秋が来ない。
それは秋姉妹にとっては死活問題である。
言うなれば畑を失った農夫。舟を失った漁師である。
「暑い~……。ねぇ、お姉ちゃん。いつになったら私たちの季節がやってくるのよ……?」
「分からないわよ……私に聞かないで……」
なぜ秋が来なくなったのか? 彼女たちはそれを知りたかった。
誰か原因を知っている人はいないのか考えてみる。
「秋が来ない原因……詳しそうな人、ねぇ」
「そんな限定的な知識人、いるかしら?」
「うーん、この異常事態になっても幻想郷の連中は酒呑んでばっかだし、アテにならないわ」
「異常……事態……?」
中秋の名月を過ぎても、うだるような暑さ。それはまさに異常事態。
異常事態――つまりは異変。
そう。静葉は気付いたのだ。こんな異変が起きたというのに、博麗霊夢が全く動いていないという事に。
「あのヤロー。また職務放棄かッ!」
「こうなったら、私たちがハッパを掛けに行くわよ!」
ついに秋姉妹は霊夢へと直談判しに行った。
「で? 私にどうしろってー?」
「だから! この秋が来ないのをどうにかしてよ!!」
「なんで私がー? 寒いのって嫌だから、私はこのままでも全然構わないんだけどぉー」
「異変を解決するのが、あんたの仕事でしょうが!」
だらけきった巫女を見るのはいつもの事だが、それにしても今回は酷い。
「大丈夫だってぇー。マジでヤバくなったら紫あたりが教えてくれるから」
「くそぅ。まるで毎日が夏休みになった学生が如き堕落ぶり……」
「……あ! お姉ちゃん! 私、いいこと思いついた!」
「何よ?」
「霊夢が解決方法を教えてくれたわ」
「どういうこと?」
「霊夢が駄目なら、八雲紫に頼めばいいのよ!」
という訳で彼女たちは八雲紫のもとを訪ねる訳だが……。
そこから彼女たちの長い戦いが始まった。
秋が来ないという異変の裏に隠された、幻想郷の全てを巻き込む巨大な陰謀。
紫率いる四天王との戦いで破れ、人質に取られる静葉。それを救うために穣子は孤独な戦いを続ける。
一度は失った姉妹の絆。奪われた秋という季節。それらを取り戻す為に、彼女は数多の弾幕躱し続け、ようやく辿り着いた。
敵の本拠地である地獄に。
穣子「チクショオオオオ! くらえ八雲紫! オヲトシハーベスター!」
紫「さあ来い穣子ォォ!私は実は一回ピチュっただけで死ぬぞオオ!」
(ピチューン)
紫「グアアアア!こ このザ・<検閲>と呼ばれる四天王の紫が…こんな小娘に…バ…バカなアアアア」
(ドドドドド)
紫「グアアアア」
幽々子「紫がやられたようね…」
永琳「ククク…奴は四天王(6ボス・Exボス)の中でも最強…Phボスだし」
神奈子「1ボスごときに負けるとは四天王の面汚しよ…っていやいや」
穣子「くらえええ!」
(ピチュピチュピチューン)
3人「グアアアアアアア」
穣子「やった…ついに四天王を倒したぞ…これで閻魔のいる是非直曲庁の扉が開かれる!!」
四季映姫「よく来ましたね、秋を司る女神…待っていましたよ…」
(ギイイイイイイ)
穣子「こ…ここが是非直曲庁だったのね…! 感じる…閻魔の肩幅を…」
四季映姫「穣子よ…戦う前に一つ言っておくことがあります。貴方は私を倒すのに『一回ピチュらなければならない』と思っているようですが…別にしなくても割と被弾してあげます」
穣子「な 何だって!?」
四季映姫「そして貴方の姉はお腹が空いたらしいので人間の里へ解放しておきました。あとは私を倒すだけですね。クックック…」
(ゴゴゴゴ)
穣子「フ…上等ね…私も一つ言っておくことがある。この私に生き別れた姉がいるような気がしたけど、さっき無事だと聞いたわ!」
四季映姫「そうですね」
穣子「ウオオオいくぞオオオ!」
四季映姫「さあ来なさい、穣子!」
穣子の弾幕が幻想郷を救うと信じて…! ご愛読ありがとうございました!
ただのテンプレソードマスターネタとは一味違う面白さ
あれまぁ。直しておきました、ありがとうございます!