霊夢が神社に帰ってくると、縁側でレミリアが紅茶を飲んでいた。
「あれは……レミリア?!」
「アナタハ……ハクレイジンジャ ノ レイムサン」
なぜカタコトなのか。
「こんなところで何してるのよ」
「ワタシ、モウイラナイッテ……こあ熊 ガ イルカラ イラナイッテ……」
「そんな……あんた主じゃなかったの」
「シカタナイワヨ……」
「ま、いいけど。さっさと帰りなさいよ」
「ハ、ハラサン……」
「誰が原よ」
霊夢は陰陽玉を投げつけた。
グングニルで打ち返された。3つ続けて。
「お!猛打賞うー☆」
レミリアがハイタッチを求めてきたので、華麗にスルーした。
空振りして、ずべしゃ、と転んだレミリアは、「うー↓」と涙目で立ち上がる。
だが生憎、霊夢はその姿にGIANTS PRIDEを感じることはない。
「打ち過ぎて申し訳ないわ」
「いいから荷物をまとめて紅魔館にでも行きなさいよ」
「私はもうパチュリーから戦力外通告を受けたの……クビを宣告されたあ熊たちなのよ。ぎゃおー」
あ熊のポーズにも心なしかキレが無い。
「要するにパチュリーに振られたのね」
「レミリア様の放出が最大の補強ってこあ熊に言われたわ」
そりゃ、こあ熊にとってはそうだろう。
「辛いわ……パチェが好きだから」
そろそろそのネタも使える程度にはレミリアの中で風化しているらしい。
霊夢は息をついて、ぽんぽんとレミリアの頭を撫でる。
「いなくなって初めてその存在の大切さみたいなものに気付くんじゃない?」
レミリアが顔を上げた。霊夢は苦笑して、その背中を押した。
「ほら、歩いてお帰り」
霊夢に押され、よろめくようにレミリアは縁側から立ち上がり、ふと気付いた。
「あれ……お客さんがいる……?」
神社から飛び出したレミリアが目にしたのは、外野席まで埋めつくさんばかりの観客だった。
千切れそうなほどに旗が振られ、地鳴りのように紅魔館のオーエン歌が響いていた。
どういうことか分からずに呆然とするレミリアの背中に、聞き覚えのある声が聞こえてきた。
「レミィ、守備練習よ、早く行くわよ」
声の方に振り返ったレミリアは目を疑った。
「パ……パチェ?」
「どうしたんですかお嬢様、居眠りでもしてたんですか?」
「み……美鈴? パンダになったはずじゃ」
「なんですかお嬢様、かってに美鈴をパンダにしないでください」
「咲夜……」
レミリアは半分パニックになりながらスコアボードを見上げた。
1番:美鈴 2番:咲夜 3番:レミリア 4番:フラン 5番:フラン 6番:フラン 7番:フラン 8番:小悪魔 9番:パチュリー
暫時、唖然としていたレミリアだったが、全てを理解した時、もはや彼女の心には雲ひとつ無かった。
「勝てる……勝てるのね!」
咲夜から熊の着ぐるみを受け取り、パチュリーの元へ全力疾走するレミリア、その目に光る涙は悔しさとは無縁のものだった……。
翌日、神社の縁側で冷たくなっているレミリアが発見され、吉村と村田は病院内で静かに息を引き取った。
うーん、このおぜうww
おぜうは紅い市民球団じゃないのか。
サンキューレッミ
いや、タイトルを見た時点で内容が大体分かった自分もアレなわけですが。
そして吉村と村田に関しては、残念ながら当然と一言だけ言わせてもらいます。
浅木原さんあなた最高だよ
電車の中で吹きましたよ畜生畜生アンド畜生
日本シリーズみれねぇ……!
かなり埋め込まれててびっくりしました。面白かったです。
すごいな、紅魔館。どうやったんだ?
おお、もう…。