突然このような手紙を受け取られたことに困惑されているかもしれませんが私です、あなたの式神である八雲藍です。
「魔王様が格好良いしサイラスに会いたいからちょっくら中世ガルディア王国に行って来るわね!」と言いながらあなたが家を飛び出してからどれほどの月日が流れた事でしょう、だいたい太陽が昇っては沈んで、それを40回ほど繰り返したところですね、今のところは。
いえいえ、いいんですよ、私は紫様が突発的にどこかに行ってしまう事には慣れています。
この間は「ドリフの全員集合を生で見てくるわね!」とか言いながら飛び出して行ってしまいましたね。いいんですよ怒っていませんって。良いですよね、ドリフ 私は仲本工事が好きですが、回転的な意味で。
あの時はただ単に食事を三日間抜きにしただけじゃないですか、そんなに怒っていませんって、いや本当に怒っていませんって、ただ単に心配し過ぎて体がわなわなと震えていただけですって、何であんなにおびえていたのか私にはさっぱり分かりませんよ。本当に怒っていませんって。
良いですよね、あのゲーム、私はカエルが一番好きですがね
兎も角“今回”は紫様の行動には目を瞑る事にします、大丈夫ですよ、帰ってきたらただ単に家の前で三時間ほど吊し上げるだけですから。妖怪だからそれぐらい屁でも無いでしょう。
さて、今回私が手紙をお送りしたのは他でもない、あの佐渡の狸の事です。
紫様が居なくなった翌日から彼女がしつこく絡んでくるようになりまして、その事について報告があるので筆を取った次第です。
本当に狸と言うのはなぜあんなにも粘着質なのでしょうか、私にはさっぱり理解できないのですが直接的な攻撃も無しに粘着質に付きまとわれるのは予想以上に精神的に来ると理解しました。
事の始めと言うのは紫様が居なくなった事に気が付いた私が行きつけの焼き鳥屋に行った事から始まります。藤原妹紅が経営している屋台型の焼き鳥屋は経営がユニークで客が来たときに店を開くと言ったものですから大抵の場合空いています。
私自身も彼女とは何かと付き合いがあるものでよく行きつけているのですが、私が自棄酒をかっくらいに行ったその日には珍しい事に既に先客がいた様でした。
来客についてとやかくは言いません、あの神様もいろいろあるのでしょう。
ともかく私が自棄酒をかっ食らっていると彼女が丁度店に入って来ました。
すぐさま両者戦闘モードに入ったのですがよくよく考えてみるとここは公共の場所、ついうっかり弾幕無視の殺し合いに発展しそうな勝負にはどうあっても向かないのでひとまず勝負は保留となりました。
まあその後マミゾウが酔っぱらっていろいろあって泣き出したので私は仕方なしに介抱して家に運び入れたわけですがどういう訳かその後彼女に「変態!破廉恥!厚顔無恥!色欲魔!年柄年中頭の中桃色狐!」だの散々罵られた末に再び泣き出したマミゾウはそのままどこかに飛んで行ってしまった訳です。
私の言動を見返してもさっぱりそう言った事が思い浮かばない為恐らくは恥ずかしくなったので罵詈雑言を浴びせかけたのだと思います。
そういった変遷があってかねてより気になっていたマミゾウと邂逅したわけですが、どういう訳かその翌日から彼女はやたらと私に突っかかって来るようになりました。
翌日の晩、私がいつものように食事の準備をしようとすると突然チャイムが鳴ったので誰かと出てみるとつい昨日あんなやり取りがあったばかりの彼女が居た時は果たし状でも叩きつけに来たのか身構えましたが、彼女はそんな気は無かったようで山菜などを持って「お主が一人で食事をしていると聞いたのでな、さぞかしつまらん顔をしていると思ったので見学しに来てやったわい」とか言うのです。
山菜は見物料とか言って押し付けられました。仕方がないのでその日は一緒に料理を作ってそのまま二人で食べると彼女は帰って行ってしまいました。因みにその時押し付けられた山菜は後々聞いてみた所大変珍しいものだと聞かされましたがもしかしたら彼女はそれを私に見せつけに来たのかもしれません、一つ不覚を取りました。
私は彼女が来るのはあれが最後だと思っていたのです。
ところが翌日になると昼間から「お主の主人が居なくて寂しくなるじゃろうと思ってな、さぞかし暇をしていると思ったのでからかいに来てやったわい」とか言うのです。
もうどんだけ暇人なんだと、妖怪ですが、そう思いましたので「私はいつもやるべきことがたくさんあるので付き合っている暇など無い」とか言うと大変つまらなそうな顔をして「ふん、お主がさぼっている様だったらあの隙間妖怪に言いつけてやる」とか言うもんです、流石にこちらもむかっと来ましたからその日一日の仕事を見せつけて更に料理まで振る舞ってやったら流石に懲りた様でいつの間にか居なくなってしまいました。
そんな事もあって私は彼女をやり込めたと思っていたのですからもう来ないだろうと思っていました、
ところがその二日後、今度は箒だのなんだの持ってきて「お前の仕事はなっておらん、下手過ぎて見ておれんので仕方ないから教えてやる」とか言って来ました。
もうその頃になると私の方でも諦めが出て来たらしく言い返すのも億劫になって来ましたしその時は正直忙しかしくて心底大変だったので手伝ってもらう事しまして。
共にやって行くうちにわかった事ですが彼女は人間の中で暮らしてきただけはあって家事諸々が隙無く上手いのです、結局その日一日は掃除に料理洗濯だの一通りを二人でこなしていたのですが大変はかどって大分暇な時間が出てきました。
夕食を取ると彼女は居なくなってしまいましたが流石に礼を言わねばならぬと翌日も、今度は割烹着を着てやって来た彼女に礼を言ったところ顔を真っ赤にしながら「狐ごときに礼を言われるほど落ちぶれてはおらん!…がまあ、まあ受け取っておいてやるわい」とか言っていました、礼は黙って受け取っておくべきだと思います。
そんなこんなでやたらと絡んでくるので流石に気になって彼女に身辺を探ってみたところ、周囲の妖怪と険悪な関係とまでは言いませんが落ち着きの悪い空気が漂っているという噂を耳に挟みました、恐らくは彼女がやたらと最近突っかかって来るのはこれが原因ではないかと推理しまして、つまりその行き場の無いフラストレーションを私で晴らそうとしているのではないかと言う事です。
困った事ですがそうとわかれば対応は容易、早速彼女の望む所に送ってやろうと思った訳です。
「どこかにお前の住居を建てたい、無論八雲のお墨付きなので安全は保障済みなのだが」とか言ったところ予想だにせず彼女が怒り出して「それは儂を八雲の傘下に置こうと言う事か、恥知らずにも程がある」とかなんかごねてきまして。
流石に気を悪くしてしまった事は負い目に感じていて次の句が継げなくなっていると急に黙りこくって「うむ、そうだ、妙案を思いついたぞ。儂がこの家に住めばよい」とかなんとかとんでもない事を言って来ました。
と突っぱねようとしたのですが彼女曰く「わしがこの家に居候することになればお前は儂が手伝う事になるので自分の仕事が減る、儂は居心地の良い場所に住める、これで良いではないか相互関係と言う言葉があるだろうに」と持ちかけてきました。
確かにマミゾウが居れば私としても大助かり、紫様が帰って来ても仕事は二分の一。それにこちらの一方的な利益になれば借りができてしまうが彼女にとっても利益が出る、私はなぜ彼女がこの家を気に入っているのか分かりませんが多くは聞きませんでした、ともかくそれなら多少の皮肉は痛くも無い程の旨みがあると言う事でこの提案を昇段承諾いたしました。
なのて紫様が帰って来るとマミゾウが居るかもしれませんが驚かないでください。
それから数週間たった間に色々な事がありました、暇を利用して一緒に酒を飲みました、白玉楼に散歩に行きました、外の世界の事をよく聞きました、今では同じ風呂桶に入る程の仲です。
という訳で私の報告は終わります、体にお気をつけて
隣で寝ているマミゾウがそろそろ起きそうなので手紙はこれで〆とさせていただきます。
敬具
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「魔王様が格好良いしサイラスに会いたいからちょっくら中世ガルディア王国に行って来るわね!」と言いながらあなたが家を飛び出してからどれほどの月日が流れた事でしょう、だいたい太陽が昇っては沈んで、それを40回ほど繰り返したところですね、今のところは。
いえいえ、いいんですよ、私は紫様が突発的にどこかに行ってしまう事には慣れています。
この間は「ドリフの全員集合を生で見てくるわね!」とか言いながら飛び出して行ってしまいましたね。いいんですよ怒っていませんって。良いですよね、ドリフ 私は仲本工事が好きですが、回転的な意味で。
あの時はただ単に食事を三日間抜きにしただけじゃないですか、そんなに怒っていませんって、いや本当に怒っていませんって、ただ単に心配し過ぎて体がわなわなと震えていただけですって、何であんなにおびえていたのか私にはさっぱり分かりませんよ。本当に怒っていませんって。
良いですよね、あのゲーム、私はカエルが一番好きですがね
兎も角“今回”は紫様の行動には目を瞑る事にします、大丈夫ですよ、帰ってきたらただ単に家の前で三時間ほど吊し上げるだけですから。妖怪だからそれぐらい屁でも無いでしょう。
さて、今回私が手紙をお送りしたのは他でもない、あの佐渡の狸の事です。
紫様が居なくなった翌日から彼女がしつこく絡んでくるようになりまして、その事について報告があるので筆を取った次第です。
本当に狸と言うのはなぜあんなにも粘着質なのでしょうか、私にはさっぱり理解できないのですが直接的な攻撃も無しに粘着質に付きまとわれるのは予想以上に精神的に来ると理解しました。
事の始めと言うのは紫様が居なくなった事に気が付いた私が行きつけの焼き鳥屋に行った事から始まります。藤原妹紅が経営している屋台型の焼き鳥屋は経営がユニークで客が来たときに店を開くと言ったものですから大抵の場合空いています。
私自身も彼女とは何かと付き合いがあるものでよく行きつけているのですが、私が自棄酒をかっくらいに行ったその日には珍しい事に既に先客がいた様でした。
来客についてとやかくは言いません、あの神様もいろいろあるのでしょう。
ともかく私が自棄酒をかっ食らっていると彼女が丁度店に入って来ました。
すぐさま両者戦闘モードに入ったのですがよくよく考えてみるとここは公共の場所、ついうっかり弾幕無視の殺し合いに発展しそうな勝負にはどうあっても向かないのでひとまず勝負は保留となりました。
まあその後マミゾウが酔っぱらっていろいろあって泣き出したので私は仕方なしに介抱して家に運び入れたわけですがどういう訳かその後彼女に「変態!破廉恥!厚顔無恥!色欲魔!年柄年中頭の中桃色狐!」だの散々罵られた末に再び泣き出したマミゾウはそのままどこかに飛んで行ってしまった訳です。
私の言動を見返してもさっぱりそう言った事が思い浮かばない為恐らくは恥ずかしくなったので罵詈雑言を浴びせかけたのだと思います。
そういった変遷があってかねてより気になっていたマミゾウと邂逅したわけですが、どういう訳かその翌日から彼女はやたらと私に突っかかって来るようになりました。
翌日の晩、私がいつものように食事の準備をしようとすると突然チャイムが鳴ったので誰かと出てみるとつい昨日あんなやり取りがあったばかりの彼女が居た時は果たし状でも叩きつけに来たのか身構えましたが、彼女はそんな気は無かったようで山菜などを持って「お主が一人で食事をしていると聞いたのでな、さぞかしつまらん顔をしていると思ったので見学しに来てやったわい」とか言うのです。
山菜は見物料とか言って押し付けられました。仕方がないのでその日は一緒に料理を作ってそのまま二人で食べると彼女は帰って行ってしまいました。因みにその時押し付けられた山菜は後々聞いてみた所大変珍しいものだと聞かされましたがもしかしたら彼女はそれを私に見せつけに来たのかもしれません、一つ不覚を取りました。
私は彼女が来るのはあれが最後だと思っていたのです。
ところが翌日になると昼間から「お主の主人が居なくて寂しくなるじゃろうと思ってな、さぞかし暇をしていると思ったのでからかいに来てやったわい」とか言うのです。
もうどんだけ暇人なんだと、妖怪ですが、そう思いましたので「私はいつもやるべきことがたくさんあるので付き合っている暇など無い」とか言うと大変つまらなそうな顔をして「ふん、お主がさぼっている様だったらあの隙間妖怪に言いつけてやる」とか言うもんです、流石にこちらもむかっと来ましたからその日一日の仕事を見せつけて更に料理まで振る舞ってやったら流石に懲りた様でいつの間にか居なくなってしまいました。
そんな事もあって私は彼女をやり込めたと思っていたのですからもう来ないだろうと思っていました、
ところがその二日後、今度は箒だのなんだの持ってきて「お前の仕事はなっておらん、下手過ぎて見ておれんので仕方ないから教えてやる」とか言って来ました。
もうその頃になると私の方でも諦めが出て来たらしく言い返すのも億劫になって来ましたしその時は正直忙しかしくて心底大変だったので手伝ってもらう事しまして。
共にやって行くうちにわかった事ですが彼女は人間の中で暮らしてきただけはあって家事諸々が隙無く上手いのです、結局その日一日は掃除に料理洗濯だの一通りを二人でこなしていたのですが大変はかどって大分暇な時間が出てきました。
夕食を取ると彼女は居なくなってしまいましたが流石に礼を言わねばならぬと翌日も、今度は割烹着を着てやって来た彼女に礼を言ったところ顔を真っ赤にしながら「狐ごときに礼を言われるほど落ちぶれてはおらん!…がまあ、まあ受け取っておいてやるわい」とか言っていました、礼は黙って受け取っておくべきだと思います。
そんなこんなでやたらと絡んでくるので流石に気になって彼女に身辺を探ってみたところ、周囲の妖怪と険悪な関係とまでは言いませんが落ち着きの悪い空気が漂っているという噂を耳に挟みました、恐らくは彼女がやたらと最近突っかかって来るのはこれが原因ではないかと推理しまして、つまりその行き場の無いフラストレーションを私で晴らそうとしているのではないかと言う事です。
困った事ですがそうとわかれば対応は容易、早速彼女の望む所に送ってやろうと思った訳です。
「どこかにお前の住居を建てたい、無論八雲のお墨付きなので安全は保障済みなのだが」とか言ったところ予想だにせず彼女が怒り出して「それは儂を八雲の傘下に置こうと言う事か、恥知らずにも程がある」とかなんかごねてきまして。
流石に気を悪くしてしまった事は負い目に感じていて次の句が継げなくなっていると急に黙りこくって「うむ、そうだ、妙案を思いついたぞ。儂がこの家に住めばよい」とかなんとかとんでもない事を言って来ました。
と突っぱねようとしたのですが彼女曰く「わしがこの家に居候することになればお前は儂が手伝う事になるので自分の仕事が減る、儂は居心地の良い場所に住める、これで良いではないか相互関係と言う言葉があるだろうに」と持ちかけてきました。
確かにマミゾウが居れば私としても大助かり、紫様が帰って来ても仕事は二分の一。それにこちらの一方的な利益になれば借りができてしまうが彼女にとっても利益が出る、私はなぜ彼女がこの家を気に入っているのか分かりませんが多くは聞きませんでした、ともかくそれなら多少の皮肉は痛くも無い程の旨みがあると言う事でこの提案を昇段承諾いたしました。
なのて紫様が帰って来るとマミゾウが居るかもしれませんが驚かないでください。
それから数週間たった間に色々な事がありました、暇を利用して一緒に酒を飲みました、白玉楼に散歩に行きました、外の世界の事をよく聞きました、今では同じ風呂桶に入る程の仲です。
という訳で私の報告は終わります、体にお気をつけて
隣で寝ているマミゾウがそろそろ起きそうなので手紙はこれで〆とさせていただきます。
敬具
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なんやかんやで同棲までありつくマミゾウさんぱねえっす
原因?
読み進めて行く内に気づいたらニヤけが治まらなくなっていた…
何言ってるか分からねーと思うが(略
ちなみに私はゴンザレスが好きですwww
やった…ね…
ご馳走様でした。
もう結婚しちゃいなYO
あー思い出せなーい むきー
マミゾウさんは押しかけ女房ですなぁ
な、何を言っているのか(略
あと紫様の外出先が投げやりすぎて吹いたwwww
因みに私はロボが...
かわりばんこで毛繕いしてほしいですね。
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