Coolier - 新生・東方創想話ジェネリック

開闢は日の出の光とともに《前編》

2011/10/05 17:46:46
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※注意書き
「えっと、このSSにはオリジナル設定、独自解釈、作者の好み、ネタ要素などが大量に含まれています。それでも宜しければ、このまま下へとお進み下さい」
「いけぇ!ゆうかぁ---------!」
「チルーノォォォォォォォォォォォォォ!」
「何やってるの!二人とも!」
『アクセルシンクロを邪魔するつもりか!?』
「もうやだ…………」
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あたいの頭上には、彼岸では見れないほどに美しい、満天の星空が広がっている。
そして、その空の星よりも強く輝いている光が、あたいが見上げる先に、映姫様の瞳の中にある。
でも、その光には全く風情がない。
映姫様の瞳が揺れると光は形を崩して、ちっとも美しくなくなる。
「……教えてください、小町……」
映姫様が言葉を発する毎に、映姫様の瞳は揺れを増して、涙が溜まっていく。
その涙に映姫様の瞳の光が反射して、光は更に輝く。
そしてそれに気付く度にあたいは、映姫様をここまで惑わせてしまったことに嫌気が刺す。
……それでも、映姫様の口は、言葉を発し続ける。
「小町……私は…………」
そこから繋がれる言葉は、あたいにとって聞きたくない言葉であるはずなのに。


あたいは、映姫様の瞳の光に呑まれて、その言葉を、映姫様の告白を遮ることはできなかった。




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そういえば映姫様も紅魔館行くとか言ってたなぁ……
もしかしたら鉢合わせたりするかもねぇ。
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休日、あたいはレミリアに呼ばれて紅魔館にまで来ていた。
「まったく、せっかくの休日だってのになぁ。あたいレミリアに呼ばれるような事なんかしたかねぇ」
あたいはそう愚痴を垂れつつ、愛用の鎌を手に紅魔館の中へ入った。
「おーいレミリア、来たぞ~。お、咲夜」
「いらっしゃい小町。お嬢様から話は聞いてるわ」
中で待っていた咲夜に一礼され、奥へと案内される。
あたいはそのまま咲夜の後ろをついて歩いていく。
「なぁ咲夜、レミリアは何であたいを呼んだんだ?」
「さぁ?私はお嬢様にあなたが来るとしか聞かされていないから。けど、最近のお嬢様は恋愛事に夢中でね、今度こそ天下(霊夢)を穫るわよとか息巻いてるし、そのためにあなたの力が必要だとかそんなんじゃないかしら」
「どこの戦国武将だよレミリアは」
「心持ちはバサラしいわよ」
「へえ。ま、あたいは人の恋路をとやかく言うつもりは無いけどさ。だが、あたいとしては…」
「?」
「やっぱ恋ってのは、ながながと楽しむモノだと思うがねぇ。柿の種が芽吹くぐらい。でも自機は西アニキ」
「霊夢と会わない時間と霊夢の事を考えて悶々とする時間だけが、お嬢様を駆り立てるのよ。でも自機は毘沙門天」
「お、そりゃ意外だねぇ。お前が謙信使いかい」
「あら、"妖々夢咲夜"(私)に謙信装備は似合うのよ。意外と」
「そりゃまた意外。ってか相性合わねぇなあたい達」
「そうでもないわよ。同じ西軍じゃない」
蒼紅している内に、あたい達は客間へと辿り着いた。
中には一人用の大きめなソファーが4つとテーブルが一つ、あとテーブルの上にお菓子が置いてあった。
「ここが客間よ。お菓子でも食べててゆっくりしてて頂戴」
「あいよ、わかった」
「ちなみに鎌立てはそこよ」
「なんでそんなモノが…」
咲夜が指差した方を見ると、歪な形をした木のスタンドが置いてあった。
「前からあるのよ。じゃ、お嬢様を呼んでくるわ」
「はぁ、まぁいいか。んじゃ、ゆっくりさせてもらうとするかねぇ」
咲夜が出ていった後、あたいはそう言って鎌を鎌立てに置いた。
「……ふぅ、咲夜は行ったわね」
その時、ソファーの影からゆっくりとレミリアが顔を出した。
「なんだ、いたのかレミリア」
「ああ…小町、少し手を貸してくれないかしら?ちょっと立ち上がれなくて…」
少しかすれた声を発しつつ、レミリアは左手をふるえさせながら差し出してきた。
心なしか息づかいも少し荒れている気がする。
「おいおい、大丈夫か?」
そう言ってあたいはすぐにレミリアに詰め寄って、差し出された手を掴んだ。
「あ、ちょっと……!」
そしてそのまま深く考えずに、レミリアの体をソファーの影からあたいの体の方へと引き寄せた。


なんか、シュワシュワーと粒子化していた。主にレミリアの下半身が。


「どうしたレミリア!?そんなにサラサラになって!」
「あ、いや、その、これには訳が……」
「……柔軟剤使ったのか?」
「使ってないわよ。なんで柔軟剤でサラサラになるのよ」
「待ってろ、今咲夜呼んでくるから」
「ま、待って!咲夜は呼ばないで!」
「なんでさ?」
「こんなみっともない姿、咲夜には見せられないわ!」
「咲夜ーーー!あたいだーーー!助けてくれーーー!」
「待ってってば!!」
あたいが大声で咲夜を呼ぶと、すぐに部屋のドアが開かれた。
「どうしたの小町!?一体何が!」
「おお咲夜!お前のお嬢様がミスティックでブッパだ」
「まるで訳が分からないのだけど。何があったのよ?」
「とりあえずこの粉を見てくれ。こいつをどう思う?」
「ペロッ。これは、すごく…甘いです」
「砂糖みたいだろ?それ、レミリアなんだぜ」
「ブーーーーッ!」
「汚なっ!!」
「ガハッ!!な、何てもの食べさせるのよ小町!」
「おいおい…、メイドなら主人大切にしろって」
「それとこれとは話が別よ!」
「ちょっと咲夜!主人の顔に吐くとかどういうつもりよ!」
「あ、いたんですかお嬢様」
「ずっといたわよ!」
「すみません、あまりにもカリスマが感じられませんでしたので存在に気づきませんでした」
「酷っ!」
咲夜がレミリアとやいのやいのしてる間、あたいはここに来た理由を思い出す。
「そういやレミリア、何であたいをここに呼んだんだ?」
「ああ、えっとそれはーーきゃっ!」
レミリアが何か言おうとした時、咲夜が腰から上だけ状態となったレミリアを抱き上げるという形でそれを遮った。
「ちょ、ちょっと咲夜!なにするのよ!」
「悪いわね小町。冗談とか遊び抜きで、ここまで粒子化しちゃったら早急に医者(パチュリー様)に診せないと本当にお嬢様が危ないのよ。だから今日はもう帰ってもらえるかしら」
「はぁぁ?それじゃ、なんのためにあたいはここに……」
「だから悪いわねって言ってるじゃない。ね、この通り」
「…………まぁ、いいけどさ。そこまで言うなら」
頭を下げる咲夜の言葉を聞いてあたいは引き下がる。
はぁ…仕方ない、帰って昼寝でもするかねぇ。
「それじゃあ、行きましょうかお嬢様」
「咲夜待って!待ってったら!こ、小町!」
「あ?っと(パシッ)」
レミリアが部屋を去り際、あたいに一匹のコウモリを投げ渡してきた。
「何だこれ…?」
「それを握りしめて!そうしたらあなたのこれからの運命とすべき事が分かるから!」
「それなんて千年ア○テム……………もう行ったか」
紅魔館の客室にあたい一人取り残される。
とりあえず、渡された千年コウモリをゆっくりと握りしめてみる。
すると、コウモリを通じてあたいの頭に声が流れてきた。
『もすもすひねもす~~。ハイハ~イ!私が吸血鬼の篠ノ之フランドールだよ~!はろ~!』
「……………………フランドール」
「ん?なに?」
いつからお前の名前は篠ノ之フランドールになったんだとか、そのネタは伝わるのかとか色々言いたいことはある………………が。
「ただ、ひたすら、ウザいっ」
そしてあたいはこのウザい口調をこれ以上聞くまいとコウモリを握り潰ーー
『あぁ待って待って!!握り潰さないでぇ~~!』
「ちっ。いいかフランドール、今度そのネタを持ってこようものならジェネリック愛読者全員からバッシングを受けるものと思え」
『わかった、わかったよぅ~~。太陽の畑、太陽の畑に行って!閻魔がいるから』
「は?太陽の畑?なんでまた」
ていうかなんでお前があたいにそんなこと。
あ、そういやこれレミリアの伝言だったか。
『さぁ?私はお姉様に「太陽の畑に行って」って言ってって云われただけだから』
「太陽の畑に行ってって言ってって云われたのか?」
『うん、それだけ。あ、あと閻魔がいるから出会ってだって。それともうそのコウモリ握りつぶしちゃっていいよ』
「え、握りつぶすのか?コレを」
『うん。キュッとして、ドカーンって!』
「…………キュッとして、ドッカーン」
グシュアッ
「ギャーー!!グロいーーー!!グロいぃぃぃぃい!!!…………………………………ペロッ、あ、意外とイケる」
そうしてあたいは握りつぶしたコウモリで小腹を満たしつつ、太陽の畑にいるらしい映姫様に会うために紅魔館を離れた。




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「お姉様~、死神にちゃんと伝えてきたよ~。これで心おきなく治療できるね」
「フ、フラン!?う、うぅぅぅ……」
「あれぇ?お姉様ぁ、今まで何回もおんなじ治療してきたよね?なのにど~してそんなに恐がってるのぉ~?」
「や、やめてっ!フラン、はなーー」
「はぁ~い。それじゃあまず最初は手始めに…………お・注・射・し・ま・しょ♪」
「いやっ、いやぁああああああ!!!!」
「……はぁ。お嬢様が医療室(図書館)に入ったらしばらくヒマになるわね。掃除でもしてようかしら……あら?」


「……小町ったら、鎌忘れてるじゃない」


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映姫様ってどのくらい強いんだろう?
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結論を言うと映姫様はいなかった。
レミリアの奴、今度会ったら文句言ってやる。
は?レミリアの運命が外れる訳がないって?
いや、そうは言っても実際にいないんだからしょうがないだろう。
だってあたいの眼前には、青い空と白い雲、辺り一面に咲くヒマワリと幽香に弄られる天子、そして……


白いワンピースに身を包み天秤の絵が描かれた帽子を被った緑髪の少女しかいないのだから。


「やっと会えましたね……小町」
「あたいの映姫様がこんなに可愛いわけがない!!」
「んなっ!!?い、いきなり大声で何を叫んでいるのですか小町!!」
「だっておかしいでしょう!?映姫様がいつもの服以外で外を出歩くとか!!」
「黙りなさい!!私だって仕事服以外の服だって持っています!!」
というわけでこの少女が映姫様だった。
納得いかない。
まぁ、白ワンピは似合ってるからいいんだけど。
「んじゃ映姫様、なんだってそんな格好してるんですか?」
「これは仕事の一環です。来週から今までと違った仕事が始まるので、それまでに会っておかなければいけない人がいるのです。それで会いにいくのならばおめかししていこうかと思いまして」
らしかった。
「まぁ映姫様が白ワンピ着てる理由は分かりました。ですが……」
「何ですか?」
しかし、映姫様のファッションには壊滅的におかしい部分があった。
「なんですかそのウエストポーチは!しかも黒!せっかくの白ワンピが台無しですよ!」
「いいじゃないですか。この服はポケットが無いので貴重品入れる物が必要なんですよ」
「だったら手さげ袋でも……いや、ウエストポーチはまだいいですよ、まだ。ですがーーーー」


「その服で黒ブーツはないですよ!!白ワンピの味を潰してますって!!」


「ブーツは後で必要なんですよ。それに白黒ハッキリさせたいので(キリッ」
「じゃあ白だけでいいじゃないですか……ていうか、もはやミニスカサンタですよその格好」
「そ、そうですか?ありがとうございます小町。そこまで可愛いなんて……」
「誉めてないです」
……まぁ、白と黒のギャップが可愛いってのは多少はあるんだけどねぇ。
「ていうか映姫様、その格好でどこに行くんですか?」
あたいがそう聞くと、映姫様から予想外の答えが返ってきた。
「ああ、あなたの古巣の死神界ですよ」
「えっ、し、死神界ですか?」
死神界、そこは映姫様の上司である閻魔王様達が死神の総数と仕事効率の減少を解消するために創り上げた世界。
幻想郷や外界、天国や地獄などとは異なった場所に存在し、そこには死神の養成施設(通称死学)やそこに通う学生の宿泊施設、また多くの人々が往来する商店街など多数の施設が存在する。
また、死神界には幻想郷にはない法律制度が存在し、閻魔王様達もとい死学の教員達はそれを用いて死神の候補生をコントロールしつつ育成している。
死神の候補生を立派な死神に育成するための場所……それが、死神界。
………ちなみにあたいの家族もそこで暮らしている。
「なんだってまたそんな所に……」
「来週から始まる仕事について死神学園の校長に少し相談しに行こうかと思いまして」
「はぁ……そうですか。校長ねぇ、誰だったっけなぁ」
「あ、それでですね小町。話があるのですが……」
「はい?」
あたいが死学の校長(通称ガミ校)について考えていると、急にはきはきした様子で映姫様が話し始めた。
ていうか多分あたい誘われるんだろうなぁ流れ的に。
「小町も死神学園の校長の話を聞けば、今後何かしらのタメにはなるかもしれませんし」
「はい」
「それに前にしばらく死神界には行ってないと言っていたでしょう?もしかしたら古い友人にも会えるかもしれませんし」
「はい」
「そこでですね小町、丁度いい機会ですから……」
そこで映姫様は区切って、あたいの方を見つめた。
まぁ何を言われるかは分かってるんだけど。


「私と一緒に、死神界に行きませんか?」


「ええ、いいですよ。あたいは映姫様が一緒ならどこにでも行きます」
「そ、そう?ありがとうございます小町」
「いえいえ」
そう言って映姫様に笑いかけた後、あたいは映姫様を抱いた。
まぁ映姫様もこうなることを半分わかってて言ってたんだろうけどなぁ。
何しろ……あ、でも一つ大事なこと忘れてた。
「そういえば映姫様、どうやって死神界に行くんですか?普通は直庁の死神界直通のやつで数時間でしょうけど、休みは直庁の中入れませんよね?」
「それなら心配いりませんよ。前もって八雲紫経由でマヨヒガ鉄道に予約しておきましたから」
「マヨヒガ鉄道?何ですかそれ」
「八雲の式とその式の隙間式産業……とは聞きましたが……」
そこで映姫様は口を閉じてしまった。
この人、そんなわけの分からないものに予約したんだろうか……。
「……ま、マヨヒガ行ってみれば分かりますよね」
「そうですね。それでは早速行きましょうか」
そう言って、あたい達は太陽の畑を後にした。


「そういえば映姫様、なんで太陽の畑にいたんですか?」
「太陽の畑にいれば小町に出会えると昨晩吸血鬼に言われましたから」
「…………………」


レミリアに文句言うのは、また今度にしよう。




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『橙。そろそろ時間だから外で待っていなさい』
『はい、藍さま。れーむー、そろそろ起きてよーー』
「あーー、閻魔が来たら顔出すわよーー」
「…………………」
「……んじゃ、あんた、閻魔が降りるまで出るんじゃないわよ?」
「………わかりました」
「よろしい」
「……………」
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太陽の畑から飛ぶこと数分、あたい達はマヨヒガに到着した。
そこには二両構成の古びた電車が置いてあり、その前には八雲紫の式の式、橙が立っていた。
「いらっしゃーい!マヨヒガ鉄道にようこそ。私が車掌のちぇーんだよっ!」
「よー橙、久しぶり。大きくなったなぁ」
「どちら様?」
「ほら、あたいだよあたい」
「もしかしてチルノちゃん?うわー久しぶり♪」
「おう久しぶり。それで再会して早々悪いんだけどさあたいお金にーー」
「なに会っていきなり詐欺まがいなことをしているのですか!」
「ちょっとふざけてただけですよーー。なぁ、橙?」
「ふふ。そうですね、小町様♪」
「"さん"をつけろよマタムネ野郎!」
「三個待ち様♪」
「それ違ぁう♪」
『アハハハハハハ』
「………………(ブチッ」
あ、やば、映姫様怒ってる、そろそろ真面目にやらないと。
橙とゴロニャンしてる場合じゃない。
「突然だが橙、お前に頼みたいことがある」
「はい、なんなりと」
「マヨヒガ鉄道とは何なのか簡潔に述べろ」
「はっ、マヨヒガ鉄道とは紫様の手が空いていない時または人を安全に運びたい時に電車という梱包で配送するものであります、長官」
「うむ、わかった。よろしい」
「にゃんにゃ~ん♪」
「なでなでごろごろ~♪」
「……こ・ま・ち?」
真面目にやったのに怒られた。
なんでだ分からん。
「とりあえず橙とふざけるのはもう止めます」
「そうしなさい。それが今のあなたに積める善行ーー」
「なぁ橙、あたい達死神界に行くためにここに来たんだが、マヨ鉄に乗ってもいいか?」
「小町、話を最後までーー」
「あ、はい。映姫様からご予約を承っておりますので、映姫様の本人確認ができるものを見させていただければーー」
「ーーいらないわよそんなもの。どうみても本人じゃない」
その時不意に後部車両の窓が開き、中から霊夢が顔を出した。
「小町、あんたも居たのね」
「よう霊夢。レミリアとはよくやってるみたいだな」
「?まぁいいけど。あんたどうせ閻魔の付き添いなんでしょ?だったら乗っていいから早くしなさい。後ろの客待たせてんのよ」
そう言って霊夢は窓の奥に消えた。
「…なぁ橙。なんで霊夢がいるんだ?」
「バイトですよ。紫様にお願いしてこの仕事についたらしいんですけど霊夢ったらほとんど仕事しなくて、それでいてお給料は私と二等分ですから本当に困ってるんですよ。……マヨヒガの猫ちゃんたちにお給料でおいしいごはん買ってあげるって約束してるのに…………」
「大変だな、橙。よし、それじゃ仕事頑張ってる橙には……」
「何かくれるんですか?小町様♪」
「あたいの腹帯の紐をあげよう♪」
「わぁい、全然うれしくなぁい♪」
「……………………ぐすっ」
『あ』
「っ……あっ、終わりましたか小町?」
「あ、はい。すみません映姫様。ほったらかしにしちゃって」
「いえ……大丈夫っ…です。ぐすっ」
なんか映姫様に悪いことしてしまった。
あぁでも泣き顔も可愛いなぁ。
「ほらほら映姫様、せっかくの旅に涙なんて野暮野暮。歌でも歌って、楽しくいきましょう。ね?」
「映姫さま、だいじょうぶですか?」
「っ……っ………はい、もう大丈夫です。っそれでは行きましょうか二人共」
「あっ、映姫さま、まだお瞳に涙がついていますよ(ぺろっ)」
「まったく、映姫様ったら寂しがり屋なんですから(ぺろっ)」
「なっ!?や、こっこら!!やめっ、止めなさい!!」
そうして映姫様の機嫌は無事に元に戻り、あたい達はマヨ鉄に乗って死神界へ向かった。




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~車内~
「信じたもにょは、都合にょいい妄にゃうを、繰にぃ返し映しにゃす♪」
「じょーはーり♪」
「サボるのをやめ、明日のために頑張れる♪」
「最高質のマタタビあげよう♪」
「何て歌歌ってんのよあんた達」
「ちぇええん!」
「服着ろ!!」
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『孤独を味わいやがれ!守矢元就!』
『許さぬ!許さぬぞ!長宗我部小町親ぁ!』
『これで終わりだ!石田キツネ成いぃぃぃ!!』
『コォォォチィィィヤァァァスゥゥゥゥ!!』
『真田レミリアあぁぁぁぁ!!!!』
『伊達マタムネえぇぇぇぇ!!!!』
「どうよ幽々子!?この配役」
「私は?」
「は?」
「私は誰役?」
「誰役でも無いわよ?ていうか貴女が武器持って戦うのが想像出来ない」
「今川がいるじゃない♪」
「アレは私よ」
「…………………………………………………へぇ」
「…………………………………………………何よ」
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あたい達が死神界に着いたころ、時刻は既に一三時を回っていた。
マヨヒガを出発した電車は隙間を通じて直庁にある線路の上に乗り入れ、その後はずっと走りつづけて死神界の停車駅で止まった。
後ろから橙の『またのご利用をお待ちしてま~す♪』という言葉を聞きながら、あたい達は電車から降りて両手を思いっきり空に伸ばして"のび"をする。
「いや~、結構乗りましたねぇ。かれこれ二時間くらいですか」
「ええ…。死神界に隙間を繋げば一瞬だと思っていたのですが、まさかそれができないとは……」
そう言って映姫様は電車の方を見たが、橙が既に入り口を閉めていて中の様子は分からなかった。
「ですがちゃんとここで降りられましたし、それで良しとしましょう。さ、小町、校長と待ち合わせをしていますので、少し急ぎますよ」
「はいはい。今行きまーす」
「ーーほら、今のうちに降りなさい。早く」
「ん?」
あたいの確認もせずに先に行ってしまう映姫様に慌ててついていこうとした時、後ろの方から霊夢の声が聞こえた。
見ると、霊夢が後ろの車両から黒いローブで体全体を包んだ人を引っ張り出していた。
「…何だ?あいつ……」
「小町!早く来なさい!」
「あ、はい!今行きます!」
だが映姫様の怒鳴り声を聞いたあたいはすぐに霊夢達の情報を頭から追い出して、映姫様の所にダッシュした。
そしてそのまま映姫様と停車駅を出て、死学と駅の間に存在する商店街へと足を踏み入れた。
何年ぶりか分からないその商店街は、最後に来た時に比べて随分と様変わりしていた。
「うわ~、結構変わりましたねぇこの商店街。駅は以前と変わってないのにこっちはかなり煌びやかになったというか。また閻魔王様が弄ったんですかねぇ」
「そうですね。ぱっと見飲食系の店舗が増えたような気がします」
「あ、それ人里でのあの時を思い出しますねぇ」
「うっ……」
「あの時は大変でしたよ。幽香に二人で会いに行った時についでに人里に寄ったら食事処やら甘味処やらが大量にオープンしてて、映姫様が全部の店に入って大量に食い漁りしたもんだから、映姫様の持ち合わせじゃ足りなくてあたいまでお金払うことになって、そして幽香との待ち合わせに八時間も遅れて頭を下げてましたよねぇ」
「うぐぐぐぐぐ……!」
あの時の幽香の顔は凄く嬉しそうだったなぁ。
「で、ですが!今の私はあの時とは違います!時間も待ち合わせまであと二時間ありますし、死神学園だってもう目前にありますから大丈夫です!」
まぁ目前といっても商店街を出たところにある道路の先にちょこっと見えるだけであって、実際はここから死学まで徒歩三十分くらいはあるんだけどねぇ。
「さぁ!それでは小町!」
まぁこれだけ張り切ってるなら心配は無用かねぇ。
と、思っていた矢先だった。


「食べ物屋の新メニューを片っ端から食べますよ!」


……何を言っているのだろうかこの人は。
暑さにやられた?いやいや普通に快適気温。
じゃあ一体なんでこんなこと?
知るかよあたいがそんなこと!
それしか知らないあなたが!!
「……いや、映姫様、さっき自分で言ってたことちゃんと分かってます?あと二時間しかないんですよ?」
「大丈夫です!一軒約三分のペースで回れば三十分で十軒近く。死神学園まで歩く時間を考慮しても一時間は余裕があります!」
「それが可能だとしても、映姫様自分の財布の中身考えずに食べまくるでしょう?またあたいに借金するつもりですか?…………ていうかそもそも映姫様、待ち合わせに間に合うのならば食い漁りしてもいいという話では無いんですよあなたは!!」
「んなっ!?旅行先でご当地グルメが食べられないなんて、そんなの『旅行少女☆リリカルえーき』の名が泣きます!」
「知りませんよそんな称号!!暴飲暴食は悪です!」
「必要悪です!」
「それでも悪だ!!ほら、さっさと行きますよ!!(グイッ)」
「い、いやーー!揚げたてがーー!たい焼きがーー!クレープがーー!」
そうしてあたいは映姫様の暴走を抑えつつ、駄々っ子地蔵な映姫様を片手で引きずりながら商店街を闊歩していった。




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「ねぇ友香、あれ……」
「しっ、駄目よ見ちゃ」
「じゃなくてあれ、小野塚先輩かな……?」
「え?……確かに似てるけど……あれ本物?」
「どうだろ……でもなんか、見れてよかったぁ」
「あー、そういやたしかあんた惚れてたよねあの人に」
「うん。眼福眼福眼福眼福♪」
「どんだけよ!」
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映姫様を引きずりながら歩き続け商店街の出口にさしかかった時、今まで散々抵抗していた映姫様が急に静かになった。
「あっ小町、ここでストップです」
「へ?映姫様今なんて?」
「すとっぷ。ここで止まって下さい」
「は、はい」
映姫様の急激な変化にあたいは面を食らいつつも、言われた通りに歩くのをやめて映姫様の服を掴んでいた手を離す。
すると映姫様は服についた皺をのばした後、あたい達の真横に位置していた『貸二輪車屋』へと歩いていった。
「あの、映姫様?どうしたんです急に」
「小町、商店街の出口を出た所で少し待っていて下さい。すぐに済ませますから」
「はあ……」
そう言うと映姫様はもう話すことはないとばかりにあたいに背を向けて店の中へ入っていく。
自転車でも借りるのか?……まぁいいや、言われた通りに出口で待ってようかねぇ。
そう思ってあたいは商店街を出て、通行人の邪魔にならないように脇にそれて一息ついていた。
すると数分後、あたいは驚くべきモノを見た。


なんということでしょう、あの映姫様が大型二輪(電動式)に乗って颯爽と現れたじゃありませんか。


「いやこれ中型か?微妙だな……なんかカスタムされてるっぽい…………ってか何ですかこれ!?」
「なにって私のバイクですよ。しかも特注で私の身長に合わせた800ccの大型です。凄いでしょう?」
「……………………何で映姫様が特注のバイクなんか持ってるんですか?」
「以前直庁内でのビンゴ大会で電動の大型二輪を貰ったのですけど、体が車体に合わなかったのでこの形に作り直して貰ったんです。まぁ今まで乗る機会がなかったのでこの店で預かって貰っていたのですけど」
「はぁ……そうなんですか」
なんというか、贅沢ですね映姫様。
口には出さないけど。
「ていうか映姫様、わざわざこれを持ってきたってことは、これに乗って死学に行くんですか?」
「いえ、死神学園には行かずに直接校長の家に行きます。あの店の主人に聞いたのですが、今日は創立記念日で死神学園には誰もいないらしいので」
映姫様にそう言われて商店街の中を覗いてみると、確かに私服を着た学生っぽい子供は数多くいた。
そしてまた視線をバイクに戻した後、あたいはふと気づいたことを映姫様に告げる。
「普通に飛んでは行かないんですか?いやまぁ800ccに勝てるとは思いませんけど」
「ここから校長の家までは飛んでも一時間はかかるんですよ。それよりは多少時間がかかっても楽なこっちの方がいいかと思いまして」
「そんなに遠いんですか……そりゃまぁなんとも」
「さ、そろそろ行きましょうか小町」
そう言って映姫様はバイクに跨った後、あたいに後ろに座るように促す。
こんな所で二人乗りしていいんだろうか。
いいんだろうなぁ。
映姫様がしていいっていうなら。
映姫様はあたいが後ろに座ったのを確認した後、ポーチからエンジンキーを取り出して二輪の電源を入れ、ブーツでしっかりとペダルを踏む。
「あ、この為のその格好だったんですね」
「………本当は用事が終わった後に二人でドライブするためだったんですけどね(ボソッ)」
「何か言いましたか映姫様?」
「い、いえ!何でもありません。それでは、行きますよ」
そう言って映姫様は左足でアクセルを踏み、あたい達を乗せたバイクはゆっくりと走り出した。




=====Now Loading========
~ならし運転中~
「あー、そう言えば映姫様?」
「何ですかー?(運転に集中)」
「空を飛んで行くよりもバイクで行くのを選んだのは一時間も空を飛ぶのが嫌だったからですよね?」
「そうですねー」
「それだったら、あたいの"距離を操る程度の能力"を使って飛んでいけば速くて良かったんじゃ……」
「…………」
「…………」
「…………」
「…………」
「口を閉じなさい小町!舌を噛みますよ!」
「完全に忘れてましたよね?あたいの能力」
「……ハッ……いいぜ」
「へっ?」
「バイクで走って行くのは空を飛んでいくのより遅いって言うんなら、バイクじゃ空を飛ぶよりも早く目的地に着くことができないって言うんなら!」
「な、何を言ってるんですか映姫様?」
「だったらまずは!そのふざけた限界をぶち破る!」
「ひっ!?」
「アクセル、シンクロォォォォォォ!!!!」
「ちょまーーー」
キピュゥゥゥゥン
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水産カリムです。ごめんなさい。
遅れた理由<計⑤ヵ月>
1、妥協できない紅魔館シーンしかしさして重要な場面ではないため早々に切り上げなくてはいけないこの葛藤<⑤月~⑨月>

2、テストバイトジドウシャメンキョ<⑦月~⑧月>

3、BASAガンDOG.ISゴトバスへの介入<⑤月~⑩月>

本当に申し訳ありません。まさかここまでかかるとは思いませんでした。
ですが今回の太陽の畑~中編以降はもうイメージ固めていますので、中編は前編の紅魔館よりは時間はかかりません。
中編からオリキャラ出てきます。ご注意を。

<冒頭でも明記しておりますが、この二次創作SSはオリジナル要素が大半>

それともう一つ。作中でこまっちゃんが言ってる人里の食事処うんぬんの時のやつですが、実はこの作品は水産カリムのジェネリック三作目でありまして、(二作目より遥かに長くて五月当時本気で書いた)その一作目は『水産カリム』で検索しても何でか出てこないんです。作品集84辺りにありますので、どうか一目ご覧ください。

初投稿、会話文のみ、オリキャラ系であるにもかかわらず好評も批評もバッシングも頂かなかった評価1の作品ですが。
なんでデビューがあんなことに…悲しいってレベルじゃ…


水産カリム
水産カリム
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