ゆかゆゆモノで百合系でキャラ崩壊(約1名変態が。)モノの作品です。
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夜中の白玉楼。
主である西行寺幽々子はそろそろ床に就こうかと思っていたところのことだった。
「えと。ちょっと、紫。いいかしら?」
「なに?」
「そんなに顔が近くじゃ眠れないわ。」
何故か友人である八雲紫が顔を極限まで近づけているのだ。
端から見ればまるで、これからキスをしようかと言う風に見える。
幽々子からしたら困惑するだけである。
しかし、紫だけは違った。
困惑するどころか、息を荒げてただ幽々子の顔を凝視しているだけだ。
ただの変態である。
「だって、幽々子がこんなに可愛いものだから。」
「いやいや、紫。答えになってないわ。」
「友人の可愛い寝顔を拝むのがそんなに悪い?」
そういう問題ではない。
こういった平行線の話を毎晩繰り返しているのだ。
被害者の幽々子はというと、毎回同じことを繰り返しているのでかなり疲弊している。
埒が明かないと考え、幽々子は上体を起こして紫の目をキッと睨む。
「あのね。私だって一人でゆっくり睡眠をとる時間くらいあってもいいじゃない。紫は毎日見るだけで済むけど、私はその視線に耐えながら寝ていたのよ?」
「怒ってる幽々子も可愛いわぁ…。」
(聞いちゃいない…)
これでは妖怪の賢者(笑)だ。
睡眠を取れないせいでイラついていたのでこのまま紫をボコボコにしてやろうかと思ったが、これでも親友なのだ。
親友がおかしな異名で呼ばれるのは幽々子も恥ずかしい。
それだけは回避しようと、紫に向き直る。
「いやいや、紫。貴方もうちょっと威厳とかそういうものはないの?」
「いやいや~って2回目よ幽々子。 威厳とか、幽々子に抱きつければどうでもいいわ。」
「……」
幽々子のイライラはさらに膨れ上がるばかりだ。
台詞の指摘はされるわ、軽々と変態発言するわ…
もう、とにかく突っ込みどころが多すぎる。
いっその事殺してやろうか…と思ったが、死んでも結局は同じなので止めておいた。
「え~っと…ね、ねぇ。いつまでもここにいると藍たちが心配するんじゃないの?」
「大丈夫よ。藍たちには2日家を空ける事を言ってあるから。そんなことより、幽々子と同じ布団に入りたい。」
とにかく紫を家に帰したかった。
ただ、それだけの事がこんなにも難しいとは誰が予想できただろうか。
あと、またさりげなく変態発言が。
突っ込みどころが多すぎる紫に対して幽々子はもう我慢の限界だった。
「…紫。今貴方をこれほどまでもがき苦しめて殺したいと思ったことはないわ。」
「……」
「謝るなら今のうちよ。だんまり決めてたって許さな…っ!?」
「隙あり!」
ドサッ…
紫が両手で幽々子を押して倒した。
そして、紫が馬乗りになって、幽々子は身動きが取れなくなっていた。
「ちょっ…! 離れなさい紫!」
「嫌よ。」
「ぐぐぐ…いいからどいてよ! ひゃっ!?」
「幽々子はぺったんこね~ふふふ。」
「うぅっ。気にしてるんだから言わないでよぅ…」
紫はここぞとばかりに幽々子の体を満遍なくいやらしい手つきで触り続けた。
途中から溢れる鼻血を左手でおさえながら行為に及んでいたが。
テンションが上がってきた紫はついに一線を、
「ぐへへ。じゃあそろそろ…」
「えっ!? いやっ、いやぁ!!」
「夜中に五月蝿いですよ!! 寝られないじゃないですか!! そして、紫様はとっとと家に帰ってください!」
…越えられなかった。
あれだけ声を上げていれば当然だろう。
妖夢が抜刀した状態で二人の目の前に立っていた。
幽々子はほっと胸をなでおろし、紫はチッと舌打ちをした。
妖夢が「あ゛!?」と睨みを効かせると、いつもの妖夢からは考えられない威圧感からか紫はちょっと引いた。
そして、妖夢の説教はまだ終わらなかった。
「紫様もこんな夜中に犯罪まがいの事をしでかして、どうしたんですか!? そして、幽々子様も幽々子様です! 崩れるのが早すぎますよ。もっと頑張って下さい!」
「わ、私被害者なのに…」
「そんな事はどうでも良いです。」
「どうでも!? 主がその親友に性的な意味で襲われそうになってるのに、どうでもいいの!?」
「あーもう分かりましたから。それについては明日じっくり話しましょう。あ、もちろん紫様もですよ。」
「私も? ただ、幽々子を愛でていただけなのに。」
「それ! その愛で方が問題なんです! そういうのは私がいない間にしてください!」
「えっ」
妖夢の怒号が真夜中の白玉楼に響いた。
それは翌日の朝も同様に。
よろしい、続けたまえ、貴官の考えるぺったんこ幽々子様と変態ゆかりんを。