魔館近くの湖で、貴女達は長い夢を見ていただけよ。」
チルノと大妖精を介抱する穣子と静葉。無垢な蒼い瞳をパチクリさせるチルノは暫くは秋の空を眺めていたが、やがて何かを思い出したかのようにぽつりと呟く。
「あたい、夢見てた。さいきょーになるって夢だったよーな、あたい、どうしちゃったのかなぁ?」
「それはきっと正夢になるわ、鍛錬を怠らなければ、きっと叶う夢よ。」
静葉がそっとチルノの頬を撫でながら言う。ひんやりとした頬は、柔らかくて、まるで普段可愛がっている里の幼子のような感じがして、とても愛おしく見えた。そんな様子を暫くは穣子も眺めていたが、やがて、立ち上がって里の方を軽く顔でしゃくってから。
「アミーゴで、美味しいスイートポテトでもどう?」
「おお、スイートポテト、うれしいなぁ!」
「いいんですか?」
「良いのよ。お腹減ってるでしょ?」
ぐぅ、とお腹が鳴る。
「決まりね、じゃあみんな乗って、アミーゴまで乗せてってあげるから。」
ようやく寒さが落ち着き、過ごしやすい秋の空気が幻想郷に満ちるその風を受けて走る。アミーゴに戻ってスイートポテトと淹れたてのコーヒー(チルノのみアイスコーヒー)を囲む穣子と静葉、チルノと大妖精の表情はとっても明るかった。
一方、その様子を中継していたこいショッカーの基地では・・・
「あー、もう少しでお空と・・・ぐすん。」
「また次があるよ、オリンリン大佐。今度はもっと凄い怪人を送ろうよ。」
「ですね・・・こいし首領。」
「私はこれから、ちょっとお姉ちゃんで遊んでくるね!」
「と、じゃないんですか!?」
「えへへー」
作戦が失敗した割にはわりと呑気な光景が広がっていた。
「御馳走様でしたー」
「美味しかったよ、静葉、穣子。」
「じゃあ、これからお家に送ってあげるからねー、行こ、お姉ちゃん。」
「あれ、穣子?貴女も一緒に引いてよー」
「今回は私もお疲れなのー、いいでしょー」
「ま・・・私のせいだもんね、落ちないようにしっかり座ってて。」
「「「はーい」」」
こうして、ミノリダーとアキシズの活躍により、幻想郷の秋の平和は護られた。
だが、こいショッカーの魔の手がまた幻想郷の秋の平和を脅かす日が来るかもしれない。
しかし、そんな時は必ずやミノリダー達が現れ、幻想郷の秋を護るだろう・・・!
行け、仮面ミノリダー! 戦え、仮面ミノリダー!!
「スクリーンの前のちびっこ諸君、寒くなるからちゃんと暖かくして寝るんだよ。」
「でないと風邪をひいちゃうかもしれないわ。気を付けるのよ。」
「あたい、風邪ひかないもーん。へ、へくちっ。」
「あわわ、チルノちゃんが風邪ひいちゃったぁ・・・」
―カット!
「・・・オッケー、これでバッチリだぞー」
「皆さん、お疲れさまでした!」
元気な早苗とにとりの声が響く。その声を聞いた、穣子と静葉は安堵の顔を浮かべた。緊張があったのか、少しホッとしたようにも見える。
「あぁー、緊張した。こんなに緊張したの久しぶり。ね、お姉ちゃん。」
「そうねぇ。お芝居を演じる事も久しいし、まして外の世界の技術を使ったお芝居なんてねー」
そんな静葉と穣子の傍に花束を持って近寄る早苗。その早苗の表情は、達成感に満ち満ちていた。
「お疲れさまでした。静葉さん、穣子さん。」
「ありがとう、早苗。ちゃんと出来てたかな?」
「勿論です!期待以上の作品に仕上がりました。」
「私達だけじゃないわ、こいしちゃんにお燐さん、チルノ、それに大妖精の協力が無かったらこの作品は出来なかったわ。」
静葉の視線の先には、緊張の欠片もなかったのか元気にはしゃぎ回るチルノとそれを止めようとする大妖精を見守るこいしとお燐。今日はいつもの服である。
「私もそうだけど地底のみんなも、お芝居に参加できて喜んでるわ。妖精達は今日は、お姉ちゃんのお世話をして来られないけど・・・」
「まぁ、代表であたいが来てるわけだしね。この軍服、記念に貰って良いかな?」
「いいですとも。何に使うんですか?」
「今年の忘年会で使うのさー、さとり様にも見て貰いたいし。」
「またおうちでもオリンリン大佐やってー」
「いいですよ、こいし様。あ、こいし首領と一緒にやりましょうか。」
「そうね、これでお姉ちゃんを・・・むふふん。」
何を考えているのか良く見えてこないが、さとりに自慢するつもりなのだろう。その傍らでチルノと大妖精はオータムサイクロンを引いて遊んでいる、無邪気に遊ぶチルノと大妖精はそっと今回のお芝居を振り返った。
「最近、こいしの言う通りにしたら、いろいろと面白い事に出会えるなぁ。きぐるみ着て、暴れるなんて始めての体験だったけど、さいきょーのあたいには全然問題無かったわ。」
「着てたきぐるみが最後に爆発したりしたけどね・・・あれは怖かったなー」
「火薬は霧雨屋謹製の高品質の物を使ってます。安全には配慮してありますよー」
実際にはアレだけの凄まじいアクションをしたのにも関わらず怪我も無く無事に撮影を終えている。流石は妖精、タフである。小さな身体で撮影に良く付いてきてくれたなぁと思いながら、早苗はパンパンと手を打った。
「さぁ、クランクアップを記念して、そのまま打ち上げです!」
「あぁ・・・できればお酒が良かったんだがなぁ・・・」
「まぁまぁ、いいじゃない。おやっさんの協力あっての今回のお芝居なんだから。」
にとりの肩を叩くお燐、その表情はまんざらでもなさそうだ。だがおやっさんは含み笑いを浮かべている。皆の視線が向いた時に、味のある顔をくしゃくしゃにしてから、そっとカウンターの下に手をやって。
「そう言うだろうと思って・・・ほい!儂のお気に入りを今日はあけるとしよう!!」
「おお、おやっさん、太もも!」
「それを言うなら、太っ腹、ですねー」
「あ、そうだったー」
その一言でアミーゴは笑いに包まれた。人間、妖怪、妖精の種族の垣根を越えて一つの事を成し遂げた幻想少女と、それを見守るおやっさんの顔は秋の実りのように豊かな表情であった。
そんな、人里に秋の香りが満ちた何でもない日常の中で撮影された非日常のお芝居・仮面ミノリダー
・・・彼女達のお芝居が、人の目に止まる事になるのは、数日後執り行われる命蓮寺の大縁日の事である。
残念だ…
名前もひっくり返るこの衝撃、げに恐ろしきオータムサイクロン・・・。
おやっさんの人死んじゃってるけど、幻想郷でもアミーゴ出来るとか最高じゃないですか
おやっさんいるならウルトラマンのキャップも出来るな…
こいしはタカさんとフリーダムなとこ似てるw
あとWライダーじゃなくてライダーWじゃないかwww
面白かったです、ありがとうございました。
俺得!
私の求めるSSがここにあったといった感じです。
これからも書いて頂けたら嬉しいです。頑張ってください!