Coolier - 新生・東方創想話ジェネリック

橋姫と迷いの毒人形

2011/08/22 01:53:51
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「あなた、だぁれ?」
「いや、アンタこそ誰よ」

今日も私、"水橋パルスィ"は橋の上で仕事(といっても単なる見張りの様なモノだけど)をしていたのだが…
余りにも暇、もとい平和だったので橋の上で胡坐をかきつつ睡眠を貪っていた。
30分…いや、1時間かな?その位寝ていたと思う。
寝ていても自分は気配には敏感な方なのか、視線を感じたので目を開けてみると

金髪の女の子が目の前に居た。

そして冒頭のやり取りなのだが…

「ねぇ、あなただぁれ?」
「いや、だから、アンタこそ誰よ」

何か、デジャヴ…ってさっきと殆ど変わらないじゃないの。
それにしても…誰かしらこの子…
髪の色は私やヤマメ、勇儀と似たような感じかしらね
あと、何時だかに来た魔法使いとも似てるわね…

「ねぇ!」

私が考えに少し耽っていると目の前の少女は若干声を荒げつつ

「あなたは誰!?」

そんな事をまたも聞いてきた。
流石に何時までもこんな状態は私も嫌ね。
仕方が無い、自己紹介でもしあおうかしらね。

「私は、水橋パルスィっていうの。アンタは?」
「パルスィ…パルスィっていうのね!」
「えぇそうよ、アンタh」
「パ~ルスィ~♪パ~ルスィ~♪」

何だこの子…
返答をしてあげたらいきなり近くを飛んでいた人形(この時まで気付かなかったわね)と一緒に、踊りの様な事をしてはしゃいでいた。
しかも心の底から笑っている様な…いや、実際にそうなのかもしれない。
まぁ、物凄く嬉しがりながら踊っている
そしてその姿を私が見ている。
傍から見たら全く理解できない状況ね。
私だったら確実に何やってるんだって目で見るわね。

「~♪」
「…」

つか、この子何時まで踊る気なの?
私が止めなきゃずっと踊ってるんではなかろうかって位の勢いね。
ていうか、いい加減"この子"って言うのにも疲れてきたわね…
それに何故こんな所に居るのかも聞かないと。

「ねぇ、アンタ…」
「~♪」
「ねぇ…」
「~♪」
「ねぇってば!」
「ふぇ!?」

私が声を少し大きくしたらやっと止まってくれた…
はぁ…こんなんじゃ怯えちゃうかしら…

「何?パルスィ!」

メッチャ笑顔なんですけど。
何で?大声に慣れてるの?それともそういう家庭なのかしら?
あ、そう思うと悲しくなってきた…
って、悲しくなっている場合じゃないわね。

「アンタの名前を教えて貰ってないんだけど」
「え?私?」
「そう、貴女」
「私は、"メディスン・メランコリー"よ!」
「へぇ、メディスンね…」
「うん!」

気持ちが良いくらいの笑顔ね。
じゃあ次に聞く事は…

「貴女は何でこんな所に居るのかしら?」
「え?何で?」
「そう、何で、よ」
「う~ん…」

いきなり考え込んでしまった。
何かしら他人には言えない事なのかしら?
でも、割と本気で考えてる…
妙な理由で此処に来たって事ではないっぽいわね。

「!」

考えは纏まったのかしら…
さて、理由は…

「分かんない!」
「…へ?」
「うん、分かんない!」
「何か目的があって来たんじゃないの…?」
「う~ん…そうも思ったんだけど…いつも通りフラフラしてたら此処に来ちゃったみたい」

フラフラってアンタはこいしか!
とでも、ツッコミたかったのだが、知らん奴の名前をだしてもメディスンが混乱するだけかと思い。言うのは止めておいた。

「さて、名前も此処に居た理由も聞いたけど…」
「?」

どうしようかなぁ…
それなりに私も地底には住んでる訳だが、この子…メディスンの名前は聞いた事が無い。
それに本人が言っていた"フラフラしていたら"っていう発言。
地底で見かけた事が無いって事は、メディスンは元々地上に居たがフラフラっと地底に来てしまった…
結論…ただの迷子か。
という事は、地上のどっかにメディスンの家があるのだろう。
そして、私がするべき事は…メディスンを家に帰すこと。

さて、実行に移して行こうかしらね…

「メディスン」
「何?」
「此処はとっても危険な場所なの」
「うん」
「貴女が此処に居たら危険だわ」
「何で?」

何で…そうねぇ…
良い理由は…

「貴女が此処にいると怖い妖怪に食べられちゃうわよ」
「え!?」

こういった理由で良いだろう。
現に少し不安になっているっぽいし。

「そう、同じ妖怪だって食べちゃうし、木や岩を食べちゃう妖怪だって居るのよ」
「えぇ、嘘…!?」

まぁ、嘘だが

「メディスンみたいな可愛い女の子なんてペロリと食べられちゃうわよ?」
「ひぅっ…!」

完全に怯えてるわね…
流石に、もう止めておきましょうかね。

「貴女、自分の家は分かる?」
「う、うん…分かるよ…」
「帰りたいと思わない?」
「か、帰りたい!」

ココまで言わせればいいかしら

「此処から出る為の道を教えてあげるわ」
「え、本当!?」
「えぇ、でも…」
「でも…?」
「道中危険な妖怪が出て来るかもしれないわね」
「!?」
「でも、私が着いて行くわ」
「え…?」
「私が着いて行けば大丈夫よ」
「え、本当!?」
「えぇ、だから安心しなさい」
「うん!」

素直すぎやしないかしら。
この子の将来が不安だわ…
さて、とっとと地上にでも行きましょうかしらね。

「さぁ、行くわよ」
「うん!」

"ギュッ"

ん?
右手に何か感触が…
ってなんだ、メディスンと手を繋いでるだけか
でも、何か違和感。何だ…何か変な感じが…
それに今思えば、普通にメディスンを"人間"として見ていたが
ただの人間が地底にまで来れるものなのか?

また、私が考えに耽っていると

「パルスィ?どうしたの?」

メディスンが此方を見つめていた。
ま、メディスンが人間だろうがそうじゃなかろうがどうでもいいか。
メディスンはメディスン。
その事に変わりはないのだから。

「別に何でもないわよ」

そう言って頭を撫でてやると

「えへへ…」

少しはにかみながら笑ってくれた。






──出口到着──





「あ、出れたぁ!」
「本当、サックリ出れたわね」

存外あっさり出れたものね。

因みに、途中でヤマメが顔にを糸でグルグル巻きにして天井からぶら下がりながら

「マミったよ~マミったよ~」

とか言いながらぶらんぶらん揺れていた。
キスメは心配そうな表情をしていた。
多分、息苦しくないのかな?とか思っていたのだろう。
因みに私は冷めた表情をしながら無視して歩いて行った。

メディスンは頭上に"?"が浮いている様な状態だったので、取り敢えず

「あういう妖怪も居るのよ」

と、言っておいた。

無視して暫く歩いたら

「無視か~い!」

って聞こえてきたが無視を決め込んだ私の前では無意味だった。

まぁ、その後は特に何かある訳でもなく平和な道のりだった。

「さぁ、貴女の家はどっちかしら?」
「う~んとねぇ…あ!」
「ん?」
「幽香!」

考えていたと思ったら突然顔を上げて振り向いた。
"幽香"?人の名前かしら?
向こうに居るのかしら…!?

「幽香~!」

メディスンが走って駆けて行くが、今は気にしてる場合じゃない…
あの幽香って奴、恐ろしいほど妖力出してる…
思いっきり威嚇してるわね…
もしかしなくても、私がメディスンを連れて行ったと思っているわよね…


「アナタがメディスンを地上まで連れて来てくれたのかしら?」
「えぇ、そうだけど…」
「本当かしら…?」

やっぱり、疑っているわよね…
怪我の一つは覚悟しなきゃかしr

「そうだよ!パルスィが連れて来てくれたんだよ!」

メディスンが私と幽香の間に入って幽香に言い放った。
私は少し驚いたが幽香の顔を見ると私よりも驚いている様子だった。

「パルスィは私の為に、怖い妖怪が出る道を一緒に着いて来てくれたんだよ!

「それに、とっても優しいんだよ!」

「それに、それに…」
「もう、いいわ」
「え?」
「貴女がそう言うのならそうなんでしょうね」

幽香が優しく微笑みながら幽香がメディスンの頭を撫でつつ宥めていた。

「うん!うん!パルスィは優しいんだよ!」
「はいはい、分かったわよ」

メディスンには甘いのかしら…
まぁ、何はともあれ怪我せずに済んだのかしらね…

「それじゃ、帰るわよ」
「うん!…あ!」
「どうしたの?」
「ねぇ、パルスィ!」
「な、何かしら?」

てっきり、さっさと帰ると思っていたので少しビックリした。
何だ?何か要望でもあるのだろうか?

「次もパルスィの所に遊びに行ってもいい?」

次も…か。
まぁ、実際に次があるかどうかは別よね。
つか、幽香の視線が恐いんだけど…断ったら恐ろしい事がまってそうね…

「そうね…」

まぁ、

「一人で来ないんだったら来てもいいわよ」

断る気なんてさらさら無いけど。

そんな事を言ったら、メディスンは目を輝かせながら

「本当!?やったぁ!」

と、言ってくれていた。
まぁ、こんな可愛らしいと幽香があんな態度になるのも分からないでもないわね。

「じゃ、また今度ね!」
「えぇ、また今度」

メディスンは幽香に連れられて手を振りながら帰っていった。
多分、私が見えなくなるまで手を振っていたのだろう。
正直疲れたが…次来た時には旧都にでも行って買い物でもしに行こうか…

そんな事を考えながら私は地底に帰って行った。
・メディスンは純粋な子!
どうも6度目まして、ポルタです。

・書き方を試験的に変えてみましたが…どうでしょうか?
何か不備があればご一報を!

・あ、因みに幽香との絡みは書きません。えぇ、書きませんとも。
あんまし、見かけない絡みを書く事が楽しいのでね!←

・次回は…聖さんですが…もしかしたら学園モノか地底のドタバタ挟むやも
さっさと聖さんの書けよ!って言われればなるべく早めに投稿するように善処はします。

・それでは、次の作品までバイバイ(@ω@)ノシ

※8/25にてコメント返信

1番さん:パルスィは流されないイケメン!
そして描写か…ご意見ありがとうございます!

奇声を(ryさん:メディスンは自分の中でのイメージはこんな風です!

リクエストして下さった方:得な作品を書けて良かったです!

コメントありがとうございます!
糧にしながら、次も書いていきます!
ポルタ
http://twitter.com/#!/10ga
コメント



1.名前が無い程度の能力削除
メディ可愛い
あのパルスィが流されてい……なかった、結局イケメンかよ! なんしても可愛いです。
あともっと情景描写を増やしてくれるともれなく私が悶えます
2.奇声を発する程度の能力削除
メディスンが無邪気で可愛いすぎる…
3.リクエストした人削除
仕事から帰ってきたら念願のメディパル来てるじゃないですかやったああああああああああ
メディは素直カワイイしパルスィはお姉さん優しいしまさに俺得yahoooooooo!